本文
日程 |
内容 |
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日程第1 |
一般質問 |
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地域自治区廃止後の宇陀市まちづくり振興の実施状況と財政の健全化について | ||
国民健康保険税の資産割課税を廃止して住民負担の引き下げを | ||
議員番号 | 氏名 | 議員番号 | 氏名 |
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1番 | 勝井太郎 | 2番 | 高見省次 |
3番 | 堀田米造 | 4番 | 井谷憲司 |
5番 | 上田徳 | 7番 | 峠谷安寛 |
8番 | 大澤正昭 | 9番 | 井戸本進 |
10番 | 中山一夫 | 11番 | 多田與四朗 |
12番 | 山本繁博 | 15番 | 高橋重明 |
16番 | 小林一三 |
8番、山本良治、14番、山本新悟
役職 | 氏名 | 役職 | 氏名 |
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市長 |
竹内幹郎 |
副市長 | 前野孝久 |
教育長 | 喜多俊幸 | ||
総務部長 | 菊岡千秋 | 企画財政部長 | 井上裕博 |
市民環境部長 | 大西茂 | 健康福祉部長 | 覚地秀和 |
農林商工部長 | 仲尾博和 | 建設部長 | 吉岡博文 |
教育委員会事務局長 | 出口裕弘 | 水道局長 | 藤本隆志 |
市立病院事務局長 | 竹内均 | 会計管理者心得 | 栗野肇 |
介護老人保健施設さんとぴあ榛原事務長 | 笹次悟郎 | 文化スポーツ振興団事務局長心得 | 中西靖記 |
大宇陀地域事務所長 | 南勉 | 菟田野地域事務所長 | 徳田準一 |
室生地域事務所長 | 松岡保彦 | 市民環境部環境対策課長 | 堂芝一成 |
農林商工部農林課長 | 森井清秀 |
午前10時01分開会
議長(中山一夫君)
ただいまの出席議員は13名であります。
6番、山本良治議員、病気療養のため、14番、山本新悟議員、一身上の都合のため欠席届が出ております。これを受理いたしております。
定足数に達しております。ただいまから、平成23年第3回宇陀市議会定例会を再開いたします。
これより日程に入ります。
本日の議事日程はお手元に配付のとおりでありますので、朗読を省略いたします。
議長(中山一夫君)
日程第1、一般質問を行います。
第3日目に引き続き、残り4名の方の一般質問を行います。
一般質問の取り扱いは御承知のとおりでありますので、説明は省略いたします。
それでは、順次質問を許可いたします。
初めに、5番、上田徳議員の質問番号6番「地域自治区廃止後の宇陀市まちづくり振興の実施状況と財政の健全化について」の質問をお受けいたします。
5番、上田徳議員。
5番(上田徳君)
おはようございます。議席番号5番、上田徳でございます。ただいま議長から質問の許可をいただきましたので、通告内容に従いまして一般質問をいたします。
質問に入る前に、12号台風あるいは昨日の15号台風と、それぞれ大きな台風被害に遭われまして、そして不幸にして亡くなられた方々や、また被害に遭われた方々に対しまして心からお悔やみと、被災された方には深甚のお見舞いを申し上げたい、このように思います。今月の2度の台風災害に際しましては、各地の消防団員の皆様には昼夜にわたりまして警戒や巡回を実施していただき、市民の生命、財産を守っていただいたことに、ありがたくお礼を申し上げたいと思います。また、政府はこの12号台風に対しまして、奈良県全域に激甚災害の指定をいただいたとお聞きしております。ありがたいことでございますが、自治会や、また担当の職員さんの職務もふえるわけでございます。どうか関係者の方々の御協力と御努力をお願いいたしたいと思います。
市長の開会のあいさつでも触れておられましたけれども、先月、8月20日と21日の2日には、旧4町村の会場において第2回のタウンミーティングが開かれ、市民参加型行政を目指し、市民と市長が直接対話を行い市民の声を市政に反映していくということを目的として、主要課題の説明と東日本大震災への支援報告、東北地方での震災支援の活動報告をテーマに行われました。御参加をいただいた住民の皆さん、本当に御苦労さまでございました。
また、8月23日には、宇陀市制施行5周年記念として、NHK夏期巡回ラジオ体操・みんなの体操会イン宇陀が宇陀市立総合運動場で開催されました。当日は、市長からも報告がございましたとおり、2500名の方々の参加者が集まり、NHKの多胡肇さんの体操指導のもとで、宇陀市民の元気を全国、全世界に届けと盛大に行われました。この催しは、昨年12月の定例会で竹内市長、喜多教育長に、宇陀市制5周年記念行事として市民の皆さんが一堂に会して楽しい1日を過ごすイベント、市民体育祭の開催を呼びかけて、地域自治区の廃止後に、より地域間交流を深める一助としてはと申し上げたことが行政当局の御理解をいただき、みんなの体操会イン宇陀市につながりました。今後は今回のこの経験を生かし、類似市同様、ぜひ市民体育祭の実施に向けて醸成の育成と環境の整備にひとつ期待をしていきたいと思います。
このように、災害や夏祭りのイベント等市民の皆様の多くの御意見や課題に対し、市長を中心に行政サービスの向上と地域の安全・安心を守っていただくため奮闘いただく職員の皆さんに敬意を申し上げ、質問に移ります。
それでは、通告いたしました宇陀市まちづくり振興策の実施状況と財政の健全化について、質問趣旨に基づきお尋ねをしてまいります。
市長はかねがね「高原の文化都市、四季の風薫る宇陀市を目指して」というフレーズといいますか、キャッチコピーと申し上げるか、そのようなことを市民や職員に事あるごとに情報発信をされております。市長は市民の期待を正面から受けとめ、「優しさ」、「共存協働」、「創造する地域づくり」をモットーに市長としての責務を果たす決意を表明されており、市政を遂行するに当たり、まちづくりのビジョンについて、みんなで住みよい新しいまちづくりをしましょう、また将来につながる施策と投資もしましょう、そのためには行政改革に協力をしてくださいと訴えておられるわけでございます。
宇陀市のまちづくり振興策の実施状況と財政健全化について、特に地域自治区廃止後の宇陀市まちづくり振興の進め方については、地域協議会廃止後のまちづくりをどのように進められているのか、実施状況について説明を求めてまいりたいと思います。
社会インフラの整備については、旧地域自治区を中心に、特に社会基盤の脆弱な周辺地域に対する基盤の整備について、ハード事業、ソフト事業を含め、安心して暮らせる高原の文化都市の観点から、社会資本をどのように傾注し、整備されるのか、説明を求めたいと思います。
宇陀市1丁目1番地と9丁目9番地では、おのずと視点が変わっている内容となるのではないかと考えるところでございます。徒歩で電車やバス、タクシーに乗れて病院に来られる地域とそうでない地域では、おのずと求めておられることも違っている。そういった地域の声をよく聞いていただきたいと思います。
次に、ソフト事業の内容とその進め方については、地域の建設的な声をどのような仕組みで吸い上げ、把握するのか、その仕組みの提案と説明を求めたいと思います。
職員の皆さんの研修やあるいは経験あるいは感性からの発想、起案による政策が中心であるが、市民、住民の多様なニーズの中に、経験を生かして生活の中から得た貴重な提案や意見が提案されているが、なかなかそれが受けとめられていかない。ソフト事業はイベント開催だけではないと思います。地域の生活環境の改善や、暮らしを守り高める仕組みがつくれる事業機関としての役割が果たせるソフト事業の設置の考え方が求められると思いますので、その点をよろしくお願いします。
3番目に、非常に日本全体での問題でもございますけれども、少子高齢化社会の現実をどのように把握し、何々をしていますという施策の説明ではなく、現実をとらまえて、特に高齢者に対する今後の進め方について、方針と考え方を所管の健康福祉部の考え方とそれに合った形でのそれを踏まえて各部の取り組みの方針があるのではないかと思いますので、その点の説明をいただきたいと思います。
例えば宇陀市全域で耕作放棄地や未整備森林等の問題は、農家や林業家の高齢化と深い関係があるわけでございます。宇陀市の基幹産業として標榜していながら、重大な問題であると考えておりますので、そういった部分からも、ひとつ御発想の部分をお答えいただきたいと思います。
このようなことから、次に各部や局におけるまちづくりの振興策に寄せる計画と実施状況についてお尋ねをしていきたいと思います。
前回の一般質問において、山本繁博議員からも同類の質問があり、各部局長、地域事務所長のほうから答弁をいただいてまいりましたが、今回は事業課におけるそれぞれ特色のある事業施策について、また、「高原の文化都市、四季の風薫る宇陀市」を目指して各部が取り組んでいる内容について、市民とともに進めていく各部局の施策の基本的なものは何なのか、こういった点で、政策理念ではなく実際に取り組まれている事柄について、「高原の文化都市、四季の風薫る宇陀市」を提唱する観点で各部課が具体的にどのような施策を展開しているのか、またされようとしているのか、代表的な例で結構でございますので、ふさわしい具体例を示しながら取り組み内容について、見てくださっている視聴者の皆様方に理解できる内容で説明を簡潔に答弁をいただきたいと思います。
あわせて、財政健全化についてでございますけれども、市長メッセージに、借金に依存した極めて厳しい状況にあり、大きな負債を抱えていますとあるわけでございますが、日本の自治体で国からの借金に依存しないで運営ができている自治体があるのか、この点についても確認をさせてください。
また、借金に依存した極めて厳しい状況を改善するための方策が宇陀市を萎縮させていないか。財政の健全化と産業の振興策、地域の活性化策との整合性はどのようにされようとしているのか。国が経済対策として補正予算が自治体へ交付されたとき、自己財源が確保できない理由や起債を発行しない理由等で、今後は財政再建のためのこういった補正予算を返上するのか、それとも維持のために起債充当によって事業の採択を受けるのか、選択と集中の基準を明らかに示していただきたいと思います。
最後に、冒頭に述べました第2回のタウンミーティングについて、今後への生かし方の観点でお尋ねをしてまいりたいと思います。
市長はタウンミーティングで、市民参加型行政を目指し、市民と市長が直接対話を行い市民の声を市政に反映していくことを目的として、昨年に引き続き宇陀市タウンミーティング2011を開催しますと広報に記載をされております。
そこで、タウンミーティングへの参加広報について、また、参加者からの質疑をどのようにとらまえて、どのように生かそうとされているのか。
最後に、職員の皆様方のタウンミーティングに対する受けとめ方はどうであったのか、参加スタンスはどのようなところに置かれていたのか、主催課所としての所感をお尋ねし、壇上からの質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。
議長(中山一夫君)
井上企画財政部長。
企画財政部長(井上裕博君)
企画財政部から、ただいまの上田議員の質問、社会インフラの整備について、ソフト事業の進め方について御答弁させていただきます。
まず、1点目の社会インフラの整備についての進め方でございます。
宇陀市は平成18年に合併いたしました。その直後の宇陀市のまちづくりは、旧4町村で構成されました合併協議会が策定した新市まちづくり計画に基づき進めてまいりました。この新市まちづくり計画は、旧4町村がそれぞれに策定しておりました総合計画や基本計画の方向性を調整して作成されたもので、新生宇陀市の一体感を醸し出すため、合併直後の厳しい財政状況の中にありましても、重点施策でありますケーブルテレビの市内全域での整備や現在進めております市立病院の整備を着実に進めてまいりました。
この新市まちづくり計画の理念を継承し、新たな宇陀市のまちづくりの根本となるものが平成20年に策定されました宇陀市総合計画でございます。この宇陀市総合計画の策定に当たりましては、中学生を含む4000人の市民にアンケートを実施するとともに、地域協議会の意見聴取等も行われました。最終的には市議会議員の方にも加わっていただく20人の有識者で構成されました宇陀市総合計画審議会の答申を得て、市議会の議決をいただいた計画でございます。現在の宇陀市は、この宇陀市総合計画を根本にして、まちづくり、そしてインフラ整備を進めているところでございます。
議員御指摘の地域間の格差といいますか、濃淡の問題ということでございますけれども、私どもはこの総合計画をもとに、市民の皆様やそれぞれの地域が抱えておられる課題、緊急度、必要性、財源、そして費用対効果ということを検討いたしまして、各予算査定の段階で事業採択を検討しているところでございます。当然ながら、市議会での議論も反映させていただいております。そういう議論の結果、生まれてきておりますのが、例えばワールドメイプルパーク事業であり、室生地域のバス運行にかわるデマンドタクシーではないかと理解いたしております。
昨年、竹内市長が就任されてから設置されました庁内の部長級によります政策調整会議においても、すべての部署からの意見も調整し、検討して結論を出しているところでございます。
特に菟田野地域、室生地域におきましては、宇陀市過疎地域自立促進計画を策定し、人口の著しい減少と著しい高齢化により活力が低下している地域において、財政的な国の猶予策とも言えます過疎債や辺地債を活用して、振興策、定住策に取り組んでいるところでございます。
現在、総合計画の後期基本計画の策定作業に着手しておりますが、今後もこれらの考え方を堅持し、調和のとれた宇陀市の発展に寄与する計画を策定していきたいと考えております。
次に、ソフト事業の進め方についてのお尋ねでございます。
上田議員から御指摘のあった地域協議会は、宇陀市が合併した平成18年からそれぞれの旧4町村、地域自治区に一つずつ市が設置し、ことし3月末までの間、所管区域内に関係する事項について審議してきていただいておりました。権限としては、市長その他の市の機関から諮問されたものや必要と認められる事項について審議し、市に意見を述べること、また、宇陀市の大きな方針決定や変更をするときには地域協議会の意見をお伺いし、そういう役割を担ってきていただいておりました。ことし4月から地域自治区は廃止いたしましたけれども、これまさに宇陀市は一つという名のもとに行政を進めておるところでございます。
そこで、上田議員からはソフト事業に対する地域の声をどのように吸い上げるのかというお尋ねでありますが、現在私どもではまちづくり支援課を設置し、まちづくり支援課のほうでまちづくり協議会というようなものを設立するということで進めております。これが大きな核になると考えております。
現在の宇陀市において最も必要なこと、これは地域住民の一番大切な原点であります地域の活力であると考えております。まちづくり協議会は合併時の地域自治区の設置趣旨にも合致するもので、住民の行政への積極的参加と市と住民、住民と住民の協働によるまちづくりを進めるため有効な施策であると考えております。この協議会は宇陀市総合計画の基本計画とも整合しており、「みんなで創る協働と参画のまちづくり」ということでうたわれておる総合計画を具現化するものであると考えております。
現在まちづくり協議会の設立に向けては、今年度、制度の確立を図るために、まちづくり協議会準備委員会というものを設立いたしまして、自治会長の皆さんや各種団体の方々に委員になっていただき、意見をいただいておるところです。来月には先進地の視察も予定しているところでございます。
今後各地でできるだけスムーズなまちづくり協議会の立ち上げが行えるよう、議員の皆様を初め、関係団体の御協力をお願いいたすとともに、私どもの市といたしましても充実した体制を庁内に立ち上げていくよう検討を進めてまいりたいと、このように考えております。
以上、1番目、2番目の質問についてのお答えとさせていただきます。
議長(中山一夫君)
覚地健康福祉部長。
健康福祉部長(覚地秀和君)
失礼をいたします。ただいま少子高齢化社会の現実をどのように把握して、高齢者に対する今後の進め方の方針、所管の健康福祉部の考え方を問われましたので、健康福祉部のほうから答弁をさせていただきます。
本市におけますこれまでの人口動態の特徴は、就業の機会が限られたために若者が都会へ流出するために起こる社会減を主とする人口減少でしたが、今後は少子高齢化の影響により、人口の自然減や高齢者人口が年少人口、生産年齢人口を上回ってしまう人口構造のアンバランス化による地域活力の低下を引き起こすことが懸念されております。
国立社会保障・人口問題研究所が出しています日本の市町村別将来推計人口によりますと、団塊世代が後期高齢者を迎える平成37年には、本市の人口は2万7066人で、高齢化率は43.4%と予想されております。さらにその10年後の平成47年には、人口2万2038人で高齢化率は45.6%と宇陀市のシミュレーションが出ております。
このように、少子高齢化による本市の高齢者人口の増加は避けて通ることができず、地域力の低下による新たな行政需要や課題を克服していくためには、地域の力で支え合い、助け合うという地域力の向上とそれを補完していくシステムづくりが求められていると考えております。つまり、家族や地域のきずなが希薄になったと言われるように、自助、共助の維持、増強が最も大切であり、遠い親戚よりも近くの他人と言われるように、元気な高齢者が近所の支援を必要とされる高齢者等の見守りや生活支援を行ったり、また、地域力の低下によって支援を必要とされる地域を他の地域や団体が応援できるようにしたりするなど、補完性の原則に立って、今後立ち上げられるまちづくり協議会やNPO、ボランティア団体による活動をスムーズに行えるシステム・体制づくりの構築が今後求められていくものと考えております。
健康福祉部といたしましては、乳幼児から高齢者まで、だれもが住みなれた地域で安心して暮らせるよう、地域一体となったまちづくりに今後も努めてまいりたいと考えております。
以上です。
議長(中山一夫君)
菊岡総務部長。
総務部長(菊岡千秋君)
上田議員から御質問がありましたことに対してお答えをしたいと思います。
まず、竹内市長が第2代の宇陀市長として誕生し、その中で、一つにまちづくりの進行方向については、「高原の文化都市、四季の風薫る宇陀市」、これを目指すということで表現して、この間、住民の方々にもその市政進行に対する協力を求めていっています。これらにつきましては、市長の考えをやはり我々は幹部職員として、その実現に向けていろんな政策課題や状況の確認をしながら、この間、行政の中にそういう施策や推進方向を打ち立てて、住民の皆様にわかりやすくお伝えしていく、こういう務めがあろうかと思っています。
この間、市長が就任されてから1年半を経過してきたところでございますけれども、この高原文化都市あるいは四季の風薫るというキャッチフレーズの中には、これまで宇陀市が行政体として進めてきた行政のありようが、本当に今後将来に向かってそれを継続するだけでいいのかという大きな反省点も含めて提言をされているものと私は受けとめています。
そうした状況の中では、やはり今宇陀市が置かれている現状であります。その中には、今健康福祉部長が申し上げましたように、少子高齢化、こういった状況があります。これについては、どうしてもそういう日本全体が人口減少というようなこと、あるいは高齢化社会を迎えてきたというようなところの中では、宇陀市としても、それは現状として受け入れざるを得ないというところでございます。
ただ、この言葉を聞くにつれ、やはり市民としてはマイナスあるいは成長が阻害されているという状況として受けとめるわけですけれども、やはり宇陀市としては健康福祉部長が申し上げましたように、こういった状況の中では、子どもが育ちやすい環境づくり、子どもたちへ力点を置いたまちづくり、あるいは高齢化の中で高齢された方々がやはり輝くような、地域の資力となって尽くしていただけるような地域づくり、そういったところにも主眼を当てていかなければならないと考えています。
また、そうやっていく状況の中では、やはり今までの行政のありようを根元から変えていく、改革、改善というところは市長が大きく市民にアピールして、この選挙戦の中で訴えてき、それが市民に受け入れられて市長の座を果たされたという状況でございますので、我々もそういった状況にそぐいながら、市長の考え方を具現化させるために市長と徹底的に議論を交わしながら今後の行政のありよう、今までの行政の反省というところも十分踏まえてやっていくというように考えております。
そして、一つの政策のあらわれとしては、総務部が所管いたします中では、やはりこれからの時代の中には市民を中心とした協働の姿を求めていくというところが一つの行政のありようだと思います。そして、それらを実現していくという状況の中では、やはり行政が持ち得ている情報を的確に市民に伝えると、こういうところが我々に課せられた状況であろうかと思います。
市民の方々に情報を伝えるという作業の一つのあらわれとしては、ことし企画財政部で新たな取り組みとしてつくっていただきました主要施策集といったものについて、市民に対してこの23年度、宇陀市はこういった施策に取り組みますというところで、市民の方々にわかりやすく伝える方法として一つの試みとして行いました。これらについてもまだまだことしの取り組みでございますので、不備なところもあろうかと思いますので、また御意見をいただけたらと思います。
また、それをやはり市民の方々に丁寧に説明していくというような、ただペーパーで差し出しただけで市民におわかりいただけるとは考えていませんので、それらの状況も踏まえて、ことしタウンミーティングという中で、この施策集を中心にしながら市長がみずから自分の考え方なり、こういった部分で予算立てをしてきましたというところを丁寧に説明する機会を持たせていただきました。残念ながらですけれども、やはり参加の方々が少なかったという状況がございます。ただ、宇陀市だけがタウンミーティングを実施しているわけではございませんでして、奈良県の中でも奈良市や御所市というような先進の市もタウンミーティングをされています。それらの状況を確かめましても、やはり参加の数が非常に低調であると、人口にいたしますと、1%ぐらいかそこらの参加でとどまっているという現状がございます。
しかし、宇陀市もこのタウンミーティングにつきましては、去年そしてことしというような回数がまだ2回目でございます。いろんな状況の中で、今後たくさんの方々がこのタウンミーティングに参加していっていただけるような状況をつくっていかなければならないと思います。
ことしのタウンミーティングの開催の結果を少し御報告を申し上げたいと思います。
8月の20日と21日、市内の4会場、旧の自治区の地域を地域割りとして4会場でタウンミーティングを行いました。延べ168人の市民の方々の参加でございました。ことしについては、先ほど申し上げました市の主要施策を施策集に基づいて、市長からその施策の考え方、予算配分の考え方等について御説明を申し上げました。また、ことし3.11の東北大震災、関東地方の大震災に向けまして、宇陀市も積極的な支援対策を被災地に向けて行ってきました。それらについて市民の方々に的確に報告していこうということで御報告を申し上げましたし、それを今後の宇陀市の危機管理にどう生かしていくのかというような方向も含めて御説明を申し上げてきました。
このタウンミーティングの周知の方法につきましては、広報うだ7月号、8月号に掲載しましたし、市のホームページあるいはうだチャンというような、あらゆる市の持ち得ています広報周知のツールを使って市民の方々への参加を求めてきたところでありますけれども、やはり参加の数がなかなか伸びなかったというのが現状でございます。
これらについては、去年もタウンミーティングを実施したんですけれども、去年は、やはり合併後の宇陀市のまちづくりをどう考えていくかというような地域自治区の存廃について市民の意見を問うという明確な市民への意見を聞くという課題がありましたので、若干ことしよりも参加が多かったという状況でございますけれども、やはり数としては市全体の人口の1%にも満たないという状況であったことは確かであります。
今後こういった状況を踏まえながら、やはりタウンミーティングは市長の考え方を直接市民に伝える、あるいは市民からもいろんな意見提言をいただく、まさしく市民主役のそういった行政づくりの大きなそういう機会であるという観点からも、もっともっとやはり住民の方々が参加しやすい、もっと参加の数を募れるというようなタウンミーティングのあり方を来年度以降も探っていきたいと思っています。
それから職員の参加のあり方でございますけれども、やはり職員としても、こういった機会にぜひ市民の方々の生の意見を聞く機会だということのとらえと、やはり自分も一住民、市民として意見があれば、やはりその場で堂々と市民あるいは職員としての立場も含めて意見提起をしていただければと思いますけれども、なかなかやはり職員としての意見提起は今回はなかったと思っています。
