本文
日程 |
内容 |
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議員番号 |
氏名 |
議員番号 |
氏名 |
---|---|---|---|
1番 |
勝井 太郎 |
2番 |
高見 省次 |
3番 |
堀田 米造 |
4番 |
井谷 憲司 |
5番 |
上田 徳 |
6番 |
山本 良治 |
7番 |
峠谷 安寛 |
8番 |
大澤 正昭 |
9番 |
井戸本 進 |
10番 |
中山 一夫 |
11番 |
多田 與四朗 |
13番 |
森下 裕次 |
14番 |
山本 新悟 |
15番 |
高橋 重明 |
16番 |
小林 一三 |
役職 |
氏名 |
役職 |
氏名 |
---|---|---|---|
市長 |
竹内 幹郎 |
副市長 |
前野 孝久 |
教育長 |
喜多 俊幸 |
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総務部長 |
菊岡 千秋 |
総務部参事 |
桝田 守弘 |
財務部長 |
辻本 文昭 |
財務部参事 |
井上 裕博 |
市民環境部長 |
曽良 幸雄 |
健康福祉部長 |
藤田 静孝 |
農林商工部長 |
宮下 公一 |
農林商工部参事 |
臺所 直幸 |
建設部長 |
西田 茂 |
建設部参事 |
山口 尚平 |
教育委員会事務局長 |
吉村 泰和 |
教育委員会事務局参事 |
小室 茂夫 |
水道局長 |
藤本 隆志 |
市立病院事務局長 |
竹内 均 |
市立病院事務局参事 |
坂本 憲清 |
会計管理者心得 |
栗野 肇 |
介護老人保健施設さんとぴあ榛原事務長 |
大西 茂 |
議長(中山 一夫君)
おはようございます。
議員の皆様には、御多忙のところ御参集いただきまして、ありがとうございます。
議長(中山 一夫君)
ただいまの出席議員は15名であります。
12番、山本繁博議員の欠席届を受理いたしております。
定足数に達しておりますので、ただいまより、平成22年宇陀市議会第4回定例会を再開いたします。
本日の議事日程は、あらかじめ配付させていただきましたとおりであります。
これより議事に入ります
議長(中山 一夫君)
日程第1、一般質問を行います。
質問は1人30分以内とし、質問回数は30分以内であれば制限なしといたします。なお、1回目の質問は演壇において、通告されたすべての質問を提起いただき、2回目以降の質問は自席にて行ってください。
質問者並びに質問事項は、一般質問表のとおりです。
一般質問につきましては、発言通告書の受け付け順により、順次質問を許可いたします。
なお、同種の質問については、私と副議長で当該議員と調整いたしましたが、理事者の答弁が先と重複する場合は議長において答弁を割愛させていただく場合がございますので、御了承おきお願いいたします。
また、一般質問される議員におかれましては、通告内容から逸脱されることのないよう発言くださるようお願いいたします。
質問者も答弁者も要点を簡潔にまとめていただき、スムーズに運営できますようお願いいたします。
議長(中山 一夫君)
それでは、順次質問を許可いたします。
初めに、11番、多田與四朗議員の質問番号1番「特例期間満了までの今後5年間の市政運営について」の質問をお受けいたします。
11番、多田與四朗議員。
11番(多田 與四朗君)
皆さんおはようございます。議席番号11番、多田與四朗でございます。ただいま議長の発言の許可を得ましたので、1番バッターで一般質問をさせていただきます。
質問内容は通告のとおりでございます。
本年3月28日の選挙直後から、はや9カ月を迎えました。皆様御承知のごとく、我が国を取り巻く政治的、経済的、社会的な環境は極めて厳しく、内外ともに難しい局面を迎えております。また、少子化と高齢化の急速な進展が及ぼす影響も年々さまざまな分野へと波及し、減速・停滞社会を招いております。特に雇用情勢につきましては、新卒者の就職内定率、これは10月1日現在のデータでございますが、57.6%程度と極めて低い水準で推移し、まさしく超氷河期と言われるゆえんでございます。
政府の景気刺激策や浮揚策、雇用改善や消費拡大のための緊急経済対策、地域活性化対策などなど、さまざまな手を打ってはおられますが、皆さんいかがでしょうか。目に見えた成果や私たちの暮らしの中でしっかりと実感できますか。実感が伴わない以上、私たち国民のための抜本的な解決策にはほど遠いのではないかと疑心暗鬼になってしまうのは、一人私だけではないと思います。
さて、6月の定例議会で就任早々の竹内市長に私は一般質問をさせていただきました。テーマは、「『改革・改善』を掲げる竹内ビジョン・マニフェストの実現に向けた具体的な取り組みを問う」でした。3月28日に初当選が決まり、2カ月後の6月の定例議会での質問ですから、少し早過ぎるのではないかなと、そんな思いを私は持っておりました。しかし、改善、改革に向ける市長の思いと選挙戦の中で主張されてこられた三つの約束、この実現性や実現に向けた取り組みをどのような体制づくりの中で推し進めていかれるのかなどをお尋ねすることは、市民の皆様にとっても関心が高かったであろうかと思いますし、また、何といっても新しい市長の誕生時点での生のお気持ちを伺っておくことは大いに意義があったのではないかなと思っております。
しかしながら、私が期待した具現化に向けた具体的な答弁はございませんでした。市長いわく、今は厳しいけれど、10年後には明るい未来があると断言されたのですが、その宇陀市の明るい未来の確証は、その時点では私は感じることはできませんでした。再び市長いわく、ゼロベースで考え、宇陀市を建て直していく改革断行の4年間とするとの改革に向ける熱き思いは、この就任直後の段階にしっかりと私は感じとることができたのではないかと思っております。
ところで、9カ月たった今、多少なりとも見えてきた市政運営の手ほどき、その後の展開がどうなっていくのか、本当に市長の言う明るい宇陀市の未来が10年先に訪れるのか、関心が尽きません。それらの点を踏まえながら、以下何点かお尋ねしたいと思います。
皆さんも御承知のように、合併特例期間は10年間。この10年間に一つの市としてインフラ整備や市としての基礎基盤を構築しなければなりません。前半の5年間は、旧4町村の一体化に向けた取り組みの中で、地ならしの期間と言えましょう。後半のこれからの5年間、平成23年から27年、これは市として自主、自立をしていかなければならない仕上げの期間だと私は思っております。そのために示されたのが市の総合計画であり、新行政改革大綱なのだと私は理解しております。
そこで、さきの6月定例議会の市長の御答弁の中で、総合計画の修正とあらゆる事業等の中断、延期も踏まえた見直しを言明されておられました。みずからの諮問会議である行政刷新会議、産業振興会議を設置し、その答申を受け、修正、見直しを進めていくと断言されたのでありますが、このあたりは現在どのようになっているのでしょうか。この二つの会議の動向いかんが市政の運営に大きなかぎを握っているものと私は確信をしておるところでございます。そこで、この二つの会議の性格と内容について、また実際どのような役割を担っているのか、そして、現在の進行状況はどうなのかについてお尋ねしたいと思います。
次に、市長の機構改革の目玉でもある10月新設のまちづくり支援課の役割とその使命についてお尋ねしたいと思います。
昨日の予算審査特別委員会で一部審議対象となっていたまちづくり活動応援補助金に関しても、その目的趣旨と活用方法等について、改めてここで説明を求めたいと思います。
市民協働によるまちづくりと雇用の創出こそが大きな目標であろうかと理解しておりますが、実際、今後の具体的な展開をどのように進めていかれるのでしょうか、明確な御答弁をお求めします。
また、地域自治区廃止の中で、地域協議会のかわりに設置しようと考えておられる(仮称)まちづくり委員会の構成と役割など、現段階での全体構想についてお尋ねいたします。
さらに、現在、平成23年度予算編成に向けた取り組みがなされておるところだと思いますが、当市ホームページに各部署の概算要求額が公表されております。ごらんになられた方もたくさんいらっしゃると思いますが、歳出総額は約191億円となっております。昨年度の歳出予算と比較しますと、約12億円の超過とのこと。現時点での財源不足額は約28億円。今後の予算査定の段階でどのような数値に落ちつくのか、関心が募るところでございます。そこで、当初予算案確定に向けたこれからの流れとその見通しについてお尋ねします。
市長は就任当初より、経常経費10%削減を目標に置くと言明されておられますが、その点、どのようにその御意思を反映されるおつもりなのでしょうか。
また一方、次年度の歳入の中で市税の大幅な落ち込みが予想されておりますが、税収の落ち込みをどうカバーされていくのか。合併直後からの状況とあわせ、全庁的な取り組みと滞納及び徴収対策の実情、実態についてお尋ねしたいと思います。さらにまた、市長の念頭におありの起債残高の削減に関して、宇陀市の借金の返済の行方についてはどのような現状にあるのか、お尋ねいたします。
次に、行政改革懇話会の答申を受け、合併直後の平成18年から21年度にわたる4カ年で取り組まれてきた第1次行政改革実施計画のその成果を受け、本年度から実施計画に基づいて取り組まれております第2次行政改革大綱実施計画、これは平成22年から平成26年までの4カ年でございますが、その具体的な方策と数値目標についてお尋ねします。これはちょうど合併特例期間と相重なり、ともども仕上げの期間であると私は理解をしております。
最後に、今後5年間の取り組みへの全体的な構想について市長にお尋ねしたいと思います。
市長は1期4年、これをめどに竹内ビジョン・マニフェストの実施を目指し、ゼロベースで考え、宇陀市を建て直していく改革断行の4年間にする、そして財政的自立を目指し、10年後の明るい未来を約束されました。御承知のように、特例期間の5年間を過ぎますと、合併の割り増し額の14億円前後が経過措置の5年間で年次的に2割ずつ減額され、15年目には最終的にゼロ円となります。前半の5年間で80億円から多いときで八十七、八億円あったものが63億円前後に大きく減少します。財政力の弱い交付税依存型の当市の財政運営にとって、まことに厳しい冬が待っていると言えましょう。ゆゆしき問題ですが、その見通しを踏まえ、今後の市政運営の方針や課題、また市長のマニフェストの選択と集中はどうなるのか、また、この期間に自主財源アップのために具体的な取り組みについてお尋ねしたいと思います。
以上で、壇上からの1回目の質問とさせていただきます。御答弁は各所管の担当部長にまずお答えいただき、その総括として市長に明快な回答を賜りたいと思います。よろしくお願いします。
議長(中山 一夫君)
桝田総務部参事。
総務部参事(桝田 守弘君)
失礼いたします。総務部の桝田でございます。よろしくお願いいたします。
多田議員さんからの御質問の答弁でございますが、五つあります1番目と4番目、1番の市長のチームブレーンで行政刷新会議、産業振興会議の取り組み、そして4番目の第2次行政改革の実施の取り組みについて、私のほうから答弁させていただきます。
まず、行政刷新会議について、行政刷新会議につきましては、宇陀市の行財政改革の推進に当たりまして、専門的な意見を広く求めるために設置いたしました。活動の内容としては、行財政改革の推進に関し、予算、制度、その他市の行政のあり方を審議し、市長に対して意見を提言していただこうとするものでございます。行政刷新会議の委員につきましては、5人以内としておりますが、現在4人の方に委員をお願いしております。
現在までの取り組みは、8月25日に発足させまして、同日1回目の会議を開催し、代表及び副代表を互選して審議に入りました。初めに当たり、第2次宇陀市行政改革大綱と第1次行政改革による効果実績額の見込みを用いて宇陀市の現状と行政改革の取り組みについて市のほうから説明し、宇陀市の置かれた状況について、まず御理解をいただき、行財政改革の目指す方向について協議をいただきました。また、職員300人体制を早期に実現するための施策として実施を検討していますし、9月の議会にも議決をいただきましたが、市職員の早期退職促進制度化についても原案を示しまして、民間企業的な考え方や市民感覚を踏まえた御意見をちょうだいしたところでございます。10月19日には第2回目の会議を開催し、職員削減に向けた事務事業の見直しの方向や人口減少に対するまちづくりについて協議をいただきました。
今後、行政刷新会議は、削減するものは削減し、宇陀市のまちづくりに資するものには資源を投入する方向づけをする会議となるように期待するものでございます。
続きまして、産業振興会議は、宇陀市内の農林商工業を活性化し、活力ある宇陀市をつくっていくために、主として市内各地で実際に農林商工業にかかわっておられる方々に委員となっていただきまして、自分たちが事業を展開している中で行政がどのようにかかわっていけばよいのか、また、どのように行政と協働していけばよいのかについて、さまざまなアイデアを市長に提言していただくために設置いたしました。
現在までの取り組みといたしましては、農林商工などの各部門からの委員選定を先月までに選定を終えまして、今月初めに第1回の産業振興会議を開催いたしました。
会議では、現にその産業にかかわっている委員さんの生の御意見を聞かせていただいており、今後さまざまな意見が期待されるところでございます。
続きまして、4番目の質問の答弁でございますが、第2次行政改革の実施の取り組みについてでございます。
第2次行政改革の実施の取り組みについて、先ほども多田議員さんのほうからありましたとおり、今年度から平成26年度までの5年間の計画となっておりまして、内容的にはホームページでも公開させていただいておりますが、37項目、効果見込み額10億円となっておりますが、さらに新市長の目標であります15億円の削減を目指して今年4月から計画期間に入っております。
現在までの状況は、各所管課において、それぞれ計画に基づき取り組んでいるところでありますが、全体を総括するために11月に2回の会議を開催し、第2次宇陀市行政改革大綱実施計画につきまして、改革項目ごとに担当部署所管部長から報告を求め、現在における途中経過について、進捗状況や問題点の把握を行いました。その報告内容に対して、市長、副市長及び他の部長等からも質問や意見、提案等を取り入れ、行政改革についての状況、情報の共有化を図り、市役所全体が一体として行政改革に取り組む体制づくりに努めております。
行政改革大綱実施計画の進捗状況は、既に実施を終え効果を測定する段階のものもございますが、実施に向け準備調整中の項目もございます。実施計画は5年間の計画であり、項目によっては状況は異なりますが、今後も各担当部署において、スピード感を持って効果的に改革を進めてまいりたいと考えております。
私のほうからは、以上の答弁とさせていただきます。
議長(中山 一夫君)
井上財務部参事。
財務部参事(井上 裕博君)
それでは、財務部のほうから、多田議員から来年度予算編成等についてお尋ねがございましたので、お答えさせていただきます。
まず、1点目の来年度当初予算編成について、現在の状況について御心配いただいております。
このことにつきましては、ホームページ等で市民の皆様方に現在の予算要求状況をお知らせいたしております。それで、歳出総額が191億円になっておると、要求でございますけれども、御指摘がございました。これにつきましては、市の公民館あるいは体育館あるいは道路等の老朽化に伴う改修、それと小・中学校の耐震化対策というようなことで各担当課からは要求が出ておりまして、現在のところ、金額が膨らんでおるということでございます。
現在、財政課査定を終えまして、今後は継続事業の是非や新規事業の採択について、庁内の政策調整会議や副市長査定、市長査定を経て完成させていきたいと思っております。やむを得ない部分で財源的に有利な合併特例債や過疎債というようなものを用いまして、しっかりと事業も進行しつつ、節約もしていきたいと、このように考えております。
もう1点は、標準的な財政規模として、宇陀市は150億円から160億円前後であろうと、こういう御指摘をいただいております。私どももそのとおり考えております。
しかしながら、現在のところ、国におきましても、子ども手当の増額やあるいは福祉あるいは医療保険関係の増嵩ということで、歳出の圧力は高まっておりますし、病院建設や大宇陀小学校の建てかえの本格化ということもございまして、御指摘のように150億円から160億円の規模に持っていくということは、23年度予算においては少し厳しいかなというふうに思っております。
今現在考えておりますのは、前年度の6月補正後の予算規模、約179億円でございますけれども、これを下回ることができないかということで、今後、皆さんも御存じのとおり、国のほうで補正が出ておりますきめ細かな臨時交付金対策事業とのやりとりの中で、当初予算の前年度を下回るということを目指していきたいと、このように考えております。
次に、経常経費の10%削減ということを竹内市長が打ち出されて、このことについて一律機械的にやるのかと、こういうことで御指摘をいただいております。
このことにつきましては、まず竹内市長は、平成21年度の決算における経常的経費156億8000万円を23年度、24年度の2年間をかけて10%削減せよということで指示をいただいております。現在、当初予算の作成を行っておるわけですが、この指示を出すときに経常的経費のマイナス5%カットということでシーリングをさせていただき、各課に連絡いたしております。これを平成23年度、24年度にも行いますと、10%カットというものは達成されると考えております。
ただし、この経常的経費には、先ほど申し上げましたような子ども手当や福祉関係の費用あるいは医療保険関係の費用も含まれておりますので、この部門は逆に、平成23年度は今年度と比較いたしまして12%程度増嵩が見込まれております。これらの福祉関係経費を削減するということは考えておりませんので、これ以外の物件費や委託料などの削減で実現することになると考えております。ですから、一律に機械的に削減するというような考えは持っておらないということをお伝えしたいと思います。
最後に、市債の状況はどうかということで御心配をいただいております。
おっしゃるとおり、我々も市債の残高の多いことについては憂慮いたしております。ただ、一般会計から簡易水道や下水道などの特別会計あるいは美榛苑、病院、さんとぴあなどの企業会計までを含めますと、宇陀市合併の平成18年度末現在で市債残高は511億円ありました。それが昨年末では473億円ということで、約40億円近く減っております。
逆に言うと、1年で13億円程度しか減らないのかということにもなるわけなんですけれども、この間に私どもでは、まちづくり推進基金というものを24億円起債を行ったわけですけれども、それで積み上げております。また、平成18年度、合併した当初に、土地開発公社では25億円分の土地を保有しておったわけでございますが、この件につきましても、起債に振りかえた部分もございますけれども、今年度いっぱいで土地開発公社は銀行からの借り入れをしなくて済むと、こういう状況にまでたどり着いております。そういうこともあわせまして、起債も幾らか減らしておるということで御了承いただきたいと思います。今後もこういう形で起債を減らしていくということについては、このまま続けていきたいと考えております。
最後になりますけれども、今、冒頭にお話がありました毎年交付税の措置で約14億円程度の特例措置を受けておるではないかと、これが5年後に減っていくことについての対応ということでございますけれども、これにつきましては、どう考えましても、5年後、10年後には宇陀市の世帯がこれに見合うような形に縮小されていなければならないということでございます。
宇陀市の合併した後の予算決算の規模は、なかなか大きく縮小はしておりませんが、第1次行政改革に基づきまして、経費の見直しも進めてまいりました。今後も第2次行政改革に沿っていきまして、経常的経費あるいは市有施設のあり方、事務事業のあり方を見直しながら、来るべきときに備えられるよう職員一丸となって改革してまいりたいと、このように考えております。
私のほうからは以上でございます。
議長(中山 一夫君)
辻本財務部長。
財務部長(辻本 文昭君)
多田議員の質問にお答えをいたしたいと思います。
質問の要旨としましては、市税等の落ち込みをどのようにカバーしていくのか、合併直後から税収入の推移あるいは滞納の状況、そしてその対策についての質問であったかと思います。
まず、合併から今日までの市税収入の状況についてでありますが、これは個人住民税、法人住民税、固定資産税、軽自動車税、市たばこ税の5税の合計金額の決算額で申し述べさせていただきたいと思いますが、合併直後の平成18年度が30億2300万円でございました。平成19年度が33億500万円、平成20年度が32億5400万円、昨年度の平成21年度が30億2400万円、そして本年度の決算見込み額として想定しております金額は29億3000万円でございます。
これで平成19年度をピークにいたしまして、4年間で約3億7500万円程度税収が落ち込んでおります。率にしますと、約8.9%の税収減となっているのが現状でございます。特に個人住民税、法人住民税の落ち込みが極めて激しく、4年間で2億7800万円の収入減となっております。これが市の財政を圧迫しかねない状況となっているところでございます。
これらの原因として考えられますことは、今、世界的な規模で広がりを見せております不況のあおりを受けまして、宇陀市内の企業の倒産や個人の破産、市内においてもこういったことが激増している状況であったり、団塊の世代の退職による個人住民税の所得割の減あるいは先ほど多田議員からも御指摘がありました高卒・大卒者の60%にも満たない就職内定率にも顕著にあらわれておりますが、就職難によりますフリーターの増加など、こういった影響で、著しく税収が落ち込んでおる状況でございます。5税の収入が30億円を切るということは、宇陀市にとって非常事態であると、このように考えている次第でございます。
さらに、税収の落ち込みの原因の一つとして挙げられますのは、税等の滞納の問題がございます。税の滞納は平成22年4月の段階で、5税を合わせて4億1000万円余りとなっております。市としましては、昨年度より徴収対策課を財務部に新たに設置をいたしまして、本年度からは職員の増員を図り、収納部門と滞納処分を中心といたしましたグループ編成を行い、夜間訪問徴収の実施とか納税相談、滞納処分等の行使などを通じて滞納額の削減に取り組み、一定の成果を上げてきておるところでございます。
しかしながら、ほとんどの市民に納税をしていただいているわけでございますが、納められる資力がありながら、納税されていない、いわゆる悪質な滞納者が一部に見受けられます。それらの方につきましては、自力執行権を最大限行使いたしまして、法的措置を含めた滞納処分を随時執行しているところでございます。
具体的に申しますと、これまで滞納処分を行った件数でございますが、滞納処分を前提としました預貯金等の財産調査実施件数が1338件で、対象が442名でございます。また、動産、不動産等の差し押さえ件数が129件、差し押さえ財産の公売等によります換価の件数でございますが、49件、2594万8000円が本年11月末日までの件数並びに金額でございます。
今後におきましても、納付制約の不履行者などの悪質な滞納者に対しましては、財産調査や動産、不動産等の差し押さえを行い、滞納額の一掃に努めてまいりたいと考えているところでございます。これらの税収の状況なり滞納処分等の取り組みの現状を踏まえまして、平成23年度の予算編成に当たりましては、税収等の下落率も加味しながら、宇陀市の歳入歳出予算として構築していけるよう努力してまいりたいと考えております。
なお、平成23年度の予算編成につきましては、先ほど井上参事が申しましたとおりでございますが、現在、財政課財務部での査定を行い、副市長、市長査定を経まして、年が明けました1月末日ごろには新年度予算を確定してまいりたいと考えております。その際には、市民への公表とともに、議員諸氏へ予算の概要を明記した資料を配付させていただきたいと思いますので、御了解方々御協力をお願いを申し上げまして、私からの回答といたしたいと思います。
以上でございます。
議長(中山 一夫君)
臺所農林商工部参事。
農林商工部参事(臺所 直幸君)
農林商工部の臺所でございます。多田議員の御質問のありましたまちづくり支援課の取り組みにつきまして御答弁申し上げます。
本年10月1日付で市役所農林商工部に設置になりましたまちづくり支援課は、宇陀市の活性化に向けて、従来の取り組みに加え、さらに地域振興、産業振興を進めていくために設置されたものでございます。
使命といたしましては、議員がおっしゃいましたように、市民と行政の協働によるまちづくりの推進と産業振興による雇用の創出を図るものとなります。
