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このたび、宇陀市長選挙におきまして、市民の皆さまの力強いご支援とご厚情をいただき、市長の重責を担わせていただくことになりました。使命の大きさ・責任を厳粛に受け止め、宇陀市政発展のため、全力で取り組んでまいります。
さて、私が学んだ土木工学は英語では「シビルエンジニアリング」と言います。文字どおり「市民のための工学」「平和のための工学」です。高校生の時に「皆で力を合わせて黙々と社会を支える」その格好良さに憧れてこの道に進んだように思います。その気持ちは今も変わりません。
これからは市長という立場で市民の皆さまの安寧な暮らし、地域の活性化に取り組み、子どもたちの明るい未来のための礎(いしづえ)となるよう努めてまいります。
これまで勤務していた県では、社会資本の企画・整備を通して地方創生に携わりました。特に都市計画・まちづくりにおける市民や関係機関との連携・調整の中で行政のマネジメント力も鍛えられたように思います。
平成23年の紀伊半島大水害は、百年に一度という災害で、たくさんの山崩れが発生しました。当時現場事務所の所長として最前線で復旧を指揮しました。
ピンチの時にはリーダーの能力・人格など総合力が試されます。所員全員が持ち味を発揮し、チームワークでなんとか頑張ることができました。
また、県のまちづくりの責任者として全国でも先進的な「県と市町村との連携によるまちづくり」を推進しました。広域的な観点からまちの良さを引き出すために駅前や観光地、病院、学校、行政等施設周辺で地域活性の拠点づくりを進めました。宇陀市では平成27年に、県と宇陀市4拠点とのまちづくり連携協定を締結しました。
宇陀市は、県東部の中心都市としての役割が期待されています。大都市圏に近く国土軸に位置する高原都市として全国と競える力があります。人口減少・少子高齢化など厳しい現実に直面していますが、地の利・自然・歴史・文化・産業と宇陀市には多くの宝があります。なにより宇陀を愛して頑張っておられる皆さまがいます。多くの宇陀の方との良い出会いを自らの財産として大切に育んでいきたいと思います。
これからのまちづくりは皆さまと一緒に、オール宇陀の底力をどれだけ発揮できるかにかかっています。伸びしろがいっぱいです。県や国と積極的に連携することで発展の可能性も広がっていきます。わくわくします。
先月の初登庁で、市幹部職員に「きびしい時代、変化を乗り越えるのはリーダーの明るさです」と話しました。中国の故事を引用して、「行動を起こすとき、リーダーに誠実さや正直さから発する明るさがあれば部下は、「なんとかなる、仕事はやりがいがある」と感じて実力以上の力を発揮します」と伝えました。うれしいことに最近、職員がずいぶん明るくなったと聞きます。
新型コロナウイルスが市民生活のあらゆるところに影を落としています。今こそ市役所が実力以上の力を発揮すべき時です。力を合わせてこの危機を克服しましょう。
「赤ちゃんから高齢者まで、障がいのある人もない人も、ともに明るい希望をもてるまちづくり。誰ひとりおいていかないまちづくり」の理想に向かって一つひとつ取り組んでまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
うだチャン11(令和2年8月1日~10日放送分)