それと、やはり時間的な制約もあって、なかなか参加の意見集約というところでございますけれども、限られた数の方々しか意見をいただくことができませんでした。そういった状況を克服するために、参加の方々にアンケートをとらせていただきました。それらのアンケートにつきましても、参加168人中おおむね100人以上の方々のアンケートをいただくことができました。それらについては今意見集約、アンケート集約が整いましたので、速やかに宇陀市のホームページを通じて市民の皆様にも御報告できるように今準備を整えている最中でございます。
以上、私のほうから上田議員に対する1回目のお答えとします。
議長(中山一夫君)
井上企画財政部長。
企画財政部長(井上裕博君)
もう1点、上田議員のほうから御質問がございました各事業課における市長の「高原の文化都市、四季の風薫る宇陀市」ということについての事業課の取り組みということでございます。
企画財政部として簡単に申し上げさせていただきますと、私どもでは、やはり企画課とまちづくり支援課を中心として、市長の標榜されておられます四季の風薫る宇陀市ということで取り組んでおる状況といたしましては、やはり市長のキーワードは地域の活力であり、市と市民の協働であり、定住促進であると考えております。
まちづくり支援課では、今年度からまちづくり活動応援補助金ということで、イベントということではなく、市民に根づいた活動を応援していくという取り組みを行っております。婚活支援ということも定住促進ということで取り組んでおります。地域公共交通の充実ということについては、これは企画課のほうで、やはり市民の皆様、市内全域にわたっての取り組みということで進めております。
今後も企画財政部としては、こういう方面でソフト事業として取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
大西市民環境部長。
市民環境部長(大西茂君)
市民環境部の取り組みといたしましては、市民課では人口動態について、あらゆる基礎数値として活用されるもので、毎月人口の移動状況等につきまして市のホームページ等に記載しております。御承知のこととは存じますが、宇陀市の人口は合併後、毎年700人弱の人口が減少している状況にあります。このうち半分以上は社会的減少、つまり転出によるものでございます。
このようなことから、少しでも住みよい環境をつくるため、また子育てを支援するため、昨年10月診療分から、小学校卒業までの入院時の食事負担を除く医療費の自己負担を無料化とさせていただきました。また本年4月からは、中学校卒業までの医療費の自己負担を無料とさせていただきました。
今後は転入、転出される方々の御意見をいただきながら、プライバシーの問題もありますが、今後の政策に反映してまいりたいと考えております。
議長(中山一夫君)
覚地健康福祉部長。
健康福祉部長(覚地秀和君)
失礼いたします。
健康福祉部といたしましては、平成23年度の主要施策でもあります高齢者の見守り支援事業、これに取り組んでおります。この事業につきましては、地域の住民、行政、民間事業者を含む関係機関等官民協働によりまして高齢者を見守る共助の新たな取り組み支援を行うもので、だれもが住みなれた地域で自分らしく安心・安全に暮らせる地域づくりを目指すもので、高齢者等見守り隊を編成しようとするものです。高齢者を地域全体で支え合うネットワークを推進するために設立されました宇陀市高齢者安心安全ネットワーク推進委員会を中心に、現在その検討をいただいております。
高齢者等見守り隊は、高齢者等に異変があった場合、通報・連絡を行う高齢者等おしらせ隊と、モデル地域を定め、ボランティアを中心に高齢者等の見守り、安否確認、身近な支え合いを行う高齢者等サポート隊の二つを総称したものでございます。
高齢者等おしらせ隊につきましては、従来の宇陀市安心安全ネットワーク推進委員会の構成員に加えまして、市長が定めます高齢者等の見守りにかかわる民間事業所、牛乳・新聞・宅配など配達関連事業者、ガス・電気・水道などのライフライン検針関連事業者に協力を求めまして、官民協働で地域の高齢者等の異変を察知し、通報・連絡体制の連携を図ることで、高齢者の安心感の提供と孤独死等の防止を目的に組織するものでございます。
なお、経過報告といたしましては、今後10月に高齢者等の見守りの協力事業所への説明会と募集を予定しておりまして、11月には市と協力事業者の間で協定書の締結を予定しておるところでございます。
以上です。
議長(中山一夫君)
仲尾農林商工部長。
農林商工部長(仲尾博和君)
農林商工部の仲尾です。よろしくお願い申し上げます。
農林商工部に関することにつきましては、質問の中で耕作放棄地、未整備森林についても挙げていただきましたけれども、まず農業関係につきましては、現在認定農業者や新規就農者の増加が見られておりまして、しゅんの野菜を届けることとあわせまして、安心・安全な野菜づくりを目指しておられます。そこで担い手の育成、経営改善等々、それと御質問にもありました耕作放棄地につきましては、農業委員会のほうでも取り組んでおられますし、例えば水と農地活用促進事業によります農業基盤整備など、国・県の施策にあわせまして市の支援策を行っているところでございます。
なお、今年度より農業支援基金を原資といたします暗渠排水設備、雨よけハウス設置、それと重機借り上げなどの各事業を通して、さらなる農業振興を進めてまいりたいと思います。
次に、林業関係につきましては、宇陀市の林野率は約74%を占めておりまして、おっしゃるとおり、森林の維持管理が重要な課題となっています。
今、森林を木材生産林と環境保全林に区分することで、所有森林の利活用を明確にいたしまして、木材を生産することは言うに及ばず、水源の涵養、国土の保全等々の多様な機能を発揮できるように調査、啓発等を行っております。
なお、ほかの事業につきましては、県の森林環境税によります緊急間伐事業を初め、森林整備に関する事業などを行っております。今後の木材利用拡大につなげてまいりたいと思っております。
商工観光につきましては、やはり一人でも多くの方にこの宇陀市に訪れていただくことが地域あるいは商工業、地場産業などの活性化につながるものと考えております。宇陀市に多くあります観光スポットを有効に活用し、うだ観処での観光案内、電動アシスト自転車の利用促進など、東大和西三重観光連盟など広域的な連携をもとに、観光キャンペーンを通して滞在型観光型集客を図ってまいりたいと思います。
毛皮革産業につきましては、毛皮革産業の振興と活性化を図るため、毛皮革フェアInutanoあるいは毛皮革ファッションフェアを開催しているところでございます。
有害鳥獣対策につきましては、捕獲用おりの増設、狩猟免許取得に対する補助、防護さくの設置補助などを実施しているところでございます。
具体的には以上でございます。
議長(中山一夫君)
吉岡建設部長。
建設部長(吉岡博文君)
それでは、建設部のほうから答弁いたします。
建設部は建設課、営繕課、公園課、管理課、都市計画課の5課でそれぞれのまちづくり事業を行っております。代表的なものといたしまして、今回、都市計画課が所管します宇陀市の都市計画について答弁をいたします。
宇陀市は室生地域を除く全域を都市計画区域と定めております。これは、都市として総合的に整備し、開発し、保全する必要がある区域として、市街化区域、市街化調整区域に区分されています。この区分区域制度は、無秩序な市街地の開発や拡大の防止や農業振興区域、自然公園区域、地域森林整備区域、文化財の保存区域等について開発行為を制限するための制度でございます。
良好な住環境の整備、定住環境の整備、人口流出の防止、自然環境の保全等、安心・安全で快適なまちづくりを基本理念として、「高原の文化都市、四季の風薫る宇陀市」を目標に、市民が暮らしやすいにぎわいのあるまち、特徴を生かした施策に取り組んでいます。
現在取り組んでいます主な事業を紹介いたします。
新市まちづくり計画に基づきまして、都市再生整備計画を地域の皆様の御意見やアンケートをちょうだいいたしまして策定しております。平成20年度より、まちづくり交付金事業を活用し、都市計画道路東町西峠線の事業や、中心市街地の活性化のための取り組みといたしまして、商店街の街路灯のつけかえ事業、歴史的建造物の保存調査及び改修工事、観光案内所の建設、地域コミュニティの活性化等のソフト事業の推進をしてまいりました。
また、市街化調整区域におきましては、人口の減少や少子高齢化が進み、地域コミュニティの維持が困難になりつつありますので、農山村の自然と調和した魅力ある住環境を維持させるため、定住促進対策及び住宅促進の一つとして、一戸建ての住宅が建築可能な制度として都市計画法第34条に規定される50戸連担制度を平成20年度より取り入れてきております。
今後宇陀市としても市街化調整区域の有効活用も含めまして、宇陀市の担い手づくりのため基盤整備を充実させ、商工業、農林業の活性化を促し、若者定住と地域交流の場所づくりと、だれもが安心して住み続けられる環境づくりを地域と協働で行い、他のまちにはない魅力あるまちにしたいと考えております。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
出口教育委員会事務局長。
教育委員会事務局長(出口裕弘君)
失礼します。教育委員会のほうからお答えさせていただきます。
先ほどからの少子高齢化の問題であります。それに加えまして核家族化が進む中で、生涯学習の重要性が増しております。一人一人が心豊かな人生を過ごすことができるように、生涯にわたって学習を継続し、その成果を適切に生かせるような状況をつくるために、公民館等では地域性を生かした講座の充実や自主グループの育成や支援、生涯学習の情報の提供、伝統文化・芸術活動の充実、スポーツ・レクリエーションの充実などによる健康増進あるいは体力維持を図っています。生涯スポーツの機会や情報提供などを行い、心豊かな人生を過ごし、自分らしく潤いのある生き方ができるように考えております。
学校教育では、未来を担う子どもたちがこれからの社会において必要となる生きる力、人生豊かな総合力を身につける取り組みを日々実践しています。
今年度から子育てに関しまして、子育て支援センター、子育ての悩みや不安をサポートする事業が始まっております。社会情勢が大きく変化する中で、保育所や学校だけではなく、家庭や地域などの結びつきが希薄になっております。社会全体で子どもたちの教育に取り組むことが非常に大切と考えております。学校、家庭、地域の連携を密にして一体となり、教育力の向上に努め、心身ともに健康な人間の育成、知・徳・体のバランスのとれた力をはぐくむ教育を進め、健康で明るい子ども、感性豊かな子ども、思いやりのある子どもの育成、保護者とともに具体的な実践を行ってまいっております。
青少年におきましては、地域で支え合い育て合う活動推進や心に響くあいさつ運動などを行っています。今後も明るいつながりのある心のまちづくりとして進めてまいりたいと思っております。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
竹内市立病院事務局長。
市立病院事務局長(竹内均君)
病院事務局、竹内でございます。上田議員さんの質問事前通告に基づきまして、病院としての施策の方向性について御答弁申し上げます。
まず、特化した診療科目の設定についてでございます。
現在まで市立病院といたしまして、地域住民の医療を守ることを重点として、また市民、議会等からの要望等も酌み入れまして、利便性の高い、あるいは効率的な診療科目の提供を行っております。
その中で特化した診療科目の標榜は、私立病院等で経営面に重点を置く意味でも、専門病院として運営を行っている病院もありますが、特化することによりまして、宇陀地域以外の多くの地域から患者が来院されることになりまして、病院としての経営資源の投資も含めまして、地域医療を担うべき公立病院とは方向性が違うこととなりまして、難しいものと考えております。
続いて、基本理念、行動指針の具現化でございます。
当院の掲げる基本理念、行動指針は、病院としての、あるいは現院長、林院長としてのビジョンであり、職員の、あるいは医療人として最も重要な位置づけである意識の方向性を示したものであり、宇陀地域における公立病院として患者様中心の医療の質が高い安定した経営を目指すものでございまして、毎日朝礼を開催し、部署ごとに唱和を行って意識の醸成に努めております。
続いて、市民、医師、看護師に選ばれる病院づくりの医療は何かということでございますが、少子高齢化の地域であり、都会と比べまして、疾患等におきまして多くの症例がなく、若い医師にとっては若干魅力に乏しいというハンディはございますが、地域におけます急性期病院といたしまして、オーダリングシステム、Dpcへの移行、病院機能評価の取得、最新の医療機器の導入等を図りながら、医師にとっては指導医の存在、研修費用も含めて、臨床研修のしやすい環境を整えていきたいと思っております。
また、看護師としましても、さまざまなキャリアアップの研修への積極的な参加、効率的な看護支援システムの導入等を行っております。
いずれにいたしましても、地域に根づいた質の高い医療を提供することが地域住民あるいは医師、看護師に選ばれる病院になれるものと考えております。
以上、回答とさせていただきます。
議長(中山一夫君)
藤本水道局長。
水道局長(藤本隆志君)
失礼いたします。水道局のほうからお答えを申し上げます。
水道事業の経営におけます課題につきましては、施設の老朽化対策、耐震化対策、事業統合、事業運営の強化、また未普及地域の解消でございます。
特に少子高齢化問題によります将来的な給水人口の減少につきまして見通しをしていく中で、水需要の減少による収入の減少も予測されております。その反面、施設老朽化に伴いますところの更新費用の増加により、水道事業経営に影響を及ぼすことが予測もされております。
これらに対する具体的な事業施策につきましては、まず簡易水道事業の統合、さらには上水道事業との統合による事業運営の強化でございます。
原水水質に不安のある浄水場や老朽化による更新費用の増加のおそれのある施設の廃止や、管路内の水質劣化防止のため隣接する区域間などを結ぶ連絡管整備を行い、施設の統廃合をすることで、維持管理の負担や運転経費の負担を抑え、効率的な事業運営を目指しているところでございます。
次に、県営水道の有効的な活用でございます。
県営水道の導入につきましては、自己水源では水質や水量が不安定であることから、県営水道の導入により安定した供給源の確保と維持管理の負担の軽減と、さらには機械・電気設備等の老朽化による施設の更新コストの削減を考えているところでございます。現段階におきましては、大野・三本松簡易水道と古大野簡易水道の統合を行い、平成26年度に県営水道の導入予定で、本年度より事業の着手を行っているところでございます。
また、災害への備えということでありますが、本市のような山間部における点在する小規模な施設をすべて耐震化することは困難であることから、地震や水害の災害等の緊急時に対応できるよう、応急給水等の拠点整備に重点を置き取り組みたいと考えているところでございます。また、非常時に迅速な対応を可能とするために、奈良県下や他の事業体との相互応援協定を結ぶなど、連携の強化も重要な事項であると考えているところでございます。
これ以外に、今の料金水準を維持し、水道事業の継続を支えていくには、経費の削減に努めるとともに、水道利用者の加入促進の呼びかけも必要と考えております。
また、経営健全化計画に基づき、人件費の削減や可能なところから民間活力の導入の可能性についても検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
笹次さんとぴあ榛原事務長。
介護老人保健施設さんとぴあ榛原事務長(笹次悟郎君)
さんとぴあ榛原の笹次でございます。ただいまの上田議員の御質問に対しまして私からは、介護老人保健施設としまして高齢化への公設施設のあり方についてお答えさせていただきます。
久しく少子高齢化や核家族化が進んでいると言われておりますが、それを現場で実感しているのは、さんとぴあ榛原などの介護施設もその一つではないでしょうか。余りよい表現ではございませんが、老老介護、すなわち高齢者が高齢者を介護しなければならない状況、また認認介護、すなわち認知症の高齢者を介護する高齢者自身が認知症を患っておられる。実際私は支援相談員として、さんとぴあ榛原への入所相談をさせていただいている中に、こういった厳しい状況にある方を少なからずお見受けいたします。数字で申し上げましたら、現在さんとぴあ榛原を利用されている方の約45%が老人世帯であったり、またひとり暮らしの方でございます。
このような、時には共倒れになりかねない状況になりましたら、頼れるのは居宅支援事業者であったり、また私どものような介護施設であり、家庭での介護力が低下すればするほど、介護施設の果たす役割がますます高くなってまいります。
さて、さんとぴあ榛原は、宇陀市立病院、当時の榛原町立病院でございますが、これの併設施設として開設され、13年目になります。併設といいますのは、病院と介護施設がそれぞれ持っている機能を連携することによって、高齢者の自立した生活を応援していく一つのあり方でございます。これからも宇陀市立病院の併設の公設施設といたしまして、医療の市立病院、そして介護のさんとぴあ榛原が連携することによりまして、高齢者の皆様が安心して自立した生活を送ることができますように、日ごろから御支援をいただいておりますボランティアの皆様とともに、御本人や御家族の応援を続けてまいりたいと考えております。
以上、回答とさせていただきます。
議長(中山一夫君)
5番、上田徳議員。
5番(上田徳君)
それでは、ただいま質問に対するそれぞれの答弁をいただきました。お話を聞いておりますと、初日に山本議員のほうからお尋ねをいただいたことに対する部分もかなり含まれておったのかなと、私自身、趣旨が皆様方にうまく伝わらなかったことにまずもって反省をしておりますけれども、要は市長が常々申されております「高原の文化都市、四季の風薫る宇陀市」というこのすばらしいフレーズの中で、では皆さん方はどれほど理解されているのかなと。
私は今回のことについて、高原の文化都市というのは大体どういうとこら辺で標榜されておるのかなと思ってパソコンでたたいてみましたら、1カ所だけ出てきましたね。長野県の富士見町というところが高原の文化都市ということで標榜されておりまして、同じようなこと。ただ、そこは前後が逆になっておりまして、何々の何々で文化都市、高原の文化都市とこう結んでおられました。宇陀市の場合は高原の文化都市というものを目指すんやということが主なことでございますので、皆さん方もそのことについて、しっかりとやはり施策の上で御理解をいただきながら、四季薫るものを感じ取っていただく、そんな風土をつくっていきたいという市長の思いがあるのではないかなと、このように私は理解をしておるところでございます。
したがいまして、確かに皆さん方のおっしゃっていることはそれぞれすばらしいことであり、大切なことであるわけですけれども、市民の側から、私の側から見たら、もう少し具体的に、じゃあこういうことをもってそれの一助としたいというような部分があってほしかったなと思うわけでございます。
特に、やはり総務部長がおっしゃっておられましたように、情報をしっかりと発信していくということは非常に大切なことであると私は思っております。そのことをまた部長自身感じておられました。その中で、今宇陀市はうだチャン11があり、そしてまたホームページがありといった形で、先ほどのタウンミーティングの結果につきましても、ホームページのほうへ載せていきますよというようなことでございました。
私、きのう宇陀市へアクセスされている回数ですか、ウエブへの何とか134万人というのか、回というのか、そのような回数になっておられました。それは2006年の7月ということで、合併の半年後ぐらいからのカウントでございましたけれども、ホームページがきちっと整備がされてカウントができるようになってからのカウントかなということで、ちょっと私それを書いた資料をきょうパソコンからアウトプットするのを忘れまして申しわけないですけれども、約130万余りの数がやはりインプットされているということでございます。
そうすると、そのような中から広報の中では、じゃあ1日にどれぐらいのアクセスがあるのか、ひと月にどれだけあるのか、1年でどうやねんと、それから春、夏、秋、冬でどうなんやと、そういった形の分析をしながら、ホームページを御利用いただく方々に対する発信になるのではないかなということも感じさせていただきましたし、それから、どれほどの方々が本当に宇陀市の方々が宇陀市の情報として持つべきものを持っておられるのかなと。当然観光都市宇陀市でございますので、室生寺を初め、全国から大勢の方が来られる。去年でしたら23万人の方が室生寺のほうへ参拝されたとお聞きしておりますので、そういった方々も含めてアクセス回数があるということを含めた中で、決算委員会の中でも、テレビの視聴率ではなしに、テレビを通してどれだけ御理解いただいたかというようなことを今後確認していくということでございますので、本当にこの宇陀の文化、そして市長のおっしゃっている文化都市というような部分は、そういった情報がきちんと伝わっていく仕組みを言われるのかなと。
私、新しいテレビを買いましたら、今、宇陀市ホットニュース、それから地域の話題とか、あれはもう番組予約しておきますと、いつでも見られるわけです。今は行政改革の報告と、それから給食センターの実情と、もう1個、ごめんなさい、ちょっと失礼しましたけれども、そういうようなものが放映されているということで、本当に関心を持ってそのうだチャンを見ていただく方には非常に便利かなと思いますけれども、私たちのように、ふだんなかなかテレビの放送時間にテレビの前に座ることのない者については、文字放送だけが情報発信のようなものになっておりますので、そこら辺もやはり市民の方々にどれだけわかっていただいているんだなということもしっかりとつかんでいただきながら、宇陀市の文化の向上、文化都市としての位置づけのようなものがわかりやすくしていただきたいなと思うわけで、ひとつそういう手法については、私いつでもお知恵を出しますので、テレビであり、これであり、やはりこれからそういったものをどのように利用し、それを市民の皆さん方の前で活用されようとされるのであれば、やはり生かしていただきたいなと思うわけでございますので、ひとつ生かし方については十分まだまだ満足なものではないというのを感じておりますので、そういった検証ができるシステムというのも裏側ではとってほしいと、このように思っております。
まちづくりにつきましては、もう去年からまちづくり協議会を立ち上げてやっていくよということで、24年度1年かかって準備委員会をしていくということでございますけれども、旧4区のときにできておりました地域自治区にありました地域協議会とは性格が違うものだと私は思うわけですね。ですから、地域にあります公共施設等に対する物の考え方なんかは、ではどういうようにこれを整理していただけるのか、その点について1点だけお願いをしておきたいと思います。
また、先ほど市民環境部長のほうで、私、人口動態の部分の把握ということは非常に大事なことですよというようなことを雑談の中で話しておったわけなんですけれども、こういった部分について、やはり的確な宇陀市の人の出入りというもの、生まれてこられる方、亡くなられる方、そして新しく転出される方、転入される方、そういったことの動きの中に、私たちの宇陀市がこれから人口推計は8000人ほど減るんですか、10年で。だから8000人減ることを前提にするのか、8000人を4000人に少なくするような施策を持って臨むのか、そこら辺の説明が一つもいただけてないのでね。8000人減ることが目的やったら、もう30年たったら1万人のまちになってしまうわけですから、そこまでのことばかり言うても、私があと10数年で後期高齢者の類に入りますので、そうなってくると行動範囲も少なくなってくるかなということになってきたら、若い方も当然少ないわけでございますので、ではそのときに東町西峠線が必要やったのかどうやったかという議論にまで達するわけですから、今の施策はまだまだこの8000人減るであろう人口を3000人、4000人、5000人に歯どめをしようという部分のあらわれをやっぱりしっかりと皆様方に御提案いただきたいなと思うわけでございます。
教育委員会のほうにもお聞きしておきたいなと思うのは、ほとんど今保育所も含めてスクールバスを使っておられるわけですよね。では、このスクールバス事業というものと学校の運営というのは表裏一体になっておると私は思うわけですね。そのスクールバス事業を充実せん限り、学校への登校というものができないわけですから、そこら辺、スクールバス事業、本当に出発時間は一緒ですけれども、終了時間はそれぞれ違うわけでございます。クラブをされたい方あるいは塾のほうへ回られる方、いろんな方々がおられて行けない。特に人口流出の一つの原因は、教育環境がやはり生活環境とマッチングしないから、どうしても転出するんやというようなこともお聞きする方が多いわけですから、そのことも含めまして、教育行政の中でスクールバスによるところの教育環境をどのようにされていくのかというようなものについても、やはり一言欲しいなと思います。