具体的な展開をどのように進めていくのかというお尋ねでございますけれども、まちづくり支援課の主な業務を紹介させていただきますと、宇陀市産業振興会議を設置して市内の農林商工部門で積極的に事業を展開されている方などに意見を求め、さまざまなアイデアをいただき、新たなまちづくりと農林商工業の振興を図っていくこと。みずからまちづくりを行っていただいている団体の有意義な活動に対して補助を行っていくこと。全国の自治体でも取り組みが進められております市民協働に向けて、市民の皆さんの御意見を積極的に聞ける体制づくりやボランティア、NPO法人の窓口となって協働のまちづくりを進めていくこと。また、地域自治区が廃止された後の地域のまちづくりに向けて、市民協働型の仮称でございますけれども、まちづくり委員会を地域で立ち上げていただき、地域と地域事務所とまちづくり支援課との連携をとりながら、元気の出る地域づくりを進めていくこと。その他地域づくり、地域振興に関すること。これらが所掌事務となります。
市内におきまして、それぞれの分野で事業をされている方やさまざまな形でまちづくりに活躍されている市民の皆さん、また、これから行っていこうとされている市民の皆さんの活動を応援していく、いわゆるソフト事業を行っていく課となります。まちづくりということでは、多岐面にわたるということもございまして、各課を横断的に調整をしながら進めていくということも大きな業務となります。
まちづくり活動応援補助金ということでお尋ねをいただきました。
今議会におきまして、一般会計の予算補正でまちづくり活動応援補助金というものをお願いしております。この補助金は、市民の皆さんと行政が協働して魅力ある宇陀市をつくるため、市民の皆さんが自主的、主体的に取り組まれるまちづくり、地域づくりを市が応援しようとするものでございます。
どういった事業が対象かと申しますと、市内におきまして、産業・福祉・環境・防災・芸術・文化・スポーツ・コミュニティ活動などのそれぞれの分野で創意工夫を凝らして取り組まれる公益的な事業を幅広く応援したいと思っております。ただ、市が交付する補助金でございますので、一定の条件設定はさせていただかなければならないとも思っております。現在、この補助金の交付要綱の作成など細部の詰めを行っているところでございますけれども、予算の承認を受けまして、補助金の交付要綱も決まりましたら、早速市民の皆様に御案内をさせていただきますので、ぜひ積極的な御活用をいただきたいというふうに願っております。
なお、先ほど申しました地域自治区が廃止されました後の組織、(仮称)まちづくり委員会について現段階での考えを申し上げますと、これからのまちづくり、地域づくりを行政と市民との協働によって進めるため、行政の役割と市民の役割をお互いが理解をし、市民の力を協働のまちづくりに生かすために、ともに考え、かかわることができる仕組みづくりとして、市民の皆さんによる組織を立ち上げていただきたいと考えております。そのためには、委員の構成というものにつきましては、現に地域活動を支えていただいている方や積極的に活動をしておられる方、また今後、地域活動に取り組んでいこうと考えておられる方を対象にしてまいりたいと考えております。
現在、まちづくりは市民協働の時代が到来しております。全国各地でその取り組みが行われているところでございます。宇陀市におきましても、実際に活動をされている市民の方々を応援する体制づくり、地域振興、産業振興を目指して取り組んでまいりたいというふうに考えております。
以上、答弁とさせていただきます。
議長(中山 一夫君)
竹内市長。
市長(竹内 幹郎君)
多田議員の質問にお答えさせていただきたいと思います。
あらましは担当の職員が申し上げたとおりでございまして、私自身は選挙中もずっと三つの約束という形の中で、市民の方々に御理解をいただいたと解釈しているところでございます。
改革と申しましても、普通の市になるための努力をしましょうということを基本に置かせていただきたいと思っております。改革しながら、宇陀市のまちづくり、村づくり、雇用の場づくりを考えていきたいと考えております。そのためには、市民の方、議員の方々にも御理解をお願いしていきたいと考えているところでございます。
そして、先ほども話のございましたまちづくり支援課は、まちづくり、村づくり、雇用の場づくりを主な政策として、その取り組みをしていきたいと考えているところでございます。地域自治区の廃止に伴う地域のまちづくり、村づくりについても、地域の市民の方々が中心となって考える、また行政情報を提供する管理運営方法を考える、周辺地域からどれだけ人を呼び込めるのか、また便利に楽に安心できるかなどを考えていきたいと思います。その担当部署であり、委員会で議論を深めていただきたいと思っておりますし、行動をお願いしたいと思っております。
そしてまた、財政的な面なんですけれども、財政的には非常に厳しい判断が求められているというふうに考えております。合併特例措置を利用して事業をすることはできると思いますが、後年度にそのツケが地方交付税の算定が縮小した段階で非常に宇陀市の負担になることが予想されます。
また逆に、合併特例措置がなくなった後において大きな事業をするというのであれば、時期を失しているということになり、このことは早く財政改革を進めなければならない理由の一つだと考えておるところでございます。
そして、行政刷新会議の件なんですけれども、行政刷新会議は宇陀市の行財政改革の推進に当たり、専門的な意見を広く求めるために設置いたしました。行財政全般について協議をするというよりも、専門性を生かした重点ポイントに絞った内容について審議をしていただきたいと考えております。したがいまして、行財政改革の施策を具現化するときのシンクタンク的な支援活動を期待しているところでございます。
そして、総合計画の件でございますけれども、基本構想が平成29年度までとなっております。基本計画については、平成24年度までが前期5カ年、平成25年度から29年度までが後期5カ年となっております。
しかし、私は市長にならせていただくときに三つの約束を掲げさせていただいております。その一つは、宇陀市の行財政改革の推進であり、住みよいみんなの新しいまちづくりであり、宇陀市の将来ビジョンの策定及び選択と集中による投資でございます。この三つの約束は私が全力をもって取り組みたいと思っておりますけれども、具体的な施策集を市民の皆様方にお示ししたいと考えております。これは、来年度予算の編成作業を進めており、来年3月、新年度予算を議会に提案し、御審議をいただく予定でございますが、その時期といたしましては、この予算が成立した後に市の施策集をわかりやすい冊子として市民の皆様方にお示ししたいと考えております。
財政的な問題も含めまして、したいことはたくさんあるわけでございますけれども、継続事業がたくさんございます。今現在、市立病院も建設中でございます。もう一方、また大宇陀の小学校も建設予定でございます。これは放置することができません。何としてもやっていかなければならない事業だと考えております。そのほか、防災行政無線のデジタル化に伴う費用、そしてまた、皆様方に御心配をおかけしております流域下水道の事業、いろいろ不確定な要素がたくさんございます。
しかし、この機会にしなければならない、どうしてもやっていかなければならない事業でありますので、起債残高も減らす方向で一定の指示はしておりますけれども、急激な減少というものは余り見込めないのではないかなと考えております。しかし、借金は借金でございますので、なるべく抑制するような形で皆様方に御理解をいただきながら、抑制する方向で、財政運営も含めまして取り組みたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
以上でございます。
議長(中山 一夫君)
11番、多田與四朗議員。
11番(多田 與四朗君)
4名の担当部長、そして市長から、ただいま1回目の質問に対しまして御答弁をいただいたわけでございます。今回の12月の定例議会は、会期中全部うだチャン11で放映をされておるということでございます。答弁のほうもそれぞれの項目につきまして、非常にわかりやすくお述べいただいたのではないかなと、そんな思いがするわけでございます。
ところで、私の今回の質問は、合併特例期間の後半の5年間、そしてその経過措置というのがその後に5年間ございます。私たちの宇陀市の行財政運営というのは、45%、これは21年度の決算指標によりますと、交付税の割合が45%なんです。市税が十五、六%なんです。いかに交付税のおかげをもって行政サービスや、あるいは市民のためのサービスを行っているかということでございます。それが先ほど1回目の質問のときにも申し上げましたけれども、経過措置の中で三十二、三年には交付税がゼロということになるんです。これはもちろん割り増し額なんですけれども、したがって、今の多いときで八十七、八億円ございましたけれども、これが六十二、三億円台に落ちると。
先ほど井上財務部参事のほうからも話がございましたけれども、本当に適正な規模というのは150億円から160億円前後だと思うんですけれども、非常に厳しいなという感じがします。そして、その中で、これから後半戦というのがいかに宇陀市にとって大切な時期だということを、改めて理事者側も私たち議会も市民の皆様も御承知おきをいただきたいな、そんな思いがするわけでございます。
それで、一応4名の担当部長様のほうから御答弁をいただいたわけで、入れかわり立ちかわりの御答弁でございましたので、市民の皆様方は非常にわかりにくかったかもしれません。それで一つ一つ順番に再質問という形で整理して、ちょっと気になった点をお尋ねをしたいと思います。
一つ目は、やはりこの期間に本当に新たに市長の諮問会議という形で行政刷新会議と産業振興会議というのを設置されたわけでございます。これで総合計画、宇陀市の将来図なんですけれども、これを大幅に修正するということを申し述べられました。
ところが、先ほどの事務方の御答弁では、まだ一、二回会議を開いた程度でございます。もちろん、先ほど市長のほうには政策集というような形で、新年度予算が決まった段階で政策集をおまとめになるということを申しておられますので、これは大変結構なことだろうと思います。しかし、実はといえば、決まる前に上程される段階で政策集をお見せいただければ、これはもう本当にありがたいなというような思いが先ほどしたところでございます。
それで、この総合計画の見直しであるとか、あるいは継続事業あるいは新規事業等々について、この行政刷新会議、これは私は宇陀市の行政改革懇話会と非常に内容的にも性格的にも似通っているのではないかなというような思いがするわけなんですけれども、これは同じようなものを二つもつくって一体どうなるんですか。どちらが正しくて、どちらが従なのか、そのあたり、この位置づけといいますか、相関関係といいますか、そういったところをまず1回目の質問に対して、事務方のほうがお答えできなければ市長のほうでおまとめいただくというようなところでございます。
それともう1点は、産業振興会議、私は非常に興味を持っております。このずっとこれから先の5年間、そして特例期間が過ぎる後の経過措置の5年間、この、これからの10年間の中で、税収は少なくなる、交付金も少なくなる、財政的には非常に厳しい状況の中でやりくりしていかなければならない。当然そのときは、先ほど申されたような適正規模の150億円から160億円よりもさらに低いところで市政運営をしていかなければならない、こんな状況が来るかもわかりません。そのために、今から産業振興会議、この産業振興会議の中でどのように新しい産業を興していくか、雇用も含めて進めていくか、こんなところをもう少しお深めいただいて御答弁を賜りたいと、このように思っております。
それから、二つ目のまちづくり支援課です。これは新しくできました。そして、地域自治区が廃止されましたので、地域協議会というのがまちづくり委員会というような仮称ではございますけれども、そういう形のものを市内に設置するということでございますけれども、これらの関係をもう少し、そして、まちづくり委員会をどのような形で組織をつくっていくかというところにももう少し踏み込んだ形で御答弁を賜りたいと思います。といいますのは、やはり期間があるようでないんですよ。思ったら、先ほどもある方の答弁の中にもございましたけれども、スピードを持って進めていかなければなりません。そんなところで、もう少しお深めいただいてお答えをいただきたいなと、そういう思いがします。
それから、行政改革のほうでは、10億円の予定が市長のほうでは5億円を上積みしていただいて、それは恐らく人件費やあるいは公債費やそういった経常的な経費を一律ではないですけれども、いろいろと行政刷新会議にかけて、しっかりと取り組んでいくということですから、それは結構なことだと思います。
それで、その行政刷新会議と産業振興会議のこれからのウエートというのは非常に大きいかと思いますので、やっぱりしっかりと明確に議会に、また市民の皆様に御説明をしていただいて、市長もタウンミーティングという形も取り組んでおられますので、そのあたりも踏まえて、あまねく広く知らしめて、それで御納得の上に進めていただくというのが非常によろしいのではないかなと、そういう思いがします。
それから、財政部のお話でございましたけれども、やはり本当に改善はされておりますね。市民の皆様も御承知のように、4町村が合併をいたしましたあの18年1月1日の合併前後の財政状況というのは、非常にそれぞれの旧町村のありようというのは、皆それぞれの方が御承知だと思いますので、あえて申し上げませんけれども、非常に莫大な借金で合併したというところでございます。それが今日5年を経て、広報うだにも載っておりますけれども、40億円、50億円近い借金の総額が改善をされてきておる。しかし、これからの5年間あるいは追加の5年間の中で、非常に厳しいまた行財政運営をしなければならないというようなところでございます。非常に厳しいところですけれども、しっかりと行政サービスを落とすことなく、優先順位をしっかりとつけた上で臨んでいただきたいなと、そんな思いがします。
それから、とりあえず徴収、滞納関係についても辻本部長のほうからお話がございましたけれども、非常に全庁的に夜間の徴収も含めまして、しっかりと取り組んでいただいておること、感謝を申し上げます。
先ほど申し上げました諸点につきまして、それぞれ御答弁をお願いしたいと思います。
議長(中山 一夫君)
桝田総務部参事。
総務部参事(桝田 守弘君)
私のほうからは該当する行政刷新会議のこと、それから市長の政策集のことの2点についてお答えさせていただきます。
行政刷新会議の位置づけということで、この会議につきましては、あくまで行政改革懇話会とは別でございまして、これは市長の政策決定をするときのピンポイントでのシンクタンクという会議ということで位置づけさせてもらいまして、いろんな形で市長の思いを聞いていただく場あるいは民間の方の意見を大学の教授もおられますが、そういう方の意見を聞くためのピンポイントでの懐刀といいますか、そういう会議として進めていきたいと考えております。
それから、政策集の発行のことでございますが、現在、骨子はほぼ作成しておりますが、せっかく発行する以上、新年度予算の編成中でありますので、あくまでもその新年度予算を含めた政策を見ていただくほうがやはり市民の方においては見やすいかなというように考えておりますので、やはり新年度に予算を議会のほうで議決いただきました後に発行していきたいなという方向でございます。
私のほうからは、2点、以上です。
議長(中山 一夫君)
臺所農林商工部参事。
農林商工部参事(臺所 直幸君)
私のほうからは、産業振興会議の事務局を担当させていただいておりますので、その産業振興会議につきまして少し説明させていただきたいと思います。
産業振興会議につきましては、12月2日に第1回目の会議を持たせていただいたところでございます。このところでは、委員の委嘱状の交付とそして委員長、副委員長の選任をしていただく、あるいは産業の部分でいきますと、農業、林業、商業、工業といった各分野に広がってまいりますので、部会を設置して各分野それぞれに検討していこうというところから、部会設置ということもございまして、その部会の設置もしていただいたところでございます。
まず、委員につきましては、宇陀市内の各産業分野で現場の最先端で活躍されている方々ということで選任させていただいたのと、そしてまた市民の方からというようなことで、計21名の委員の選任をさせていただいたというところでございます。
この産業振興会議につきましては、宇陀市の産業の振興ということにつきまして、いわゆる行政だけがそのことを検討していくのではなくて、現場で実際にかかわっている方々から現場の生の声を聞かせていただく、そして、その生の声を言っていただくにおいては、行政は何をすべきか、そして事業者、いわゆる産業分野にかかわっている事業者は何をしなければならないかと、そういった観点から、さまざまなことを検討していこうと、そういう形で設定をさせていただいております。
まだ1回目の会議でございますので、そういったところでしかないわけでございますけれども、ただ一つ申し上げますならば、この1回目の会議のところで各委員の方々からの御意見としてございましたその大きなものとしましては、やはり、これまでは行政にどういった支援をしてもらえるかというような考え方であったけれども、そういった考え方でなく、これからは我々がみずから何をしていかなければならないか、行政に金を使わせるということではなくて、我々がどうやって金をもうけていくかというそういった観点から考えていかなければならんなというそういうような御意見をいただいたということがございます。
実際こういうことでもって、今後まず部会でもっての検討をしていただく、そしてまた全体会で検討していただくということで、最終的には市長への提言をいただくというようになるわけでございますけれども、委員の任期といたしましては、2年という形で設定させていただいております。したがって、提言をしていただくにおきましては、24年の初旬というような形になろうかと考えております。こういったことで進んでいるところでございます。
また、もう一つ、まちづくり委員会のことについてお尋ねをいただきました。
地域協議会とまちづくり委員会との関係はということのお尋ねでございますけれども、あくまでも地域協議会につきましては、地域自治区の廃止、そして地域協議会の解散ということが法律に基づいて来年の3月になるわけでございますけれども、これと私ども今申し上げております仮称でございますまちづくり委員会です。このまちづくり委員会につきましては、別個のものでございます。
すなわち、地域協議会につきましては、いわゆる地域自治区の設置目的でございますところの住民自治の強化、また旧町村のまとまりに配慮をした円滑な合併推進といったところからの地域協議会設置でございまして、指針を諮問事項に対して審議し、意見を述べることができるとか、あるいは地域自治区の区域に係るものについて審議し、意見を述べるという形になっておりますけれども、まちづくり委員会につきましては、これからのまちづくりを自分たちの手でやっていこうというその意識立てを持っていただくというそういう意味から組織を立ち上げていただこうというものでございまして、性格はおのずと変わっていくものというように考えております。
議長(中山 一夫君)
竹内市長。
市長(竹内 幹郎君)
いろいろ話をさせていただいております。
改革につきましては、先ほど担当が話をさせていただきましたように、懇話会も刷新会議もあるわけでございますけれども、実際、改革するのは職員の中でしていかなければならないと考えておりますし、それは行政改革本部会であろうかと思います。本部会の会長は私でございますし、副会長は副市長でございますし、教育長でございます。ですから、本部会の中で素案をまとめて、しっかり議論しながら方向性を示させていただいております。それが議論にあります経費の10%削減であり、職員の300人体制を目指そうじゃないかという骨子の中でやっていくということでございます。
ややもすると、検討します、そしてまたしていきますという表現になりがちなんですけれども、しっかり時間を切って私の任期の中でやっていくような方向づけをさせていただいているところでございます。その本部会でつくった素案に基づいて、市民の方々から御意見をいただく、また専門的な御意見をいただく、そういう懇話会での位置づけと私自身は理解しておりますし、そんなことを期待しているところでございます。
産業振興会議につきましては、非常に宇陀市、地域そのものが非常に減退傾向でございます。それは東京一極集中の中で地域間競争があり、厳しい中であるわけでございます。企業が来てほしい。他人頼みでするのではなしに、宇陀市みずからが考えなければいけない。しっかり事業をされている方々でございますので、宇陀市に貢献をしていただきたいとお願いしているところでございます。民間の合理的な考え方、そしてまた、行政の信用力を持ってしっかり宇陀市の方向づけ、産業振興について御意見をいただき、一歩でもいいですから前へ進みたいというように考えているところでございます。
以上でございます。
議長(中山 一夫君)
11番、多田與四朗議員。
11番(多田 與四朗君)
2回目の質問に対しまして御答弁をいただいたわけでございます。ある程度は、行政刷新会議あるいは産業振興会議の中身というものが見えてきたのではないかなと、そんな思いがしておるわけでございます。
国のほうでは、行政刷新会議に当たる仕分け事業というのが現政権の中で非常に国民的な喝采を得たわけでございます。ともすれば、会議というのは密室・秘密主義に陥りがちではございます。情報公開のただ中でございます。ガラス張りの行政というのが市民の皆様が期待をしておるところでございます。何回となく答弁の中に市民との協働、市民参加、市民と行政が一体となって、この難局をしっかりと10年後には竹内市長がおっしゃるような明るい将来が来るように頑張っていかなければならないかな、そんな思いがするわけでございます。
市長、お尋ねしたいと思いますが、この行政刷新会議、そして産業振興会議、これやっぱり税収を上げなければ住民サービスも低下するんですよ。維持していこうかなと思っても、なかなかそれはできないと思います。やっぱりこの限られた期間の中で、せっかく産業振興会議、行政刷新会議というものをつくられたわけでございますから、それをさらにお披露目いただいて、全部公開して議論を市民の方、我々にも見せてください。そんな中で市民の皆さんが共通認識を持って、この宇陀市に対する、市長はいつもおっしゃっていますが、宇陀市に対する愛着をさらに深めてもらえるんじゃないかなと、そんな思いがするわけでございます。そんなことをお願いをさせていただきたいと思うんですが、今即答で、それはそしたらやろうと、オープンにしようという答えは今即答は求めませんけれども、しっかりとその方向性で頑張っていただきたいなと思います。
私は時間のほう確認しながらお話ししておりますので、大丈夫でございます。市長、そのあたり一言だけ、検討していただけるものなのか。
それともう1点、タウンミーティングというのを今回の自治区廃止の際にも催されましたけれども、このタウンミーティングも、しっかりといろんな政策集を出されると、原案を今つくられておるというところでございますので、やはり事前事前に連合自治会の組織も住民組織もあるわけでございますし、タウンミーティングのほうの開催とか定期的におやりになられるというようなお話もございましたけれども、その件と先ほどの件とあわせて御答弁をいただきまして、私の一般質問を終えさせていただきたいと思います。市長、よろしくお願いします。
議長(中山 一夫君)
竹内市長。
市長(竹内 幹郎君)
何回も御質問いただきましてありがとうございます。
行政改革なんですけれども、総論賛成で各論反対という形になりがちでございます。民主主義の中で制度設計を先に提案させていただいたらいいんですけれども、なかなかスピード感を持っていったときには、なかなかそれに追いつかないという状態も発生しております。ですから私は、行政改革をするに当たっても、行政改革をしながらまちづくりをしなければいけないという形の中で、制度設計に当たりましては、議員の皆様方、また市民の皆様方に御心配をおかけしているところでございます。
しかし、行政職員に関しましては一生懸命それに対して対案を持つように指導しておりますし、また議員の皆様方一人一人の意見を加味するような形でしたいと考えているところでございます。ですから、これからいろんな形で制度設計も含めて考えていきたいと思いますので、御理解をいただきますようにお願い申し上げたいと思います。
そして、産業振興会議なんですけれども、いろんな分野がございます。私どもも職員一人一人が地域に帰ったらまちづくりのリーダーであるべきだろうというような提案もさせていただいております。議員の方々も宇陀市の議員でございますし、また地域に帰られたら、地域の議員でもあるわけでございます。地域に帰られたら、地域のまちづくり、村づくりのリーダーであってもいいかと思います。ですから、他人にどうのこうのと言うのではなしに、やはり情報提供もいただきたいし、そしてまた私たちも、その情報に対してしっかり対応させていただきたい、そんな思いでございますので、御理解いただきますようお願い申し上げたいと思います。
ありがとうございました。
議長(中山 一夫君)
多田與四朗議員の質問が終わりました。
市民の皆さん方におわびを申し上げます。
本日の議会放送につきまして、議会開始の午前10時から約30分間放送ができませんでした。原因につきましては、ただいま調査中でございますが、深くおわび申し上げます。
議長(中山 一夫君)
次に、1番、勝井太郎議員の質問番号2番「流域下水道の奈良県から宇陀市への移管について」「合併特例終了を見据えた財政運営について」の質問をお受けいたします。
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井 太郎君)
おはようございます。議席番号1番、勝井太郎でございます。ただいま議長の許可をいただきましたので、通告に従いまして質問をさせていただきたいと思います。
今回は流域下水道の宇陀市への移管について、これからの合併特例がなくなっていく上での財政運営と、そして市長のビジョン、この2点についてお尋ねをいたします。
まず最初に、流域下水道の移管の問題についてお尋ねをいたします。
現在、市立病院の隣にあります宇陀川浄化センターと、そしてその浄化センターに接続をする下水道は、県営の流域下水道として奈良県が運営をしております。しかし、合併によりまして、流域下水道の要件を満たさなくなりました。県営の流域下水道というのは、2以上の市町村をまたぐ地域に対して接続をしてサービスを提供しているということが条件になります。しかしながら、宇陀川流域下水道の供用されているエリアは、榛原区、大宇陀区、菟田野区の宇陀市内だけにとどまります。合併前であれば3町でしたので、流域下水道の要件を満たしていたのですが、合併によって要件を満たさなくなりましたので、宇陀市が単独で運営をする公共下水道へと移管をすることが法律上は求められております。
なお、合併特例によりまして、合併したすぐに移管をするのではなく、合併から10年間については奈良県が移管をすることは認められております。しかし、それ以降については、今の法律のままでは宇陀市が運営をしなければいけないというのが現状でございます。
この移管への期間というのは合併から10年でございますから、平成28年、もう年の瀬ですから、あと5年ほどしかございません。ちなみに宇陀川流域下水道の年間の維持コストは、起債償還、借金の返済も含めて、大体年間およそ5億円と言われています。一方で、1年間に入ってくる下水道収入は1億2000万円ほどにとどまっておりますので、国からの補助を仮に入れたとしても、かなりの負担を宇陀市が背負わなければいけないというのが現状でございます。
そもそもですが、この今問題となっております宇陀川流域下水道は、奈良県の施策として、県営水道の水源地である室生ダムの水質浄化を目的として設置をされたものです。現在、奈良県には三つの流域下水道が存在をしております。一つが宇陀市にあります宇陀川流域下水道、そして大和川の水質浄化のために存在をしている大和川上流下水道、なお、この大和川上流流域下水道は、奈良盆地にあります16市町の下水道処理を担っております。もう一つが吉野川流域下水道でございまして、こちらの吉野川流域下水道も宇陀川流域下水道と同じように、水源地である吉野川の水質の浄化のために存在をしているものでございます。
したがって、今現在行われている宇陀川流域下水道は、県の施策としてあくまで始まったものであり、合併によって宇陀市に対し移管をされることについて拒否をするという姿勢を宇陀市がとりたいということも、一定理解をすることは私はできると思っております。
というものの、流域下水道であり続けるためには、現状の下水道法の改正が必要になります。下水道法には、流域下水道の要件を満たさなくなった公共下水道について、そして、公共下水道であったとしても、2以上の市町村に対して利益を与えているものであれば、都道府県が管理をすることができるという条文、下水道法第3条第2項の規定というものも存在をしております。この第3条第2項についてや、これまでの国、そして奈良県との交渉の過程については、一度、水道局長から御答弁をいただいた後、さらに議論を深めていきたいと思います。
それでは、質問をいたします。平成18年の合併の段階から現在の平成22年まで、この4年の間に国そして奈良県とどのような交渉を今までしてきたのでしょうか。そして、実際に移管までの期限が平成28年とだんだんと迫ってまいります。どこかで必ずこの問題は解決をさせなければいけません。どこまでをめどとして交渉を行い、どのような結論を導いていくおつもりなのか、担当者の説明を求めます。
また、移管をされた場合、どの程度の負担が想定をされるのでしょうか。奈良県が今背負っている負担、そして宇陀市がこれから先、負担をしていく負担はどの程度になっていくのか、財務当局の見解を伺います。
また、受益者負担についても再度の検討を行う必要があるのかもしれません。受益者負担についてどのようにお考えでしょうか、担当者の説明を求めます。
次に、財政運営についてお尋ねをいたします。
合併によりまして、あと10年間については合併をしなかったまちと比べて交付税の算入が多くなっております。これは先ほど多田議員の質問の中でも触れられておりましたが、今はその加算措置によって、1年間に宇陀市に入ってくる交付税はおおよそ80億円ぐらいです。しかし、これはあと5年後からだんだんと減少を始めていき、そして10年後には合併特例による加算措置はゼロになり、60億円余りの交付税しか入ってこなくなります。今よりも20億円近い財源がなくなるということです。しかも、この5年後からの減っていく幅というのは大変激烈でありまして、減少が5年後から始まりましたら、いや応なく歳出の大幅削減ということを行い続けなければなりません。
全国に先駆けて合併を行った自治体、兵庫県篠山市は、合併特例を活用して大きな公共投資を行ったり、産業の振興を大変一生懸命に行いました。宇陀市と同じ産物である黒豆については、篠山の黒豆は大変大きな産業に育っております。その点については、合併効果を生かして大きく産業を育成をしたというところ、ここについては大変、篠山市は評価をされるところでありますが、しかし、財政運営については実は余りよい評価を得ておりません。
なぜかと申しますと、合併特例によってかさ上げをされている交付税は減るということをわかりながら、それに対しての準備をほとんど行っていなかったからです。合併特例がなくなり削減をされていくとともに、多くの施策が打ち切られ、住民サービスが一気にカットをされました。篠山市と同じように準備をしなければ、宇陀市も5年後から大幅な歳出の削減に大なたを振るわなければいけなくなります。減少が始まった段階からの削減ではなく、できるだけ早目から歳出の削減に取り組んでいくということ、そして、収入が5年後から必ず減るということがわかっているのですから、一定、基金という形でお金を積み上げていき、現金をある程度用意をしていく必要もあります。
確かに、借金の返済ということを考えていくのであれば、余ったお金についてはできるだけ繰り上げをして返済をしていくことが筋であるということは、よくよく理解はできます。しかし、収益が明らかに落ちることがわかっている企業が果たして借金の返済に全力を傾けるでしょうか。5年後には必ず収益が15億円削減をするということがわかっている会社、その社長さんがどのようなことを判断するのか。銀行に対して借金の返済をさらにかさ上げをして多く返していくことをしていくのか、それとも、収入の減少を見据えた上で一定の貯蓄をしていき、その減少をある程度緩和をするようなことをしていく。そして、その余裕がある間に新しい事業を立ち上げていったり、新しい収入の柱を立ち上げていく。これが私は普通の経営者ではないかと思います。
もちろん、もう一度返した上でお金が足りなくなれば、再度お金を借りるということもできますが、民間の企業であれば、比較的、銀行の信用があれば借りることもできますが、逆に市町村や自治体の場合は起債については大きな制限を受けます。ただお金が足りないから起債をさせてください、そのようなことを県や国に言っても、それは認められることはありません。このような事業を行うから、このような建物を建てるから、このようなことをするからということをすべて計画を立てた上で許可を得なければ、そもそも自治体は起債を行うことができません。そのような観点から、しっかりと基金を積み、この後必ずやってくる地方交付税交付金の削減に備えていくべきであるかと考えます。
当然でありますが、借金の返済は、しっかりと計画どおり行わなければなりません。そのことができなければ、新たな借り入れも一切できなくなりますし、また必要以上に借り入れを続ければ、そもそもですが、財政の破綻をします。ここのかじ取りというのは財政当局、そして市長も大変難しいところでありますが、どのようにしてまず基金を積んでいくのか、そして、これから先のこの収入減少に備えていくために幾ら程度の基金を積んでいく御用意があるのか、説明を求めます。
そして、借金の返済をしながら、なおかつ収入を確保していく。具体的には現金をどのようにして確保していくのか。難しいかじ取りであるというのはよくよくわかりますが、市長はそのあたりどのように考えて市政の運営を行っていくおつもりなのか、市長の見解を求めます。
次に、市長はマニフェストの中で、集中と選択を行っていくということ、そして将来のビジョンを策定をしていくということを明記をなされました。経常経費の10%カット、年間で15億円の経常経費のカットというのは当然行わなければいけないことでしょう。それ以外に何を行い、何については一定あきらめていくのか、選択と集中が具体的に求められる、そのようなことも、これは市長にしかできないことでございますが、どのようにして市長はこの判断をしていくのでしょうか。
そして、この判断をしていくためには、当然ですが、このような基準があるから、もしくは市長として、このような宇陀市の将来のビジョンがあるから、これについては集中的に投資をしていく、逆に、これについてはある程度抑制をしていくという判断基準がなければなりません。そして、このビジョンというものは、宇陀市の10年後や20年後、もっと先の100年後になるかもしれませんが、宇陀市のあるべき姿というものが市長の腹の中になければならないということです。宇陀市が目指すべき、そして職員、市民が目指すべき宇陀市の姿というものが市長の描いているビジョンとそれが職員に対してしっかりとおりていっている。そして、そのビジョンが市民と共有をされている。これはなければなりませんし、それがなければ、そもそもこの選択と集中の価値判断基準を持つことができません。どのような宇陀市の将来の姿を描いて日々お仕事に励んでいるのか、ぜひ市長の声で、このような宇陀市にしていきたいということをテレビの放映もちゃんとされているようですので、市民の皆様にぜひ語りかけていただきたいと思います。
以上、壇上での質問とさせていただき、2問目以降は自席より質問をさせていただきたいと思いますので、ぜひ実りある議論にしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
議長(中山 一夫君)
藤本水道局長。
水道局長(藤本 隆志君)
失礼いたします。水道局、藤本でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
質問番号2番目の勝井議員の御質問に対してお答えを申し上げます。質問事項一つ目の流域下水道の奈良県からの移管についてについて、御回答を申し上げます。なお、要旨二つ目の財源の裏づけにつきましては、後ほど財務部より御回答申し上げますので、よろしくお願い申し上げます。
まず、なぜ公共下水道移管をかたくなに拒むのかということでございますが、下水道整備につきましては、住民生活に密接した社会基盤整備でありまして、トイレの水洗化に代表される汚水の排除といった生活環境の改善のみならず、河川等の公共用水域の水質保全にも重要な役割を担っていることは言うまでもございません。
本市におけます下水道整備の始まりにつきましては、本市内を流れます宇陀川及び下流域にございます室生ダム湖が奈良県内の奈良市、生駒市を初めとする大和平野の水がめといたしまして、多くの奈良県民の皆様の水道水源となっております。その室生ダム湖の水質は閉鎖性水域であるため、昭和50年ごろ、アオコの発生、カビ臭等、水質の悪化が急速に進みまして、県営水道の水源として深刻な問題となったことが始まりでございます。そこで、下水道整備の必要性につきまして県で議論をいただき、昭和53年に奈良県において流域下水道として事業化され、建設をされた経過がございます。
しかしながら、先ほど議員がおっしゃいましたように、18年に町村合併を行ったことから一つの市になり、下水道法の規定により流域下水道から単独の公共下水道となり、宇陀市が維持管理を行わなければならなくなったものでございます。
流域下水道は、財政規模が大きい都道府県が事業を行うことを前提として認可を受けたものであり、事業規模も大きく、その維持管理には多額の費用を必要といたします。もともと財政力の弱い町村が健全化を目指し合併を決意した自治体といたしまして、この流域下水道の移管問題が大きな課題とされ、取りざたされました。引き続き県で安定した下水道の維持管理が行えるように、これまで合併当時より何度となく国土交通省、総務省等、関係省庁並びに国会議員等に要望を行ってきたところでございます。法制度改正や新たな財政支援による維持管理の負担軽減などの要望を行ってきております。しかしながら、現時点におきましては、法制度改正に至ってはかなり難しい状況であるということは御承知のとおりでございます。
そこで、議員のおっしゃいます下水道法第3条第2項の例外規定の適用についてでございますけれども、この例外規定により、引き続き県が維持管理するためには、下水処理に係る二つ以上の市町村の受益、つまり、二つ以上の市町村の区域における下水を受け入れる広域での下水道であることが必要となりまして、現状では宇陀市1市のみの下水処理であり、基本的には例外規定の適用は適用外となるものでございます。
移管を受けます猶予期間も残り5年余りとなりまして、移管問題について県とともに国に対する要望に向けた意見調整や他府県の同じ状況を抱える自治体との活動情報を交えながら、宇陀市に不利とならない決定がなされるまで、引き続き要望活動を継続することとさせていただいております。
流域下水道移管に係ります奈良県との検討についてでございますが、現在、奈良県との間で移管に係ります検討会を設けておりまして、国の動向や他府県の情報収集に努めながら、宇陀川流域下水道のあり方について検討を進めるための調整を行っているところでございます。その中では、宇陀川浄化センターの当初の設置目的でございます水道水源の水質保全を軸にいたしまして、奈良県と宇陀市が相互に協力し、関連の流域下水道事業者や水道事業者等他の関係団体の理解、協力が得られるための努力をすることや、実務的な事項といたしまして、流域下水道の県と宇陀市の管理区分について、またこれまでの宇陀川浄化センター建設に係ります起債の償還並びに資産の譲渡の方法等について今後協議、検討することを申し合わせているところでございます。
次に、県との移管に係る調整の時期についてでございますが、現状のまま推移いたしますと、平成28年4月には宇陀市の公共下水道として位置づけられることから、平成25年度までに具体的な策を決定し、平成27年度には手続を完了する予定で現在、県との調整を行うこととしております。
宇陀川流域下水道は、県内の他の流域下水道よりも高度な汚水処理を行っていることで、健全な水循環型社会の創出には欠かせない存在であり、県民が安全で安心な水を飲むために県の責務として流域下水道の運営をしなければならないものだと考えているところでございます。
次に、受益者負担を求める必要性についてでございますが、下水道料金の検討について、下水道料金の設定に当たりましては、下水処理や下水道設備に係りますところの維持管理費用の一部を下水道を利用していただいている方々に御負担していただくものでありまして、市の下水道維持管理費用と宇陀川浄化センターにおける下水処理に係る維持管理負担金を合わせたものの一部を下水道料金として御負担いただいております。
料金の設定に当たりましては、公営企業の経営健全化計画に基づき、事業の健全化を図っているところではございますけれども、人口の減少や使用水量の減少などの事情により経営が圧迫され、事業収支不足が生じまして、一般会計からの繰り入れなしでは下水道事業経営を継続することが困難な状況となっております。このため、皆様の御理解をいただきまして、平成21年4月から使用水量1立方メートル当たり10円の値上げをさせていただき、現在1立方メートル当たり110円に料金を改定をさせていただいたところでございます。
もし、これまで流域下水道として県内の他の流域下水道と一括管理されていた流域下水道が市に移管され、単独の公共下水道として管理運営を行うとなれば、多額な維持管理経費が不足することになります。よって、現在の料金を大幅に改定する必要が発生してまいります。これらのことから、合併特例期間の満了後、平成28年4月に流域下水道が単独の公共下水道として移管され、引き受けることは到底考えられない状況でございます。
継続して安定した下水道の維持管理を行うためには、法制度改正や新たな財政支援によります維持管理負担の軽減などの措置に頼るしかございません。今日までの実情を訴える要望活動以外に、流域下水道の発足当時の採択要件に特例的な扱いがあったことに立ち返り、法律の規制のある部分について、規制の緩和なり特別な扱いの中で、県が水質管理、水質保全のため流域下水道として管理できるような特別な区域として認定を受けることにより、宇陀川流域下水道として持続的な高度な汚水処理を行い、安全で安心して飲める水をはぐくみ、健全な水環境の形成を目指し、次世代に継承できるよう努めなければならないと考えているところでございます。
今後も移管に係る方針決定に伴う報告事項や協議・検討事項が多々あるかと思われますので、御協議いただきますようによろしくお願い申し上げます。また、今後も引き続き各方面への要望活動や運動が必要であると考えており、行政のみでは立ち行かなく、議員の皆様の御理解、御協力をお願い申し上げ、1回目の回答とさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
議長(中山 一夫君)
井上財務部参事。
財務部参事(井上 裕博君)
流域下水道の奈良県から宇陀市への移管に当たって、財源の動向といいますか、裏づけについてと、こういうことでお尋ねがございました。
私どものほうで担当課のほうあるいは県のほうにもちょっと依頼していただいて、大体の情報を得た中での数字でお答えさせていただきたいと、こういうように思います。
これは平成21年度の一応決算ということでお伺いしておる数字でございますけれども、県の宇陀川浄化センターの維持管理費というのは、ざくっと言いますと約6億円かかっておると聞いております。そのうち1億2500万円程度が宇陀市から料金収入として得ておると。それからもう1点は、交付税措置として1億6000万円得ておると聞いております。ですから、6億円から2億8500万円、約2億9000万円といたしましても、差し引き3億1000万円の歳入の不足ということなのかなと、こういうように考えております。
1億6000万円のこの交付税措置というのは何かと申しますと、これは宇陀川浄化センターの建設なり、あるいは施設の維持管理上の大規模な改修ということで県のほうも起債を発行しておられまして、この起債の1年間、平成21年度ですけれども、毎年数字は変わっていくと思いますが、平成21年度の起債の償還額が3億2000万円であると、これの2分の1程度が交付税で措置されておると、こういうことでございます。これは、宇陀市も大体、下水道に係ります建設関係の起債の2分の1が交付税で措置されておりますので、これは宇陀市であっても奈良県であっても、この交付税の措置というのはおおよそ変わらないと考えております。
ところで、先ほど申し上げましたように、6億円と2億9000万円の差額3億1000万円の収入の不足ということはどういうことかといいますと、ちょうど昨年度の宇陀市の普通会計の決算でございますが、これが3億1000万円余りの黒字でございました。こういうことで新聞発表等させていただいておるんですけれども、これが21年度、県営浄化センターがこちらに来ておれば、ちょうど黒字がなくなってしまうと、こういうことになります。また、経常収支比率も2ポイントぐらい悪くなると、こういうことが予想されております。もう一つは、実質公債費比率、財政健全化の比率なんですけれども、これはイエローカードまでは行きませんけれども、やはり悪くなると、こういうことでございます。
ですから、財政の担当といたしましては、浄化センターの移管について、県に幾らかの負担というようなお話もあるかとは思うんですけれども、なかなか厳しい財政的な状況にあるということで、いいお話し合いをしていただきたいなと、こういうように思います。
それから、勝井議員の二つ目の御質問でございます。会社の経営に例えられて、将来そういう厳しい状況が待っておるのに、わかっておるのに借金の繰り上げ償還だけでよいのかということでございます。
これは全く御指摘のとおりだと思います。例えば市債の繰り上げ償還といいますのは、仮に2億円なら2億円の繰り上げ償還をいたしましても、その償還が例えばあと10年残っておれば、1年当たりの経費の節減というのは2000万円にしかならないと。それがもっと長い年数であれば、ちょっとそこまで先まで見てやっている今、余裕はあるのかということにもなってくるかと思います。それならば、将来に備えて基金を積むというのも一つの財政的な手法であると思います。
そこで、財政調整基金というのが宇陀市にございます。これは各団体にもあるわけなんですけれども、幾らぐらい積むのが妥当かというような話でよく言われておりますのは、一般的に標準財政規模の10%程度を積んでおかないと緊急のときに備えられないのではないかという話です。10%でも20%でも多いほうがいいに決まっておるんですけれども、そういう話でございます。
ところで、今現在、宇陀市では、せんだって9月の議会で補正させていただきまして、財政調整基金が7億1400万円、減債基金が1億5500万円、まちづくり推進基金が17億5800万円ということで、合計26億2700万円の基金を積ませていただいております。ほかにもたくさん基金はあるんですが、一般的に一般会計のほうで使えるというのは、この三つの基金かと思います。これが26億円余りございます。このうち一部、まちづくり推進基金は起債を起こして積んだ基金でございますので、まだ10億円近く償還しておりませんから、実質的に26億円あると言っていいのかわかりませんけれども、今現在はそういう状況にあるということでございます。
ところで、先ほど来の浄化センターの動向あるいは有利な合併特例債や過疎債が平成27年度でなくなりましたときに、合併特例債はもう27年度でなくなるというのはわかっておりますし、一応、今現在、過疎債も27年度ということで期限が切られております。そのときに市債を今までのように発行していていいのかと、こういう問題もあります。ですから、現在26億円余りの基金につきまして、5年後までにあともう10億円程度上積みして平成27年度末には37億円程度は積んでおきたいと、こういうように考えております。
これは私どものほうで勝手にそういう方針を立てたということではございませんでして、今現在の姿とここ二、三年の宇陀市の一般会計の決算状況から見まして、そういう形で予算執行の残額を積み立てていけば、これぐらいの金額はできるのではないかということで、こういう目標を持っておりたいということでございます。そのためには、現在進行中の第2次行政改革を確実に実行いたしまして、宇陀市の規模として適正な基金の状況あるいは財政運営に努めていきたいと、このように考えております。
私のほうからは以上でございます。
議長(中山 一夫君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井 太郎君)
ありがとうございます。市長からは後ほど御答弁をいただきたいと思いますので、市長よろしくお願いいたします。
まず、下水道のほうからお尋ねをさせていただきたいと思います。
藤本局長のお話を聞いていると、これは本当に大変なことであるということが大変よくわかります。今のままでは、法改正がされないと、流域下水道が平成28年には必ずやってくるという御答弁でございました。それを何かしら対抗する措置があるのかというと、そこもなかなか実は今のところは苦しいというのが非常にかいま見られて非常にしんどいなと思ったんですが、実は奈良県と宇陀市もしっかりと話をしているのかなと感じるところもございます。平成20年と平成21年の2年連続で、奈良県知事から国土交通省に向けて要望というものが出されております。こちらになりますが、読み上げさせていただきます。
まず、平成20年11月、奈良県知事、荒井正吾。市町村合併による流域下水道の移管について。要望先、国土交通省。
1、市町村合併後においても、関連市町村の財政力等地域の実情を考慮し、流域下水道施設を引き続き県が管理運営できるように制度改正を図られたい。宇陀川流域下水道については、町村合併後も水道水源である室生ダムの良好な水質維持及び宇陀市の財政力が低いことから、県管理が必要。このような要望が出ております。
また、その翌年、平成21年7月には、もう少し突っ込んだ内容の要望が出されております。こちらについても読み上げさせていただきます。
要望先、国土交通省。