一たんここで終わりますので、ひとつ今までのことにつきまして御答弁をいただきたいと、このように思います。
議長(中山一夫君)
井上企画財政部長。
企画財政部長(井上裕博君)
ただいまのお尋ねの1点目でございますけれども、市の施設の今後の動向というようなことでのお尋ねであったと思います。
私どもといたしましては、やはり宇陀市といいますのは合併した経緯から、人口の規模からしますと、まだまだ施設が多いと考えております。合併後、給食センターでありますとか、ごみセンターでありますとか、あるいは斎場等いろいろ整理してきたわけでございますけれども、今後もやはりこの人口に見合った、あるいは財政的な体力に見合った施設のあり方というものを検討していかなければならないと思っております。
そういう場合に、やはり市役所側の論理だけではございませんでして、宇陀市の広さでありますとか位置的な配慮、あるいは市民の皆さんから、やはり開かれた議論の中で同意していただいて整理していかなければならないのではないかなと考えておりますので、今後そういう先ほどから申し上げておりますような総合計画の中の位置づけとしても、あと平成24年1年間、後期計画に向けての議論の中で、それぞれの場所で、議会ももちろんそうでございますし、市民の皆さんともいろいろ議論する中で決めていくことになるのではないかなと考えております。
議長(中山一夫君)
出口教育委員会事務局長。
教育委員会事務局長(出口裕弘君)
スクールバスの件についてお答えさせていただきます。
議員が御指摘のスクールバスは、学校生活とまた家庭生活と結びつく一つの手段といいますか、そういう場であるということであります。もうそのとおりでございます。本当に家庭のおうちのほうから出られ、そしてバス停でバスを待つ。その時間の間に子どもたちのコミュニケーションはあると私は思っております。また、バスの中へ乗り込めば、運転手からのいろんなお話、特に安全面のお話以外のこともまた聞き、そしてその辺の生活の中で知り得るようなすばらしいお話を高齢者の方から聞くなり、そういう経験もできると思っております。
先ほど言われました乗り込みの間の時間的な事柄あるいはおろしていくときの時間差というのは、それぞれ地域の子どもたちは違うとは思うんですけれども、その違いの中で子どもたちはそれなりに友達同士のコミュニケーションをとって友達を深く知ったり、そういうようなことをやっているものと私は思っております。
そういうことで、バスの関係はそうでございますけれども、また歩いてきている児童のことを考えますと、また整列をしながら交通事情を考えながら安全に歩く、あるいは高学年の者が指導する、そういうような子どもたちが自然に身につくような教育といいますか、そういう生活の一つの流れをつかんでもらえるかなと思っております。そんなことで、スクールバスも安全に、そしてまた運転手も安全な運行ということで子どもたちにいろいろ説明をしております。そしてまた、子どもたちと運転手のまたコミュニケーションも発展しながら、その辺の子どもたちが成長する一つの糧として、それも一つの経験ということで、いいことだと私は思っております。
そういうことで、取りとめのない話になりますけれども、バス通学にしましても一つの世界でございます。また、歩いて通うことも一つの世界でございます。その世界の中で子どもたちは成長していくと思っておりますので、その辺御理解いただきたいと思います。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
菊岡総務部長。
総務部長(菊岡千秋君)
上田議員から行政情報の積極的な公表と、こういう市の方向性について補強をいただきました。
施策の中におきましても、宇陀市の現状といたしましても、ケーブルテレビが加入率97%を超えてきた。こういった状況と、それと目指してきた行政の放送をもっともっと充実して市民の方々に情報を的確に伝えていこう、こういう姿勢でこの間進めてきました。今まさしく御家庭でも、この議会を生で中継を見ていただいていると、こういう状況でございます。これについても、やはり県下の中でも、あるいは全国の行政体の中でも、こういう状況が構築されているというのは本当に数少ない状況だと思っています。こういった住民の代表の方々と市の執行の者が、まさしく宇陀市の状況、施策や行政のありようというところを意見を闘わせているという状況が市民の方々に的確に伝わっているという状況も含めて、目指してきた姿としては、いい方向で施策展開をしてきたと考えています。
また、これは市の市民の市域の中での話ですけれども、今取り組んでいますのは、ホームページをもっともっと充実させて、他の地域や他市から宇陀市に興味を持ったときに電話をかけて問い合わせる、あるいは市の観光パンフレットを取り寄せるというような方法もありますけれども、一番手軽に宇陀市がどんな行政あるいはどんなところであるかという確認をするためには、ホームページというのは大きな力を持っています。そういったところに、ことしホームページの改修を行って、いろんな角度から宇陀市の情報を発信、提供できるようなそういう姿を、業者が決まりましたので、来年の早々ぐらいには改修のホームページができ上がると思っています。そういった状況も今後積極的に情報の発信というところに努めていきたいと考えています。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
5番、上田徳議員。
5番(上田徳君)
時間がありませんので、端的に申し上げていきたいと思いますけれども、先ほど答弁をいただいた中で、農林商工部長のほうからいろいろと挙げてもらっておりますけれども、宇陀市の基幹産業はやはり農業と林業であるということから、平成18年に森林組合に対しまして、まちづくり交付金をもって集成材工場をつくったと思いますけれども、その操業・稼働状況ですね。そういったものが宇陀市の集成材事業として全国にどの程度認知されようとしているのか、その点について1点お聞きしておきたいなと感じております。
それから、私せんだってテレビを見ておりましたら、「孤高のメス」とかいうテレビを見まして、見られた方がおられるかもわかりませんけれども、要は地域医療を進めておられます市立病院に、とてつもないどえらい技術を持った外科医が来て、そして今まではすぐに大病院のほうへ送っておったけれども、ここでやるんやということで医師が執刀する。それまで看護師さんの手記的なものを通しておられたんですけれども、その中で言われているのは、やはりお医者さんが自分の持っておられるモチベーションを高めながら、周りの看護師さんの方々にもこうされておるということで、やはり私は特別な技術はさておきまして、この病院へ行ったら命が救われるんやと、そこにある命を救うという形でその方はメスを持っておられたわけですけれども、そういう部分を、そのようなことが欲しいなというのが一つと。
それからもう1個は、NHKのほうで鹿児島大学の霧島リハビリセンターの話が出ておりまして、そこの特別な医者が御自分で新たなリハビリということで、リハビリをしながら神経を刺激して新たな脳回路をつくっていくというような話をされておりました。それは、そこにはまた研修生ですか、お医者さんも取り入れておられるということで、私はホームページに何とかというお医者さん専用のところのホームページに登録したら、定期的にいろいろなものを送ってきてくれるんですけれども、そういう話があって、やはり市立病院にも、市立病院の公共医療を担いながらの中にあっても、やはり一つ市立病院のところでこのようなことをやられておるから僕らは安心や、私たちは安心できるというようなものがやはり求められていくし、それをやっぱり見つけていくことも大切ではないかなと感じておりますけれども、決して特別な脳外科のお医者さんをお呼びするとかそうではなしに、日常医療の中できちんと進めていけるような、そんなものをやっぱり目指していただきたいなと思うわけでございます。
それからあとスクールバスの部分で、せんだって教育長先生とお話ししたときに、室生の場合、校門までバスを着けよったけれども、もう少し広いところで少し隊列を組みながら学校に行くようにしとるんやというようなお話を聞かせていただきまして、先ほど局長が言っておられたようなことで、登下校におけるところの集団生活のありようというようなものも教育をされているということでございますけれども、しかし、非常に保護者の方々は、スクールバスに合わせた部分が非常に1重のハードルがもう1重のハードルがあるという中でのしんどさというものも感じておられまして、そのようなことがやはり人口流出の一因になっているのではないかなというような気もしておりますので、それについて、もしお考えがあればお願いしたいと思うので、以上2点のところでひとつ御答弁をお願いしたいと思います。
議長(中山一夫君)
仲尾農林商工部長。
農林商工部長(仲尾博和君)
ただいまお尋ねの宇陀市森林組合にかかわります施設の稼働状況でございますけれども、ここでは防火対策に有効となります熱を加えての圧縮材を加工し、販売をされておられますけれども、その詳しい状況等につきましては今手元に資料がございませんので、また後ほどお渡しをさせていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げたいと思います。
議長(中山一夫君)
竹内市立病院事務局長。
市立病院事務局長(竹内均君)
病院のほうからお答えさせていただきます。
当院につきましては、あくまで公立病院ということで、奈良医大の関連病院、系列病院という位置づけでございまして、ドクターも各医局の定期異動に基づきまして、当院から市立病院へ、市立病院から当院へという形で人事異動が行われます。そういった関係で、なかなかおっしゃられるような専門的な医療の継続性というのがなかなか発揮できないというジレンマを今現在持っております。整形でしたら、肩の専門あるいは股関節あるいは指の専門と、あるいは内科でしたら、心臓、腎臓、消化器あるいは高血圧、それぞれのドクターがすべて専門医という形での現在診療をいただいております。その中で、当院につきましても、整形なり内科である程度地域のほうで高名になってきているドクターもいていただいておりますので、そういった方々が今後とも専門的な医療ができるような形の環境づくりに今後とも努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
喜多教育長。
教育長(喜多俊幸君)
上田議員の御質問にお答えしたいと思います。
その前に、まちづくりと教育という観点からお答えをさせていただきますが、教育の目的というのは、これは人格の完成であって、一人一人が持っている能力、これを最大限に調和のとれた発展をさせるというのが一つの目的であります。もう一つ、やっぱり一方においては、国家の人材育成、地域の人材養成というこういう側面を持って教育をしていかなければならないと、このように考えておりますし、このことにつきましては、改正教育基本法の中でもきっちりとうたわれてきているところです。先ほど市長のスローガンのあります中で、教育についてもそのような観点から進めてまいる所存でございます。
次に、教育環境の整備につきましてですが、過疎化あるいは少子化の中で、学校の教育環境の整備というものは大変重要な教育課題であります。そういうところから、人数が減ってくるという中で、どうしても複式学級をするということについては、これは避けたいと思います。そういうところから、統合整備ということが大きな課題でありまして、現在大宇陀地区におけますところの小学校の統合に取り組んでいるところでございますが、追って他の地域におきましても、この課題は克服しなければならない、考えなければならない大きな課題であります。教育の適正化ということをビジョンを持って考えなくてはならないと考えております。
そのときに、ただ一つ教育というだけではなくて、産業振興あるいは地域住民の定着化、こういうことも含めながら、ただ単に少子化していくということに嘆きをするだけではなくて、産業振興やあるいは地域の活性化やこういうことと相まって、やっぱり教育環境をどう進めていくのかということに取り組んでいかなければならない、視点を忘れてはならないと考えております。
そういう中で、御指摘のありましたスクールバスについてですが、スクールバスはあくまでも行政的に申しましたら、これは通学サービスでございます。教育の要素は非常に多く含まれておりますが、行政施策としましては通学サービスという位置づけをしてまいりまして、児童・生徒の通学をサービスしていくということで施策を進めています。
しかしながら、先ほど局長が申しましたような観点を持ちながら、このスクールバスの施策を進めてまいらなくてはなりませんが、もう一つクリアしなくてはならないということは、やっぱり不便さであるとか、あるいは安全・安心であるとか、こういうことについても保護者の皆さん方、地域の皆さん方の関心を寄せるところでございますので、安全・安心、そして効果的な、またその中で、スクールバスの事業の中でやっぱり教育的な配慮をしながら、教育効果を上げるようなこういうことに取り組んでいるところです。今後ともそういう観点から進めてまいりたいと考えております。
以上です。
議長(中山一夫君)
仲尾農林商工部長。
農林商工部長(仲尾博和君)
ただいま資料が届きましたので、御報告を申し上げたいと思います。
平成22年度におきます購入量、販売額についてでございますけれども、原木の購入が98万1971立米、これは木の量でございます。購入価格が1422万5584円となってございます。販売のほうでございますけれども、原木として個人へ販売をいたしました分が立米にいたしまして5万2093立米、金額が96万6600円となってございます。製品のほう、先ほど申し上げました圧縮加工材も含めてでございますけれども、立米といたしまして1万9308立米、金額にいたしまして631万3701円となってございます。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
5番、上田徳議員。
5番(上田徳君)
もう時間がありませんので、答弁に対する質問は差し控えますけれども、市長が日本加除出版といいますのか、こちらのほうに住民行政の窓というところで市長登壇ということで、「高原の文化都市、四季の風薫る宇陀市を目指して」ということで投稿されておりまして、この文章を一生懸命になって探しましたけれども、なかなかよう購入しませんで、まだまだ能力が足りませんでしたけれども、非常にあちこちでこのことを発信していただいておるということを、私はしっかりと皆さん方御理解していただいて、特に行政の皆さん方は宇陀市の言葉が全国誌に載って発信されておるというこのことの御理解をしっかりしていただきたいなと思うわけでございます。
宇陀市の魅力ある自然、歴史、文化、産業、そういった特色を生かして「高原の文化都市、四季の風薫る宇陀市」にふさわしい健全な発展と秩序ある整備を図っていただくということで、市長に今までからのそれぞれの部長さんからの答弁を含めまして、ひとつ総括的な答弁をいただきたいと思います。
議長(中山一夫君)
竹内市長。
市長(竹内幹郎君)
上田議員の質問にお答えさせていただきたいと思います。
担当部長がいろんな形で答弁させていただいております。まだこの改革、改善して「高原の文化都市、四季の風薫る宇陀市」をつくりましょうと言い始めて、まだ1年と少ししかたっておりませんものですから、なかなか浸透しないというのが現状かもわかりません。しかし、一歩ずつ地道に活動していく、また意識の熟成を図っていくということが大事ではないかなと思っております。その点も含めて御理解いただきたいと思います。
市長に就任させていただいて以来、職員に対しましては、事業の選択と集中という形の中で、一つ一つの事業に費用対効果、そしてまたその運営経費ということを含めながら、運営形態も含めて再三意識の高揚を図ってきたところでございます。そうした中で、人口が多いところに事業をするというような観点では一切ございません。宇陀市全体の活性化、浮揚につながるか、次の段階として、市全体でなくても、その地域やその地域で暮らす市民の皆さんの活性化、生活基盤につながるかということを視点に考えているところでございます。
そうした中で、市民に皆さんに対するタウンミーティングや自治会の会合などに出向いて施策の説明などをさせていただきながら、意見交換してきたのも大いに役に立っていると考えております。市民の皆様には、どんどんそういう機会をとらえて参加していただきたいと思います。
そしてまた、こういう機会をとらまえた上で、私一人で判断するのではなしに、幹部職員との政策調整会議で検討させていただきましたし、また市議会の皆様方にも御相談申し上げてきたところでございます。担当部長が説明申し上げましたように、現在準備中のまちづくり協議会準備委員会に対しましては、私は市行政の要望や意見を具申する機関とは考えておりません。ある一定の地域の運命共同体ということの中で、地域は地域で考えていただきたいとも考えているところでございます。その一定の地域がまとまってみずから考え、みずから活動していただく。まちづくり協議会ができたときには、その活動や話し合いの中から行政への声が出てくるならば、それは無視することはできませんし、検討することは当然だと考えております。
そして総合計画の後期基本計画の策定に当たりましても、市民の皆様の御意見を聞き、それを反映していくことは当然でございますが、今までのように、総合計画をコンサルタント任せにするのではなく、日々宇陀市のまちづくりに携わっている職員として素案を持って臨むべきだと考えております。その結果、まちづくりの実務に当たっている課長級職員、また地域事務所長を20人程度集めて、宇陀市のインフラ整備について、宇陀市のまちづくりマスタープランということを含めまして議論していただいております。結論を得るための議論ではなく、各部署が各課長が持っている共通認識を持つだけで、それぞれの地域の実情を反映した考え方を導入できるのではないかなと考えているところでございます。
そしてまた、ソフト事業でございますけれども、いろんな形で導入させていただいております。小学生の入院医療費の無料化や産業振興会議の創設、宇陀市で住み生活していただくためのソフト事業の一つでございます。また、まちづくり支援課を設置して、今年度から空き家情報バンクや婚活事業、奨励金などの定住促進策が動き始めております。
今後も長期的視野に立って、地道に一つ一つの事業を積み上げていきながら、その施策の拡大や充実に努めていきたいと考えております。市の政策も大事でございますけれども、市民の皆さんみずからが立ち上げてくださる事業は何よりも大事なものと考えておりますし、何よりも待ち望んでいるものでございます。今年度、宇陀市まちづくり活動応援補助金を創設し、公開プレゼンテーションによって選ばれた11の事業が動き始めております。この中から一つでも多くの事業が活動が市民の間に根づいてくれるよう祈っているところでございます。
ソフト事業に係る地域の建設的な声をどのように吸い上げるかというお尋ねでございますけれども、このまちづくり活動応援補助金のように、市民みずからが自分のやりたい活動を選択することも可能でございますし、また、まちづくり協議会のように、地域の課題を地域みずからが解決していく、それを行政が応援していくというような手法も可能でございます。
このまちづくり協議会については、現在準備委員会で創設の議論をしていただいておりますが、市といたしましても、創設、運営に関しては人的な支援も費用的な支援も検討しなければならないと考えているところでございます。
もう1点、タウンミーティングの問題でございますけれども、今回タウンミーティングを開催させていただいたんですけれども、やはり昨年に比べますと3割程度少なくなっております。そんなことも含めながら、意見交換の時間設定をもう少しとってほしいとか、いただきました。そしてまた貴重な意見もいただいております。すぐに調査を要するものにつきましては、担当課にその当日に指示させていただいたところでございます。
今回は平成23年度の市の施策事業全般について説明を申し上げ、意見をいただきましたが、これらの御意見は、今後のまちづくりに向けて政策立案や各事業の進め方についての方向性や結論を出すための手がかりであると考えております。それゆえに、特定の意見を否定する必要もございませんし、意見交換をすることに意義があると考えているところでございます。
タウンミーティングも含めまして、市民の方々の意見を聞かせていただくステージをたくさんつくっております。ホームページの中でも市長への意見という形の中でいろいろ意見をいただいておりますし、タウンミーティングの中でもいただいております。そんなことも含めながら、議員の皆様方の協力を得ながら、「高原の文化都市、四季の風薫る宇陀市」を本当に地域に住んでおる住民の方が実感できるようなそういうことができて初めて、宇陀市外の方が訪れていただける環境が整うのではないかなと考えておりますので、いろんな形で御意見いただきますように、また、しっかり行政としても対応させていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。ありがとうございました。
議長(中山一夫君)
上田議員、残り1分弱となっております。
5番、上田徳議員。
5番(上田徳君)
ただいままでに答弁をいただきました諸施策を果敢に進めていただきまして、長期見通しの人口減を食いとめができるようにひとつ期待をしておりますし、「高原の文化都市、四季の風薫る宇陀市」が早期に実現されることをともども御祈念申し上げまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
議長(中山一夫君)
5番、上田徳議員の質問が終わりました。
ここで午前11時45分まで休憩いたします。
午前11時41分休憩
午前11時48分再開
議長(中山一夫君)
休憩前に引き続き会議を再開いたします。
11番、多田與四朗議員より2時まで離席届が提出されております。これを受理いたしております。
次に、15番、高橋重明議員の質問番号7番「国民健康保険税の資産割課税を廃止して住民負担の引き下げを」の質問をお受けいたします。
15番、高橋重明議員。
15番(高橋重明君)
議席番号15番、日本共産党の高橋重明でございます。どうかよろしくお願いいたします。
冒頭に質問に入る前に、本当にことしは自然災害の多い年でございますが、被災に遭われました皆様方には心よりお見舞い申し上げたいと思います。
私、今回取り上げました一般質問の議題は、ただいま議長から紹介いただきました国民健康保険税の資産割課税を廃止して住民負担の引き下げをしてほしいという市民からの要望を受けまして、一般質問に取り上げさせていただきました。
御承知のとおり、国民皆保険制度が実現してから、ことしでちょうど50年でございます。昭和36年、1961年に、この国民皆保険制度がスタートしたわけでございます。病気やけがで入院や治療が必要なときに被保険者証を医療機関の窓口に提示すれば、安心してサービスが受けられると、まことに便利な制度でございます。
国民皆保険制度は大きく分けて、サラリーマンが加入する職域保険と自営業者や農業、林業等の個人が加入する地域保険があり、すなわち地域保険が国民健康保険制度であり、我々は略して国保と言っております。その運営の主体は市町村でございます。発足当時は、自営業者や農林漁業者等が7割を占めておりましたが、今では職場を退職なさった定年退職者や、また職域保険に加入できない派遣やパートの方の非正規雇用の方の加入がふえております。その結果、国民健康保険税の滞納もふえ、また国保加入者の所得の水準も低いために、この高い保険料を払えない、何とかしてほしいという苦情が寄せられております。
私、今回の質問に当たりまして資料請求いたしましたところ、宇陀市の平成22年度末の国保の加入率でございますが、宇陀市の人口が22年度末で3万5670人、世帯数で1万3222世帯、そのうち国保に加入されている方は5799戸、いわゆる加入割合は43.9%で、県下12市の中でトップでございます。2番目は五條市が43.5%、3番目が御所市で41.7%であります。
したがいまして、宇陀市の場合、国保の運営は市であり、市民の命と健康を守る大きな責任を持っているのではないかと私は考えております。直近の宇陀市の高齢化率は、7月末現在で既に3万5000人を割っております。3万4922人、高齢化率は29.68%、地域によっては35から40%にも達しております。高齢化率が高まるということは、当然医療費が膨らむ一方でございます。また、それを払える収入は一向にふえていないというのが現状でございますので、この現状について、まず質問をさせていただきます。