1、合併特例期限後も流域下水道としての認定を要望する。宇陀川流域下水道は、室生ダムの水質を確保する目的で事業採択された経緯があり、恒久的な水質保全のため、流域下水道として建設、管理運営を行うことが必要である。今後、宇陀市単独による維持管理となると、財政基盤の弱い宇陀市財政が圧迫をされ、下水道普及率の鈍化と住民負担の増加を招くことが予想され、結果、厳しい環境基準を満足をする高度処理施設を維持し恒久的に水質基準を保持をすることが困難である。大和平野16市町の上水道水源となっている室生ダムの水質保全を担っており、2以上の市町が受益をしている。以上のことから、引き続き流域下水道の補助率の適用が必要である。このような要望が出されております。
この二つの要望を見ますと、少なくとも宇陀市のほうから何かしら流域下水道移管について救済要請をしてくださいというお願いがきっとされているはずです。何もなしで奈良県知事も勝手にこういう要望を出さないはずですから、一定水道局ないしはその当時の市長ですから、今の竹内市長ではありませんが、市長を初めとする理事者と県の幹部と恐らく何か話をした上でこの要望が出ていると思うんですが、このあたりの経緯について、もう少し詳しく御説明いただけますでしょうか。
議長(中山 一夫君)
藤本水道局長。
水道局長(藤本 隆志君)
ただいまの勝井議員の御質問でございますが、平成20年11月と平成21年7月、この2回にわたりまして、県から国土交通省のほうに要望が出されております。承知をさせていただいておるところでございます。
これに関しましては、先ほども申し上げましたように、合併当初より、この流域下水道が宇陀市に移管されるとなりますと大変なことになるということで、もちろん当時の市長も県のほうへ赴かれまして、何とか法改正なり県の支援ができないものかということで要望をしているところでございます。実際に日付等で申し上げますと、平成18年と19年に県知事のほうに要望いたしまして、平成20年5月には前市長並びに当時の各議員さんも含めまして知事のほうに直接要望いただいて、知事の回答といたしましては、引き続き県が管理できるよう法改正等を国に要望するというような御回答もいただいているところでございまして、そういう経過が現在あります。
議長(中山 一夫君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井 太郎君)
御説明ありがとうございます。
この要望の中で注目するべきところは、平成21年7月に出されている要望でございまして、ここに書かれております大和平野16市町の上水道水源となっている室生ダムの水質保全を担っており、2以上の市町が受益をしていると、これ、奈良県が出している公文書に実は明記をされているんですね。
先ほど局長がおっしゃっておられたのは、公共下水道になると、宇陀市以外は受益をしていないので、奈良県に対して管理を委託をすることができないのではないかという御答弁だったんですが、下水道法を見ていきますと、流域下水道の要件は、2以上の市町村に接続をしている下水道というようになっております。そして、浄化センターを持っている。これが構成要件でございます。
一方で、下水道法第3条をちょっと読み上げさせていただきますと、下水道法第3条、公共下水道の設置、改築、修繕、維持その他の管理は、市町村が行うものとする。第2項、前項の規定にかかわらず、都道府県は、2以上の市町村が受益し、かつ、関係市町村のみでは設置をすることが困難であると認められる場合においては、関係市町村と協議をして、当該公共下水道の設置、改築、修繕、維持その他管理を行うことができる。この場合において、関係市町村が協議に応じようとするときには、あらかじめその議会の議決を経なければならないと書かれています。
接続をしていなければいけないというのが流域下水道の要件でございますが、公共下水道を都道府県が管理をするときの要件というのは、2以上の市町村が受益をしているということが要件でございます。接続をしているという要件と受益をしているというのは、必ずしも下水道のサービスを得ていなければいけないというわけではないと思うんですが、このあたりどのようにお考えでしょうか。
議長(中山 一夫君)
藤本水道局長。
水道局長(藤本 隆志君)
私どもが今判断しておりますのは、今、勝井議員がおっしゃいましたように、2以上の市町村が受益という形で理解しておりまして、その県なり国との話し合いの中では、あくまでも宇陀市さんは合併により一つということになったので、単独公共下水道として判断しかできないという回答をいただいているところでございます。
なお、先ほどの県知事の要望の中で、16の市町村の水道水源になっているということに基づいて、引き続いて流域下水道としての整備が必要という県の判断というのが書かれておるわけでございますけれども、これに対しましては、私ども、県のほうがこういう考え方を持っていただいているということは認識をしましたので、今後、県との交渉といいますか、協議の中で十分こういったところをお願いをしていきたいと考えておるところでございます。
議長(中山 一夫君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井 太郎君)
御答弁ありがとうございます。
下水道法の条文だけを見て、これはなかなか難しいというのもよくわかります。ちなみに先ほどの下水道法第3条第2項の適用というのは、実は1例しかございません。この1例というのは神奈川県にありまして、神奈川県にある一つのまちの下水道を県が管理をしております。これは観光資源として川があるので、その観光資源を守っていくことと、そして水質保持のために特例として認めてほしいということをお願いをして認められております。前例が一切ないのであれば、もう宇陀市としても打つ手がないとなるんですが、一つでも前例があれば、ここはしっかりと根拠を持って、ぜひ訴えていけばよろしいかと思います。
逆に今の神奈川県の事例ですと、神奈川県のその公共下水道も一つのまちにしか実は存在をしておりません。二つ以上の自治体と接続をしていれば、そもそも流域下水道になりますから、公共下水道を都道府県が管理をできるというのは、そもそも論ですが、流域に要件を満たさない、すなわち一つのまちに存在をしている下水道についての救済措置であると、この3条2項は読み取ることができるのではないかと思います。
ここをぜひあきらめないで、こういうような前例もありますし、そこができないとあきらめてしまうと、先ほど井上参事の御答弁でもありましたように、年間何億円という負担をしなければならなくなります。逆にですが、これだけの要望を出しているということは、流域下水道としてもし国が認めるのであれば、奈良県は宇陀川流域下水道をお金を出して維持をしてもよいということを明言をしているということだとも言えると思います。したがいまして、しっかりと交渉していけば、よい方向に行く可能性があると思うんです。
ただ、先ほどの局長の御答弁を聞いておりますと、その可能性を全部あきらめてしまって、奈良県が何とかしてくれることを期待をしていたり、国が何とかしてくれることを期待をしていても大変厳しいと思っています。実際に今年度、平成22年度は、実はこの要望が知事から出ておりません。なぜ出てこなくなったのか、そのあたりもやはりしっかりと検証した上で、しっかりと奈良県とも交渉していただきたいと思います。
もう一つ、流域下水道の法律改正が実はかなり困難であるということで資料がございますので、披露させていただきますと、ことしの3月に隣の奈良2区選出の高市早苗衆議院議員が、この流域下水道が公共下水道に移管をするこれについて、救済措置を設けたほうがよいのではないかという旨の実は質問を国会でしております。それに対する政府の答弁というものは大変冷たいものでございまして、一切基本的に合併特例法で10年間、本来だったら即時移管を10年間猶予期間を設けているので、それ以上の施策については基本的には考えていない。そして、仮にですが、こういう制度改正、法律改正をしないのであれば、どのような措置を講じるかという質問もしておりますが、それについては読み上げさせていただきますと、これは鳩山内閣のときの答弁でございますが、政府としては、従前より市町村が行う下水道事業について財政措置を講じているところであり、現時点においては、新たな措置をとることは考えていない。要するに、国に頼っても何もないということです。
しかし、奈良県は何かしら助けてあげようというアクションをしてくれておりますし、少なくとも流域下水道であれば維持をすると言っております。ここに大きなチャンスがあると思っておりますし、また、公共下水道と流域下水道の場合ですが、国の補助率が少し異なっておりまして、流域下水道ですと、大規模改修や新規の建物を建てたりするときに3分の2国から援助をいただくことができます。しかし、公共下水道になりますと、その補助率が12%削減をされて10分の5.5になります。この12%の差をどのようにして埋めていくのか。これは受益者に対して負担をお願いすることも考えなければいけないかもしれませんし、一定については一般財源なり、水道からの財源の投入も考えなければいけないかもしれませんが、ただそれでも全面移管のことを考えれば、はるかに少ない負担で済みます。
このあたり、ぜひ下水道法第3条第2項の適用ができないのかということをぜひ御検討いただきたいと思いますし、奈良県ともまだまだしっかりとしたコミュニケーションができてないのかなと思うんです。こういうのが出ているということがわかりながら、ちょっと受け身になっているなというところがあると思いますので、さらに密なるぜひ情報交換と、その法律の解釈権、下水道法第3条第2項の解釈権についても、基本的に基礎自治体にも都道府県にも認められておりますので、ぜひ奈良県と共同歩調をとっていただいて、この3条2項については宇陀市の利益になるようにぜひ読み取れるような交渉を粘り強くお願いしたいと思います。
次に、もう一つの財政のことについて、市長よりまず御答弁いただきたいと思います。
議長(中山 一夫君)
竹内市長。
市長(竹内 幹郎君)
下水道の話に関しましては、おっしゃるとおりでございまして、議員の皆様方とともに建設省へ陳情に行かせていただいた中で、国土交通省の下水道企画課長の話の中でそういう話があったものですから、非常に危惧しておりますし、勝井議員おっしゃるとおりでございますので、今はその特区という話の中でしばらくさせていただきたいと思っておりますし、いろいろ選択肢はあろうかと思いますので、しっかりその部分は話をさせていただきたいと思います。その経緯につきましても皆様方に報告させていただきながら、意識を共有していきながら、行政事務の範囲内でする範囲と、そしてまた政治的な判断を必要とする場面もあろうかと思いますので、一体となってこの問題については対応させていただきたいと考えておるところでございます。
いろいろ話をさせていただきたいことはたくさんあるんですけれども、勝井議員が大まかなことはおっしゃいましたので、差し控えさせていただきたいと思います。今現在あらゆる選択肢を考えていきたいと思っておるんですけれども、下水道特区の指定ができないのかということで検討させていただきたいという問題が1点と、もう1点は、全国の同じような市で問題の解決の情報交換をしながら、協議会などを設立して問題を諮っていきたいと考えております。この協議会につきましては、来年1月31日を予定しているところでございます。この会議には出席させていただき、また皆様方に御報告をさせていただきたいと思っております。
大事なことは、先ほど勝井議員がおっしゃったような7市8町1村の水道水源になっているということを前提に、私たちが単に財政が厳しいだけということであれば、なかなか説得力が少ないのではないかなというように考えておりますし、この問題に関しましては、先ほど申し上げました7市8町1村の住民の方々の御理解もいただかなければいけませんし、また状況になれば、県議会の御承認もいただく局面が発生しようかと思いますので、この点に関しましても意識を共有しながら、しっかり対応させていただきたいと考えております。
もう1点、財政上の話なんですけれども、いろいろ行政改革をしながらということで話をさせていただいております。しかし、基本的には交付税措置がなくなった後の行政体制を今からつくっていこうということでございますし、かつてのことよりも基金も積み上がっております。何をするかという話でございますけれども、非常に継続事業が多い、そしてまた行政としてしなければならない事業が多いということでございますので、しばらく行政の方向が定まった段階で、新たな宇陀市のまちづくりというのを一歩踏み出したいというように考えております。
それまで何もしないのかということなんですけれども、先ほど担当が申したようなまちづくり支援課の中で、ソフト事業を中心にその模索をしたいと考えております。継続事業につきましても、何回も同じような話になるんですけれども、市立病院の建設であったり、大宇陀小学校の建設であったり、また防災行政無線のデジタル化に向けての施策であったり、1件が10数億円というような大きな事業でございますので、それをしないわけにはいかないというように考えておりますので、それもしながら、借金も減らしながら、できる範囲の中で基金を積み上げたいというような基本的な考え方でおります。
そして、でき上がったときには、一市一まちづくりというように奈良県が施策されております。そんな形の中で、地域の中で一つぐらいまちづくりを一つずつでもできたらなというように考えておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
以上でございます。
議長(中山 一夫君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井 太郎君)
御答弁ありがとうございます。
下水道のほうは、特区申請ということも今出てきました。基本的に、特区申請で肝になってくるのは、流域下水道と公共下水道の補助率の差をどのようにして埋めていくのかというところが観点になってくるのかなと思っております。そのあたりはどうなるか、それで特区申請が通れば、もう何も言うことはないんですが、ただそれもちょっと流動的なところがあると思いますので、ぜひこれ財務部の皆さんもですし、水道局の皆さんもですけれども、ぜひ経緯を見守っていただいて、また見守るだけではなくて、具体的にどういうように進展をしていくのか、これで通りそうなのか、もし仮にこの案がうまくいけばそれでよいですが、仮にあかんかった場合についてもしっかりと話し合いをしておいて、というのは、奈良県と宇陀市が幾らタッグを組んだところで、決めるのが国ですので、最終的にはどうしても自分たちの力ではどうにもならないところもありますので、県と宇陀市ででき得るところというのは、まずしっかりとしていくことというのはぜひ御検討とお願いしたいと思いますし、ここは財務部と水道局がぜひ密にコミュニケーションをとっていただいて、ぜひタッグを組んで県や国と交渉に当たっていただきたいと思います。
次に、市長の御答弁について、もう少し深くお尋ねをしたいと思います。
市長の普通のまちにしていきたいであるということや、改革をしながらまちづくりをしていきたいという思いは大変理解はできますし、私もそのとおりだと思います。ただ、それをやっていく上でどのような姿があるのか。今、暗いトンネルの中を歩いていたりしていて、その先に何があるのかをなかなか見えにくい状況なのかなと感じるわけです。
職員の皆さんが仕事をしていく上で、ここにたどり着くというゴールがあれば、多少の苦しいこと、実際に早期の退職勧奨の58歳というのはかなりきついですし、いろんな意味で、経常経費のカットであったり、大変苦しいこともしていただいております。これを乗り越えていくためには、やはりこれを越えた後にこういう姿があるんだということを、普通のまちとか、300人体制であるとか、経常経費が10%減るという数字の目標ではなくて、市長が目指しているこの宇陀市の将来の姿というものが職員の中でも共有されないといけないと思いますし、それができれば議会にも共有をされていて、それが3万6000人の市民と共有されているというのがやはりあるべき姿ではないかと思うんですが、そのあたりどのようなビジョンをお持ちか、もう一度ぜひ語っていただければと思います。
議長(中山 一夫君)
竹内市長。
市長(竹内 幹郎君)
いつも申しておるんですけれども、改革が目的ではなしに宇陀市のまちづくりが目的だということをはっきり何回も申しております。そして、若い職員の方々も含めて、10年先には質素であるけれども、心豊かになるような社会になるようにというように話をさせていただいております。
今、職員の方々に早期退職も含めて、いろんな御無理をお願いしております。こんなことも含めまして、今の若い方々がしっかり仕事ができる、今よりもっと違った展開の中で仕事ができる、そういう展開を期待しております。給与も普通にもらって、しっかり仕事ができているそういう環境を期待しているところでございます。
しかし、先を言うと悲観的な話ばかりになりますので、余り具体的な話はできませんけれども、質素であるけれども、心豊かに生活できるような地域をつくろうではないかということでございますので、そして若い職員の方々も市民からどうのこうのではなしに、自分たちが率先してまちづくりができる、そしてまた、それに対する対価もいただいている、そういう環境の行政体制を目指していきたいと考えておりますので、御理解いただきますようによろしくお願い申し上げたいと思います。
以上でございます。
議長(中山 一夫君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井 太郎君)
どうもありがとうございます。
質素であるけれども、心豊かなまちづくりというのも一つの方向性であるかとは思います。それを一番中心にもし据えるのであれば、それを実現をするために、すべて自治区の後のまちづくり委員会にしても、このような組織があるべきだという議論を恐らくできると思いますし、産業の振興についても、そういうようなことを考えていくのであれば、大規模な工場誘致であったりとか、何かそういう大きな公共投資を行うことではなくて、何かしら地元の方々の力をおかりをしたりとか、外の人の力をおかりをして地元の活力を高めていくというような方向性とか少し出てくるのかなと思うんですが、そのあたりが少し市長の中で拡散をしているふうにちょっとやっぱり見えるんですね。なかなか市長が目指しているまちづくりというのが伝わってきていないのかな、特にその一番肝心なところをどうしていくのかというところを結構、会議をたくさんつくったりとか、職員に投げてしまっているところがないのかなと感じるところがあります。
そこはぜひ市長と職員としっかりとそこは共有をしておかなければいけません。このまちはどういうようになっていくのかというのをゴールイメージというのを必ず持っていただきたいですし、そのゴールイメージというのがあって、すべての改革というのは進んでいかなければなりません。確かに目の前にお金がないという現状があったり、人口が減っているという現状があったりしていきますので、よくわかるんですが、そこがやっぱりないと、どうしても類似団体比であったりとか、ほかの近隣の市町村とどうしても比べてしまって、ここは宇陀市は劣っていると思ってしまって、さらなるコストの削減に走ってしまったりとか、さらなる行政サービスのカットにつながります。ここはその比較ではなくて、どのようなまちを目指していくのかというやっぱりビジョンをしっかりと持った上で行っていただきたいと思います。
それと、財政のほうの1問目のほうの基金等を積みながら、それで財政運営を行っていくというところについては、どのような思いをお持ちでしょうか。具体的に、ある程度繰り上げ償還を少しカットをしてでも基金を積んでいって、財政にゆとりを持つべきなのか、それとも、繰り上げ償還をよりしていって借金を減らすことを優先するべきでしょうか、どちらに力点を置くべきだと思われますか。
議長(中山 一夫君)
竹内市長。
市長(竹内 幹郎君)
どちらというよりも、この問題はどっちも重要です。借金も返したいし、しかし起債も起こすことによって、合併特例債とかございますし、それは微妙な問題でございますし、トータル的な話になろうかと存じます。ですから私は、全体的に10数億円を必ず減らすように、トータル的に宇陀市の現在の起債残高、借入金も含めまして400数十億円あるわけでございますけれども、トータル的にそこから基金を何ぼ積み上がっているかによって、バランスシートというのができ上がってこようかと存じます。ですから、そのトータル的な話の中で話をさせていただきたいと思いますし、先ほど申しました有利な交付税措置がある、起債ができるのであれば、やはりそちらのほうの選択もさせていただきたいと思いますし、一概にどっちというのは困難であろうかと思いますし、宇陀市としての担当者としての最善の選択をさせていただきたいというように考えております。
以上でございます。
議長(中山 一夫君)
1番、勝井太郎議員。残り2分です。
1番(勝井 太郎君)
肝心な財政の運営をついつい見落としてしまったりとか、将来、長期的な投資を見落としてしまうこともあると思いますので、そのあたり、ぜひバランスを持って運営を行っていただきたいと思いますし、今までの私の発言からすると、少し趣が違うなと思われるかもしれませんが、ただ、お金がなくて破綻をしてしまうということもあり得ますので、しっかりと基金を積んで破綻を回避をするということと、新しい施策を行いたいと思ったときに、ぜひ独自財源を確保できるような取り組みというのも、これからも行っていただきたいと思います。
ぜひ理事者の皆さんと市長としっかりと密に連携をとって市政運営にこれからも当たっていただけますようにお願いいたしまして、私の質問とさせていただきます。どうもありがとうございました。
議長(中山 一夫君)
勝井太郎議員の質問が終わりました。
休憩いたします。
再開は午後1時30分からといたします。
午後0時16分休憩
午後1時30分再開
副議長(山本 繁博君)
休憩前に引き続き一般質問を再開いたします。
6番、山本良治議員の質問番号3番「市長が目指すだれもが安全・安心して生き生きと暮らせる地域づくりとは」の質問をお受けいたします。
6番、山本良治議員。
6番(山本 良治君)
皆さんこんにちは。議席番号6番、山本良治でございます。発言のお許しをいただきましたので、既に通告いたしております市長が目指すだれもが安全・安心して生き生きと暮らせる地域づくりについてのお尋ねをいたしたいと思います。
さて、市長は選挙公約で竹内幹郎三つの約束をしてきました。その一つは、宇陀市の行財政の改革推進、その二つは、住みよいみんなの新しいまちづくり、その三つ目として、宇陀市の将来ビジョンの策定及び選択と集中による投資の三つでございます。私は今回、特にその二つ目の市長が目指す宇陀市民のだれもが安全で安心して生き生きと暮らせる地域づくりを推進すると約束されましたそのことについて、市長にお尋ねをいたしたいと思います。
私は後ほど市長の所信を聞きながら、以後説明をして加えていきたいというように思うわけでございますけれども、壇上からの1回目の質問といたします。よろしくお願いいたします。
副議長(山本 繁博君)
竹内市長。
市長(竹内 幹郎君)
少し通告内容と違うものですから、戸惑っておるんですけれども、当初は水銀鉱山の話かなと思っておったんですけれども、私は何回も申し上げるんですけれども、やはり改革しなければいけないという形の中で、先ほどの勝井議員の質問にもございました。そしてまた、多田議員の質問にもお答えさせていただきました。そうした中で、改革しなければ、将来の行政体制がもたないのではないかなという形の中でさせていただいたところでございます。そして、住みよいまちづくりをしましょう、改革をしながら住みよいまちづくりをしましょう、そしてまた将来に対する選択と集中による投資をしましょうということを述べさせていただいたところでございます。
住みよいまちづくりというのは、気楽に地域で住み続けられるということではないかなと思っておるところでございます。地域でだれもが住みたいわけでございますけれども、就職の問題、雇用の問題、そしてまた高齢になった介護の問題、そういう形の中で、生活弱者と言われながら地域で住み続けられないということの中で、そういう選択をさせていただいたところでございます。ですから、今、室生で試験的に試行しておりますデマンドバスも、その住民サービスの基本的な皆様方にサービスとして提案できる一つの施策ではないかなと感じているところでございますし、そして住み続けられるためには、やはり地域の産業振興も大事でございますし、住むような環境をつくらなければいけないということで頑張ってまいりたいなということでございますので、御承知おきいただけますようによろしくお願い申し上げたいと思います。
以上でございます。
副議長(山本 繁博君)
6番、山本良治議員。
6番(山本 良治君)
ありがとうございます。
合併後、平成20年3月に宇陀市総合計画が作成されております。その3部、基本計画第3章、安全・安心で潤いのある定住のまち、第5節、安全・安心な暮らしの実現の項目で、現状と課題の主要施策として防災体制の確立を挙げておられます。地震や風水害などの災害対策の基本となる地域防災計画や防災マップ、ハザードマップについて、見直しや作成を行いたい、あるいは地域防災力の向上に努めるとなっていますけれども、どのように作業が進められているのか。これらに類するものは、すべてコンサル任せとして市内の安全を確保しようとしているのではないかと危惧しているのは、私だけでございましょうか。マップで記された場所は、必ず私は足と目で確認する、いわゆる市民と行政がともに共有してこそ安全の確保と安心ができると思いますが、地域に任せればいいとの考えで、できたマップを自治会に配布して終わりとなってはいないか、利用方法について説明をお願いしたいと思います。
また、待てしばしのない災害に対する危機管理をどのように考えておられるのか。安全と安心なまちづくりをするために、総合計画の見直しを図っていきたいとも公言をされておられます。そうした見直しをした結果、急傾斜地崩壊危険箇所、急傾斜地崩壊危険区域、土石流危険渓流箇所、地すべり危険箇所、地すべり防止区域について、4区それぞれ抱えている箇所についての現状と安全対策について、担当課のほうから御説明をお願いしたいと思います。
さらに、現在も地すべり地域として県において工事中も含めて進められておられる現状は、恐らく今も安全宣言が出されていないだろうと思います。内牧地域の地すべり、室生地域の地すべり、また田口地域、黒岩、上田口の地すべり等の現状を職員も含めてどのように把握して、いかに対策、対応していこうと思っているのか。現状としてはどうしようもないから、例えば落石注意というように看板を立てておくことが安全であると考えておられるように思われてならないのでありますけれども、市としてどのように考えているのか、まずもってお伺いをいたしたいと思います。
副議長(山本 繁博君)
西田建設部長。
建設部長(西田 茂君)
ただいまの山本議員の御質問にお答えさせていただきたいと思います。
宇陀市内におきましては、地すべり地域、急傾斜地域、砂防指定地域、土石流危険地域というのが4区におきまして153カ所ございます。
地すべり地域の部分でございますけれども、この地域につきましては11カ所、内訳といたしまして、榛原区が7カ所、室生区が4カ所、そしてこの4カ所のうち2カ所は農林水産省管轄の地域となっております。そして、急傾斜地崩壊区域でございますけれども、これは37カ所ございます。内訳といたしましては、大宇陀区で7カ所、菟田野区で9カ所、榛原区で10カ所、室生区で11カ所、合計37カ所ということです。そして、砂防指定地域でございますけれども、71カ所ございます。大宇陀区で7カ所、菟田野区で18カ所、榛原区で11カ所、室生区で35カ所ということで、合計71カ所でございます。そして、土石流危険渓流でございますけれども、34カ所ございまして、大宇陀区で8カ所、菟田野区で5カ所、榛原区で12カ所、室生区で9カ所、合計34カ所です。これらを合わせまして153カ所と、このような形になっております。
そして、今年度におきまして、急傾斜地崩壊対策事業といたしまして、宇陀市内で5カ所実施するということで、県宇陀土木事務所のほうで実施していただきます。これも内訳でございますけれども、大宇陀区で2カ所、地区といたしましては、口今井地区と小附地区でございます。そして、室生区で3カ所、これは龍口地区、砥取地区、下笠間地区ということで、合計3カ所の急傾斜対策事業の実施を県のほうで行っていただきます。
そして、地すべり地域でございますけれども、宇陀市内で3カ所を平成22年度で対策工事のほうを実施していただくと、このような形になっております。実施場所といたしましては、榛原区で檜牧東地区、そして内牧地区、そして室生区の室生1カ所でございます。今年度、榛原区の檜牧東地区におきましては、現在工事かかっておりますけれども、地下水の水位を下げるための集水井戸の掘削作業中でございます。そして、内牧地区でありますけれども、本年、雨によりまして地すべりの兆候が見られたということで、現在、県のほうにおきまして、測量とボーリング調査を開始をしました。その結果に基づきまして、今後対策工が講じられていくものと、このように思っております。
そして、室生区におきましては、集水井戸が21年度から今年度、22年度6月にこれも完成しておりますけれども、実施されました。そうしたことで、室生区におきましては、平成十三、四年でしたか、40億円近い経費を投入して実施していただいて、その後、追跡調査のところ、まだ不安定要素があるということにおきまして、集水井戸を2カ所つくっていただいたと。そして、今後でございますが、土木事務所のほうは引き続き追跡調査を行いまして、抑止ぐい等の対策工事のほうも考えておられるように伺っております。
そして、こうしたことで、今後地すべりないし急傾斜地の件でございますけれども、新たな兆候やそういった表面上に見えるような形になってきたときには、市の建設課のほうに御一報いただきましたら、建設課のほうの職員が現地を見させていただきまして、そして宇陀土木事務所の担当の職員も現地に行かせてもらって、そして地域の方、いろいろ地形のことですので、詳しい方にいろいろお話を聞かせていただいて、そして土木事務所のほうから県の砂防課のほうへ連絡を入れるというような形の体制をとっております。こうしたことで、市と土木事務所と県庁本課との連携はとっておるわけでございますけれども、なお、これらの地域で対策事業を行いますときには地区指定というものが必要になってきます。こうしたことで、地区指定のときには周辺住民の方のいろんな御協力をお願いする必要があるかと思いますけれども、その節にはよろしくお願いしたいと思います。
また、急傾斜もそうですし、地すべりもそうなんですけれども、対策工事を行うに当たりましては、ある程度いろんな制限、建物等の規制もかかる場合もあるということだけは申し添えておきたいと思います。
以上でございます。
副議長(山本 繁博君)
6番、山本良治議員。
6番(山本 良治君)
ありがとうございます。
こういう質問によって明らかになっていく事実があるわけでございますけれども、従来ですと、ハザードマップ等々で書類化したそのままで置いておくというようなことで、地域としては非常に不安がっているということでございまして、今後も市はやはりどういっても我々が住んでいる場所でございますので、ひとつ県との連携をとりながら安全確保していただくというように思います。
それで、防災対策といいますのは、最近はどんな形で進められているのかといいますと、減災ということで、そういう地域をできるだけなくしていこうというような形で進めておることも事実でございますので、このことは最も大事なことだと思います。
阪神・淡路の教訓から、いわゆる職員が多くおっていただきますけれども、その職員の多くは市外からも通勤されておられます。招集をかけても、その場所すらわかっていただけない職員さんもおっていただくのと違うのかなと。災害は時を待ちませんし、またその時点で通路を断ち切られてしまって、そして、この市役所まで招集がかかっても来られないというような状況も多いように私は思いますけれども、これらの事故を想定して、市としてどんな対策をしながら職員とともに安全対策をとっておるのか、まず聞かせていただきたいなと思います。
さて、近年多様化する地震や風水害の災害から市民の生命と財産を守り、市民が安心して暮らせるまちづくりを進めるということは、行政の最も基本的な役割であると私は思います。さまざまな危険管理体制の充実が求められているところでございます。
現在心配されております東海から四国沖にかけてを震源とする東南海・南海地震が今世紀前半に発生するおそれがあるとされております。しかも、それが2030年までに発生確率は40から50というようなパーセンテージは非常に多くなっておりますし、将来の発生が確実視されております。
このほど市で、周辺で起こり得る主な地震として、いわゆる奈良盆地東縁断層地震あるいは名張断層地震、東南海・南海地震、これは同時発生が60から70とも言われております。市内には未知の断層もあると言われております。そういう未知の部分で市内直下型の地震を想定した場合も含めた地震防災マップが作成されて配布されました。このマップもどのように市民に周知をし、今後市として活用していくのか、お尋ねをいたしたいと思います。
この宇陀市内は、高齢化比率が非常に高うございます。そのことも踏まえて、市としてどういうような起こったときの対応をしていこうかというようなマニュアル的なものをつくられておるのかどうか、このマップをつくって配布すれば、皆さん方地域地域で、いつも市長が言っておられる地域の力といいますけれども、限度がございますし、市がその安全確保をしなければならん、要請をしていかなければならんというようなこともございますので、いかにこの危機管理の中でそのことが行われ、周知をし、地域と協議をなさっておるのか、まずもってお聞きをいたしたいと思います。
副議長(山本 繁博君)
菊岡総務部長。
総務部長(菊岡 千秋君)
山本議員の御質問にお答えをいたします。
宇陀市が合併しまして、この危機管理というのが非常に重要な課題であるという受けとめのもとに危機管理室を立ち上げまして、その後、さらに強化するという意味で、危機管理課という1課体制を設けながら、その体制、対応について、日々の危機管理体制を構築しているところでございます。
それとあわせて、議員の御質問にありましたように、災害マップを作成したというところでございますけれども、議員御指摘のように、つくっただけではいかんと、やはりいろんな形で活用なり、啓発に努めよと、こういうことでございます。まして、阪神・淡路大震災をどう教訓化していくのかと、こういったところにもお尋ねがございました。
私自身も、そういった阪神・淡路大震災について振り返りますと、やはり弱者に一番きつくこたえていくというようなことでは、この大震災とかいろんな災害は通常人よりも弱者に極めて厳しい状況をもたらすと、こういったところを考えております。まさしく議員がおっしゃいましたこれからの高齢化社会到来の中で、もっともっとこの阪神・淡路大震災の教訓化を進めていかなければならないと思っています。
それとあわせまして、やはり想定できないという未曾有の災害というところが今言われているわけでございます。確かに、その災害が起こった際には、市で災害対策本部を立てて、そこから始まるという形でありますけれども、予想もできない大災害ということになりますと、災害本部すら立てられない、職員がこの災害本部を設置します市役所に来ることすらできないというようなそういった想定も考えられています。そういった場合の想定におきましても、やはり日々の職員訓練の中では、災害が起こったときの机上訓練や、あるいは消防の本部と連携をしながら、お互いにその機能を発揮するという連携強化の訓練もこの間行ってきました。
さらには、行政だけではなかなかそういった予想もできない災害に対応できないと、これはもう当然のことだと、この阪神・淡路大震災を振り返ってみても、そういったことが言えます。そういった意味では、自主防災組織をますます強化結成していただいて、日ごろの装備あるいは日々のやはり人命の生存確認等々、地域がどうやって助け合っていくのかという体制づくりもぜひ必要になってくると考えていますので、そういった部分も踏まえて、今後十分危機管理の中で議論を尽くしながら、体制づくりを行っていきたいと思っています。
以上です。
副議長(山本 繁博君)
6番、山本良治議員。
6番(山本 良治君)
一番大事な分を私は聞きたかったわけでございまして、ありがとうございます。ぜひ近々の中で、これはいつ起こるかわからんというような想定のもとに、やっぱり職員がそのことの危機感を絶えず持っていただくということの中でお願いいたしたいなと、こんなように思います。
さて、中央構造線以北、西南日本外帯のうちの室生火山群の南東に位置しております菟田野地域は、室生火山群の火山岩が変質した白土の節理の層状に自然水銀や水銀の原料とも言われる辰砂、これは水銀ですけれども、辰砂が含まれておると。そんなことから、その宇陀の山地の中で非常に昔からそのことに注目をしながら、1909年の明治42年でございますけれども、岡山県の人で景山和民という人が菟田野区の大沢で有望な鉱脈を発見したようでございまして、そこで小規模ながら精錬所が建てられて水銀の生産が始まったということで記述がございます。大企業に採掘されましたようになったのは、昭和6年に大和工業が開業して、そしてその後、大和水銀鉱山に会社が移りました。閉山される昭和46年までの40年間、菟田野地区の住宅地の広範囲にわたって、いわゆるその当時、月産水銀生産量は最大4トン操業されていたようでございます。現在は鉱山跡に水質等の分析施設が業務を行っております。
そこでお尋ねをいたしたいと思います。この40年間操業されてきたその空洞化している地下の状況と規模についてお伺いをまずしていきたいなと、こんなように思います。今では、この件については今まで私、知る限り論議されたことがなかったと思っております。それだけ市民は不安であるということも、私のほうへ話として来ております。宇陀市には大和水銀鉱山以外に水銀鉱石を産出する鉱山が市内10地区あるとされています。それらについて、現状についてどのように地域に周知、理解をしてもらっているのか、お伺いいたします。
ちなみに、公表されています水銀鉱山は、菟田野の駒帰ですけれども、神生水銀鉱山、また古市場では、白木水銀鉱山、ちょっと読み方が間違っているかもわかりませんけれども、見田には南都水銀鉱山、大宇陀の藤井には藤井水銀鉱山、菟田野区の東郷には東郷水銀鉱山、また向崎には、新羅貴水銀鉱山、大宇陀の黒木の黒木水銀鉱山、大東には大東水銀鉱山、栗野には大蔵鉱山、また、隣の桜井市針道には多武峰水銀鉱山がございます。
私が先ほどから市長にもお伺いしました住みよいまちづくりというのは、私は表面だけではない、このことが大事と違うかということで、あえて今回は質問させていただいています。
何ゆえ今、先ほどから言っております閉山されている鉱山跡の問題を提起するかといいますのは、ことし10月20日に起きた岐阜県御嵩町の報道からであります。10月19日の午後8時ごろから深夜にかけて、地面からみしみしという音がしたようであります。突然大きな音とともに目の前の道路が陥没し、ブロック塀が傾いた。50年住んでいるが、こんな陥没は初めてだと地域の人は言っております。そのときの報道といたしましては、地面陥没6戸傾く、東西約50メートル、南北約60メートル、深さ3メートルにわたってという報道がされております。こちらのほうで余り報道がなかったので、私も岐阜の中日新聞ですか、読売のほうへ電話を入れて新聞を送っていただきましたけれども、この御嵩町のこの地域の町全体の面積は約56平方キロメートルだそうでございます。そのうち約1割に当たる6平方キロメートルの地下に亜炭鉱の廃坑が広がっているそうであります。
この報道から私は、これはえらいこっちゃ、我が市内にも鉱石を採掘されていたことを思ったわけでございます。採掘されていた状況等を調べましたけれども、至るまでの多くの記述はあるが、面積やいわゆる地下の状況は全くわかりません。特に広範囲にわたって掘削されているだろう菟田野水銀廃坑について、地域事務所のほうへも聞かせていただきましたけれども、状況は把握されていないようであります。
こうした過去において地下における鉱石の採掘された場所等、市としてどのように把握されておるのか、お聞きをしたいわけでございますけれども、ちなみに室生区内でも無山地区の亜炭が採掘されておったようでございますし、黒岩地区の亜炭の採掘坑もございます。小原地区の長石採掘もございます。採掘の廃坑がやっぱり表は処理はされておりますけど、あるようでございまして、私も確認はまだいたしておりませんけれども、地域の人たちは不安がっておることは事実であります。そういった記述は、いわゆる地下のことでございますので、なかなかわからないわけでございますけれども、そういったこともやっぱり安心して住めるまちづくりの一番大事なことではないのかな。
したがって、この件について、ひとつ市としてわかっている範囲を教えていただきたいし、事実を市民にも訴えていただきたい、そんなように思います。これは後ほど回答ください。
続きまして、地域資源の持つ魅力を最大限に発揮させ、魅力と活力ある地域づくりにつなげていくための取り組みについて質問をさせていただいたところでございます。私は、先ほどから何度も言っております論議してきました採掘跡を地下資源として、いわゆる観光資源として地域産業活性化として活用されてはという思いもございます。このことは全国的に見ましても、福井県の大野郡の和泉村、中竜鉱山といいますか、この跡で亜炭の採掘を行っておったんですけれども、これは深さ120メートルあります。延長で21キロの坑道に坑道観光ということで、アドベンチャーランド中竜というのができております。また、大分県の日田市中津江村では鯛生金山がございますけれども、それは坑内見学と砂金掘りという体験を観光客に与えながら活性化につなげておる。また、岡山県には銅山がございますけれども、坑内見学や、あるいは銅とベンガラをもって観光につなげておるというように、多くの廃坑道を利用した地域づくりをしている事例がたくさんあります。
今のように、特に菟田野区の水銀は、万葉集にも歌われた本当に古い鉱山でございます。万葉集には、「大和の宇陀の真赤土のさ丹つかばそこもか人のわをことなさむ」という万葉集がございます。この内容はどういうことかといいますと、宇陀の真赤土で紅化粧をすれば、世間の人は私を何とうわさするでしょうか。それであの人が私を振り向いてくれるでしょうかなということを歌った歌だと言われております。私は、こういう万葉集にまで歌われておるこの地の資源を観光の起爆剤としてはというように思いますが、市長の考えをお聞かせ願いたいと思います。
副議長(山本 繁博君)
菊岡総務部長。
総務部長(菊岡 千秋君)
山本議員の御質問にお答えをしていきます。
ことし10月の20日、岐阜県の御嵩町、ここで休廃止鉱山の坑道の落盤ということで地面の陥没事故がございまして、住宅が6棟傾いたと、こういう事件が発生しました。その事故に関連しての御心配というようなことでの御質問だと思います。
基本的には、坑道の安全確保というのは鉱業権者にあると考えます。しかしながら、市の危機管理上からも、やはり注視していかなければならない、こういった事案であると思います。鉱業権の許認可そのものにつきましては、国の経済産業省が持っておりまして、市町村にはそういった協議が回ってくるという状況でありますので、なかなか採掘される坑道の面積、範囲といったものをつかみづらいといった状況でございます。
また、議員御指摘がありましたように、市内でこういった鉱業認可を受けている事業者でございますけれども、これまで5業者ほどあったというように回答を得ております。しかし、現在、今も操業しているという事業者はございません。そして、その質問の中にもありましたように、代表的なものとしましては、菟田野大沢にございます大和金属鉱業株式会社、これが鉱業権者でありました大和水銀鉱山、こういったものがかなり古くから菟田野の地で水銀の採掘を行っていたと、こういうことでございます。
先日、その会社を引き継いでおります野村興産株式会社環境センターに私と危機管理課長が出向いて、おおむねの聞き取りを行ってきたところであります。水銀を採掘するという坑道口は、その大沢の地内に2カ所あるということで、坑道の範囲、掘っていた範囲でございますけれども、おおむね1キロ程度であったと申されています。ただ、もう既にその採掘を昭和43年で中止をしているという状況の中で、資料がもうほとんどなくなっているという状況なので、詳しい状況がわからないという現状でございます。また、この大和水銀鉱山につきましては、昭和59年3月に鉱業権が既に消滅しているというようなことです。
心配されました坑道の落盤についてでございますけれども、水銀採掘はもう古くから、明治の時代から水銀採掘を行っているというように記録であるわけですけれども、そういった時代から、あるいは採掘事業を中止したというようになって、これまできょう現在までですけれども、路面の陥没や地面の表層部にひび割れといったような事例の記録や報告は1件もないということでございますので、特に心配には及ばないというようにも考えます。
しかし、危機管理上、議員申されましたように、やはり注視をしておかなければならないと考えておりますし、これらの資料を県の担当課やあるいは国の近畿経済産業局などに協力を求めながら、できるだけ詳細な資料を集めて、もしやのそういった事故に備えてまいりたいと考えています。
そして、議員の御指摘の中にありましたように、岐阜県御嵩町の亜炭鉱の採掘の現場における事故の原因というようなところでございますけれども、亜炭鉱そのものは石炭より安いエネルギーということで注目されまして、これは亜炭というところでございますので、石炭になる手前の炭というイメージで考えていただいたらと思います。それを御嵩町は国の産業奨励で石炭にかわる安いエネルギーということで国の奨励を受けて、かなりの部分で掘られたということで、国の最大の産地として記録されているところです。
その亜炭そのものは、先ほど申し上げましたように炭でございますので、非常にもろいというようなことで、亜炭を掘り進めていくのに両わきに亜炭の柱を残しながら、そこをくりぬいていくというような方法です。宇陀市にあります水銀鉱山の水銀等の掘り方ですけれども、水銀そのものは辰砂という岩石の中に水銀が含有していまして、それを岩石ごと掘り出していくというかたい岩盤をくりぬいていきますので、まず亜炭と同じような状況にはならないということで、野村興産の方々とも、まずはそういった可能性というのはないでしょうねというぐらいの結論ではないですけれども、お話をいただいてきました。
それと、第2番目の質問として、世界遺産に指定されたような石見銀山というようなことで、そういった産業歴史をぜひ観光資源に生かしていったらということでございますけれども、一番大きな水銀を採掘していました菟田野の水銀鉱山ですけれども、今現在、坑道はすべて埋められております。その形跡もございません。それと、先ほど申し上げましたように、辰砂の岩石を熱で焼きまして、それを蒸気として出てきたものを冷やして水銀を取り出すと、こういった方法で大量の水銀を取り出してきた、生産してきたという経緯があるわけですけれども、今現在、もう既にそういった施設そのものもございませんし、施設のコンクリートの土台のみしか残っていないこういった状況でございますので、この部分について、御指摘のように観光資源として生かしていくというよりも、やはり産業記録として、あるいは教育材料として残していく、この地にそういった有数の国の6分の1のシェアを誇るような水銀鉱山があったという歴史事実を示すようなそういった看板を立てると、こういったぐらいの段階ではないのかなと考えます。
石見銀山とは、規模とか構えとか、あるいは石見銀山のそばには重伝建の地区もセットもんで指定されてきたというようなところがありますので、少しちょっと観光には結びつきづらいと考えます。
以上です。
副議長(山本 繁博君)
6番、山本良治議員。
6番(山本 良治君)
行政のいわゆる動かず言わずでおれば、何もすることは要らんと、これが鉄則であるわけですね。そうすれば、金も使うことは要らんやんかと、口も出さんかわりに。それでは市長が目指す安全・安心のまちづくりもできないし、新しいやはり財源を生み出すようなこともできないし、じっとしておればいいということになるわけですけれども、しかし、亜炭のようないわゆるやわらかい坑道の中ででも観光につなげていくところがたくさんありますし、今おっしゃるように、水銀鉱山のところは辰砂というようなかたい地盤の中から掘り出して、そしてそいつを抽出している。それはもう私もいろいろ調べている中でわかっておりますけれども、それをあえて、やはり掘り出すことによって、これは全段そしたら聞きますけれど、全地下を埋めてしまっておりますか。私はそうではないと、そういう1キロほどのいわゆる掘削しておるところが全部埋まっておるわけではないと思う。
だから私は、少なくとも夢の持てるような、やっぱり菟田野には水分神社もございます。市長がいつも言っている4区がうまくつなげていけば観光につながるやんかというようなことを少なくともそれを考えていかなければ、夢も何もない。制限されて、あかんあかんの話にすれば、職員は動くことも要らないでしょうけれども、それでは夢がないのと違うのかなと。
今はそういう探査をするのにはいろいろな方法がございますので、その取り組みは容易だろうと私は思いますし、この件については、その当時はどうなのかは知らんけど、通産省のほうへでも行けば、どうも書類も残っておるやにも聞きます。それは以前にも何か調べたことがあるよというようなことも聞かされて、私は時間的にそこまでもなかったわけでございますけれども、おっしゃるように、この水銀は大仏のいわゆる金メッキに大きくかかわっているようにも記録には出ております。金を水銀に溶かすとアマルガムというどろどろした液になるらしいです。それを大仏等に塗って火にあぶると、水銀が蒸発して金だけが表面に残る。これが金メッキだそうでございます。
そして、菟田野の神社やあるいは室生の神社、お寺さんでもそうですけれども、あの朱色のやつは、それをまぜてやっているという事実も出てきておるわけでございまして、そのくらいいろいろ貢献してきている事実がありますので、やっぱりそのことを記述をして、先ほどから言っておるように、看板を立てればいいんやという話ではなしに、何かをやっぱり村おこしのためにできないかということを、私はすぐ回答をもらおうとは思いませんけれど、熱のあるところをやっぱり見せない限りは、これだけ財源のない市でございますので、せめて観光というような方向でいけないものか、こんなようにも思います。