4点ばかしございますが、第1点は、国保事業特別会計における総医療費の支出額の推移について、この平成20年、21年、22年の3年についてお知らせいただきたいと思います。あわせて、1人当たりの負担額もわかれば、お知らせいただきたいと思います。
次に、平成18年1月に宇陀市が4カ町村で合併いたしました。国民健康保険税は、税率はそれぞれの町村によって決定することになっておりまして、ばらばらでございましたが、平成20年4月から国民健康保険税条例の一部改正で本会議でも条例改正されまして、統一されました。その結果、特に資産割課税が旧榛原町だけが引き上げられました。他の3町村は引き下げられたわけでございます。
したがいまして、その後3年たった今日、改定後の市民1人当たりの負担額についても統計上お調べいただきたいと思います。
次に、3点目でございます。
既に平成20年4月に改定されて3年を経過しておりますが、先ほど言いましたように、市民の負担する所得水準はふえておりません。現在県内12市町村の中でも6市、加えて2町の合計6市2町が資産割課税を廃止しております、既に。
したがいまして、住民の負担軽減について宇陀市としてその問題を含めてどのように検討されておるのか。私は、この点について今回の主題として質問させていただいているわけでございます。
4番目でございますが、ちょうど平成20年4月から特定健診、いわゆる健康診査がこの制度がスタートいたしました。いわゆるメタボ健診ですね。したがいまして、医療費を抑制するという政府の方針の中で、この制度が設けられたと聞いておりますが、宇陀市の実施状況、目的等また今後の計画なり目標について、担当のほうからも答弁をいただきたい。
以上4点について、まず私の壇上からの質問とさせていただきます。後ほど自分の席において、答弁に対する再質問をさせていただきますことを申し添えて、第1回の壇上からの質問とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
議長(中山一夫君)
大西市民環境部長。
市民環境部長(大西茂君)
市民環境部の大西です。どうぞよろしくお願いしたいと思います。ただいまの高橋議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
まず最初に、国保会計における総医療費は、後期高齢者も含め、平成20年度、71億9976万円、平成21年度、72億9502万円、平成22年度、76億4558万円となっております。これを1人当たりに換算しますと、後期高齢者も含め、平成20年度では43万3329円、平成21年度、44万175円、平成22年度では46万1523円と年々増加傾向にあります。
また、1人当たりの保険税につきましてでありますけれども、平成20年度におきましては、先ほど申されましたとおり、不均一課税を均一課税とさせていただきました。1人当たりの現年課税の保険税調定額は、平成20年度、5万2831円、平成21年度、5万2137円、平成22年度、4万9422円となっております。これは、景気の低迷により所得の大幅な減少が影響していること、非正規雇用の増加による若年者所得の低下によるものと思われます。
このようなことから、高齢化の進展や医療の高度化に伴い、医療費が年々増加する一方、保険税の調定額は、所得の減少等により1人当たり調定額は減少している状況にございます。
したがいまして、被保険者の負担を軽減するため、保険税率を平成20年度から改定せず、保険基盤安定繰入金等一般会計からの繰入金と国保財政調整基金を活用しながら、平成20年度、1億9000万円、平成21年度、3500万円、平成22年度には1億5000万円の基金を取り崩して運営に当たっているところでございます。
次に、資産割についてでございますが、国保の賦課方式は地方税法に規定されており、宇陀市では所得割、資産割、均等割、平等割によって案分する4方式を採用しております。
このような状況にありまして、今後の動向でございますけれども、奈良県国民健康保険広域化等支援方針では、今後奈良県の広域医療制度の中で資産割を廃止する方向で進められており、今後宇陀市といたしましても廃止の方向で検討しなければなりません。
しかしながら、一度に資産割を廃止すれば、所得割、均等割、平等割の税率を大幅に引き上げるため、段階的に見直すことにより廃止していきたいと考えております。
次に、特定健康診査についてでございますけれども、国のメタボリックシンドローム対策の柱として平成20年4月より導入された新しい健康診断のことで、糖尿病や高脂血症、高尿酸血症などの生活習慣病の発症や重症化を予防することを目的として創設されました。
宇陀市の国民健康保険における受診状況でありますけれども、平成20年度で国保加入者のうち特定健診の対象者である40歳から74歳までの人数は7442人、特定健診の受診者は1453人、受診率にして19.5%、平成21年度は対象者7413人、受診者数1527人、受診率にして20.6%、平成22年度は7385人、受診者数1686人で、受診率は22.8%となっております。受診率は少しずつではありますけれども、伸びている状況にありますが、県内市町村の受診率の平均23.9%より下回っている状況にあります。
このようなことから、宇陀市におきましても受診率の向上のために積極的な広報、啓発に努めるとともに、また受診率を上げることにより、被保険者の健康を保てること、あるいは医療費の抑制につながることを踏まえまして、今後とも積極的に啓発してまいりたいと考えております。
以上、答弁とさせていただきます。
議長(中山一夫君)
15番、高橋重明議員。
15番(高橋重明君)
具体的な数字をお調べいただいて答弁いただきましたことをまず感謝いたします。
私、今回質問に当たりまして、住民の皆さんにも少しでも御理解いただくために、私の質問がとっぴではないということで表をつくらせていただきました。ここにちょっと見にくいですが、国民健康保険税の課税の仕組みでございます。
ただいま部長からも答弁がありましたが、所得割、資産割、均等割、平等割と四つであります。それからさらにそれは医療費の所得割、資産割、均等割、平等割、それから20年4月から後期高齢者医療への支援ということで、支援金分が所得割、資産割、均等割、平等割があります。さらに介護分は、既にもう40歳以上を対象にして負担があります。これも介護についても所得割、資産割、均等割、平等割、これすべてに宇陀市は課税されております。20年4月からもうすべて課税されております。
この中で資産割課税については、医療分が15%、後期高齢者への支援金については4%、それから介護分については5%ということで、24%が資産割課税されております。先ほど申し上げましたように、既に廃止されておりますゼロになっておるところは、大都市でございまして、奈良県下では奈良市、大和高田市、大和郡山市、橿原市、生駒市、香芝市、この6市は既に資産割課税が一切ありません、ゼロです。さらに広陵町もゼロです。ことしから平群町もゼロになりました。ということは、既にそういう方向に進んでいるわけです。
しかし、宇陀市は依然として、私も昨年のちょうどこの時期にも取り上げておりましたが、行政としての検討が私の目からは見られない。そのことが冒頭に申し上げました、市民から宇陀市は国保税は高いということの疑問になるのではないかと私は考えております。まして、地籍調査が不十分でございます。明治時代の台帳でまだ資産割課税を行っているような状態では、本当に市としての行政はこれでいいのかと、私は疑問に感じるものでございます。
そこで、先ほど市民環境部長から県としても広域化の方針の中で、広域化ということは奈良県全部が同じ率でいこうという考え方ですが、既に厚生省に対して奈良県はそういう方向を出しています。そのことで具体的に資産割は廃止の方向になっているんですが、医療費は先ほど申し上げましたように、どんどん高齢化社会の中でふえていると。ここにも厚生省からの発表では全国平均が出ております。2009年度ですから21年度になりますが、高知県が最高で57万2000円、最低が千葉県でしたかね、たしかそうだったと思います。奈良県は44万3000円、宇陀市もたしか今44万飛び何ぼという御報告をいただいたんですが、全国で29番目の高い医療費を使っているということでございます。そういう意味では、やはり高齢化社会を反映して当然医療に係る度合いもふえているという中で、逆に加入者の所得はどんどん減っています。
もう1回別の表をお示しさせていただきますが、ここに宇陀市の税務課から資料をいただきましたが、合併後、宇陀市の住民税の申告の方の平均所得が出ております。平成18年合併当時、これは17年分の所得になりますが、1人当たり165万円です。ことしの申告が終わった段階では、1人当たり145万円、既に宇陀市の市民の1人当たり、これはあくまで平均ですが、2万6000人ほどの申告をしておりますが、20万円もう既に減っているわけです。
したがいまして、先ほど部長が課税も減ったというのは当然やむを得ないわけですね。宇陀市民の所得はもうどんどん減っているわけです。人口も減っていますけれども、所得も減っているわけです。そこらあたりに行政は目を向けて新たな施策を行っていかなければならないと私は考えております。
幾つかの数字をお示しいたしますが、3年間、国民健康保険税の引き下げについては何ら検討をされていなかったと、基金を使っただけだというのが先ほどの答弁でございますが、宇陀市は奈良県下で一番最高の国保の基金を持っております。一般会計決算、この前も行いましたが、国民健康保険の基金の保有高が現在3億9464万円、これ12市でトップです。これだけの保有を去年は1億5000万円だけ取り崩したというのが報告でございます。2位が五條市の3億1000万円、3位が天理市の2億5000万円、あと他市はゼロかそれに近い数字ということで、圧倒的に宇陀市は基金を保有しています。それにぶら下がって何ら対応していないというのが現状だと。
さらにもう一つデータを示しますと、一般会計から国保会計に先ほど43%の世帯の方が加入しているわけですが、行政はその方の命と健康に責任を持たないといけないということですが、一般会計の法定繰り入れ、これは法律で決まっていて当たり前ですが、一般会計の繰り入れはございません。なぜでしょうか。基金の取り崩しでごまかしていると言わざるを得ませんが、私は一般会計をある意味では43.何%かの税金からそこに医療費の支出に充ててもいいのではないか、それが行政ではないかと。命と暮らしと安心を守る宇陀市行政を行うならば、そういう行政を進めてほしいと思います。
さて、一方、国民健康保険税の滞納でございます。
収納率が今度の決算でも7億7000万円、現年度の収納が94.1%。これは21年度から、いわゆる年金から天引きが始まっているわけですね。だから公的年金受給者については、いや応なしに年金からもう差し引かれていると。だから収納率が上がるのは当たり前ですね、そういう人が100%ですから。それから、前年度の繰越分が2億8300万円、これの収納率はわずか12.4%。1年後おくれて未納になりますと、大体十二、三%しか徴収しない。不納欠損が21年度では2870万円、今回の22年度では2460万円棚上げ、不納欠損、徴収をあきらめているわけですね。
したがいまして、23年度へ繰り越している国保の繰越滞納は2億6400万円あります。2億6400万円の未納、基金でまだ3億円ある。きちっと徴収すれば、2億、私は100%と思いませんけれども、2億6000万円のうちの半分でも1億3000万円の徴収が可能であり、まして基金を3億9000万円今残しておりますから、来年度へ繰り越すわけですから、すぐにでもそういう市民1人当たりの負担を減らそうという考え方に立つならば可能だと思うんですが、その点の考え方をもう1度お伺いしたいと思います。
議長(中山一夫君)
大西市民環境部長。
市民環境部長(大西茂君)
現在、高橋議員さんが申されますように、財源を確保するため、徴収対策課と連携しながら、悪質滞納者には差し押さえ、あるいは短期被保険者証の発行を行いながら、収入の確保に努めているところでございます。
昨年度、平成22年度の収納状況でありますが、現年度課税分で申しますと、94.1%、平成21年度と比べ1.3%上回ったという状況にありますが、税の公平性等を考えますと、やはり収納率の向上に積極的に取り組んでいきたいと思っております。
ちなみに、昨年度国保が行いました差し押さえ件数につきましては5件、20年度で4件、21年度で5件、22年度で5件と以上のような形で、強力に徴収に努めているところでございます。
議長(中山一夫君)
15番、高橋重明議員。
15番(高橋重明君)
昨年も同じような答弁を部長はかわっておりましたが、答弁をいただいて、それぞれの普通の地方税の徴収と一緒に国保税も強力に徴収を進めていただいておると思います。しかし、結果的にはなかなか進んでいないのが現状ではないでしょうか。
もう1点質問させていただきますが、市民環境部で国保の担当をしておられます。その課税のもとは税務課にあります。また、介護保険は健康福祉部で担当しております。さらに、75歳以上の後期高齢者についても、たしか市民環境部で担当しておられます。そういう形で、私も今回質問を取り上げるについて、どちらの部長が答弁されるんですかと言って、あえて介護保険については外したわけです、担当が違うということで。そういう意味では、行政も複雑になって、自分の担当のことについてはよくわかるんですけど、同じような内容でも部が違いますと、また一からの答弁になるというように大変矛盾を感じるわけです。
この平等割というのがございますが、医療では最低1万6800円、これは世帯当たりということですから、1世帯に1万6800円かかります。もう一つ片方では均等割というのは、これは1人当たりに課税されますね。医療では2万400円で、後期高齢者の支援金に5400円課税されるわけですが、これは3年間かわっていませんが、この中で私矛盾に感じたのは、先ほどの答弁でも乳幼児医療については無料化しますよという話で、小学校から中学校まで竹内市長のもとで一歩前進をしたと。私、県下の中でも、そういう面では中学校までまだ半分も進んでいないわけですが、もう一つは、均等割はこれ1人当たりに課税されますが、オギャーと生まれた赤ちゃんにもこれ、後期高齢者分の負担を課税しておるわけです。そういう矛盾は行政の中で検討されていないのか。
先ほど少子化対策は第1だと言いながら、片方で医療費無料化したからいいじゃないかじゃなくて、片方では本人は所得ないんです、これ世帯割課税ですから、5400円課税しておるわけですね。私もこれ調査してて、これはおかしいなという矛盾を感じたんですが、その点は担当はどのように検討されたのか、そういうことは感じてなかったとおっしゃるのか、正直に申し上げていただきたいと思いますが。
議長(中山一夫君)
大西市民環境部長。
市民環境部長(大西茂君)
国民健康保険税の課税には所得割、資産割、均等割、平等割、こうございます。課税の一番国のほうが示しておりますのは、所得割、資産割につきまして50%課税あるいは均等、平等で50%課税とこういう課税が望ましいというようになっておりますけれども、その中におきまして、やはりいろんな県下の状況を踏まえて、宇陀市の今の現状の医療費の状況も踏まえた中で検討させていただいたのが今現在の課税状況であると。
ただし、先ほども申し上げましたように、医療費のほうがかなりふえてきております。また、保険税収につきましては、所得割等の減少におきまして、かなり少なくなっているということで、見直しも含めて今後検討してまいりたいと思います。
議長(中山一夫君)
15番、高橋重明議員。
15番(高橋重明君)
この医療制度が大変複雑になって、わかりにくくなっているわけですが、いわゆる国民健康保険、国保は市町村が責任を持つわけですね。それから75歳以上の後期高齢者については、これは県一本になっておりますから、県が責任を持つと。介護保険についても、これは複数の市町村が、ここでしたら桜井宇陀広域でやりますので、同じ扱いになると。ただ、唯一この宇陀市として独自の施策ができるのは国保なんですよね。そういう意味で私は今回、宇陀市がトップである市長が決意すれば可能であると。その実施については、もちろん部課長さんが優秀な方がそろっておられますので、そこで検討していただきたいというのが私の提案でございます。
先ほどの上田議員の質問の中でも、今後高齢化社会、少子化の問題は、これはもうどなたも疑う余地はございません。幸い宇陀市の場合は市立病院が今立派に建てかえをされて、60億円を余る予算を使って整備が着々と進んでおりますが、最近私のところに1通の匿名の手紙が来ました。個人名でありますので、私は避けますが、もう一つ電話が1本入りました。宇陀市に住んでよかったと言えるのは、私は病院が近くにあると、介護施設もあるということで宇陀市を選んだと。しかしながら、最近の対応は全くもう期待外れであると。一つは、6時過ぎから順番待ちするそうですね、その方は。そして診察が最初に診察に入るのはもう昼前やと。7時半から9時までは、そこに当直医がおるのに全然診てくれない、何でですかということを私のところへ電話があったんです。
おかしいです、そんなことないでしょうと言ったんですが、やっぱりそうだそうですね。だから今、宇陀市が医療費がかさむ、高齢化社会を迎えている、しかし住民の皆さん安心してほしい、立派な病院があります、いい先生もおりますということなんですけれども、実態はそうではないと。そこらあたりの意識改革を進めてもらわないと、ますます人口の流出はとまらない。若者の働く場もない。所得は年々減っていく。こういう中で、私は3年・5年先をにらんで行政の各部局が相互に連携をとりながら、宇陀市の行政を進めていただくことをお願いして質問を終わりますが、最後にそれらを含めた総括答弁を市長にお願いしたいと思います。
議長(中山一夫君)
竹内市長。
市長(竹内幹郎君)
病院の運営も含めて、国民健康保険も含めていろいろ御意見いただきました。議員のおっしゃる点も含めながら、鋭意努力していきたいと思います。
平成30年度に統一ということでございますし、この宇陀市が誕生するときには、県内の町村の中で先ほど議員がおっしゃるような資産割、平等割の区分が非常にアンバランスでございました。特に旧榛原町におきましては、資産割が少なかったものですから、いろいろ市民の方々に御心配をおかけし、御負担をおかけしているところでございます。
そうした中で、これから国民健康保険事業が県一本化されるということでございますので、基金の取り崩しもしていかなければなりませんし、そんなことも含めながら、平成30年度に統一ということになれば、段階的にその資産割そのものも減らしながら、基金そのものも調整というんですか、基金も使い切るというんですか、宇陀市の市民のものでございますので、基金を適正な基準にするように順次していきたいと思っております。
もう1点、病院の件でございますけれども、非常に細部にわたっては迷惑をかけている点があろうかと存じます。病院そのものも老朽化した施設でございますし、行政として、やはり医師の方、また看護師の方も快適に仕事ができるような環境を整えるのが私、行政自身の責任ではないかなと思っておりますし、それだけではございませんし、職員そのもののお医者さんのモチベーションも高めなければいけませんし、そのマナー自身も高めなければいけないと思いますし、そんなことも含めながら注意をさせていただきながら、病院の運営に御理解いただきますようによろしくお願い申し上げたいと思います。
簡単でございますが、よろしくお願い申し上げます。
議長(中山一夫君)
15番、高橋重明議員の質問が終わりました。
ここで午後1時30分まで休憩いたします。
午後0時22分休憩
午後1時30分再開
議長(中山一夫君)
休憩前に引き続き会議を再開いたします。
16番、小林一三議員より一身上の都合で離席届が提出されております。これを受理いたしております。
2番、高見省次議員の質問番号8番「宇陀市に地域情報化計画は必要ないのか」「次世代育成支援後期行動計画の実施体制~子ども支援、子育て支援の推進エンジンはどこにあるのか」「宇陀市立病院の運営について」の質問をお受けいたします。
2番、高見省次議員。
2番(高見省次君)
2番、高見省次です。ただいま議長から許可をいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
その前に、このたびの台風12号、そして昨日15号と非常に大きな風水害に全国各地が見舞われました。被災された皆様に対して心からお見舞い申し上げたいと思います。
特に奈良県の各地でも大きな土砂災害、河川のはんらんといった災害が起こりました。改めてお見舞い申し上げたいと思います。そして連日動員されている職員の皆さん、そして消防団を初め関係者、危機管理関係の皆様には大変御苦労さまでございます。感謝を申し上げたいと思います。
それでは、私の質問は三つございますけれども、そのうちの二つは以前に御質問させていただきましたことについての再質問、確認ということになります。その一つが地域情報化計画でございます。
昨年の9月の定例会におきまして、宇陀市の情報化計画の策定をぜひしていただきたいということで要請申し上げました。その際に、いろんな大きな投資ということもございますけれども、早期に策定していきたいというそういう前向きな御答弁をいただいたと記憶しております。1年それからたちましたけれども、私のところには残念ながら、その計画策定に向けた動きがうかがえないと今感じております。
そこで市長にお伺いします。この宇陀市地域情報化計画というものは必要ないのでしょうか。現時点でどのようにお考えなのか、再度お伺いしたいと思います。
2番目の質問は、子ども・子育て支援でございます。
その市の大きな方針として、次世代育成支援後期行動計画というのがございます。前期の計画が終わりまして、昨年度から後期計画ということで進められておりますけれども、その内容についても昨年12月の定例会で質問をさせていただきました。
この子ども支援、子育て支援の推進エンジンとなる実施体制、現時点では福祉課が窓口になって各課の調整をしていただいていると認識しておりますけれども、本年3月議会におきましても、この9月の教育委員会の移転にも合わせて子育て支援課、仮称ですが、そういった組織の設置も検討しているという御答弁があったと記憶しております。この宇陀市にとって最優先課題である子ども支援・子育て支援策を強力に推進していくエンジンをどこにどうつくろうとされているのか、お伺いしたいと思います。
そして3番目の質問ですが、宇陀市の市立病院の運営についてお伺いいたします。
住民の皆様も御存じかと思いますけれども、現在市立病院の建てかえ工事が進められております。まず、この建設の状況につきまして現時点でどういう状況なのか、そして一部入院病棟が先行して供用開始されるとお伺いしておりますので、その状況についてまとめて簡潔に御答弁いただきたいと思っております。そしてその後、運営について全般的に再度自席より質問させていただきます。その3点について、まずはよろしくお願いいたします。
議長(中山一夫君)
菊岡総務部長。
総務部長(菊岡千秋君)
ただいま高見議員のほうから、昨年の9月定例会におきまして宇陀市の地域情報化計画の必要性を聞かれています。その際にもお答えしましたように、地域情報化計画をつくっていかなければならないというような考え方でお答えしたと思います。今現状としての進みぐあい等についてお答えをしていきたいと思います。
情報インフラの整備や情報サービスの現状につきましては、合併協議で作成されました新市まちづくり計画に基づいて、地域イントラネットの基盤整備事業あるいはケーブルテレビの整備事業、これが完了いたしました。携帯電話やブロードバンドの通信などについても市内の生活圏ではほぼ完備されてきました。情報通信の基盤整備については、かなり合併以降充実が図られてきたところでございます。
現在では、これらの情報通信基盤を活用しながら、ホームページによる情報の発信や市内の公共施設の空き情報、施設予約あるいは図書館の蔵書の検索等について充実を図ってきたところでございます。今後も自主放送による行政情報の提供やケーブルのインターネットの関係の整備、IP電話等についてはサービスの充実を図っていきたいと考えています。
ここで、ケーブルテレビの加入の世帯数につきましても現状を報告しておきますけれども、この8月1日時点でケーブルテレビの加入世帯が1万1062世帯、加入率が96%、インターネットのこまどりの関係の加入の件数ですけれども、3732件、IP電話の加入件数が3520件、こういうようになっています。ただ、こまどり以外の業者の参入もございますので、インターネットやIP電話の加入については、さらに数はふえると考えています。
これらの情報の通信基盤を活用した地域情報化計画、この計画の策定でございますけれども、今現在、行政内部の情報化も並行して進めていかなければならんと考えています。また、市民への行政サービスの向上と業務の効率化、そういうものを目指して行政情報化を推進していきたいと思っていますし、市民の安全というところにも配慮をした地域情報化を進めていきたいと考えています。