市長、この今、担当部のほうからお話をいただきましたけれども、私の提案は浅いですか、間違っておりますか、どうぞ。
副議長(山本 繁博君)
菊岡総務部長。
総務部長(菊岡 千秋君)
山本議員からの観光の資源としての活用というお話も、先ほど申し上げましたように、水銀鉱山を引き継いでいる会社に訪れて、提案としてございますけれども、どうでしょうかというお話をさせていただきました。今現在、その野村興産そのものが環境測定というようなことで、水銀鉱山跡の広大な敷地の跡の中でいろんな薬品を使いながらやっているというような、環境保全のいろんな試験をやっているという関係の中で、不特定の方々がその敷地内に入ってくることをやはり拒むというような状況でございます。そういった状況でございますので、そういった協力はちょっと難しいですねと、こういうお話もございましたので、そういったお答えになったということでございます。
副議長(山本 繁博君)
6番、山本良治議員。
6番(山本 良治君)
私、先ほどから10カ所ほどある、さらにはほかの地域もあると申しました。だから、そこがだめなら、こういうこともあるやんか。私、農業委員会の中で、こういう人がおりました。委員の一人として、今、十津川のほうでトンネルの中でいわゆる試験的にキノコ栽培をしようという思いがあって、そちらのほうへ出向いていって、それをやっていると、試験的にやろうと思ってるねんと。私がこの話をしたら、それはええこっちゃな、宇陀市にもそんなところがあるんやったらというような思いの人もおります。だから私は言っているわけですね。
何らかの形でやっぱりそれを利用しながら、先ほど申しました万葉集にまで歌ってある宇陀の水銀、以前は昭和46年までやっていたようでございますけれども、公害というものがあって、この菟田野の水銀が悪かったのと違って、ヨーロッパのほうから取り入れて、そこにはいろいろ不純物がまじっていたそのものが多くの公害になったみたいな話でございましたし、だから、それを最大限に利用する。そのやっぱり知恵を出し、汗をかかんと、あれもあかん、これもあかんということになれば、私は夢がないのと違うのかなと。
市長、この件について、市長はいつも夢はあるということを言っております。こういうことも夢になるのではないかな、安心・安全のまちづくり、いわゆる地下の状況がどんなんやらわからんような話で安全・安心のまちづくりができますか。私はこのことも、いわゆる安心・安全の中にはハードやソフトもあります。このどの部分にそれが該当するか、私は行政の中でのあれと違いますので、わかりませんけれど、いずれにせよ、やはりそれをやることが村おこしになるのではないかな、一石を投じることになるのと違うのかな、私は思いますけれど、市長どうでございますか。
副議長(山本 繁博君)
竹内市長。
市長(竹内 幹郎君)
最初のときには質問趣旨がよくわかりませんでしたので、よく回答できなかったんですけれども、危機管理に関しましては、おっしゃるとおり、中山間のところでございますし、そしてまた広範囲な面積でございますので、いろんな災害というのが想定できるかと思います。しかし、行政もしっかりその対応をさせていただきたいと思っておりますけれども、地域の防災力というのを高めるために、自治会の中で地域の防災訓練というのも実施していただいております。この防災組織の普及をもう少し高めていきたいなと思っているところでございます。
しかし、災害というのは、なぜ災害かというと、予測できないから災害というのでありまして、雨の問題もありますし、そしてまた地震の問題もありますし、そしてまた時間的な問題、季節的な問題、たくさんございます。ですから、行政といたしましても、絶えずその危機管理に対しましては十分な対応をするような姿勢でおりますけれども、阪神・淡路大震災に相当するような大震災が発生したときには、行政職員も同じように被災するわけでございますので、やはりその中ですぐの立ち上がりということになれば、やはり1日、2日というのは地域の中で頑張っていただきたい。行政体制が結んだ中で、そしてまた自衛隊の派遣を要請した中で、その体制づくりというのができていくのかなと思っているところでございます。
ですから、絶えずその危機管理に対しましては、行政としても訓練していきながら、また地域の方々に期待させていただきながら、危機管理に対しましては対応させていただきたいと考えております。
もう1点、まちづくりなんですけれども、何もないわけでもないわけでございますけれども、今どこにあるかわからない、位置もわからないということでございますし、まだまだほかに情報発信する話はあろうかと存じます。ですから、あれもこれもということにはできないと思います。今、カエデの郷というのが菟田野区においては具現化しております。水分神社の秋祭りもあるわけでございますので、とりあえずそのカエデの公園そのものを地域の方々と協力させていただきながら、まちづくりにつなげていきたいなと思っているところでございます。
今、水銀鉱山という話もありますけれども、やはり地域の方々がそのことを御存じであって、そしてまた坑道の足跡もあるというのであれば、また選択肢もあるんですけれども、今どこにあるかもわからないという話の中で、跡地の調査だけを行っているということだけでございますので、少し厳しいのかなと感じております。
以上でございます。
副議長(山本 繁博君)
6番、山本良治議員。
6番(山本 良治君)
それでは夢も何もありませんですね。
なぜ私がそれを言うかといいますと、多くのいわゆるこういうマップ類、地震防災マップあるいは災害のいろいろ起こり得るだろうこういうマップもつくっておりますけれども、そしたら過去に行政として、この中へ地下資源をとるためにこういうことをやっていったよ、この地域はこうであったということを表現されたことはありますか。行政は私が今指摘するまで、何らどこにもあらわしていませんやん。地すべりする場所はできております、表面にあるやつは。しかし、地下に潜っている分をやっぱり周知をし、みんながこの場所を入れて気をつけなあかんなというようなことやなかったら、今言うように、地域から起こらんことになって、行政は何のためにこういうものをつくってるんですか、これ。これだけ大きい地震が来るかも、地震が来たときに、その地下の空洞化になっているところが崩れるおそれもある。こんなことも想定するならば、こういうマップの中へ入れて、お互いが認識をしながら日々を過ごす、ある面では心の準備もしておかんと、どこまでどれだけを地域として掘削してあるのかわからんようなことで、私は行政をやっているというようなことは言えないのと違うのかなと。
さきにも言ったように10カ所、また室生でもあります。そういうところをせめて心ある行政なら1回調査をやってみよう。その地域へ行って事情聴取をしたらよろしいやん。そういう人たちがおると思う。だけど今の話では、やっても無駄やみたいな話です。もしそこで私が指摘しているような事故に遭ったときに、だれが責任持つのか。これは地域が何にも言うてこないんだから、それは仕方ないですなと、今のやったらそうにしか聞こえませんよ。そういうやはり形だけではなしに、ほんまに真に宇陀市の新しいまちづくりをしていこうとすれば、私はそのあたりの基本というのか、そんなものをきっちり皆さん方と共有せなあかんの違うかということで指摘をさせていただいているのにも、余りにも形どおりのいわゆるレールに乗って物を言うているような行政では、私はおかしいの違うのかなと。これは心ある行政とは言えません。
だから、私は冒頭に市長のこの安心・安全というのは何かということを聞いたのは、あえてこういう内容を中にしながら私は説明した。そういうところまで、やっぱり首長として知ってほしいな。私は市長のどうのこうのと言うわけではないけど、知ってほしいな、認識を新たにしてほしいなと。そして、関係課へそういう指示をしながら、言葉で事情聴取したらよろしいやん。その地域、私が指摘した地域へ行って。それを行政は市民から言うてくるのを言うてきたらしたるわって、そんな話はありません。
災害が起こったときに固定資産税は、宅地については渡しませんよというような状況ですやんか。そんなことを踏まえて、今後の考え方、市長がそれで貫くのやったらそれでよろしいですけれども、最後に市長にもう少し温かみのあるそういう行政ができるとすれば、調査でもやってみようかというようなことがあるとすれば、ひとつ最後にもう時間がありませんけれども、よろしくお願いして質問を終わります。
副議長(山本 繁博君)
竹内市長。
市長(竹内 幹郎君)
坑道に対する危機管理なんですけれども、地盤変動というものは、ある日突然起こるから、確かに急激な変動というのが起こるかと思います。しかし、建具の変形とか、ある前兆というのは必ずあると思います。ですから、そんなことも聞き取り調査の中で今後聞かせていただきながら、異常がないかどうかも含めまして聞かせていただきたいなと思いますし、検討事項であることは確かだと思います。それだけ幅を広げていろんな面でしていくと、非常に広範囲になりますので、やはり市民の方々の異常があったときには報告していただく、そしてまた行政側も、そういうことはありませんかと聞く必要もあろうかと存じます。ですから、そんなことに対しましても、また機会を見つけて調査をさせていただきたいと思います。
以上でございます。
副議長(山本 繁博君)
山本良治議員の質問が終わりました。
議長(中山 一夫君)
次に、4番、井谷憲司議員の質問番号4番「医療費削減の取り組みについて」の質問をお受けいたします。
4番、井谷憲司議員。
4番(井谷憲司君)
失礼いたします。議席番号4番、井谷憲司でございます。ただいま議長より一般質問の許可をいただきましたので、通告に従い、質問させていただきます。
質問に入る前に、9月の定例会におきまして、行政窓口のワンストップ化についての質問をさせていただいた際、市長から、まずは総合窓口として職員を交代で配置し、来庁者の個別の相談や要件について関係すると思われる部署へ行けるよう対応していきたいという趣旨の答弁をいただき、この12月より、庁舎へ入ったところに職員が交代で来られる市民の方への対応をしていただいております。早速の対応に敬意を表しますとともに、対応する職員の方につきましては、大変苦労されるかとは思いますが、市民の皆様が安心して市役所へ来られるよう真心からの対応をお願い申し上げ、質問に移らせていただきます。
今回は、医療費削減の取り組みについてでございます。
具体的にはどういうことかといいますと、ジェネリック医薬品という言葉を職員の皆様はもとより市民の皆様もよく耳にされ、御存じの方もたくさんいらっしゃると思いますが、そのジェネリック医薬品を有効に活用し、患者さんの経済的負担の軽減と行政の医療費の削減を図っていこうということでございます。
そこで、よく御存じの方もたくさんいらっしゃるかと思いますが、言葉だけで中身はちょっとという方もいらっしゃるかと思いますので、少しだけ内容に触れておきたいと思います。
そもそも医薬品、簡単にはお薬でございますが、医師から処方される医療用医薬品と薬局、薬店の店頭で販売される一般用医薬品と大きく二つに分かれます。そのうちの医師から処方される医療用医薬品の中に、新薬、先発医薬品と、そしてジェネリック医薬品、別名、後発医薬品の二つがあります。
新薬とは、医薬品の開発メーカーが長期間にわたる研究と莫大な投資によって開発し、独占的に製造販売できる、そして、約20年から25年の特許期間のある医薬品であるのに対し、その特許期間が満了すると、他の医薬品メーカーが同じ成分、同じ効き目の薬を製造販売できるようになったのがジェネリック医薬品でございます。同じ成分、同じ効き目で、もちろん厚生労働省の認可もあります。
同じ成分、同じ効き目といいましても、厳密に言えば、完全に有効性が同じであるということは言い切れません。これは統計学的に先発品、つまり新薬と差がないという状況でございます。統計学では、プラス・マイナス15%の範囲であれば、差がないと判断されます。つまり、先発品と比べて15%だけ多く効果があったり、その逆に効果が少なかったりしても、有効性は同じであるというように判断されるわけでございます。
なぜジェネリック医薬品が安い価格で販売できるかと申しますと、先ほども申し上げましたが、新薬の開発には9年から17年もの期間と約500億円もの投資が必要とされるそうでございます。ジェネリック医薬品は、新薬が既にあることから、開発期間の短縮とコストの大幅な削減から低価格を実現できるようになり、新薬の約2割から7割の価格とされております。
ちなみに、そのジェネリック医薬品の普及率、諸外国の普及率と日本ではどうかということでございますけれども、若干古いですが、2006年のデータになりますけれども、例えばアメリカでは63%、イギリスでは59%、ドイツ56%、フランス39%に対して、日本では16.9%。4年前のデータですので、そこからはさらに広がっているとは思いますけれども、これはどうして値段が安いこういうジェネリック医薬品が日本では普及が遅いかといいますと、患者さんベースで考えたときに、日本以外の諸外国、アメリカとかでは、もし病気になったり事故に遭ったりしたときの医療費というのが膨大な金額になってくる、非常に高くつくというそういう中で、その医療費を少しでも安くということでジェネリック医薬品の普及がされている。日本では、医療保険制度というのが欧米に比べてとても充実しておりますので、ある意味ではすごいことなんですけれども、薬を受け取るだけで何万円とかいう状況というのはないとは言えません。いろんな病気の中で、そういう方もたくさんいらっしゃるとは思いますが、ケースとしては、まだまだまれなケースになってくると思います。ですので、患者さん本位で考えたときに、まだ日本では普及がおくれているという状況になってくるわけでございます。
そこで、病院での診察の後に処方された薬がジェネリック医薬品であれば、通常の新薬との差額分が負担軽減されるということであります。医療費1割負担の方であれば、行政は9割、3割負担の方であれば、行政の負担分は7割になりますので、ジェネリック医薬品を活用することで、患者さんの経済的負担軽減と行政の医療費の削減と両方にとってメリットになってくるものと考えております。もし特許期間が満了している薬がすべてジェネリック医薬品にかわると、日本の医療費は年間で1兆円も削減できると言われております。
少しだけ例でお話ししたいと思います。初めてこういうものをちょっとつくらせていただきましたが、ちょっと字が細かくて見にくいかもしれませんが、御了承をお願いしたいなと思います。また今後いろいろ制度を高めていきたいなというようには思いますけれども、これはさまざまなここに出ている傷病に対して、例えばこの一番最初のところを見ますと、高血圧症という症例で、高血圧症の代表的な薬を1日1回1年間服用した場合、あくまでも個人の医療費の負担のここにもありますように、自己負担の比較ですけれども、1割負担の方を例にとりますと、新薬では、1年間服用した場合、約2190円、ジェネリック医薬品ですと、1830円、その差額は360円になります。3割負担の方でいいますと、新薬は6570円、ジェネリック医薬品ですと、5480円と、その差額は1090円になります。
その横に書きました、では行政側の負担、差額分は幾らぐらいになるのかということで私がざっくりと計算しましたので、一応、約ということで書いていますけれども、例えば先ほどの高血圧症の方の場合ですと、行政負担の差額は約3240円、また3割負担であれば、行政は7割負担になりますので、その差額は2520円ということで、ほか、この資料ですと七つの傷病がありますけれども、全部言っていますと時間がかかりますので、一つだけにしたいと思いますけれども、今回の質問には沢井製薬さんの資料を主に参考にさせていただいておりますけれども、それでは質問に移らせていただきます。
宇陀市立病院では、このジェネリック医薬品の活用をされているのか。もし使用されていれば、その医薬品全体の何割程度を活用されているか、その状況もあわせてお聞きしまして、まずは演壇からの質問を終了させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
副議長(山本 繁博君)
竹内市立病院事務局長。
市立病院事務局長(竹内 均君)
病院事務局の竹内でございます。井谷議員の質問に答えさせていただきたいと思います。
現在、厚生労働省の方針は、患者負担の軽減、医療保険財政の改善に資することからも、議員おっしゃるとおり、積極的にジェネリック医薬品の普及を促進しており、診療報酬の改正におきましても、後発医薬品調剤体制加算を新たに設けて、なお一層のジェネリック医薬品の使用促進を図っておるところでございます。
そのような中、当院における医薬品の現在の契約件数は、内服、駐車、外用を合わせて1132品目に上っております。そのうちジェネリック医薬品は101品目であり、品目ベースで8.9%の導入割合となっております。また、平成21年度の医薬品の購入総額が当院では7億4500万円程度でございまして、同じくジェネリック医薬品の購入額は6800万円程度でございまして、金額ベースでも大体同じような9.1%の導入割合となっておるところでございます。その前年度の平成20年度の金額ベースでの購入割合が7.3%でございましたので、ジェネリック医薬品の導入割合が1年で1.8%増加したことになります。また、一方、病院の導入割合は、全国平均で6.5%程度、奈良県平均で7.5%程度ということでございまして、当院における導入割合は相当高いというような形になっております。
まず、以上という形で回答とさせていただきます。以上でございます。
副議長(山本 繁博君)
4番、井谷憲司議員。
4番(井谷憲司君)
ありがとうございます。奈良県で見ても、市立病院の導入量というのは比較的高いほうであるということで、ありがとうございます。
それでは、次の質問なんですけれども、市立病院では医薬品の中の8.9%ということで、それがすべて新薬であった場合と、このジェネリック医薬品を使った場合、金額の差額というんですか、使った場合と使わなかった場合とではどれだけの削減効果があるのかというところで、大体の数字でも結構です、わかれば教えていただきたいと思いますが。
副議長(山本 繁博君)
竹内市立病院事務局長。
市立病院事務局長(竹内 均君)
申し上げます。
実際、医療費の中で医薬品費を計算する場合、すべて医薬品の場合は薬価で計算されております。ジェネリックの薬価は一般的には新薬、先発医薬品でございますけれども、大体約70%以下で設定されておりまして、実際、当院におきまして、先発医薬品とジェネリック医薬品の薬価を計算いたしましたところ、大体35%程度ジェネリックのほうが安いと、低い薬価であるという形の数値が実績が出ております。当然それだけ全体の医療費も安価になり、患者様においても負担割合に応じて請求される医療費が安くなるということになろうかと思いますが、医薬品の種類も多く、また薬価もばらばらでございます。その中に医療費を計算する場合、診療費、それから検査費用も含まれておりますので、金額的にどれだけ安価になるかということにつきましては、個々のケースもございまして、難しいかと存じます。
以上でございます。
副議長(山本 繁博君)
4番、井谷憲司議員。
4番(井谷憲司君)
ありがとうございます。
では、次の質問なんですけれども、今後その導入量をどういうようにしていくのか。先ほどの話のときには、まだ触れてはいないんですけれども、薬、当然全部がジェネリックにかわるというこういうことはあり得ないと。先ほど、許容範囲ということでお話しさせていただきました。ですから、要するに新薬と基本的には同じ、統計学的には同じであるけれども、完全に同じではないと、その許容範囲が約15%プラス・マイナスあるということで、結局、症例によってその許容範囲が許される、その薬が許される場合だと、ジェネリック医薬品は使えますし、その15%の許容範囲が通用しない本当に厳密な薬として使用していかないといけない傷病に関しては、そういうジェネリックというのはやはり使えないものもありますので、当然全部、特許期間が過ぎたものをすべてかえていくというのは、なかなか難しいとは思いますけれども、やはりそれを有効に活用していくことは非常に大事であると考えております。
それでは、今後このジェネリックの導入等の今後の計画がどうなっていくのかということで、あれば次の質問としてお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いします。
副議長(山本 繁博君)
竹内市立病院事務局長。
市立病院事務局長(竹内 均君)
お答え申し上げます。
医薬品は全国というか、すべての医薬品数を合計いたしますと、大体1万8000の品目数があると言われております。そのうち日本では、ジェネリックを導入されているのが30%、5000品目が導入されておると聞いております。そのような中で当院は101品目ということで、相当まだまだ少ないのでございますけれども、これにつきましては、当院でも薬剤購入検討委員会という組織がありまして、その中で他病院の状況、それから製薬メーカーからの情報等を加味いたしまして、導入の可否を決定しておりまして、その中で安全性は確保できるというような判断の中で導入しているということを前もってお話ししておきたいと思います。
そして、ジェネリックの今後の導入の契約でございますけれども、当院といたしましても、医療費が少しでも低く抑えられることによりまして、患者サービスにつながり、さらに去年、21年の4月からでございますけれども、Dpc、診療費、診断群の包括評価方式という形で、入院につきましてはすべて包括される形になってきております。これを導入していただきまして、医薬品もすべて包括されるという形になってきておりますことから、安価な医薬品でありますジェネリック医薬品への移行を今後とも進めていきたいというように考えております。
以上でございます。
副議長(山本 繁博君)
4番、井谷憲司議員。
4番(井谷憲司君)
ありがとうございます。
やはり患者さんの経済的負担もそうですし、行政側の医療費の負担、これも軽減できるということで、この活用はこれからもしっかり検討して進めていっていただけたらと思います。
それでは、最後に市長にお伺いしたいと思います。
今回の内容、またその他そういった医療費の削減等々でそういう対策がもしあれば、それについてもあわせて市長のお考え、お聞きできればと思いますので、よろしくお願いします。
副議長(山本 繁博君)
竹内市長。
市長(竹内 幹郎君)
ジェネリック医薬品についての質問でございます。
ジェネリック医薬品は新薬と同じ成分、同じ効き目ということで、特許期間が終了した後、厚生労働省から承認のもとに発売されたものでございますし、患者サービスの一環であり、ひいては病院の経営的にも寄与するということであり、今後ともジェネリック医薬品への移行を進めていきたいと考えておるところでございます。
公的病院の役割は市民目線に立った医療であり、公的病院の信頼力であり、自己負担分が減るということは、患者さんにとって安くなる、利益になるということでございますので、積極的に取り組むよう指示したいと考えております。よろしくお願い申し上げたいと思います。
以上でございます。
副議長(山本 繁博君)
4番、井谷憲司議員。
4番(井谷憲司君)
ありがとうございました。
やっぱり医療費という部分に関しましては、今後もさまざまな観点で目線を持っていき対策を考えていかないと、どうしても基本的にはふえることはあっても、なかなか減ることがないという中で、やはりこういった対策等が重要になってくるものと考えております。
今回のこういった内容のように、やはり自治体独自で取り組める問題に関しては、やはり積極的に自治体独自でも取り組んでいきたい。やはり、今の政治の状況を見ていましても、本当に地方で現場で大変な状況で頑張っているそういう状況に対して、国は本当に目を向けているのかというと、非常に厳しい状況であると考えざるを得ない状況だと思います。その中で、自分たちでできることは自分たちで積極的に取り組んでいく、そういう姿勢で今後も臨んでいきたいと思います。
ちょっと話は変わりますが、最後に今現在12月ということで、師走ということもあります。来年もさらに現場を走り、私自身、本当に頭をもっともっとフル回転させて、一つ一つの課題に柔軟に臨機応変に取り組んでいきたいということをこの場で決意もさせていただき、一般質問を終了させていただきます。ありがとうございました。
副議長(山本 繁博君)
井谷憲司議員の質問が終わりました。
10分間休憩をいたします。
午後2時51分休憩
午後3時00分再開
議長(中山 一夫君)
休憩前に引き続き一般質問を再開いたします。
5番、上田徳議員の質問番号5番「志向性を考えた行財政改革を進める中で、行政が果たさなければならない市民生活向上のための義務と責任の考え方」の質問をお受けいたします。
5番、上田徳議員。
5番(上田 徳君)
議席番号5番、上田徳でございます。ただいま議長から質問の許可をいただきましたので、一般質問をいたします。
質問の前に、秋風の吹く10月、恐れ多くも天皇陛下、皇后陛下が平城遷都1300年記念祝典への御臨席の後、大阪万博以来40年ぶりに室生寺を訪問くださり、多くの市民の皆様で御歓迎をさせていただいたことは、宇陀市にとって合併5周年のメモリアルイヤーとなりました。天皇皇后両陛下が4日間一つの県を行幸啓されるのはまれなこととお聞きするに当たり、本当にありがたい足跡をいただいたと心から感じさせていただきました。皆様方はどのようにお感じになられたでしょうか。このような宇陀市の大礼に対し、市長を中心に職員の皆様の配慮によりまして、無事、行幸啓が粛々ととり行われましたことに深く感謝を申し上げまして、質問に移らせていただきます。
通告しました事項は、宇陀市が財政力、経常収支比率に代表される財政指数が類似市に比べ悪いということから、選択と集中の理念で示される強い志向性を考え、今後、行財政改革を進めながら市民の負託にこたえていかれることから、行政が果たさなければならない市民生活向上のための義務と責任の観点から、暮らしを高める市民サービス、住みよいみんなのまちづくりについて、マニフェストにある宇陀市の将来ビジョンについて選択と集中による投資とあるが、基本的な基準と概念について、宇陀市一本化の醸成に行政が果たす役割について、市長の所信をお尋ねしてまいりたいと思います。
志向性を考えた行財政改革を進める中で、行政が果たさなければならない市民生活向上のための義務と責任の考え方ということの第1点目の質問では、暮らしを高める市民サービス、住みよいみんなのまちづくりの観点で市長がよく言葉に出される普通の市になることについて、類似市における取り組みを参考に宇陀市の特異性をどのようにとらまえて行政改革を進めようとされているのか。その点、少子高齢化社会、さらには過疎化社会とどのようにかかわり、市民生活の向上を図られるのか。また、生き生きと暮らせる地域づくりを推進すること、そして、人権の基本であります男女共同参画社会の実現に向けての取り組み等は、行政の行政たる責任であり、そのための財源の確保は必要と考えますが、そのことについて所信の答弁を求めたいと思います。
次に、それぞれの地域が交わり交流が高まると、行政と地域が協働で地域課題の解決に取り組み、成果を上げ、社会貢献を果たすことができると考えますが、そのためには地域間交流、活動の基本となる取り組みの母体を形成する上で、地域コミュニティを継続するための基本的要件をどのように考え、とらまえているのか。また、行政と地域が協働できる根拠となる体制づくりは、行政側か民間側かどちらから積極的に行動を起こせば、より有機的に作用すると考えておられるのか。また、合併前に各町村で実施していた地域間交流行事等の宇陀市総合バージョンの必要性をどのように考えているのかについて、お考えをいただきたいと思います。
さらに、合併によって、役所と住民が精神的に遠くなったと感じておられます。先ほど井谷議員からもございましたけれども、12月から市役所玄関ロビーで庁舎案内の係員を配していただき、来庁者にはありがたいシステムと感じております。そこで、身近な地域課題の相談のできる窓口を明確にして、まちづくりの門戸を開く組織の考え方として、住民が日常課題から派生するまちづくりへの提言、提案への取り組みや、地域の世話役が見守る諸課題に対する窓口の一本化や生活弱者等に配慮した市民サービスの充実について、特に生活弱者については民生委員さんが頼りになっております。負担軽減を含め、窓口のワンストップサービスの充実等の改善について所感をお答えください。
次に、市長がマニフェストに示されています宇陀市の将来ビジョンについて、先ほども述べておりましたが、選択と集中による投資とあります。このことの基本的な基準と概念についてお尋ねをしてまいります。
まず、事務事業の選択及び集中の基本となるものは何か、お尋ねする中で、特に市民が納得のできる基準をどのように考えておられるのか。また、選択によって採択及び継続される事業の費用対効果の設定基準をどのように定めているのか、定めたならば、その根拠をお示しいただきたいと思います。さらに、選択によって縮小や廃止となる事業の受益者や利用者への説明と対応をどのように取り組むのか、その方針をお答えください。
次に、中長期の計画と将来への投資への基本プランはどのように改革されるのか。今年度予算編成の基本方針に歳入減の課題克服をスクラップ・アンド・ビルドによって財源の創出を基本方針とされております。そこで、総合計画との整合性と事業ゼロベースの見直しに伴う継続事業への影響について、過疎と少子高齢化に対応したまちづくりへの投資計画について、行財政改革の推進によりタイムリーな事業への投資が遅延しないのか、それらの検討結果について、中長期の計画と将来への投資の観点から答弁を求めたいと考えます。
次に、社会的弱者に対する社会基盤の整備とソフト事業の取り組みについて、行政が果たさなければならない市民生活向上のための義務と責任の観点から、最初に社会的弱者に対するインフラ整備の取り組みと進捗状況について、次に、福祉制度の充実における官と民の体制と連携強化による支援のあり方について及び安全・安心な暮らしがだれでも公平に平等に享受できる環境を創造するための事業が計画され実施されているのか、お尋ねしますので、答弁を求めたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。
最後になりましたが、いよいよ来年4月から地域自治区が廃止され、本格的な一体化、一本化が行政の上からも求められてまいります。そこで、宇陀市一本化の醸成に行政が果たす役割についてお尋ねをしてまいりたいと思います。
最初に、行政改革と合併後の地域及び行政事務事業にテリトリー意識が残る要因の解消について、先ごろ公共施設行政コスト一覧表がホームページに掲載され、今の規模の施設を維持管理するには今後莫大な費用が必要となりますと記述がありました。そこで、施設統合の方針と基本計画について、重複施設統合の基準の考え方について、また、更新時期の到来や技術開発による現有設備の改廃への考え方について及び均一のとれた事務事業と地域や住民の特徴、特性を踏まえた固有のモチベーションの尊重と適材適所の行政改革のあり方についてお答えください。
また、地域と行政が協働活動を強化する取り組みの進め方について、今後、自治区廃止後の地域の活動の進め方、NPO法人活動と自治会活動との整合性、役割分担の明確化と日常活動による人身の交流の強化策等について、先ほどの質問と重複するところもありますが、答弁を求めたいと思います。
最後に、あらゆる分野における行政組織、制度、体制の早期見直しについて、生涯学習施設、地域コミュニティ施設、文化施設の統合基準の見直しによる早期制度制定の目安については、14日の総務文教常任委員会でその一部の紹介がありましたが、課題の考え方が全く理解されていないと私は考えております。しっかりとした基本理念、概念に基づいた生涯学習施設、地域コミュニティ施設、文化体育施設等の仕分け基準を定めていただきたいが、決まっている制度、基準について答弁を求めてまいりたい。
また、制度設定については、受益者を中心とした幅広い市民から意見集約ができる体制を仕組む機会を求めますので、タウンミーティングを初めとした公聴会の開催を求めたいと考えますので、その方針をお答えください。
壇上からの最後の質問として、文化体育事業や行政指導における地域活動及び生涯学習活動等によって、人と人との交流とコミュニティによる宇陀市一体化、市民一本化を図り、「宇陀市はひとつ」を醸成する考えの一つを提案したいと考えています。
人がまじり交流することで、多くの人の輪が構成されると思います。その一つが、20年、合併2年後から継続して開催をしていただいております宇陀シティマラソンではないかと考えます。参加者はもとより、お世話をいただくスタッフの皆さんの交流により、新たな文化の胎動を感じております。地域間交流を積極的に図り、顔見知りをつくることから一体化、一本化の醸成が図られると考えます。そのことで宇陀市が一つの自治体として、普通の市として評価されるのではないでしょうか。市長からの答弁、所感を求め、壇上からの質問を終わります。どうかよろしく答弁を求めていきたいと思います。
議長(中山 一夫君)
桝田総務部参事。
総務部参事(桝田 守弘君)
失礼します。
行財政改革を進める中で、市民生活の向上のための行政の義務と責任の考え方という大きなテーマの中での質問でございますので、最初に行政改革担当の私、桝田から全体的に答弁をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
また、御質問の内容が大変多岐にわたっておりますので、内容によりましては少し細かい答弁となる場合もございますので、議員の皆様方、またこの自主放送をごらんの市民の皆様も、どうか御了承いただきますようよろしくお願いいたします。
それでは、最初に少子高齢化とのかかわりでございます。かかわり、その対応についての御質問ですが、少子高齢化社会は平成の時代になりまして急速に進み、日本が抱える大きな社会問題となり、国策として根本的な対応が必要ではないかと考えます。行政のかかわり、つまりその対応の一部ですが、まず宇陀市として少子化対策としては、他市の取り組みも参考にいたしまして、市の行動計画を策定し、働く女性への育児支援について実施事業を具体的に明記し、子育てと仕事の両立の支援という施策目標を定めて三つの取り組みを行っております。
一つ目は、通常保育事業に加え、延長保育事業、預かり保育事業、子育て短期支援事業、学童保育事業など多様な保育サービスの充実。二つ目には、生活支援のために児童扶養手当の支給、福祉資金の貸付制度、母子医療の助成、就業支援のための相談及び能力開発支援等の実施のひとり親家庭に対する自立支援でございます。三つ目には、いろいろな機会や媒体を通じ、仕事をしながら子育てをすることへの理解と支援の必要性の啓発を行っていくとともに、保健事業等の機会に妊婦の方の配偶者や乳幼児の養育者に対して父親の育児参加を促す男女共同子育ての推進でございます。
次に、高齢者対策といたしましては、個人の能力の活用や働くことの意欲や楽しみの機会を得るために、シルバー人材センターや老人クラブを初めとする各種の活動団体への支援を行っています。
また、高齢者の抱える諸問題は、認知症の増加等による施設待機者や要権利擁護者の増加、養護者による高齢者虐待や悪徳商法による被害の急増、地域や家族の希薄化に伴う高齢者の所在不明や孤独・無縁死など、社会機能が弱まる中、高齢者福祉の需要はますます増加する一方です。そのため、市民生活の向上を図るためには、行政施策だけに頼らない互助、共助の仕組みづくりを進めなければならないと考えております。
さらに介護保険事業の面では、介護及び介護予防の取り組みが挙げられます。現在では、生活の向上というよりも、現状生活のレベルを落とさないことにウエートを置いております。行政としては、みずからの福祉施策の推進はもちろんのこと、民生・児童委員の方々や社会福祉協議会、また福祉を担当していただくボランティア団体等の取り組みについて積極的にサポートを行っていきたいと考えております。
続いて、生き生きと暮らせる地域づくりを推進するための財源ということでございます。
行財政改革の推進によりまして、収入では、市税の徴収率の向上、また市有財産の処分による財源、支出では、合併特例期間中の基金の積み立て、また事業の選択と集中、さらに、できる限りの産業の振興等により財源を確保していきたいと考えております。
次、男女共同参画社会の実現に向けての取り組みでございますが、このことは21世紀における最重要課題として位置づけております。しかしながら、現実的には地域、家庭、学校、職場などにおいては、まだまだ性別役割分担に基づく男女格差が実態として根強く残っています。
宇陀市では、これまで住民意識調査や小・中学生アンケート調査を実施し、平成20年3月に宇陀市男女共同参画計画を作成し、各課での取り組みを進めております。男女共同参画講演会の開催や市内の自治会長、市の幹部職員に対しても、女性の積極的な登用について依頼を行っております。あわせて、専門の相談員によるDV相談を開催しております。また、現在、市人権啓発活動推進本部では、各課施策の進捗状況を調査、検証すべく取り組みを進めており、今後の施策の取り組みに生かしたいと考えております。
続きまして、地域コミュニティを形成するための基本的要件のとらえ方という御質問でございますが、形成の基本的要件は、自治会、小学校区、NPO等で組織された市民団体での地域住民が自主的に参加し、その総意と協力により住みよい地域社会の構築を共通の目的として構成され、一定のルールのもとに適正な運用を行っている団体であると認識しております。
次に、行政と地域が協働でできる根拠と体制づくりは、行政側か民間側かどちらから積極的に行動を起こせば有機的に作用すると考えているかという御質問でございますが、これは既に一定の地域コミュニティがある場合については、協働の体制づくりが比較的容易であると思われますが、一からの協働、支援の体制づくりでは、市民、関係組織、行政の意識改革を進める中で、行政、市民双方での指導者づくりや優秀な人材の確保などの人づくりがかぎになると考えます。また、多彩な人材がそれぞれの能力や特性を生かすことのできる組織や制度づくりなどを通じて、市民、関係組織が自立した活動ができる環境も重要になります。
続いて、合併前に各町村で実施していた地域間交流事業の宇陀市の総合バージョンの必要性をどのように考えているかということでございます。
合併前から各町村で実施されている交流事業等は、その地域の歴史や文化を伝承するものや近年の新しい取り組みとして地域に既に定着しているものなど、さまざまな行事があります。形式や内容等によっては合同開催すべきものはありますが、その背景を考えると、単純に一本化することはできないと思います。その一方では、宇陀市としての総合的な地域間交流行事の開催が必要であるとも思います。今後、各地域のまちづくりを進める中で、何らかの全体的な仕掛けを考えていきたいと思います。
続きまして、市民の日常課題から派生するまちづくりへの提言へ取り組みという御質問でございます。
既に取り組んでいるものについては、現存の担当課で継続し、新規の提言については、まちづくり支援課が担当することを考えております。また、設置予定の各地域のまちづくり委員会で取り上げていただくことも考えられます。
続きまして、地域の世話役が見守る諸課題に対する窓口の一元化という御質問でございます。
地域の諸課題につきましては、その名のとおり、さまざまなものがありますので、課題内容別に所管課が対応しておりますが、地域の対応は各地域事務所で行っています。今後も引き続き地域の身近な諸課題については地域事務所が窓口として対応していきたいと考えております。
次に、生活弱者等に配慮した市民サービスの充実ということでございます。
このことは、社会的弱者との関係が少し不明瞭ですが、高齢者、障がい者等何らかのハンディキャップがある場合とあえて区分させていただきますと、生活困窮者や低所得者等の生活弱者の中に入ると思います。ふだんから各地域の民生・児童委員の方々には大変お世話をかけておりますが、その生活弱者に配慮したサービスというよりも、サポートとして最も大きなものは生活保護措置での対応でありますが、今後も他の支援もあわせて窓口の充実もさせていきたいと考えております。
それから、大きな項目の2番として、マニフェストにある宇陀市の将来ビジョンについて、選択と集中により投資とあるが、基本的な基準と概念について、小項目として、市民が納得のできる基準をどのように考えているのか、また、選択によって採択及び継続される事業の費用対効果の設定基準を定めているかという御質問でございます。
これにつきましては、基準を数値的に定めるには、まず事務事業や施策の評価を実施すべきであると考えます。平成20年度ではありますが、試験的に事務事業評価を行い、本年度は平成21年度事業についての施策評価を実施しており、今、取りまとめている最中でございます。市民の方々の納得できる基準の定め方は、なかなか現実には難しいことですが、施策評価を実施することにより、費用対効果を含めた一定の指標が出せるものと考えております。
続きまして、選択によって縮小や廃止となる事業の受益者への説明と対応をどのように取り組むのかということでございますが、施策評価や政策調整会議等の結果、縮小または廃止となる事業については、事前にそれぞれの所管課が責任を持って、市民の方々にその理由や経緯等についての説明が必要であると考えております。
続きまして、総合計画との整合性と事業ゼロベースの見直しに伴う継続事業への影響はという御質問でございます。
現在の総合計画は、基本構想、基本計画及び実施計画から成っておりまして、基本計画の5年目の見直しを平成24年度に予定しております。その中でも、実施計画そのものは3年ごとに見直しを実施しておりますので、仮に事業ゼロベースとなる場合については、その影響を精査した上で計画の中に反映していきたいと考えております。
続きまして、過疎と少子化、高齢化に対応したまちづくりへの投資計画ということでございますが、まちづくりの計画は、総合計画やそれにリンクします都市計画マスタープランや過疎計画等がありますが、その見直しをする中で、市長マニフェストを中心に据えて過疎、少子高齢化に対応した計画を立てていきます。
次に、行財政改革の推進によりタイムリーな事業への投資が遅延しないかということの御質問でございますが、行財政改革については、経常収支比率や職員数等の具体的な数値目標を示しており、今後さらに行政改革を推進する過程においては、事業投資に支障を来す場合も出てくるかもしれません。しかし、あと5年の合併特例が終了しても、10年・20年後の健全な宇陀市の存続を考えれば、乗り越えなければならないものと考えます。しかし、今後の財政状況をしっかりと把握しながら、できる限り市民の方々が求められる事業には取り組んでいきたいと考えております。
次に、社会的弱者に対するインフラ整備の取り組みと進捗状況ということでございます。
この問題のインフラ整備の最も大きなものは、住宅対策ではないかと考えております。市内には603戸の市営住宅があります。その中には、耐用年数を既に過ぎ、老朽化した住宅があり、建てかえも計画しているところではありますが、住宅計画においては、社会的弱者も住みやすいバリアフリー化した市営住宅となるよう取り組んでまいりたいと思います。
高齢者福祉の面では、独居老人等に対して高齢者生活支援ハウス、グループホーム等の地域密着型のサービス施設、それから老人福祉施設整備の支援を実施しています。また、今年度完成間際の近鉄榛原駅のエレベーター設置事業に対する補助も行っております。
続きまして、福祉制度の充当における官と民の体制の連携強化による支援のあり方についてでございます。
福祉制度と一言で言いましても広範囲になりますが、例えば高齢者福祉では、行政が地域包括支援センターを中心に介護保険のサービス事業者と情報交換やサービス調整等の連携をしております。障がい者福祉の面では、地域の障がい者福祉を推進するため、宇陀市・宇陀郡合同障害者自立支援協議会を設置しております。協議会は、行政関係者のほか、障がい者団体の代表者、相談支援事業者、障がい者福祉サービス事業者等、関係機関等から選出された方々によって構成されております。
協議会は個別支援会議をその原点とし、地域の実態や課題を共有し、全員がみずからの課題として受けとめ、ともに解決しよう、一歩でも前進しようというスタンスで協働していくことが重要とされています。このように社会的弱者を中心に据え、官と民が情報を共有し、お互いの持っているノウハウを生かしながら支援していきます。
続きまして、安心・安全な暮らしがだれでも公平に平等に享受できる環境を創造するための事業計画と、それを実施しているのかという御質問でございます。
この一つの取り組みといたしまして、一例ではございますけれども、ことし10月1日より宇陀市災害時要援護者避難支援計画というものを立てまして、災害時の要援護者の台帳登録制度というものを開始いたしました。これは、災害時に自力で避難することが困難な高齢者や障がい者の方などの情報を自治会、民生・児童委員や消防等が共有しまして、地域の中で素早く対応できる体制づくりをするものです。今後この制度を啓発し、登録者をふやして安心で安全の取り組みを進めていきたいと考えております。
三つ目の大きな御質問の内容としまして、宇陀市一本化の醸成に行政が果たす役割についてでございます。
小項目といたしまして、施設統合の方針と基本計画について重複施設の統合の基準の考え方という御質問でございます。
合併後5年間で、行財政改革の中で実施できた施設の統廃合といいますのは、給食センター、保健センター、火葬場等で、そのほかの施設は合併時の施設機能をそのまま維持しております。現在、基本計画の策定には至っておりませんが、施設の使用状況、耐用年数、維持管理費、施設修繕費用やその財源等を勘案し、維持修繕を実施しています。市内4区の公共施設には、それぞれの設置目的、特徴や地域性等がありますので、その内容も含めて、施設ごとに市全体の公共施設の必要性等を今後も行財政改革推進幹事会や本部会の中でさらに議論をしてまいります。
次に、施設の更新時期の到来や技術開発による現有設備の改廃の考え方ということでございます。
市の公共施設や設備等の中には、既に耐用年数を経過しているが、財政的な問題があり、新規や大規模改修等ができずに最低限の修理を繰り返し使用している場合もございます。今後もさきの公共施設の見直しとあわせて、特に技術開発には最新の情報を取り入れながら、現有設備の改廃を検討していきたいと考えております。
次に、均一のとれた事務事業と地域や住民の特徴や志向を踏まえた固有のモチベーションの尊重と適材適所の改革という御質問でございますが、合併後5年を経過する中で、旧町村独自の地域志向や考え方は、まだまだ強いものがありますが、過去の昭和の大合併の経験やこれからの長い歴史の中では、徐々に宇陀市として一つの醸成がされると思いますが、今後の行政の対応としては、各地域の独自性を尊重しながら、積極的に宇陀市としてのまちづくりを通して醸成をしていきたいと考えております。そのためにも地域事務所を存続させ、地域とのかかわりは大切にしていきたいと考えております。
次に、地域自治区廃止後の地域の活動の進め方でございます。
地域自治区制度の中では、地域事務所と地域協議会の設置が義務づけられております。地域自治区廃止後も地域事務所は存続させていきます。地域協議会は、これまでの役割を検証する中でも、合併のソフトランディング的な組織になっていたことを反省しなければなりません。地域自治区廃止後は、まちづくり支援課と各地域事務所が現存のさまざまな地域コミュニティとかかわり、また地域でまちづくり委員会を立ち上げていただき、地域活動をサポートしていきたいと考えております。
次に、NPO活動と自治会活動との整合性という御質問でございます。
それぞれ独自の活動であってもよいとは思います。しかし、NPO活動は地域住民だけでなく、地域外はもちろん、市外や他府県とのつながりもできます。地域に一番身近である自治会との連携した活動が重要となりますので、行政が仲介役として支援していきたいと思います。
次に、役割分担の明確化と日常活動による人身の交流の強化ということでございます。
地域づくりの中心はあくまで市民であり、さまざまな地域コミュニティであると考えております。地域ができることは地域で、それに行政がみずからの役割をしっかりと認識し、かかわっていくことが協働による地域づくりであります。今後まちづくり支援課を中心に、あらゆる場面で積極的にかかわっていきたいと思います。
生涯学習施設、地域コミュニティ施設、文化施設の統合基準の見直しによる早期制度の制定の目安、また、制度制定には受益者を中心とした幅広い市民からの意見集約ができる体制を仕組む機会を求めるということでございます。
この御質問の回答につきましては、上田議員の3番目の行財政改革の回答と若干重複して申しわけございませんが、市内4区の公共施設には、それぞれの設置目的、特徴や地域性等がありますので、一定の統合基準の制度化にはかなりの時間がかかると思います。しかし、個々の施設の内容をはじめ、使用状況、耐用年数、維持管理費や維持修繕費用等を勘案し、施設ごとに市全体の公共施設の必要性等を今後も行財政改革の中で議論し、整理していきます。
最後になりますが、文化事業や行政指導における地域活動や生涯学習活動による人と人との交流、コミュニティによる宇陀市一体化、市民一本化を図り、「宇陀市はひとつ」を醸成する考え方でございます。
これは、簡単ではございますけれども、市が実施する文化事業や生涯学習事業などは、市全体としての位置づけの中で進めているところでございます。一方、地域活動は、まさに各地域での活動であり、それぞれに自主性と主体性を持ったものです。これらについて今後地域間交流を深めることで、「宇陀市はひとつ」につなげていきたいと考えております。
以上、私からの答弁とさせていただきます。
議長(中山 一夫君)
小室教育委員会事務局参事。
教育委員会事務局参事(小室 茂夫君)
上田議員さんの質問要旨のあらゆる分野における行政組織、制度体制の早期見直しについての3項目について、教育委員会事務局からも回答させていただきます。
平成18年に3町1村が合併した宇陀市においては、各区にそれぞれの生涯施設があり、だれもがいつでも気軽に利用でき、自主的なグループ活動の場として、また仲間づくりの場として御利用いただいております。
教育委員会が所管する生涯学習に関する施設は、生涯学習施設条例において12施設、公民館条例において58施設、社会体育施設条例において20施設、図書館条例において2施設がありますが、他の市町村合併した自治体と同様に、体育館など類似施設が市内に複数存在するものと、図書館のように榛原区、大宇陀区にしかない施設があるのが現状であります。