そしてまた、市民が住みやすさや便利さ、快適さを実感できるような市民の満足度、これらを向上させるためにも、やはり市民のニーズに合った運用が必要であろうと思っています。そういうニーズという形でいきますと、広報モニター制度、ますますホームページのリニューアルを気にしながら拡大、拡充をさせていき、市民の声が行政に届く環境をつくっていきたいと思っています。
それで、地域情報化計画の策定へのスケジュールというようなことで、議員からはおくれているという御指摘がありました。取りかかりについては少しおくれているところはありますけれども、宇陀市の総合計画の見直しが24年度に控えています。それらの中にも、やはり個々個別に情報化という観点からも、宇陀市総合計画の中に、後期計画の見直しの中に入れていかなければならない懸案や課題がたくさんあると、こういう状況でございますので、ことしじゅうに検討会を立ち上げて、それぞれの部署から情報化への取り組みを集中一元化させまして、市として総合計画と連動させた地域情報化計画をつくっていく、策定に当たりましては来年度というように考えていますので、以上お答えさせていただきます。
議長(中山一夫君)
覚地健康福祉部長。
健康福祉部長(覚地秀和君)
失礼いたします。ただいま次世代育成後期行動計画についての御質問をいただいておりますので、御回答を差し上げたいと思います。
平成22年3月に策定し、平成22年4月より実施しております宇陀市次世代育成後期行動計画の実施をする体制といたしまして、昨年12月定例会におきまして、いろいろ御意見をいただいたところであります。
そこで市といたしましては、現在計画にある82項目の事業に対し、策定後1年目の進捗状況を明らかにすべく、それぞれの事業について担当部署で評価シートを作成し、平成22年度の進捗状況と評価や次年度以降の課題を明らかにする点検作業を行いました。そして計画の策定終了後、解散しておりました職員による推進プロジェクトチーム及び副市長を座長とし、子育て関係諸団体の代表者による推進委員会を再度立ち上げるべく、要綱の改正を行いました。9月1日には職員による第1回のプロジェクトチームの会議を開催し、各事業の進捗状況を確認し、また9月13日には第2回プロジェクトチーム会議において、行動計画の具体的な推進方法や各事業の進捗状況の市民への公表についての案を作成し、今後推進委員会において協議をいただく予定であります。
このように、次世代の育成の取り組みにつきまして市民や関係団体等参画をいただきまして、毎年度の事業の進捗状況や効果を把握し、積極的に計画の周知、啓発を進め、家庭と地域と行政が協働して次代の社会を担う子どもたちの健全育成を目指す取り組みを今後も推進いたします。
次に、お尋ねの宇陀市の子育てを推進するための(仮称)子育て支援課の設置についてでありますが、これにつきましては関係課で5月より協議を行っており、その中で、平成24年4月から健康福祉部内に設置を行い業務を開始することを目標に、それぞれの課におきまして、子育てに関する業務の洗い出しを行い、振り分けの作業を行っているところでございます。
その中で、現在学校教育課が所管しております業務のうち、保育所全般に関すること、学童保育に関すること、子育て支援センターに関することなど、また福祉課の業務におきましては、次世代育成支援行動に関すること、子どもに関する手当に関すること、母子福祉に関すること、虐待に関することなどが(仮称)子育て支援課の業務として確認をされています。引き続き業務の詳細について検討を行い、スムーズに移行できるよう協議を継続しているところでございます。
このように専門的な課を設置することにより、日々変化しつつある子どもを取り巻く環境の中で、より充実した子育て支援を推進するための体制づくりができるものと考えております。
以上、答弁とさせていただきます。
議長(中山一夫君)
竹内市立病院事務局長。
市立病院事務局長(竹内均君)
病院事務局、竹内でございます。高見議員の御質問にお答えさせていただきます。
現在建設工事中の新病院は昨年6月に本格的に工事を開始して以降、病院本体の基礎工事、各階の軀体工事へと進み、現在は最上階であります7階まで建ち上がり、これから順次、電気、衛生、空調、機械、昇降機などの設備や内装工事を進めている最中でございまして、工事着工後15カ月を経過いたしまして、8月末現在の進捗率は全体の約50%となっております。
その第1期工事として現在工事が進められているわけでございますけれども、その入院部門である病棟部、手術部門あるいは外来部門の一部であります透析、放射線、臨床検査、給食等のコメディカル部門の竣工が本年11月末の予定をされていますので、それに合わせて医療機器や各種物品等の導入や移設を行い、試験運転、調整、また県等の各種の検査を受けた後、それらの部門については年内には引っ越しを行い、供用を開始する予定としております。
一方、外来診察部門につきましては、この1期工事が竣工後、東館、北館の改修工事を行った後、外来診察を既存の棟であります東館、北館等で行いながら、中央館、西館等の解体を行い、その場所に新本館の一部である外来診察部門等の建設工事に入りまして、その竣工を待って外来診察部門の供用開始となる予定で、平成24年の12月ごろ、来年の12月ごろの予定となっております。その後、東館の解体、駐車場等の外構工事を行いまして、平成25年春ごろにグランドオープンという形の予定となっております。
以上、簡単ではございますが、答弁とさせていただきます。以上でございます。
議長(中山一夫君)
2番、高見省次議員。
2番(高見省次君)
ありがとうございました。
まず、1番目の地域情報化について、1年間たちましたので再質問させていただいたということなんですが、来年の総合計画に向けての今取りまとめに入っているという、年内にはという御答弁をいただきました。現時点でも、先ほど総務部長がおっしゃったように、情報インフラは整備されてきていると私も認識しております。そして、そのための情報ソフトをどう伝えていくかというところも一定の前進をしていただいているというように認識しております。
私が今年度の取りまとめに向けてぜひ考えていただきたいと思っているポイントとしましては、ちょっとフリップに書いてございますけれども、地域情報化がなぜ必要かということで、このまちは、やはり山間集落が非常に多いです。ですから、町なかのいろんな施設に行く距離が遠いわけですね。そして、一方で高齢・過疎化といった形で、公共交通の運営が非常に難しくなってきていると。ですから、遠いところまで行かないといけないけれども、やっぱり足腰も弱ってきて公共交通もままならないそういう状況なので、要するに移動しないで自宅あるいは職場とかで受けられるサービスがあれば、そういうことをソフト事業としてぜひ考えていただきたいということですね。それがこの宇陀市のこういう地域性といいますか、山間地域で暮らしやすいというところに大きくつながっていくということで、なるべく移動しなくて済むようにということを少し考えていただきたいということです。
具体的に申し上げますと、光ケーブルが今御答弁で97%まで加入していると。このことは、非常にある意味でアドバンテージだと思うんですね。普通、都会でしたらケーブルテレビにそんなに入りません。というのは、テレビを普通に見れるわけですから、アンテナで見れるわけですから。しかし、ここは山間地域、難視聴地域ということで、ケーブルを敷設したわけですね。そして、そこにほとんどの方に入っていただいた。これは非常に大きなアドバンテージなわけでして、ほぼすべての方に同じことをお伝えできるということですよね。
ですから、そうした今このまちが抱えている高齢社会対策として、遠隔医療とか、以前にちょっと御説明させていただきましたが、遠隔買い物とか、大きな投資がかかるかもしれません。しかし、アイデアとしてぜひ考えていただきたい。そうしているところは、ほかの都市ではたくさんあるということですね。あるいは保育所にカメラを設置して、お母さんが働く職場でお子さんの状況を見れるようにするとか、あるいは授業が少し、例えば警報が出ると授業ができないわけですね、学校がお休みになる。そうしたときに補完的にテレビで授業をやったりとか、あるいは通学の見守りを電子機器をつけてやったりとか、あるいは先ほど答弁もいただきましたが、防災情報を充実させていく。そういうテレビを見るためということでつくったんですけれども、光ファイバーを敷いたんですが、それを使ってもっと生活に資するそういうソフト事業を考えていただきたい。若い方、職員の方たくさんいらっしゃると思います、そういうアイデアをお持ちの方は。そういうIT世代の方にぜひメンバーに入っていただいて、そしてそれを生かして取りまとめていただきたいという、そういうように思います。
それから、2番目の子育ての件ですけれども、今御答弁でプロジェクトチームをつくりましたということで、9月から推進を始めているというお話でした。
しかし、これは後期計画でありまして、22年度から始まっている1年間のレビューをして、そしてそれをまた今議論しているというのでは、これちょっと時間的には私はやはりもうタイミング的にスローだなと。
というのは、前期計画があったわけですね。前期計画で一定の施策を方向性を持って打ち出してやってこられて、そして住民アンケートも詳細にわたってされておりますよね。そのことについても御質問しました。そしたら、そこでやはりもう後期計画として実施体制をしっかりつくってどんどんやっていく。そういう私はもう既に22年、2年目の半分に来ているわけですね、後期計画として。ですから、それがまだそういう調整段階というのでは、とても今の少子化の状況に対応できるスピードだとは私は考えません。
本当に今の子どもさんが少なくなってきているという、具体的に皆さん御存じかもしれませんが、新生児の数ですね。10年前ぐらいは260人ぐらいでずっと推移しておりました。そして7年前、6年前ぐらいから200人ぐらいにまで減ってきている。それがしばらく地域差はございますけれども、維持していたのが、昨年、その前、一昨年は180人、昨年164人、そして今年度は4月1日現在、要するに3カ月で32人、市内全域でございます。ですから、恐らく単純に計算すると、4を掛けると120人前後になってしまうと。もう極端に子どもがいなくなりつつあるという表現で間違いないのかなと私は思っております。
ですから、先ほどいろいろ母子保健、それから子ども手当その他の経済的支援、そして保育所、そしてワーク・ライフ・バランス、そして子育て支援センターですね、いろんな本当に幅の広い政策をしっかり優先順位をつけてどんどん実施できるものからしていかないと、その状況を変えることはとてもできないと私は思っておりますので、ぜひその点をお願いしたいと思います。
それでは病院のほうですが、建設について今御説明をいただきました。
私もモデルルームを拝見したり、建設現場を視察に伺いましたけれども、工事としては順調に進んでいると認識しております。そして建物、そして機器、お部屋、きれいになって、やはり住民の皆様にも喜んでいただけると考えております。
さて、そういう中で、25年の3月には最終的に新病院としてリニューアルするというそういうお話でした。ですから、これからはやはり運営ということをしっかりと考えていく必要があると認識しております。先日のタウンミーティングでもある住民の方が、建設して立派な病院ができるのはいいんだけれども、子どもたちの世代に大きな負担にならないようにぜひしてほしいという御意見があったことを記憶しております。それは、やはりこれからのひとえに運営にかかっていると思います。
そこで、まず住民の皆様にもぜひ知っていただきたいと思いますので、この今市立病院が置かれている地域医療環境ですね。一つは国の医療制度改革というのがございます。きょうも先ほど午前中に高橋議員のほうからも医療費のお話、国保についての御意見がございました。医療費を抑制するという国の方針、それに基づいて、いろんな状況が出てきております。制度も変わってきている。その状況についてお伺いしたいと思います。
そして、奈良県も周産期医療についてのいろんな事件などを踏まえて、地域医療政策を取りまとめている。この中南和地域の医療政策について簡潔に御説明いただければありがたいと思います。
もう1点は、医師不足ということでございます。
これは全国同じように課題として上がっているわけですけれども、やはりこの宇陀市においても、お医者さんに来ていただけるような環境をどうつくっていくか、そういうことが一番大きな課題かなというように考えております。その現状について、この医師の数の推移を決算委員会でも一部お伺いしましたけれども、再度お伺いしたいと思います。
議長(中山一夫君)
菊岡総務部長。
総務部長(菊岡千秋君)
地域情報化の観点から再度御質問いただきました。
地域情報化が進められているという中では、情報の機器そのもの等についても飛躍的に我々が予測もつかない状況の中で進歩をしていく、こういう状況はあると思います。それとあわせて、例えば宇陀市にケーブルテレビ事業を入れようとしたときに、やはり高齢者の方は別ですよというような、それは使いこなせないでしょうというような意識で意見が出てきましたけれども、今やもう今後も含めてですけれども、だれでもがインターネット等のパソコンを使いこなせるという時代は必ずと言っていいほど近くに来ていると考えています。そういった時代状況や、やはり使い手側のニーズがだんだん変わっていくという状況を受けて、今後とも情報に対する欲求度なり市民ニーズというところは高まってくると考えていますので、おっしゃいましたように、いろんな状況の中で、例えば遠隔の買い物とか児童の安心の見守りシステムとか、そういったものも含めて十分検討していかなければならない課題だと考えています。
また、議員おっしゃいましたように、朝方の質問でも答えましたように、宇陀市の独自性としては、やはり皆さんの力によって、協力によって進めてこられましたケーブルテレビの事業が97%の宇陀市のやはり電波を受けづらいという環境、マイナス面が逆ばねという形で作用しまして、そういった状況がつくり上げられてきたということで、今やその状況はどこの自治体にもないアドバンテージだというような認識は我々も持っていますし、それを活用すべきだと考えています。
今期のこの議会で補正予算で提案しますテロップを入れる内容につきましても、即座に市民の方々に情報を伝えられる状況をつくっていきたいとも考えています。また、この議会等を通じて、一般質問等を通じて、防災の関係で防災無線のありようを問われてきました。これらについても、今や情報化の時代の中で、これをやったからもう万全ですというような、一つの機能設備を整えたら、もうそれ以外は要りませんよというようなことではないわけです。例えば防災無線も完備し、あるいは安心メールも完備し、ケーブルテレビによるテロップによる即時の市民へのお知らせをしていったりとこういうところに、安全に安全を重ねていくというような部分をつくり上げてこそ市民の安全は担保されるんだろうと、それが情報の有用性だとも考えていますので、そういった状況の中では十分行政の中身で内部検討しまして、時代のあるいは市民のニーズに合ったような情報化の計画をつくっていきたいと考えております。
以上です。
議長(中山一夫君)
覚地健康福祉部長。
健康福祉部長(覚地秀和君)
失礼いたします。
先ほどの説明の中で、後期計画であるにもかかわらず一向に進んでいないというような形の御意見でございました。私どもといたしましては、計画を検証する中で、その検証をもとに関係12課が寄りまして、この82項目について協議を行っており、次年度においてはどういうような施策が有効であるか、また至らなかったかというようなことも検証しながら、その施策に当たっていくと。また、それらの内容について、住民にもその内容を公表していくという形で対応してまいりたいと思います。議員さんの御意見を参考にしながら、今後とも対応してまいりたいと思います。
議長(中山一夫君)
竹内市立病院事務局長。
市立病院事務局長(竹内均君)
それでは、僕のほうから答弁させていただきます。
まず、市立病院の置かれている地域医療環境というお尋ねでございます。
国の医療制度改革につきましては、日本の国民医療費が平成22年度で35兆円を超える規模になるなど、過去毎年1兆円前後の規模で増加しております。その中で、平成14年度以降の診療報酬の改定のたびにマイナス改定が行われております。特に小泉改革の一環であります平成18年度の改定では、マイナスの3.16%の過去最大規模の改定が行われるなど、平成14年度以降、累積で6.78%と大きなマイナスとなっております。あわせて、診療報酬におきまして政策誘導が行われておりまして、平均在院日数の短縮あるいはDpc、いわゆる包括支払い方式の導入が行われ、医療費の抑制が行われております。病院経営にとりましては、大変厳しい経営環境であると言えます。
次に、お尋ねの県の中南和地域医療政策と当院との位置づけでございます。
当然当院は奈良医大の関連病院という位置づけでございまして、超急性期を脱した患者の受け入れなど、連携を通して一部後方支援としての位置づけもございますが、当院は東和医療圏に属し、特に地形的な側面をかんがみて、宇陀市、宇陀郡における中核病院として地域に根差した医療の提供を基本理念として掲げております。
また、奈良県保健医療計画では、東和医療圏における急性期病院として位置づけられ、さらに奈良県病院連携・ネットワーク構想におきましても、急性冠症候群、心筋梗塞など五つの救急疾患につきまして、連携・役割分担モデルの提示を受けるなど、地域における医療体制の提供が求められております。
次に、医師不足の状況でございますが、平成13年度での当院の常勤の医師数は29名でございました。その後、平成16年度に始まった医師臨床研修制度の導入を契機といたしまして、平成16年度で2名、平成17年度で2名、平成18年度で2名、平成20年度で3名、平成21年度で1名、そして平成22年度で2名が奈良医大による引き揚げ、あるいは退職に伴う不補充という形で減少し、新たな派遣もございましたが、差し引き10名の減少となり、現在は常勤医師数が19名となっております。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
2番、高見省次議員。
2番(高見省次君)
ありがとうございました。今、国の方向性、そして県の考え方などについてお伺いしました。
まさに、これは人口ピラミッドと言われているものですので、皆様よく御存じだと思いますけれども、1950年には本当にピラミッドの形をしておりましたけれども、現在2010年では、こういう下のような形になっております。やはりここのところですね、団塊の世代と言われておりますけれども、この方々がもうしばらくしますと高齢者というところに入ってこられる。そして10数年たちますと、いわゆる後期高齢者というそういう年代になられるということです。
一般に、この病院の医療費といいますのは、後期高齢者のこの数のふえ方、そのふえ方と比例して伸びているということが今分析されております。ですから一番のピークは、やはり10数年先、十二、三年になるんでしょうか。先ほども午前中の答弁でも37年に2万2000人、高齢者率が43%でしたか、そういう人口動態の話がございました。ですから、単純に高齢者の動向というよりも、やはりこの団塊の一番日本全体で1100万人ぐらいと言われているその世代の方々の動向というものが、非常にこれから医療費に大きく影響してくるということを御認識いただきたいと思います。
そして運営ということになりますけれども、やはり自治体病院の経営については、さまざまな分析もされております。ほかにも民間の医療法人による病院との比較において、この図はいわゆる医業収入と医業経費の関係をあらわしたものですけれども、左から2番目の自治体病院がやはり一番収入に対する経費の率が高いという、そして人件費もやはり高くなっていると。公立という言葉だけでは語れませんけれども、そういう経営という意味におきましては、やはりそういった体質があるということですね、そういうことが言われております。
そこでお伺いしたいと思いますけれども、今やはり民間病院との違いも踏まえて、市立病院の組織、それから人事というものがどういうようになっているのか。組織については院長と事務局長の役割などについてお知らせいただきたいと思います。それから、医師、看護師、事務員の採用と評価というものもどういう形でされているのか、お伺いしたいと思います。
そして経営の点につきましては、いろんな指標がございますけれども、一つは合併後の患者数の推移。特に、やはり昨年から建てかえの工事が始まっておりますので、それによって減っている状況が懸念されておりますので、その点についてもお伺いしたいと思います。
そして収支としましては、今お知らせしました医業収入、そして医療行為による収入と経費ということで、医業収支比率というものがございますけれども、それについてお伺いしたいと思います。
以上、よろしくお願いします。
議長(中山一夫君)
竹内市立病院事務局長。
市立病院事務局長(竹内均君)
お答えさせていただきます。
まず、病院の組織と人事というお尋ねでございます。
当院のような自治体病院の運営は、すべて病院管理者である市長の決裁あるいは条例の改正等議会等の許可が必要な場合もあり、どうしてもスピード感が見劣りするのは否めないと思います。また、事務方におきましても本庁の人事により異動がなされ、どうしても専門性が育ちにくい状況となっております。さらに、すべての職員が公務員制度に基づくことが大きな差ではないかと思っております。
民間病院になりますと、理事長なり院長が身近なところで常時経営を視野に入れ、効率性のあるスピード感ある運営を行い、事務方についても病院採用で、プロパー職員として継続性のある長年在籍することによる専門性のある運営をしておるところでございます。
次に、院長と事務長の役割と権限につきましては、当院の組織図、一般的にはCeuでございますけれども、事務長は副院長の配下として位置づけられております。しかしながら、一般的には院長を補佐するのが事務長とされておりまして、院長の指示命令に基づきまして職員に指示を行い、代弁するのが事務長の職務とされております。
次に、医師、看護師、事務員等の採用と昇進につきましては、まず医師につきましては、すべて奈良医大の各医局、各講座の推薦に基づき採用しております。昇進は当院の内部規定に基づき実施しております。看護師、コメディカルについては、必要の都度、当院の最高意思決定機関でございます経営委員会の承認を得た上で募集を行いまして、最終的に市長等の決裁を得た上で採用をしております。昇進につきましても、院長等の承認、市長等の承認を経て行っております。事務員につきましては、すべて本庁の人事課の人事異動になっております。
次に、患者数の推移でございます。
患者数の推移につきましては、年々減少傾向にございます。これはさまざまな要因があると思いますが、昨今は先ほど御指摘いただきましたように、病院の建設、現在地での建設ということで減少している要因もあろうかと存じますが、最も大きな原因は、やはり先ほど申しましたように、医師の減少が大きく左右しているものと思っております。常勤医師の場合は毎日外来診察を行い、入院が必要な患者につきましては入院していただくことになりますが、これが非常勤の場合は週2日、週3日等の外来診察となりまして、それが大きく患者数の減少につながっておるのが現状でございます。さらに、非常勤になりますと入院の受け入れができなくなって、入院患者の減少にもつながってくるという形になっております。
あと、医業収益と医業費用の関係につきましては、確かに民間病院との経営分析を行いましても、当院は経費率が若干高うございます。その大きなやっぱり要因は、サービス業でございますので、人件費、給与費のウエートが大きく左右しております。あと材料費、材料費につきましては、当院はまだ院内処方でございまして、薬品費が毎年6億円、7億円の支出をしておりますけれども、院外処方になりますと、それが院外へ出ますので、その経費が抑えられますので、当然その辺の率は民間並みには下がってこようかというような形で考えております。
そこで一番問題になるのが、やはり給与費でございまして、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、公務員制度の中で年功序列型の賃金体系でございますので、いかんともしがたいものがございまして、現在の医業収益、医業費用のアンバランスを招いているというような状況かと分析しております。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
2番、高見省次議員。
2番(高見省次君)
ありがとうございました。
何点か確認していきたいと思いますけれども、まず組織ですが、今おっしゃっていただいたようなことをちょっとグラフ化といいますか、図式化してみますと、こういう感じなのかなというように思います。一番下のお医者様のほうは、大学の医局のほうから派遣していただくということになります。その下に事務長という形になりますけれども、もちろん市立病院、自治体病院ですので、開設者が首長ということで、あと人事、病院部局、財務部局というような形で事務長と人事なりの連絡等が調整がされるのかなと感じております。
民間病院と単純に比較することはふさわしくないと思いますけれども、先ほどもございましたけれども、やはり国の医療費抑制の方針というのは、病院にとっては非常に経営的には反対といいますか、厳しいそういう方向性ですので、いかにやはり経営の効率といいますか、効果というものをよくしていくかということが問われていると。
その中で、今医業収支比率もお聞きしました。私なりに21年度が98.2、22年度が96.2ということで、比較的指標としては良好なのかなというように感じております。そして平均在院日数も、これは抑制の国の方針としては、日数を減らさないと診療報酬が上がってこないわけですね。そういう方向性で施策が進められております。そういう意味で、21年度が21.4日、それから22年度が19.2日と聞いておりますが、これは日数としては全国的な平均値に比べて非常に短いと感じております。
ただ、やはり問題と考えますのは、病床利用率ですね。稼働率と言うとわかりやすいと思いますけれども、いわゆる病床数がどれぐらい使われているかということで、21年度が67.7%、22年度が64.8%ということで、この点は、結局医療費、経営の収入になりますね。入院のほうは診療単価掛ける患者数掛ける平均在院日数ということになりますので、この平均在院日数を上げることはできないわけですね、この診療報酬の点数が下がりますので。ですから、そうするとやはり稼働率を上げていかないと、しっかりとした経営にはなっていかないのかなと私は考えておるんですけれども、患者数が減ってきている。ピーク時には、私も調べましたが、平成7年度に10万人近い患者さんが入院されていたのが、今4万数千人だったと思います。かなり減っているということで、そういう稼働率をどう上げていくかというところが問われるのかなと思いますが、その点についてはいかが認識されていますでしょうか。
議長(中山一夫君)
竹内市立病院事務局長。
市立病院事務局長(竹内均君)
まず、平均在院日数でございます。
平均在院日数につきましては、今御指摘のとおり、大体20日前後で推移しております。当院は基準看護10対1の基準を取得しておりまして、その基準が21日以内とされております。ですので、平均在院日数が現在20日前後で推移しておりまして、平成22年度で今おっしゃいましたように19.2日ということで、20日を切る平均在院日数で推移しております。
全国平均を見てみますと、奈良医大とか超急性期をつかさどる病院につきましては、もう10日前後で推移しておると思っております。ですので、全国平均は大体十四、五日になってきておるのではなかろうかと考えております。といいましても、その辺は各病院の診療科の構成によりまして大きく平均在院日数が変わってきております。例えば入院の場合ですけれども、小児科の入院を受けている場合につきましては、大体四、五日で小児科の場合は退院していかれますので、病院全体の平均在院日数としては相当抑えられると。ですので、当院のように内科、整形等がメインの科になりますと、どうしても平均在院日数が長くなるというような傾向で、全国平均と比べますと若干平均在院日数が長いのではなかろうかと考えております。
それで、稼働率と当然平均在院日数はリンクしておりまして、平均在院日数を下げることによりまして、同じ入院患者数でありますと、当然ながら稼働率は下がるというような形になっております。そこでの対策といたしましては、当然従前から申し上げておりますように、やはり地域連携が最も重要なポイントではなかろうかと考えております。地域の開業医さんから、いかに紹介をしていただいて当院のほうに入院を誘導していただくか、それが一番大きな課題でございまして、平均17年から地域連携室を立ち上げまして、その辺のところに重点的に取り組んでおるところでございまして、去年おととしになりますけれども、院長、副院長を筆頭といたしまして、私も入りまして四、五人のメンバーで各開業医をすべて回りまして御要望等の聞き取り調査を行いまして、その辺の対策に取り組んでおるところでございます。
あと稼働率につきましては、何遍も申し上げて大変申しわけないんですけれども、医師数が大きくやっぱりその点も左右してきております。御存じのように、患者さんが入院いたしますと、当然主治医という形でドクターがつくわけでございますけれども、大体1人の医師が受け持ちできる患者数が10人から12人という形になってきております。ですので、医師数が減りますと、比例して当然入院のほうの受け入れも不可能になってくるということがございまして、平均在院日数、それから医師数の減少が大きく稼働率の低位につながっているというような形で分析しておるところでございます。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
2番、高見省次議員。
2番(高見省次君)
ありがとうございます。
今、病院の改革プランということで、これは20年の3月に策定されたプランを実施されていると、建設も含めてということでございます。これが22年度までということですので、その評価について、全体としての評価をやはり次につなげていくためにもまた必要かなと思います。その中で観点としては、そういう制度も変わって診療報酬についても包括支払い方式というような形で誘導されているわけですね、国の政策誘導がされているわけですから、そういう点も含めて、そして組織についても、けさもお話がございました、職員の意識改革というようなことも含めて、この改革プランの実施について全体としてどう評価されているのか、お伺いしたいと思います。
議長(中山一夫君)
竹内市立病院事務局長。
市立病院事務局長(竹内均君)
お答え申し上げます。
この改革プランにつきましては、平成21年度から23年度までの3年間の経営改善に向けた取り組みというような形になっております。その中で評価につきましては、昨年度も病院建設特別委員会のほうで御報告申し上げました。点検・公表という形で2枚ものの資料で御報告申し上げております。申し上げますけれども、当院のこの改革プランにつきましては、全国的な改革プランの提出はすべて3年以内に黒字化せよというような総務省の指導でございますけれども、当院につきましては、たまたま新病院の建設時期とちょうど重なる形になりまして、当院につきましては赤字のままで改革プランの提出をさせていただきまして、県なり総務省の御了解を得ておるところでございます。
その中で、当然赤字の御報告をしておるわけなんですけれども、まず21年度の経常収支比率が赤字ということで、91.2%の数値目標でございました。それが実績は99%、3500万円程度の赤字だったと思います。それから22年度につきましても、同じく病院建設のタイミングということで、90.5%の経常収支比率でございましたけれども、経常収支比率の実績につきましては98.7%ということで、平成22年度、6500万円程度の赤字というような結果になっておりまして、軒並みほとんどのところで改革プランの数値目標はクリアしておるというのが現状でございます。
ただ、先ほど御指摘のありました病床の稼働率が平成21年度、22年度とも目標をクリアできなかったという形になっております。あと、達成できなかった分野が患者1人1日当たりの入院収入、これが目標より500円程度低かったというような形になってきておりまして、もう一つ救急患者取扱件数ですね、それが目標と比べますと未達成という形になっております。あとの数値目標につきましては、すべて目標を上回っているという結果になっております。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
2番、高見省次議員。
2番(高見省次君)
いろんな市だけでどうしようもない点があることも私も理解しておりますし、そういう中でプランを実施して、そしてこれ、新しく建てかえという大きな工事を企業債を発行してやるわけですから、未知の世界に入っていくのかなという気がします。そういう意味では、ぜひ今からやはり住民の皆様も一緒になって、この宇陀市の宇陀地域の医療政策をどうしていくかという、そのための一番中核、柱になるのが病院ですので、その市立病院の経営というものにぜひ関心を持っていただきたいということで質問させていただいております。
やはり先ほど局長もおっしゃったように、医師が減っているということがやはり経営の部分に大きくつながっているということがございました。私もそう思います。ですので、ピークから10人ぐらいいらっしゃらなくなっているということで、例えばそのいらっしゃらなくなった2人いらっしゃらなくなった1年間で、その補充とかそういう形、あるいはどういう理由でやめられたら補充ができるのかとか、その辺できる範囲でちょっと教えていただくことはできないでしょうか。
議長(中山一夫君)
竹内市立病院事務局長。
市立病院事務局長(竹内均君)
残念ながら、私のほうでドクターの人事関係がすべて把握できるわけではなく、あくまでもドクターから結果なりを聞いて、なるほどなという形で知っておる程度で、そんな程度で大変申しわけないんですけれども、聞くところによりますと、内科等につきましては、去年、22年の3月で1名退職されました。その方につきましては、ドクターが減ってきて残ったドクターに負担が大きくなりまして、当直体制が一番やっぱり負担だったようで、その辺が当直体制のない病院へ行きたいということでみずから志願されまして転籍されて、神戸のほうの病院へ行かれたというような形で聞いております。それからもう1名が去年の12月に結婚、女性医師でしたけれども、1名が退職なさっております。
ということで、大学の人事異動という形でしたら、当然補充はあるわけなんですけれども、当院の都合ではないんですけれども、人事異動ではないところで退職された場合は補充されないというのが今の第1内科の傾向という形になってきておるようでございます。
そしてまた外科のドクターにつきましても、せんだってから1名、副院長が定年退職という形で退職されましたけれども、それにつきましても補充はされていないという状況がございます。それもすべて奈良医大の本体の絶対数の医師がやはり不足していると。みずからの足元をしっかり固めて、その余力をもって関連病院へドクターを派遣するというのが現在の流れになっておるようでございます。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
2番、高見省次議員。
2番(高見省次君)
非常に難しいことだと思いますので、全般として、お医者様にどうやって来ていただくかということで、一つはやはり先ほども女性の医師のお話がございましたけれども、今卒業される医師の4割近くが女性だということも聞いております。ですから、まさに働く女性なわけでして、その仕事と家庭の両立のバランス、両立支援ということは大きなテーマとして県も認識されていると思います。そのことも踏まえて、今市として病院としてどうやって医師を招聘していくのか、その点についての考え方をお伺いしたいと思います。
議長(中山一夫君)
竹内市立病院事務局長。
市立病院事務局長(竹内均君)
お答え申し上げます。
医師の招聘ということでございます。現在まで市長、院長を先頭に、奈良医大の各医局ごとに教授に御面会をいたしまして、何度となく派遣の依頼をしてきております。今後ともさまざまな機会をつかまえて依頼していきたいと思っております。
その中で当院の対策といたしましては、院内保育園、スタートは看護師のみを対象としてきておりましたけれども、今は医師も対象という形で院内保育園の受け入れを行っております。それからまた、公務員制度の中で、育児休業制度などワーク・ライフ・バランスが相当充実されてきております。そういったことを売り込みながら招聘につなげていきたいと考えております。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
2番、高見省次議員。
2番(高見省次君)
時間も少なくなってきておりますので、私がきょう申し上げたいのは、この病院の建てかえに際しまして、これを契機に、やはり国や県の方針などもどんどん変わってきている。厳しい方向になってきている。そうした中で、地域医療環境というものをどういうように、先ほど連携という話もございました。もちろん介護、そして福祉、そうしたところとの兼ね合いもあると思います。その中で、しかし経営がしっかりできないと、そのサービスをできないわけですから、どう経営を安定的な基盤づくりをしていくか、そして自治体病院としての役割といいますか、存在意義が何なのかということをしっかりと考えていく必要があるということで取り上げさせていただきました。
そういう意味で、私は単に経営のことだけでは、やはりだめだと思います。いわゆるよく言われております不採算部門というものがございます。やはり今、市立病院だと小児科、産科、そして救急などそういうところかなと思います。経営の効率だけ図っていては、やはり例えば災害が起こったときに必要な病床が確保できないじゃないか、そういうこともあると思います。無駄はだめだけれども、やはり余裕も必要だと。でも余裕があり過ぎると、モラルハザードが利用者に起こる。そうすると、お医者様に非常に負担がかかってくる。そういうことがいろいろ言われておるわけで、そういう全体のことを踏まえながら、これは自治体病院ですから一般会計から持ち出しをしておりますね。今までは1億円から1億5000万円ずつ持ち出してきましたが、昨年度、22年度の決算では、たしか2億3000万円ぐらいにふえていたと思います。そういう市の負担をどう考えていくかということも考えながら、市長に2年先のリニューアル、そしてその後やはり訪れる大きな医療費の負担というものを見据えながら、どういうような考え方で進めていかれるのか、お伺いしたいと思います。
議長(中山一夫君)
竹内市長。
市長(竹内幹郎君)
市立病院の建設につき、また運営につき、いろいろ御意見いただきました。よく実情を調査されてのことと思っております。
市立病院に行政が関与するということに対する市民の信頼度、それははかり知れないものがあると思っております。そしてまた、病院の運営上の大きなファクターとして、一つは利便性があろうかと存じます。一つは、やっぱりいいお医者さんがおるかどうかという話もあるわけでございます。そしてまた、病院を取り巻く周辺環境も含めて、いい環境であれば、やはり患者さんも行かれるのではないかなと思っております。ですから、この機会を通じて、今までですと、病院を建てるということだけで終始終わったわけでございます。ところが、私は病院周辺環境も含めて整備をさせていただきたいと考えております。今行政が関与して周辺の都市計画そのものも見直しながら、人の動線、そしてまた車の動線も含めて考えさせていただきたいと考えております。ですから、そんなことも含めながら、病院の経営も含めて底上げするような政策をさせていただきたいと思っております。
そしてもう1点、病院は赤字という話があるんですけれども、一般行政そのものは非常に厳しい環境でありましたものですから、従前から病院が申しますには、交付税措置が3億5000万円ぐらいされていると言われております。ですから、宇陀市がその分、周辺環境も含めて投資する必要があったものをそのまましてこなかったという問題もあるわけでございますので、御理解いただきたいと思います。
そんなことも含めながら、看護師の就労環境、そしてまたお医者さんの就労環境も、先ほど担当が申しましたように、非常に厳しい環境だと思っております。これはお医者さんも努力しなければいけませんし、やっぱり行政の運営の中で努力しなければいけない面があろうかと存じます。そんなことも含めながら、お医者さんが宇陀市立病院に勤務したいというような環境、そしてまた、インターンの方がここで勉強したいというような環境も含めて模索していきたいと考えているところでございます。
そして宇陀市民の方々にとりましては、やはり利便性も含めて、私たちの病院だという愛着を持っていけるようなそんな病院を目指していきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
高見議員、持ち時間1分以内です。
2番、高見省次議員。
2番(高見省次君)
最後に一言申し上げます。
3問を通じまして、情報化計画、そして子ども・子育て支援の体制づくり、そして病院の運営ということで質問させていただきました。
ぜひ市長にお願いしたいのは、やはり市長の具体的なイメージを持っていただきたいんです。「四季の風薫る高原文化都市」いいコピーだと思います。しかし、どういうまちなんだろうと、やっぱり一つ一つのイメージが必要だと思うんです。情報化にしても、こんなことができるまちというイメージをぜひ持っていただいて、それをやはりITにたけた職員、若い方がどんどん具体化していく。もちろん検討してでありますけれども、ぜひそういう形でどんどん若い方に勉強させていただいて、そしていいまちづくりを進めていただきたいと思います。
以上です。ありがとうございました。
議長(中山一夫君)
2番、高見省次議員の質問が終わりました。
ここで午後2時50分まで休憩いたします。
午後2時39分休憩
午後2時50分再開
議長(中山一夫君)
休憩前に引き続き会議を再開いたします。
勝井議員より資料の配付が要請されておりますので、これを許可いたしております。
次に、1番、勝井太郎議員の質問番号9番「公共施設等の新設、更新、管理などに対してファシリティーマネジメントを導入することについて」「決算の位置づけについて」の質問をお受けいたします。
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
皆さんこんにちは。1番、勝井太郎でございます。私が今回のこの9月議会の最後の質問者でございます。日ごろは1日目が多かったのですが、今回はトリを務めさせていただくことになりました。
質問に入る前に、今回の12号台風、そして15号台風で被災された皆様にお見舞いを申し上げますとともに、同じ奈良県内で大変大きな被害を受けましたので、一日も早い復興をお祈りをさせていただきたいと思います。
それでは、通告に従いまして一般質問を行わせていただきます。
今回の質問は、私とそして大学生のインターンの3名で調査を行わせていただきました。それだけでなく、インターネットのTwitterを通じて意見を求めさせていただいたり、民間の方より御意見や質問の設計にも加わっていただきました。私一人ではなく、インターンや市民の方といったチームを組んでつくらせていただきました一般質問でございます。
今回の一般質問はファシリティーマネジメントの導入についてと決算の位置づけ、特に事務事業評価についてでございます。どちらもなかなかきょう傍聴いただいている皆さんや今テレビをごらんいただいている皆さんにとっては、なかなか目につきにくいものだとは思いますが、この宇陀市を建て直していくためにまず最初に行わなければいけないのは、しっかりと土台をつくることでございます。その土台をつくるという観点での質問でございますので、少し難しい言葉もございますが、ぜひおつき合いをいただければと思います。
今回は、ファシリティーマネジメントについては「公共ファシリティーマネジメントとは」という資料を皆さんにお配りをさせていただいております。きょうはフリップは用意していないんですが、ブログとTwitterに同じ資料をアップロードさせていただく予定にしておりますので、一般質問終了後、ブログ、Twitterをごらんいただければと思います。
それでは、1問目の質問を行いたいと思います。ファシリティーマネジメントについてお尋ねいたします。
公共施設は類似施設、宇陀市で言いますと公民館や集会所といった一見同じような施設に見えないものであっても、複数の部局で管理をされており、縦割りの行政が行われているのではないか、そのように感じるものがたくさんございます。今回質問で取り上げます公共ファシリティーマネジメントは、施設や環境を最適化することによって経営資源を有効活用し、無駄を省くとともに、市役所内だけでなく、宇陀市内全体の最適化を図ることを目的としております。効率のよい行政運営を行い、地域のバランスをうまくとりながら、宇陀市全域を無駄なく最適化していこうという提案でございます。その中で、今回は特に市役所の中の管理部門の強化について主眼を置いております。どうぞよろしくお願いいたします。
昨今、公共ファシリティーマネジメントを導入し、公共施設の道路といったものの新設、維持管理、更新、資金調達といった全般的なマネジメントを一体的に行う自治体というものが出始めております。身近な自治体でございますと、奈良県も平成20年10月に県有資産の有効活用に関する基本方針を策定しておりまして、県が所有をしております公共施設の最適化を始めております。
なお、宇陀市も公共施設の整理、統廃合等を通じて最適化を図るという方針は合併のときより存在しておりまして、新市まちづくり計画にもそのことが書かれております。読み上げさせていただきます。
新市まちづくり計画。公共施設の整理、統廃合について。公共施設の統合整備については、住民生活に急激な変化を及ぼさないように十分配慮をするとともに、地域特性や地域バランスを考慮しながら逐次検討していくことを基本とする、このように書かれております。要するに、長期的な視野に立って宇陀市に必要な施設が一体何かということを洗い出して、今後の投資の計画、施設の維持管理計画を立てていくという必要がありますし、そのことが書かれているということでございます。宇陀市としても、このことは合併以前、5年以上前からわかっていたことでございます。
宇陀市の現状を見ますと、人口、そして税収が減少の一途をたどっております。今現在の財政力指数も0.33と、本来必要なお金の33%しかみずから用意ができないという現状でございまして、奈良県12市で最低水準になっております。現状のまま施設を運営していくこと、維持をしていくことは大変困難を伴うことは予想されております。
また、築20年を過ぎている施設が相当数ございまして、老朽化対策、耐震補強を避けて通ることは、もはやできないというのが現状でございます。どの施設をこれから長寿命化させていくのか、そしてどの施設については建てかえていくのか、そのような指標をしっかりとつくる必要が出てまいりました。
合併より5年が過ぎておりますが、長期的な視野に立った施設の統廃合及び新設、更新、維持管理のための体制というものは、これからの課題ということでございます。今までは国や県の補助要綱に従って施設の更新などを進めてきた。そのため長期の時間軸で管理をするという視点がおろそかになってきたのかもしれません。せつな的に補助名利に飛びつくことなく、施設への投資計画をしっかりとしたビジョンを持ってつくる必要がございます。
施設の統廃合、新設、更新、維持管理を行うには、現状の施設の分布状況、今後の人口の推計、財政の見通しなどをしっかりと情報として持った上で将来のビジョンを描き、投資計画をつくり、現有施設の長寿命化、新設施設については適正化を図ることが求められております。そのためには、施設管理台帳を初めとするデータの整備が必要となってまいります。
また、財政の裏づけを持った公共施設更新計画を立てた上で、各年度ごとに支出を平準化していかなければ、将来大きな負担を子どもたちや孫たちに押しつけることにもなりかねません。以上のことを踏まえた上で、質問をいたします。
現状進んでいない施設管理台帳の整備は、いつまでをめどに行うのか、具体的な期日は定めて行っているのか、担当部長の説明を求めます。
長期的な視野に立った施設等への投資、維持管理などの方針を策定する必要性をどのようにとらえられているのでしょうか。そして、このことについて調査、研究をする用意はございますでしょうか、市長並びに担当部長の見解をお伺いをいたします。
現状の公共施設の新設について、補修、維持管理に関する部署は総務部、企画財政部、建設部といった複数の部署にまたがっております。建設をするということであれば、健康福祉部や市民環境部、農林商工部や教育委員会も担当をしております。このように、建設をした後の施設をどのように管理をしていくのか、一元管理をこれから先行っていく必要は感じておりますでしょうか、市長並びに担当部長の見解をお伺いをしたいと思います。
次に、2問目の決算の位置づけについて質問をさせていただきます。
今まで行政、議会ともに、予算の編成並びに予算の議決については大変重視をしておりました。しかし、今決算認定を行われておりますが、決算はそこまで重視をすることなく扱われてきたのかもしれません。
しかし、昨今行われている事業仕分けは幅広い自治体で導入をされております。事務事業行政評価についても大変多くの自治体で導入をされています。前年度に行った事業を評価し、現年度、次年度の予算編成と業務の改善を行う流れができ始めております。特に事務事業評価並びに事業仕分けは、前年度の事業のうち現年度、次年度以降も継続をして行われるものを特に対象として行われております。したがいまして、決算と事務事業評価、事業評価、事業仕分けは切り離すことができないものでございます。
今年度は予算案に対して事業別シートを導入いたしました。事務事業ごとの業務の把握、年度途中でのチェック、そして年度終了後の評価まで一連の流れとしてとり行う、そのような基礎、基盤ができようとしております。
なお、今年度の決算認定のためにつくられた平成22年度主要施策成果説明書、これは決算委員会のときに大変活用させていただきましたが、この中に実施状況及び成果が載せられるようになりました。21年度まではそれが何もなかったので、大変評価をしたいと思っております。
しかしながら、各事業ごとの評価ではありませんので、事務事業の業務改善の指標とするには、いささか厳しいものがある。これから先もさらなる改善が必要かなと考えております。
議会での決算認定を業務改善のきっかけとするためにも、事業別の評価というものは今後導入をしていく検討が必要であると考えております。来年度より事業別シートを導入して事務事業行政評価を行う用意はございますでしょうか。そして、その用意を具体的にもし進めているのであれば、状況を説明いただきたいと思います。担当部長の説明を求めます。
事業評価と決算は同じタイミングで出るべきものであるということを先ほども指摘をさせていただきました。成果説明書と事業評価が今二つ分かれておりますが、これはどこかのタイミングで一本化をする必要があるかもしれません。その点についても見解を求めたいと思います。
そして今年度、平成22年度の事務事業評価は今行われていると聞いておりますが、それはいつでき上がるのでしょうか、具体的なスケジュールを説明をいただきたいと思います。
そして最後ですが、予算編成から決算までを一連の流れにするのであれば、事業別シートを一部手直しをした上で事務事業評価も行うように改善をしていくべきであると考えますが、その用意というものはございますでしょうか、担当部長の説明を求めたいと思います。
以上で、壇上からの1回目の質問とさせていただきます。再質問についても、また意見を述べさせていただきたいと思いますので、しっかりとした真摯な議論を行っていきたいと思います。そして、今回は特に各課の方から大変多くのことをヒアリングをさせていただきました。しっかりと実現性のある議論をしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
議長(中山一夫君)
菊岡総務部長。
総務部長(菊岡千秋君)
勝井議員のファシリティーマネジメントを行政の特に宇陀市の中に活用していくことについての見解を求められています。また、それらに対する時間的なタイミングや指標についての考え方についても問われていますので、お答えをしていきたいと思います。
市の公共施設につきましては、合併によりまして類似施設を多く保有している、しかも、御指摘のように建物については建築後20年以上経過したものが大半を占めていると、こういった状況であります。
これまで市では、施設設備の維持管理等につきましては、経年の変化や劣化状況に応じて補修・改修工事を実施しながら、行政改革の一環として同種施設の統廃合や遊休資産の売却等の推進あるいは市の公共施設のあり方を検証していく基礎資料として、市内の主な施設について1年間にどれだけの費用が必要なのか、いわゆるランニングの費用でございますけれども、そういった施設の管理コストを一覧表にまとめてきました。あるいは使用状況についても点検を加えてきました。これらについては、まだまだ多くの施設について検証が必要であると考えています。
今後はこれらの保全や維持管理に多額の経費が必要になるということが予想されてきました。これまでの施設の維持管理のあり方について見直しを図っていかなければならないと考えているところでございます。また、社会環境の変化によって、施設そのものの利用率が低下している施設あるいはもう既にその施設の機能を失って空き施設になっている施設等々の問題も生じてきています。
いずれにいたしましても、厳しい財政状況下においては、施設に要する全体経費の一層の節減を推進していくということとともに、計画的な維持修繕の実施など効率的な施設運営を図っていかなければなりませんし、市全体での問題点や課題等を整理しなければなりません。市民の皆さんにも意見をお伺いしながら、将来的に改築か、あるいは複合化していくか、あるいは廃止かといったような意見も市のほうで方針をまとめながら市民に問いかけていかなければならないと考えています。
また、議員御指摘のように、経営的な視点から設備の投資や、さらには管理運営に要するコストの最小化並びに施設の効用の最大化を図るために、ファシリティーマネジメントといった考え方を入れていくというのは当然の考えでありますし、宇陀市としても十分それを念頭に置いていくという考え方で進んでいきたいと思います。
当市におきましては、今財産台帳というような議員御指摘の財産の管理台帳まではいきません、財産台帳の整備に取りかかっていますし、中長期計画の策定に必要な基本データの集積並びに評価と企画、計画を行える組織体制の構築というところにもまだまだ課題を残しています。今後施設を所管する部局だけではなく、やはり議員御指摘の縦割りの行政ではなく、やはり行政全体に横串を入れていくという観点から、全庁的に検討、調整を行っていく必要があると考えています。
以上、回答とさせていただきます。
議長(中山一夫君)
吉岡建設部長。
建設部長(吉岡博文君)
それでは、建設部のほうから答弁させていただきます。今答弁しました総務部長と重なるところはありますけれども、御了承願いたいと思います。
議員御指摘のとおり、現在急速に公共ファシリティーマネジメントが注目され始めています。これは、少子高齢化の到来、情報化の進展、深刻化する環境問題など社会情勢が急激に変化していること、さらに、厳しい財政状況、地方分権のさらなる推進、多様化、高度化する市民ニーズなど、行政を取り巻く環境も大きく変化していることによります。
このような状況において、地方自治体には変化に的確に対応する行政サービスが求められ、また、厳しい財政状況下においては、何よりも鋭いコスト感覚を持って事業展開していくことが必要となります。特に、大きな経費を要する施設の建設や維持補修費等については、効率的な施設運営を図ることにより施設に要する全体経費の一層の節減を推進していくことが必要となります。そのためには、施設を経営資源ととらえるファシリティーマネジメントの観点が必要不可欠と考えます。
宇陀市においてもファシリティーマネジメントを効果的に推進し、これまでに蓄積した施設等を良質な資産として次世代に引き継ぎ、次世代の負担を軽減することを目的として取り組む必要があると考えます。
現在宇陀市として具体的な利用計画を持たない土地については掘り起こしを行い、利活用や売却の促進を図るといった一部の取り組みは行っているものの、市が保有する建物は所管部課あるいは施設ごとに管理されており、統一された管理運営方法や基準がなく、また、施設のふぐあいが生じた場合に対応するという対症療法的な対応となっています。
また、多くの施設は老朽化が進み、その修繕・維持管理費等はますます増加する傾向にあります。さらには耐震化の対応などによる改修費用も大きな経費となっています。
現在の財政状況下においては、市有施設の建てかえが極めて困難な状況であることから、既存施設の用途変更や大規模な模様がえ等の有効な利活用を検討する必要があります。また、計画的な改修を行うことにより施設を長期的に使用し、将来的な更新需要を抑制するとともに、多様化する市民サービスの的確な対応が必要です。
このようなことから、一つの部門が横断的に土地や建物を総括する視点を持ち、各所管は本来の運営管理を中心に行うなど、公共施設の事業運営管理と施設維持管理が効率的に機能し合う体制を構築する必要があると考えます。
今後も少子高齢化が急激に進展していくものと考えられ、このような人口構成の変化に合わせ、施設の機能やあり方の見直しも必要となります。市有施設についても必要な施設の長寿命化を図り、適切な維持管理に向けた具体方策が必要となります。市有施設のさまざまな課題を解決するためには、ファシリティーマネジメントの考え方を取り入れ、今後施設情報システムの整備、施設保全業務の適正化や施設の有効活用等、部局を越えた横断的な機能の構築に向けた取り組みを行う必要があると考えます。
一元管理につきましては、実施しなければならないとは十分理解しておりますけれども、実現するには大きなハードルを越えなければなりません。
例えば宇陀市が保有する施設、建築物すべてを一元管理するには、専門的知識を有する有資格者の職員配置をし、まず基本計画の策定から始めなくてはならないと思います。この後、資料収集と台帳作成を行い、総合計画にのっとり、統廃合をする施設、長寿命化をする施設、新設する施設等に分類し、業務委託等により施設管理台帳を作成し、計画的な事業化システムを構築させることが理想と考えますので、予算と職員配置など、企画財政部、総務部、建設部で今後実現可能かどうかの検証をしたいと考えております。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
菊岡総務部長。
総務部長(菊岡千秋君)
勝井議員の質問項目の2番目でございます。決算の位置づけについてということで、総務部のほうからお答えをしていきたいと思います。
宇陀市におきます行政評価の取り組みについてでございますけれども、平成20年度から行政改革の一つのツールとしての位置づけで内部で試行的に行政評価を行ってきました。平成23年度は、平成22年4月にマニフェストを掲げて竹内新市長が就任されたということから、総合計画という幅広い分野ではなく、市長マニフェストに関する事業を対象に絞って事務事業の評価としての評価を実施してまいりました。
今後本格導入へのステップとして、いきなりのレベルアップというようなところではなく、担当課長や担当部長にも評価の理解を深めるとともに、評価レベルの平準化を行うために、本格導入についての試行段階として平成23年度に平成22年度事業を、また平成24年度には平成23年度事業を対象に評価を行っていき、本格導入としては平成25年度の予算編成に反映できるようなスケジュールで進めていきたいと考えています。
なお、評価の様式につきましては、議員の御指摘のように、平成23年度当初予算時に新たに作成いたしました事業別シートを活用できるような考え方で、一連の内容として取り組みをしていきたいと考えています。
また、事務事業評価は総合計画、予算、決算などの主要な判断基準として最大限に活用できる体制を整えるために、それぞれの担当部署との連携や情報共有を図る必要があります。
そこで、まずは事業担当部署だけではなく、行政改革あるいは財政担当部署、総合計画の担当及び市長マニフェストの担当部署による評価を行っていき、最終的には客観的に市としての全体評価を行って、その結果を政策に反映していきたいと考えています。
また、評価結果を次年度の予算だけではなく、現年度の事業にも反映できるように、なるべく評価する時期を前倒しにして実施することが理想的でありますけれども、すべての事務事業となりましたら、評価シートを作成していくというところでいきますと時間とコストが必要となるということで、極力政策的な対象事業を絞った上で実施をしていきたいと考えています。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
井上企画財政部長。
企画財政部長(井上裕博君)
1問目のファシリティーマネジメントについて、まず企画財政部から答弁させていただきます。
ただいま両方の部長から答弁のありましたとおり、宇陀市では合併による類似施設が多くあります。保健センター、給食センター、市営斎場、ごみセンターなど一部では整理統合を進めた施設もありますが、人口と比較して、類似の施設はまだまだ多く存在しております。
施設を多く抱えることは、光熱水費、管理費、人件費のような日常的な経費も要しますが、ひとたび補修、修繕となりますと多額の費用を要します。宇陀市の現状といたしましては、各部署から老朽化、破損による修繕の予算要求があれば、市民、利用者への事故の防止など緊急度を勘案して予算づけするのが精いっぱいの状況であります。計画的に対応するところまでは至っておりません。
勝井議員がおっしゃるファシリティーマネジメントという考え方に立つならば、老朽化したから、破損したから修理するというような考え方ではなく、先に宇陀市として残すべき施設を選び、長もちさせるためのメンテナンスを行うということが予算の有効利用であり、行財政改革の理想的なあり方かなと考えます。
ただし、このことは市役所側の論理ではなく、宇陀市の面積や位置的な配慮あるいは市民の皆さんとの開かれた議論による同意が必要かと考えます。また、先ほど建設部長が申しましたように、施設に対する技術者の専門的な考察も必要です。そういうことを考え合わせますと、今後全庁的に検討し、市民の皆様にお示しするという体制も必要かなと考えます。
総合計画としての位置づけや予算的な側面からも、関係部署とともに、同じ答えになるわけですけれども、今後の導入について、方法について検討していきたいと、かように考えるものでございます。
二つ目の質問でございますけれども、決算の位置づけについてでございます。
総務部長から検討するということでございますけれども、まずこの事業別シートでございます。事業別シートと申しますのは、今年度、平成23年度の当初予算から関係各課の協力を得まして、今年度当初予算主要な事業120件の事業別シートというものを作成し、ホームページなり、あるいは財政課の窓口で閲覧をしていただいておるところでございます。
この事業別シートといいますのは、道路であれば、今年度何メートルを幾らの工事費で整備しますとか、あるいは医療費の無料化であれば、何人程度、1人何円程度を見込んで予算化しておりますとか、そういう形で予算の要求の根拠まで掲載して公開しておるものでございます。
またもう1点は、朝からもお話がありましたように、主要施策集というものを今年度から作成いたしまして、それぞれの各課が行っておる事業について目的なり内容なりを説明させていただいておる資料でございます。これは宇陀市内全戸に配布させていただいたところでございます。
勝井議員がおっしゃるのは、このホームページとかで公開しております事業別シートに対して、今度はその決算を打った後の事業が終了した後の評価を入れてはどうかと、こういう御提案かと考えております。それは、予算を使ってどのような効果があったのか、どのような市民の反響を得たのかということをあらわせということだと考えております。
このことにつきましては、我々といたしまして、現在補正予算においてもこの事業別シートを作成するというような取り組みを進めておるところでございまして、今後はおっしゃる趣旨で実現に向けてまいりたいとは思いますけれども、今現在ちょうどこれからの来年度予算に向かっていく時期でございまして、あともう一、二年の御猶予をいただければ完成させていけるのではないかと考えております。
いずれにいたしましても、行財政改革推進室と力を合わせまして、今後もこういう方向で進めてまいりたいと考えております。
以上です。
議長(中山一夫君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
御答弁ありがとうございます。一つずつ分けて再質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、ファシリティーマネジメントのほうでございますが、御答弁でも3人の部長さんおっしゃっていただきましたが、ファシリティーマネジメントを効率よく進めていこうと思いますと、総務部、そして企画財政部、建設部が合同して施設の更新計画をつくる必要が出てまいります。そして、長寿命化を図る施設の選定や管理を行っていく必要も出てまいります。
現状、総務部には管財課がございまして、そして建設部には営繕課がございます。管財課はあくまでも施設管理をつかさどることが役割になっていまして、逆に営繕課は、市営住宅を初めメンテナンスもしていたりとか、一部の公共施設の建設についてはかかわってはいるんですが、位置づけがあいまいなために、すべてかかわっていないので、実はしっかりとした管理ができていないという点が問題ではないかと感じております。以上のことがございますので、もう1度質問をさせていただきます。
営繕課に公共施設の維持管理や補修機能を持たせるべきではないでしょうか。どのようにお考えなのか、建設部長の見解をお伺いしたいと思います。
さらに、建設部としてほかの部局が行う建設工事にどのようにしてかかわっていくべきなのか、まずお答えをいただきたいと思います。
議長(中山一夫君)
吉岡建設部長。
建設部長(吉岡博文君)
建設部からお答えさせていただきます。
営繕課の強化ということでございますけれども、先ほども答弁させていただきましたけれども、根本となるのは、やはりもうつくる時代から使う時代ということの今日になりました。宇陀市におきましても、教育委員会部局を含めた建築物の建てかえ、改修、取りかえなどの設計、積算を行っている担当部署が営繕課となっておりまして、これの今後充実並びに民間企業的な感覚を養い、施設は大事な資産という感覚、いわゆるファシリティーマネジメントの再認識をして、管理する職員の意識改革の強化を図る作業から、総務部、企画財政部との整合も含めまして総合的には検討をさせていただきたいと思います。
それと建設部のかかわりにつきましては、それぞれ事業をする目的と事業の評価も考えながら施設のイニシャルコスト、ランニングコストを含めながらすべての事業にはかかわっていきたいと。先ほど企画財政部長のお話もありましたけれども、やはり予算ヒアリングの中での建設部の位置づけというのも今後大事になってくると思われますので、再検討をしていきたいと考えております。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
御答弁ありがとうございます。もう少し突っ込んでお尋ねをさせていただきます。
管財課と営繕課のほうで、総務部と建設部のほうで、業務のすり合わせや思い切った統合というものも今後検討していくべきではないかなと、まだすぐこうしろというわけではないんですが、そのような総務部と建設部のほうで一定の何か方向性を出す必要があるのかなというように感じるんですが、総務部長と建設部長、改めまして見解をお伺いしたいと思います。
議長(中山一夫君)
菊岡総務部長。
総務部長(菊岡千秋君)
勝井議員からのお尋ねでございます。
一つには、施設管理をやはり総合的に統括的に管理していくほうがいいですよと、こういうお話でございます。その背景の中には、やはり縦割りの弊害もありますよと、こういうことでございます。
我々行政を預かっている者としましては、縦割りそのものが弊害とは、まずは考えていない。やはりその縦割りの中の所管責任というのは、原課責任というのは必ずありますので、それはそれで果たしていただきたい。ただ、この縦割りの中での弊害と言われる部分は、横横の連携がとれていないと。やはり行政の横串がその連携としてとれてないというようなところがございます。そういった状況の中で、例えば施設管理を一つのところに一元化しますと、それだけのために膨大な人数を要しますし、管理、監視のために膨大な時間を費やすという状況になりますので、やはりそういった管理の面は現行のままで、それぞれの所管のところの原課責任として私は果たしてもらうべきだと考えています。
ただ、議員がおっしゃいますように、総合的な今後施設の管理や運用の仕方、経営の仕方、そういうような部分については、やはり行政の横串を通しながら、お互いの連携、調整は必要だと、こういうように考え方を整理したいと思います。
それと、管財課と営繕課の関係でございます。また、建設のほうで担っていただいています管理のほうの関係についても、今後施設の再編というようなところは御指摘のように十分考えていくべき部分もございますので、十分そういう御意見もいただきながら、今後のそれぞれの所管のところで調整会議を行って、また一番宇陀市の行政の上塗りとしてそういった姿がいいのであれば、またそういうものとして示していきたいと考えています。
以上です。
議長(中山一夫君)
吉岡建設部長。
建設部長(吉岡博文君)
建設部も総務部長と同意見だと考えております。
それと今、事業を維持管理もしくは新たな事業を起こす場合、市長のほうの朝からの答弁もありましたように、政策調整会議という中でそれが必要かどうかを検証しておりますので、この会議も含め、新たに担当課長、担当職員に対しても、そういうファシリティーマネジメントという考え方を再認識させながら事業は進めていきたいと、こう考えます。
議長(中山一夫君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
御答弁ありがとうございます。
すぐにできないということもよくわかります。ただ、今後の検討課題であるという御認識を総務部も建設部も持っていただいていることは大変結構なことだと思います。
あと、先ほど総務部長おっしゃられましたように、すべてを統合して管理をするのが効率がよいのか、それとも、しっかりとそういう総合、総括をする部署は持ちながら各課が管理をしていくのがよいのか、これは宇陀市役所の中で一番適正な方法を選んでいただくのが妥当かと思いますので、そちらについてはお任せをしたいと思いますが、ただ、今後建設部と総務部のほうでしっかりとすり合わせをしていって、効率のよい施設の維持管理というものはぜひ図っていっていただきたいと思います。
次に、企画財政部も入ってのお話になりますが、企画財政部は総合計画を初めとする長期の計画の策定と、そして予算編成を担っております。ファシリティーマネジメントを導入していく際にも、先ほど建設部の吉岡部長がおっしゃられたように、しっかりと建設部と連携をとりながら調整を行っていく必要が出てくると思います。というのは、一番最初の1問目のときに指摘させていただきましたように、建設部が見たら何でこんな施設をつくるんだろうと思うのが一部散見されるそうですので、予算査定のときや上がってくるときにそこをチェックできる機能があれば、そのようなことが起こらないのかなと思います。それと、しっかりファシリティーマネジメントを導入していこうと思っても、財政の裏づけがなかったら、幾らすばらしい計画をつくったりいい台帳をつくっても絵にかいたもちになりますので、企画財政部が担う役割というのは大変重要になってくるわけでございます。
そのような観点から、20年を過ぎた施設については営繕課、そして企画財政、行革推進室といった多くの部、管財課もですが含めて、しっかりとした検討をして、長寿命化を図ったり施設の整理統廃合というものを行っていかなければいけませんが、その役割は企画財政部が一定担うべきであると考えますけれども、企画財政部長、いかがお考えでしょうか。
議長(中山一夫君)
井上企画財政部長。
企画財政部長(井上裕博君)
冒頭、勝井議員がおっしゃいました新市まちづくり計画でございますけれども、これには新市として重点的に取り組む事業として、朗読なさいましたように、公共施設の統合整備は逐次検討していくことを基本とすると、こういうように書いてあります。これを受けまして平成20年につくられました総合計画でございますけれども、宇陀市の総合計画におきましては、市の公共施設について改めてそれぞれの部門における施設には触れられておるんですけれども、宇陀市としての公共施設を全体的にどうするかというようなことは深くは書かれておりません。序論におきまして、合併により広域化した本市においては、市内公共施設等既存ストックの利用目的を踏まえて、市民サービスの向上と効率的、効果的な利活用に向けて役割分担の明確化等を検討していくと、こういう触れ方をされております。というのは、やはり簡単に古い施設を修繕して維持していくということは今後の財政的にもいかがなものかということは理屈としてはわかるんですけれども、なかなかやはり市民の皆さんの御理解を得て責任ある回答を出していくというのは難しいと、こういうことだと思うんです。
それで我々も今年まで、今回御指摘があるまでは、予算査定の段階でいろんな段階において検討して予算化してきたと、こういう実態だということは先ほど申し上げたとおりです。今後両部のお話も交えて、また理事者とも相談して、今後の総合計画の場面で一定の何か方向性みたいなものを出せたらなと思いますけれども、それは市民の皆さんの御意見も伺わなければいけませんし、また議会とも相談して後期計画をつくっていくということになりますので、今たちまちこうしていきますというようなお答えにはならないということで御理解いただきたいと思います。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
ありがとうございます。
なかなか総合計画に盛り込んでやっていくというのはハードルが高いかなというのもわかりますが、ただ、総合計画は、この市の中ではこれを超える計画はありませんので、しっかりと効率のよい施設管理を行っていくというのはぜひ盛り込んでいただきたいと思います。
それと、少し話がずれるんですが、今集会所や公民館の整理、統廃合というのも進めていまして、今は教育委員会や総務部といったばらばらのところで扱っているのをいずれ整理をしていかなければいけないという方針がたしか出されていたはずです。そのようなことをしていくためには、しっかりと今から部局を越えた管理というものを徹底していかないと、その方針を達成できないと思いますので、ぜひ総務部と企画財政部、そして建設部、その他施設を持っている部局はたくさんありますので、ぜひ横断的な組織を立ち上げるように御検討いただきたいですし、できればそれは総合計画や大きな計画の中にも、ぜひ位置づけていただきたいと思います。既に出されている方針を達成しなければいけませんので、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。
ただ、歴史的な建造物群がこの宇陀市にはございますし、昭和の趣を持った建築物というのもたくさんございますので、文化財保護や宇陀市としてしっかりとしたブランドを築いていくという観点が必要ですので、ただ単に古いからなくしてしまうや、老朽化していて、ちょっとこのままではコストがかかるからやめてしまおうというのではなくて、文化財やそのようなブランド価値を高めるものについては、特段の配慮があってしかるべきだと思いますので、そのあたりはしっかりと念頭に置いて計画をつくったり、今後部局を越えた横断的な取り組みをぜひ図っていただきたいと思います。
次に、二つ目のほうの質問の決算について入りたいと思います。
総務部長と企画財政部長に御答弁をいただきました。どちらもなかなか難しい中で、平成25年度の予算編成から行っていきたいというような前向きな御答弁もいただきましたので、大変ありがたいなとは思っております。ただ、昨年の事業評価についてはどういうスケジュールでいくのかだけ御答弁、もう1度いただければと思います。よろしくお願いします。
議長(中山一夫君)
井上企画財政部長。
企画財政部長(井上裕博君)
23年度に事業別シートを策定いたしております。これを来年の決算時期、ちょうど今時分なんですけれども、このときに間に合わせられないかどうかということを行革室とともに検討していきたいと思っております。
ただ、先ほどから申し上げておりますように、手法なり、それぞれの部署がまず1点認識していただくということがありますし、それと、この決算議会におきましては成果説明書のほうも作成いたしておりますので、同じものではないんですけれども、部署もたくさんございますし、また担当職員の理解も深めた上での作成になるということで、来年、24年度予算からに向けて間違いなくやっていけるということはなかなか難しいのではないかなと。こういうことで、今一応行革室とは話を整合させておるということで御理解いただきたいと思います。
議長(中山一夫君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
ありがとうございます。済みません、質問の意図がちゃんと伝わっていなかったようで、申しわけありません。
昨年の事業が3月31日で終わっていますので、その分の評価はするのかどうかというのが聞きたかったんです。それをもう決算のタイミングで事業評価という形では出てきていませんので、もう成果説明書をもって評価とするのか、そうではなくて、今年度も行っていて10月に出るのか、11月に出るのか、どういうタイムスケジュールで21年度の評価が進んでいるのかというのを御説明ください。よろしくお願いします。
議長(中山一夫君)
菊岡総務部長。
総務部長(菊岡千秋君)
お答えを申し上げたいと思います。
事務事業の関係で申し上げますと、市が取り組んでいる事務事業がまず800事業ぐらいはあるだろうと考えています。先ほど企画財政部長が答弁しましたとおり、ことしについては事業別シートを120の項目まで絞ったと、こういうことで答えています。これらについては、すべての事業をその評価にかけていかなければならないかといいますと、例えば住民票の発行業務あるいは印鑑証明の発行業務、こんなんは当然市としてはしなければならない業務でございますので、評価がどうであろう、やはり続行していかなければならないそんな業務もございます。
そこで、やはり政策的にとか、あるいは市民の生活なり、あるいは要望、要求というようなところにこたえていくという事業そのものに絞っていきますと、かなりの制約された部分での評価シートのところになってきますので、それは十分議員の御指摘のように9月の決算議会の議論なり、あるいは議会からの御意見をいただくという評価に届くような形で、来年の9月には間に合わせられるように、御希望に沿えるかどうか内部検討して十分その方向で一応進めてみたいと考えています。
議長(中山一夫君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
済みません、ありがとうございます。
今年度やらなければいけない評価がもしありまして、それで今の今年度の評価がもし滞るんだったら、ある程度、昨年の22年度の評価については一定手放すところは手放しても、一定やむを得ないところもあるのかなと。ただし、24年度からしっかりと導入していくという検討もあってしかるべきかと考えております。
ちなみにですが、県は変わるんですが、隣の名張市が実は事務事業評価に大変熱心に取り組んでおりまして、資料の提供もさせていただいておりますが、名張市も同じぐらい、800か900ぐらいの事務事業がございます。人口は8万人を超えていますので、宇陀市よりも人口規模は2倍ぐらいあるんですが、立地条件はほぼ変わりません。団地が多いことを除けば、それほど環境というものも大きく違わない名張市が、今22年度の行政評価を行っているんですが、800から900の事業のうち634事業を対象に事業評価を行っております。
最初は平成19年度から、段階を経て19年、20年、21年、22年、23年と進んでいっているんですが、最初導入したときは340事業だったそうです。それを100事業ずつふやしていって634までふやしていったと聞いております。最初のころはコストカットがメインだったそうで、年間2億円ぐらいの予算を切っていったそうですが、今はそのことよりも、しっかりとした改善を行うために改善のツールとして使っていると説明を聞いております。
なかなか100事業からふやすことは難しいとは思うんですが、ただ、市長マニフェストという基準で縛ってしまうと、本来市民の皆さんに報告すべきことも落ちてしまうと思うんですが、どのようにして評価を行う事業を絞り込むのか、一定基準が必要だと思うんです。例えば新規事業について行うであったり独自事業について行うであったりというような基準というものが今後必要になってくるかと思うんですが、いかがお考えでしょうか。
議長(中山一夫君)
井上企画財政部長。
企画財政部長(井上裕博君)
基準というお話なんですが、ことしは市長マニフェストなりに基づいた主要な事業ということで、準備時間の関係もございまして、当初は余り予定しておらない中で、昨年の9月か12月のこの一般質問の中から事業別シートをつくろうということで始めましたので、120事業程度だったと思います。
今私のほうで1年ないし2年と申し上げておりますのは、やはり評価というものを出しますと、例えば23年から始まった事業の評価だけを出しても、それは前の年と比べてどうなのかということがわからないわけです。ですので、例えば23年度を出すとなれば、やはり22、21とさかのぼって調査してそういう書類をつくっていかなければならないと、こういうことになります。
いろいろやはり今こういう時期といいますか、状況の中で、職員のほうにこういう資料、ああいう資料という形で、それもさかのぼって調べろとこういうことが、市民の皆さんにお知らせするのは当然のことかもわかりませんけれども、やはり一つ一つ、1年1年積み重ねて開示できたらなということで、一、二年お時間をいただきたいと、こういうことがまず1点です。
それから事業のことにつきましては、これはどういう基準でということなんですけれども、我々といたしましては、先ほど総務部長から話がありましたように、一般的な経常的な行政事務と、それから政策としての事務があると思います。その辺で、数はまだわかりませんけれども、今回の120に足すことの政策的な事務について、当面そういう行政評価ができたらいいのではないかなと考えておるところでございます。
以上です。
議長(中山一夫君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
どうもありがとうございます。
情報公開自体は、市民に対してしっかりと報告をしていくという観点が必要ですので、しっかりとやっていただきたいと思います。
逆に、私たち議員も反省しなければいけないところもあるとは思っています。いろんな資料を請求はしていますが、それが本当に必要かどうかというところの精査は今後もしていかないといけないなというようには考えております。それと、いろんな資料をつくるにしても、その資料を統合していく必要性というのはやはり感じております。いろんな資料をつくるものの、それが本当にこの先役に立っているのかどうかがわからないものが多かったりしますので、しっかり年度をまたがって評価していくような資料というものを今後もつくっていただきたいと思いますし、21年度、22年度とずっとつながっていかなければいけないという点は大変わかりましたので、そこは少しタイトにはなると思いますが、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
名張の事例ばかり出して大変申しわけないんですが、名張は条例で市民に対して事業をしっかりと公開をして、意見を聞いた上で予算編成を行うという明確な方針を出しております。ですので、予算編成の前に、しっかりとまず現年度の事業とそれから1年前の事業について報告を行った上で外部の評価を受けて、なおかつ市民の声も聞いた上で予算編成を行う。それを全部終わらせた上で決算認定を迎えるという、大変市議会のチェック、そして専門家のチェックと市民のチェックという3重のチェックを受けています。その前に内部評価も行っておりますので、それも入れたら4重のチェックを受けております。なかなかそうやっていくことは難しいと思いますが、3年、4年としっかり時間をかけてやっていけば、それは名張ができることが宇陀ではなかなか難しいということもないと思いますので、ぜひ検討していただいて、そのような形で進めていっていただきたいと考えております。
100事業ぐらいを130から140ぐらいで推移をしていきたいというのは理解できるんですが、今後どのようにして拡大していくのか、それとも今後5年ぐらいは今のような形で進めていきたいのか、軌道に乗った先どういうようにして進めていこうか、まだそれは検討している最中かもしれませんけど、どのようにお考えでしょうか。
議長(中山一夫君)
菊岡総務部長。
総務部長(菊岡千秋君)
先ほど企画財政部長が申し上げましたように、やはり今回事業別シートとの一連性も含めて、120事業をベースにしながら中身を検討していきたいと思います。
それと基本的な考え方は、行政評価については決算議会を経るための議会用の資料とは考えておりませんし、やはり市民公開を行って、市民からそういう市民評価を得るためのものであるべきだと思っていますので、十分そこらに考えを持ってこの内容に取り組んでいきたいと考えています。
以上です。
議長(中山一夫君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
よろしくお願いします。
今後宇陀市は算定がえという大変大きな荒波に立ち向かわなければなりません。算定がえといいますと、交付税、交付金、国からいただけるお金が今後一気に15億円ぐらい年間一番減ってしまったときには、今後もう少したってから5年後ぐらいから減り始めて、10年後にはほぼそれがすべてなくなってしまうという現状がございます。
したがいまして、今後5年間ぐらいで事業の整理、統廃合も含めて行わないと、なかなかかじ取りが難しくなってまいります。市長も経常経費10%カットというのを旗印に掲げて行財政改革を進めていることは十分理解をしております。ただ、それを実際に選択と集中を避けることができませんので、それを行っていこうと思いますと、まずどの事業があって、この事業が市民が払った税金や市民にとって本当に役に立っているのかどうかを厳しく精査をしなければいけなくなってまいります。
それと、仮に役に立っている事業であったとしても、年間15億円、経常経費10%カットをしようと思うと、一部市民の方にも痛みを分かち合っていただかなければいけないことも出てくるかと思います。そのようなときにどうやって選ぶのかを考えますと、評価をしっかり入れておかないと、なぜこれを縮小するのかという説明ができなくなると思いますので、ぜひしっかりと市民の方にこういう形で今後財政はなっていきますので、この事業については整理の方向でいきますという説明をしなければいけないと思うんですが、そのあたりどのようにお考えになって、どのようにして統廃合を行っていくべきなのか。行政評価という指標を使いながら外部の声を入れながらやっていくのか、それとも市長は大変苦しいかもしれませんが、市長が一人で判断されるのか、しっかりとした評価を入れていったりそういうものをやっていくべきだと思うんですが、いかがお考えでしょうか。
議長(中山一夫君)
菊岡総務部長。
総務部長(菊岡千秋君)
勝井議員の御質問にお答えをしたいと思います。
行政評価そのものについては、やはりこれまでの行政内部での評価だけにとどめてそういった事業の展開を継続的にやっていくのか、あるいは予算に反映していくのかというような手法をこれまで行政が行ってきた。これをなぜ今重要視しているかという状況でございますけれども、やはり今の時代、一番市民の方々が税金がどのように有効に使われているのかというところに大きな関心と、やはり信頼というところでいきますと、そこが不明瞭、不明確であるがために行政との信頼や距離が出てきていると、こういうところであります。
議員おっしゃるとおり、やはりそういったものの評価をきっちりと市民の前にさらしながら評価を受けていくという状況は必ず必要でありますし、やはり事業を縮小していく、あるいはもう事業をやめますというときにおきましても、この評価というのはきっちりとした検証評価というのは必ず住民の方々にも提示して、こういう評価を得たのでとめざるを得ないんだという理解を求めていくという形にもなっていくとも考えています。
要は、この内容については市民との信頼関係を増幅させるためのものだと我々は認識しておりますので、そういった構えで今後ともこの評価に取り組みを進めていきたいと考えています。
以上です。
議長(中山一夫君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
御意見はよくわかります。
そろそろ5分も切ってまいりましたので、一度市長、総括的なところにはなるかと思いますけれども、御答弁よろしくお願いします。
議長(中山一夫君)
竹内市長。
市長(竹内幹郎君)
宇陀市の施設を含めてファシリティーマネジメントということで、私は勉強不足で初めて聞く言葉なんですけれども、私自身は、たくさん施設がございますものですから、多機能・複合的に利用していただきたいということも含めて話をさせていただいております。そして、まちづくりの核をどこに持ってくるかということも含めて、人の流れ、車の流れも含めながら地域の活性化にはどうすればいいのかということを絶えず考えさせていただいております。そのことに対して指示をさせていただいておりますし、そのファシリティーマネジメントということではなしに、どの施設に対してはどのような機能を持たせていただきたい。例えて申し上げますと、今回大宇陀小学校を新たに建設するわけでございますけれども、その小学校につきましては、当初の設計のコンセプトとして重伝建にふさわしいような建物にしていただきたい、そしてまた、地域に開放できるような施設にしていただきたい、そしてまた、災害のときには避難所として対応できるような施設にしていただきたい、そんなことも申しながら、新しく建設するような方向づけをさせていただいたところでございます。いろんなところでそういう話を提案させていただいております。
しかし、そのこと自身は私はすべてが100%の人間ではないと思っておりますので、政策調整会議の中で議論させていただき、そしてある程度蓄積されたものを議員の皆様方に御提案させていただきながら御意見をいただきたいとも考えております。
ですから、そういう統計立ったもの、ぜひともそれは必要だと思います。しかし、まだ宇陀市の現状はそこまで行かないのが現状でございます。まだ施設そのものも、境界も登記上の形さえ整っていない施設がたくさんございます。今その分を順次整理できるものから整理させていただいておりますので、それは時間がかかろうかと思うんですけれども、職員皆様方のそういう方向に向けて、一つ一つの施設に向けて方向づけをさせていただきたいと思っておりますし、そしてまた、地域づくり、まちづくりにつながるような、そういうマネジメントできるような施設運営をさせていただきたいと。社会的インフラも含めてそういう動線をつくっていきたいと思っております。
そして、行政評価の問題でございますけれども、過去に今までですと、私が来させていただいてから、絶えず市民目線でということを申しております。一方的な評価ではなしに、外部の評価、それこそ損益だけではかるのではなしに、サービスでございますので、市民の方々に大きく利用していただけるのであれば、それは評価できる値でございますし、そんなことも含めながら金銭にとらわれることなしに、本当に必要なことを積極的にやっていきたいと思っておりますし、本当に必要でないものは、やはり先ほど勝井議員がおっしゃったように、痛みをしっかり説明させていただきながら行政のほうに当たっていきたいと思っておりますし、そんなことも含めながら、よろしくお願い申し上げたいと思います。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
はい、御答弁ありがとうございます。
なかなか今後のかじ取りを考えますと大変厳しいこともたくさん出てまいります。そのときにしっかりとした根拠を持って説明ができませんと、市民の多くの方も納得できないと思いますので、そこはしっかりと根拠を持ってやっていただきたいと思っております。
ファシリティーマネジメントのこと、ちょっと話は前後しますが、市長、御指摘のように今施設管理を行うと思っても、まだ底地がしっかりと確定していなかったりとか、そもそもこれがいつ建ったのかすらあいまいであるというような物件がたくさんあるということも聞いております。なかなかそれをすべて100点にして管理をしていくというのは難しいということもよくわかっております。
ただ、ざくっとでも構いませんので、これがどれぐらいもつのかというあたりであったりとか、どのようにしたらメンテナンスできるのかあたりまでだったら管理できるかもしれませんので、一定築10年以内、20年以内であればしっかりと管理をしていこうであったり、築30年を超えるものについては、もう少し簡易な方法になるかもしれないけれども、しっかり方針を立てていこうであったりとかするという、100点を目指すわけではなくて、最適なデータベースをつくるということを考えてやっていくという方法もあると思います。
そのような形で、すべてがちがちに登記をすべて片づけ、そして測量をすべてやりとすると、地籍調査のように10年たっても20年たっても終わりそうにないとなってしまったら意味がないと思っておりますので、できるだけ、ある程度見切るところについては見切っても構わないと思いますので、そのような形で台帳の整備というものは検討できないものでしょうか。もう少し時間がありますので、御答弁よろしくお願いします。
議長(中山一夫君)
吉岡建設部長。
建設部長(吉岡博文君)
済みません。建設部のほうからお答えさせていただきます。
先ほども述べさせていただきましたけれども、施設を管理する上で必要なもの、必要でないもの、それを定めて、その施設台帳をつくっていくという方向でするということで、制約をかけて管理するということで御了承願いたいと思います。
以上です。
議長(中山一夫君)
竹内市長。
市長(竹内幹郎君)
政策検討会議の中でいろいろ議論しております。今現在の地域事務所がございます。地域事務所には各地域の思いがこもっておろうかと思います。ですから、大宇陀の地域事務所は、やはり地域事務所としての機能を保ちながら、公共分掌の本館につきましては補完するような位置づけをさせていただいて、これからも補修させていただきたい、漏水に対して、ここ20年、30年はもつだろうというような政策をさせていただきたい方向づけをしております。ですから、それ以降につきましては、地域事務所も含めて移転するなり、また多機能・複合的な施設につくりかえるなり、そんなことが必要になってくるのではないかなと思っております。
一方、菟田野地域事務所にいたしましても、施設そのものが平成11年、12年度の建設でございますので、まだ新しい施設でございます。今回教育委員会が本庁に戻りましたものですから、跡地利用についていろいろ庁内では議論しております。ある一定の方向をつけた段階で皆様に報告したいと思っておりますし、菟田野の地域をどういうように地域づくりするのか、メイプルパークも含めて大きな新しい施設がございます。今回保健センターを子育て支援センターにさせていただいて、いろいろ好評いただいております。本当ならば、もう少しほかの地域でよかったかもわかりませんけれども、やはり施設が新しいということでございますし、今このモータリゼーションの中で、若いお母さんであれば行くのではないかなということで、そういう方向づけをさせていただきました。
また、室生につきましても、なかなか地域の方々の御理解をいただけないわけでございますけれども、室生の地域事務所も含めて、公民館も含めて、室生大野の駅前も含めて、ある一定の考え方をまとめる必要があるのではないかなと思っております。
ですから、あらゆる機会を通じて地域の皆様方の協力を得なければいけませんし、そしてまた施設がたくさんございます。ですから、整理できるものは整理したいということで、整理する方向になれば地籍の登記上の問題もたくさんございますので、できることから整理しながら、そして、できないものについては何とか市としての活用方法、利用方法も含めて模索していきたいと考えております。そんなことも含めながら将来の奈良県の政策につきましても、宇陀市の方向づけをしっかり軸足をつけた段階で、奈良県のほうについて消防学校、また室生高校の利用も含めて考えていきたいと考えております。
以上でございます。よろしくお願いしておきます。
議長(中山一夫君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
建設会社出身ですので、大変詳しい説明ありがとうございます。
なかなか地域の方としっかり話をしながらやっていかなければいけないこともございますので、地域ごとにしっかり進行していくことが必要なのか、それとも全体の最適化を図ることが必要なのかというあたりは、しっかりとまた検討していくべき課題かなと考えています。
複合化についても、将来のどこかのタイミングでは検討の必要が出てくるかもしれません。宇陀市は今現在は過疎債や合併特例債といった補助が大変厚い起債できるものもございますので、イニシャルコストが多少上がってもランニングコストが落ちれば、トータルコストとしては安くなるようなこともできるかもしれません。そういう検討をしていこうと思いますと、これは企画財政部だけで考えてもなかなか難しいですし、建設部の知見や管財の知見も必要かもしれません。
そのような形で、今回質問に取り上げさせていただきました2点のことは、全く一見すれば違うことに見えるのかもしれませんが、どちらも縦割りをうまく横串を刺して乗り越えていくことや、今後の財政運営を考えたりとかすると、どのようにして宇陀市にとって一番最適な投資ができるのかといったことでございますので、どちらもしっかりとした評価の基軸は必要ですし、しっかりと特に部局を越えた連携が本当に必要だと思っております。
今回質問を通じて感じたのは、各課の方々、特に職員の方々は部局を越えて連携しないと、今後宇陀市役所は衰退するのではないかという危機意識を持っていることと、そういう用意があるよということを感じましたので、ぜひそのあたりの声を聞いていただいて、ぜひ部長、市長、そのような現場の声を聞いた改善をお願いをして、私の今回の最後の一般質問とさせていただきたいと思います。本当にありがとうございました。
議長(中山一夫君)
1番、勝井太郎議員の質問が終わりました。
これをもちまして、一般質問を終わります。
以上をもちまして、本日の日程はすべて終了いたしました。
お諮りいたします。
本日の会議はこれで散会いたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(中山一夫君)
異議なしと認めます。
よって、本日はこれで散会することに決しました。
次の本会議は、9月26日月曜日午前10時から再開いたします。
本日はこれで散会いたします。
大変御苦労さまでした。
午後4時03分散会