合併に伴い、機能が重複した施設、時代の変遷とともに所期の目的を達成した施設も見受けられます。また、重複施設の管理費用については市の財政を圧迫する原因の一つとなりますので、財政運営の改善を図るために、施設の今後の維持管理体制について見直すことが必要であります。現在、先ほど総務部桝田参事からの回答がありましたように、宇陀市行財政改革大綱及び宇陀市行政改革推進計画に基づき設置された行財政改革施設部会において、生涯学習施設と他の公共施設についても、統合基準を所管関係課とともに検討を重ねているところです。
施設の管理については、指定管理制度の活用、施設の譲渡等も視野に入れ、今後、限られた財源の中で事業の目的に沿った施設が適正に配置され、市民が真に必要とする行政サービスが提供されるよう、すべての施設が最大限に有効活用されることを目指し、住民生活の利便性に配慮しながら逐次統合整備の検討を行ってまいります。また、施設関係条例の整備を図り、類似施設の整理、所管部署の整理も行ってまいりたいと考えております。
次に、施設統合の制度制定については、既存施設が住民生活に直結していることから、住民からの意見集約は重要なことと考えており、住民の代表として、教育行政に貴重な意見をいただいている社会教育委員の方々や各生涯施設を利用されているグループの方々からの意見を十分に反映するとともに、市民の皆様から意見をいただく機会を設けることが必要であるのではないかと考えております。建設の経緯、市民に与える影響を十分考慮した上で、維持管理での経費節減、地域格差の解消等を念頭に置いて制度設定に取り組んでまいる所存であります。
最後に、宇陀市一体化を図る施策につきましては、各種団体主導による活動が重要不可欠であると考えます。そのためには、当然行政の支援指導も必要ですが、市民一人一人の機運の盛り上がりがないことには、真の宇陀市一本化にはつながらないと考えております。
生涯学習関連の各種団体においては、組織の一本化が図られ、住民の交流が図られつつあります。
例えば市文化協会では、宇陀市郷土社会の文化創造と振興に寄与するために126サークル、1800人の会員の方が所属され、文化展示会及び芸能発表会を開催するとともに、会員相互の連携を図り、広く市民の方に活動内容を発表されておられます。
市体育協会においては、体育、スポーツの発展と普及を推進し、宇陀市民の体力と健康の保持、増進に努めることとあわせ、市民相互の親睦を図り、明るく住みよい活力あるまちづくりを目的とし、22団体が加入され、各団体において市民を対象とした大会を独自で開催され、市民の交流を図られています。
また、宇陀市の子どもたちを対象とした宇陀子どもフェスタを開催することにより、子どもたちの交流の場を提供させていただいております。
このように、多世代にわたり宇陀市一本化に向けての機会を設けております。今後も各種団体の活動を支援するとともに、市民全体を対象とした交流の場を設け、多地域、多分野にわたる交流を進めることにより、それぞれの地域特性の再発見、市民の地域への誇りや愛着の醸成を図っていき、ひいては市民と行政が一本となった協働のまちづくりを推進したいと考えております。
以上です。
議長(中山 一夫君)
5番、上田徳議員。
5番(上田 徳君)
どうも答弁をそれぞれにわたりましていただきましたことに感謝を申し上げておきたいと、そのように感じるところでございますけれども、若干私が思っておる部分との差異といいましょうか、もっと私は平たんな世界の中でお尋ねをしていきたいなと思っておるわけでございます。
今回の1番目及び2番目のそういった方々の質問の中にも、やはりまちづくりの部分とか財政といった部分の質問があったわけです。これからも補助金を中心とした問題とか、あるいは予算の問題等々で、いろいろと議員の方々から類似の質問があろうかなと思うわけですけれども、これは、やはりなかなか市のほうの示されているプランニングが私たち、あるいは市民の皆さん方に見えてこないし、それから、宇陀市にはお金がないというのがまさしく法律でありまして、その法律を盾に、どんどんどんどんと事業なり、あるいはいろんな施設の運営方法が改善か、改悪か、改良か、改定されておるというところでございまして、そういったことに対する不安というものがやはり周りの方々にあるわけでございます。
したがいまして、今回、先ほどの市長の答弁の中でもございましたけれども、なかなか制度設計が市長の思いと市役所の職員の皆様との行政事務の処理がなかなか追随していないのと違うかなと、私はそういうことを感じるわけでございます。先ほどの答弁を聞いておりましても、概念的な部分であって、非常に、ではそのことについてどうやっていくんやと。
例えば一つのことで、均一のとれた事務事業をどうやっていくんやといったら、各地の独自性をとっていきますと。では、その独自性をどうやって皆さん方は見つけられるんやということでございまして、地域のコミュニティというのは、昔から、やはり地域の方々がいろいろな行政とのかかわりの中で自然と培ってきたものがあるわけでございます、風土があるわけでございます。そういったもののつかみ方として、私たちは少年時代ではないけれども、青年時代には、青少年活動を通じて地域の方々と、また行政の方々と、そしていろいろな幅広い方々との交流を通じて自然と地域に対する愛着、地域に対する郷土愛、そういうようなものが自然と培われてきたものでございますけれども、そういった俎上というものは今の宇陀市には全く見受けられない。
確かに時代が変わって、電車に乗ってぽっと行く。子どももなかなか自宅から通わないで、すぐにワンルームマンションなんかに入って、そして生活するという生活態様が変わってきていますけれども、そういった地域の中に、あるいは宇陀市のそういったものの中に、郷土愛を育てていこうといったような生涯学習活動があるのかどうか、その点について、まず1点お聞きしておきたいなと思います。
それから、行政の協働化の中で、もっともっと協働をしていこうと思ったら、地域の方々の地域力を高めなあかんのではないかなと。その地域力を高めるための行政の責任とは何であるのかな、これはやはり地域のコミュニケーション力を高めていくことではないかな。お葬式が出せない地域を限界集落と定義するんやというのをだれかがおっしゃいましたけれども、まさしく地域力が低下していくと、そのことはすべて行政負担に今度は変わってくるわけでございますから、地域と行政が協働を強化するための地域力をつけるための方策というものをひとつお示しいただければ、御回答をいただきたいと、このように思うわけでございます。
あとありますけれども、のどが渇いてきましたので、一たんここで答弁を求めたいと思います。
議長(中山 一夫君)
桝田総務部参事。
総務部参事(桝田 守弘君)
今、三、四点質問がありましたわけですけれども、特に地域のコミュニティ、要するに地域力の高め方ということが大事かと思われますが、まず、やはり自治体職員であるということは、他市に住んでおる職員もおりますけれども、大半が特に市役所関係では8割の者が住んでおりますので、地域の出身の職員がやはり仕事は仕事でありますけれども、市民であります以上、地域の職員としてかかわっていかなければならないということが地域力を高める一つの方法ではないかと思います。
市でやっておる事業もありますけれども、先ほど申されました地域のコミュニティがされている活動はたくさんあるわけでございます。そういうところにかかわっていく。そして、担当の所管については顔を出すだけでもよい。とにかく地域とのかかわりを持ちたいという気持ちで参加していかなければならないというように、それが地域力あるいは地域の方との接し方、サポートの仕方という一つではないかと考えております。
私のほうからは以上です。
議長(中山 一夫君)
喜多教育長。
教育長(喜多 俊幸君)
合併に伴いますところの地域の一体感を醸し出すところの政策等についてのお尋ねであったかと思います。特に生涯学習の観点からということで発言をさせていただきます。
生涯学習の概念ということにつきましては、それまでの社会教育の概念から少し離れまして、いつでも、どこでも、だれでもが学習でき、それが正しく評価されるというこういう自主的・自発的精神に基づくところの学習あるいはコミュニティづくりということがその原則であります。そういうことから、むしろ行政がいろいろと相談に乗ったり、あるいは援助をするというこういう役割を担いながら、地域の皆さん方の自発性、自主性を重んじていく、こういう社会をつくっていくことかと思います。
日本の社会は、もう御存じのように、もともと地域性を持って地域の住民の自発性に基づいて成立をしてきたという社会の形成があったかと思います。特に日本の場合、日本人は農耕民族でありまして、農耕を通じた振興であるとか、文化交流であるとか、あるいは伝統芸能であるとか、こういうものがやはり醸成されてきたという特異なものがあるかと思います。やはり、これからの生涯学習におきましても、そういうことをやっぱりきっちりと尊重しながら進めていくことが大切かと思います。このことは私が言うまでもなく、改正の教育基本法の中でも地域の伝統や文化の創造等が言われているところです。
したがいまして、宇陀市が一本化された中で、一体化、一つにしていくのかどうかということにつきましては、私は教育の分野におきましては、ある意味では子どもフェスタとか、あるいはシティマラソンというようなイベントもしながら、その一方で、各地域でやっぱり培われてきた伝統とか文化とか、あるいはコミュニティというものはそれぞれのところで大切にしながら、それを一体化した形で見ていくというこういう進め方が大切ではないかと考えております。
したがいまして、今後とも生涯学習施設や公民館活動、こういうことの活動を通じながら、今申し上げましたような概念で進めてまいりたいと考えております。
議長(中山 一夫君)
5番、上田徳議員。
5番(上田 徳君)
生涯学習の面、また地域コミュニティの部分で御答弁をいただきました。
何が心配やいうてね、市長が常々おっしゃっている宇陀市が普通の市になるために今、行政改革を進めておられる。行政改革の中で、行政改革が目的ではなくて、あくまでも宇陀市のまちづくりが主眼やというようなことでございます。しかしながら、実際はお金がないから、お金を切ることから行政改革が始まっているわけでございまして、そのことによって、まちづくりの中にどういった影響を及ぼしておるかという評価といいますか、そこら辺を実際皆さん方の目で確認をしてもらっているのかどうかということを私はもう一度問いかけていきたいなと、このように思うわけでございます。
地域力の低下というものは、そのまますなわち宇陀市への負担増というようになってまいります。私の地域の少し離れたところに10数軒の集落があるわけですけれども、今まで地域の方々が出合って溝にはまった土を上げてくださっているわけですけれども、上田さん、もう私ら、これもうようせんねんって、ようせんねんって。そやから、これもう市道の側道やから市でやってちょうだいとこう言われるわけですよね。今までであれば、地域の人が自分たちの道は自分たちで直していくんやというその意気を感じながら、自分たちの地域を守っておったわけですけれども、もう高齢化と少子化で子どもの声は聞こえないし、それから、そういった作業のできる陣容が確保できないという中で本当に困っておられるんですね。そのことが行政改革によって、もう道路管理は3億円から1億円になったから、2億円分は地域のほうでやってくださいとこういうように展開をされるわけですけれども、その受け皿となる地域は本当に厳しい状況にある。
ですから、こういった普通の市になるということは、行政も市民もそれぞれのできることをしっかりやっていこうということでございますので、できる環境をしっかりとつくるのは、これは地域も責任はあるけれども、やはり行政側にもそれを構成でき得る仕組みをつくらなければならないのではないかなと思うわけですけれども、その点についてはいかがですか。
議長(中山 一夫君)
竹内市長。
市長(竹内 幹郎君)
いろいろ地域の課題、しっかり考えていかなければならないと思うところでございます。私自身も何回も申し上げますけれども、三つの約束をさせていただく中で、しっかりまちづくりにも取り組んでいきたいと考えているところでございます。先ほど話にもございましたけれども、いろいろな形で施設の統合も含めながら、本来のあるべき姿に戻していきたいと考えております。
しかしながら、施設の統廃合につきましても、利用されている、活用されているものについてまでする気はございませんし、施設につきましても、所期の目的を失した施設も中にはあるわけでございます。ですから、それは新しい展開の中で施設の統廃合も含めて地域に戻していきたいということを担当職員に指示しているところでございます。
いろいろ申し上げたいわけでございますけれども、地域が市全体の施策の調和を考えてバランスよく施策を実行する必要があると考えておるところでございます。不足するところがあれば、何かそれを補完するほかのものがあるようにできればというように考えております。
地域においては、市民がまちづくりに参加する協働のまちづくりを推進していただくとともに、応援していきたいと考えているところでございます。地域が行政頼みになりがちでございますが、行政がどれだけかかわっても、地域がその気にならなければ、担当者がかわれば、それで目的が損なわれるのではないかなと思っておるところでございます。ですから、地域のリーダーが必要と考えておるところでございます。地域が行政の応援も得ながら、どんな地域づくりをするかなと思っております。今までのように、地域も指導者も何の思いもなしに、あれもしてほしい、これもしなければいけないという議論はできないのではないかなと考えているところでございます。
現状を見てみますと、宇陀市の収入の大半は交付税に頼っています。その交付税措置も、さきの質問の答弁にもありましたように、交付税措置の中で14億円というような大きなお金をいただいております。そして今回、平成22年の国勢調査をした速報値によりますと、3000人減少しているということでございます。このことも交付税が減少する原因であると思います。
しっかりと普通の市になるような、普通の市というのはいろいろ議論があろうかと存じます。しかし、その努力をしていきたいと考えているところでございます。基礎的自治体としてしなければならない事業、住民サービスを求めていきたいと考えております。地域の特色もあると感じていますが、行政のあるべき姿、それは必要なものはつくりましょう、またはしていきましょう、しかし、あればいいという、また便利だという事業は少し待っていただきたいと考えているところでございます。
先ほど議員の郷土愛を育てる、地域力を高める、まさしく私がいつも申しているところでございます。防災に関しましても、地域の地域づくりにつきましても、やはりそこら辺に原点があるのではないかなと思っておるところでございます。皆様方の御子息も含めまして、便利さを求めて、また豊かさを求めて、そしてまた自由を求めて、地域から子どもたちが出ていって、その扶養義務を果たさないままで地域が高齢化だけになっていく。これをしっかり行政として支えるような、そしてまた、地域の趨勢に任せるところは任せながら、基礎的な基本的な市民サービスの貢献をしていきたいと考えているところでございます。
多岐にわたりまして、答えにならない面が多々あろうかと存じますけれども、いろいろな形で議論しながら、議員のおっしゃることに答えてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
以上でございます。
議長(中山 一夫君)
5番、上田徳議員。
5番(上田 徳君)
市長から答弁をいただけると思っておりませんでしたので、まずもって感謝をしたいと思いますけれども、確かに普通の市になるということは、すなわちすべてのものが標準的なものに変わっていくということでございますし、今、極端なことを言えば、市の財政、市の収入の市税で職員を賄い切れないというこの現実の中で、では市民のサービスはどういうレベルに置かれるのかということが非常に求められる基準ではないかと思うんですね。
私が先ほど来、基準である制度設計の基本をどこに置くのかというのは、やはり150から160億円という標準財政規模の中で占める市民サービスのいろいろなソフト事業を含めた割合が、だんだんだんだんと狭められていくおそれがあるというように感じるわけです。そのものすべてがやはり市民の側に来ておると。だから、使用料とかそういった部分の基準の見直しとかいうような部分で、市民の側に今はその財政の効果の部分がある。21年度までは5%の賃金カットとか、市長の30%の賃金カットとかそういうようなものがありますけれども、やはり基準になる部分をしっかりと皆さん方の中で構築していただきたい。160億円の財政規模になるのであれば、それに見合う人件費はどうなんやというものが出てきて、そして、では施設統合をしなければならないのか。
今はとにかくそういった削減できる、しやすい部分に手をつけてやっていく。確かに利用料は少ないわけですけれども、少ないからいい施設もありますし、それから多ければ多いほどいい施設もあるわけですけれども、昨日の予算委員会の中で、公共施設の行政コスト一覧表の中で載っております施設について、今回1000万円余りの予算の計上があって、それから、今度はことしの3月の追加補正も合わせたら約2000万円ぐらいの修繕費のかかる施設があったときの質問の中で、一番先に出てきたのは、それに対するどこそこの施設はこうですよというその施設対評価です。この評価をもって、その施設をどうのこうの、直すの、直さないのという議論が起こっておるのかなと、こういうように感じるわけでございます。
ですから、基準は何なのかと。古くても、悪くても、直さなければならない基準があるであろうし、新しくても、使わなくてもいい基準ができて当然かなと感じるわけでございますので、この行政改革の中にある施設検討委員会ですか、その中の部分の中で、まず必要性とか、あるいは利用度とか、あるいはいろんな部分の中でその施設を検討されていると思いますけれども、そこには必ず、たとえ数人であろうとも利用者がおられて、それをちゃんと利用しておると。ですから、そこに人が要るのか、かぎをどのようにして管理すれば、受益者の中で、あるいは利用者の中で自由に使える施設に変わっていくのかとか、そういった検討は我々側にいっこも示されないで、これは使われていない、頻度が薄いから、もう何年度をもって閉鎖しますよというような話にならないとも限らないので、私は今強くそういうことを要望しておきたいなと。
今、市長の言葉の中で、必要と見られるものについては必ず残していくよというような返事がございましたけれども、その必要と見られる基準の中に、果たして今20年度と21年度で示されておるこの行政コスト指数から見たときの基準がどうなんだということでございます。そのことの皆さん方の考え方と地域の方々との整合性というものを一度お尋ねしたいなと思うわけでございますので、この行政コスト一覧表をつくられて、この末尾に行政コストBということの中で出ておる数字は、これは何を意味するのか、ひとつお尋ねをしておきたいと思いますので、よろしくお願いします。
議長(中山 一夫君)
桝田総務部参事。
総務部参事(桝田 守弘君)
この行政コスト一覧表につきましては、その評価というものは重要な評価になるわけなんですが、まだ小さな施設も入っておるんですけど、その中に入っているのは代表的な施設でございます。まずそれを分析した趣旨というのは、一体宇陀市の施設でどれだけの要するに基本となっている分母が市民の数、それから、それを利用される方の数を行政コストを出すために1人当たりを出してみたというのが行政コスト一覧表です。それをどういう基準を設けるかということも議論したわけなんですが、とにかく20と21年度の比較が出て、公共施設の数の多さもありますが、市民の方にこれだけの公共施設の数あるいはそれにかかわるコストがかかっていることをまずもって見てもらおうというようなことで、ホームページを通じてかなり細かい表で、ちょっと難しい分析も入っておりますが、まずは見ていただこうということでお出ししたものでございます。
それをもって、今、上田議員がおっしゃったとおり、この数値だけで、果たしてそしたら分析して利用度が低いから、これはもう統合廃止ということにできるのかという議論もしましたが、なかなかまだ市長の答弁にありましたけれども、利用が少ないからという、コストが高いからという理由だけでは、やっぱりそれには向かないということでありますので、先ほど私の答弁の中にもありましたが、やはり基準をつくることはできるんですが、耐用年数だけの基準、聞きますと、他市ではまれですけれども、築後、木造とかRc、コンクリートの場合もいろいろ違いますけれども、例えば築後40年たてば、もう取り壊しますよと。特に都会の場合は、先ほども職員と話をしておりましたけれども、都会の場合はほかに持っていく位置がありませんので、当然、建てかえる場合は現地建てかえの場合が都市型は多いんですが、山間地域であれば、用途地域もありますけれども、ほかに土地を求めることがあるので、案外、公共施設が今まで建ててこられたのではないかなと。都市型の場合は、コストも高いかわりに土地がありませんので、やはり建てかえ。建てるときに今の施設をどうするかという議論がやっぱりされておるような記録もございますので、そういうこともありますので、今後はコストだけではないんですが、それをもとに一つの指針としてはいきたいと思います。しかし、今おっしゃったとおり、その必要度。1人だけが使っているというようなことはありませんけれども、そういうことも考えながら指標の中に要素としては取り入れていきたいなと。
何回も申し上げますが、まずは、早くできたものですから、見ていただこうということの趣旨でございます。
以上です。
議長(中山 一夫君)
5番、上田徳議員。
5番(上田 徳君)
この施設のコストの部分というのは確かに大変重要な問題だと思います。ことしの3月末をもって退職されました部長もですね、宇陀市の課題は小さな行政府をつくることにあるんやということでございまして、その小さな行政府とは何ですかと聞いたときに、やはり周辺施設が多いということでございました。だから私も、そのことにつきましては十分理解をした上の中で、ではどういった基準で整理統合をされるのかというのは、やっぱりこれは関心のあるところでございますので、しっかりと地域の中で、まず皆さん方が考えるのではなしに、地域の中にこれだけ施設がありますけれども、どういうような観点で整理をしていったらよろしいですかというような問いかけもあってしかるべきではないかなと思うわけです。
ここに示されておるような数値を持っていって、実はこんなもので、ここは1万二、三千人使っていますけれども、あんたのところのここは1300人ほどやから、ちょっともう距離も1キロ余りしかないからここへ行ってくれますかというのではなしに、そこに含まれておる、なぜ1000人しか使われないのか、新しい施設が何で1000人しか使われないのか、そのことの検証をしながら、もし1万人の使っておるものを2000万円、3000万円かけて修理するのであれば、この際やめて、この少ないところへ来てもらうようにしましょうやないかという発想も皆さん方ならできるんですよ。皆さん方は行政マンやからできるんですよ。そしたら、ここ10年間その施設もさわらんでもいいわけですよ。今、雨漏りしておるということは、またどこかに何かの故障が出てくるわけです。トイレに出てくるのか、あるいは水道に出てくるのか、必ず雨漏りをし、タイルが悪くなったところというのは、これからまた幾らでも修繕費がかかってくるわけです。そういったものも含めて検討していただいておるのかなということを私はあえて申し上げるわけです。
1点、宇陀市バージョンの地域間交流の話で、物すごくどこの市へ行っても、例えば隣の桜井市へ行っても、桜井市民体育祭とか、橿原市民体育祭とか、そういった体育祭という形の中で祭りをされておるわけです、体育祭りを。宇陀市にはそういったものが一個もないわけですけれども、一度、合併も5年たっておりますので、一つの23年の5周年を迎えた中で、宇陀市民の皆さん方が一堂に集まって体育を中心とした体育祭を開催するとかそういった形で、宇陀市民の方々とともども笑い合い、そして楽しみ合える機会をつくるとか、そういった発想もできないかなということをひとつお聞きしたいと思いますけれども、よろしくお願いします。
議長(中山 一夫君)
竹内市長。
市長(竹内 幹郎君)
体育祭ということでございます。いろんなイベントがあるわけでございますけれども、検討課題の一つではあろうかと存じます。
しかしながら、たくさん宇陀市内に各地域でおのおのしておるものですから、全然連携がないという形を非常に危惧しております。そしてまた、それが地域の方々だけで楽しまれている。それは決して悪いことではありませんし、十分評価すべきことなんですけれども、やはりそれを市内の方々に共有していただくそういう仕組みも必要ではないかなと思っております。今回、地域自治区を廃止させていただきまして、自治会単位ということになりましたものですから、自治会の中で自治会同士の交流というのも一つの選択肢かと思います。
そしてまた、今回いろんな形で私、地域のイベントに参加させていただく中で、太鼓のかつぎ手というものもほかの地域から応援に来ていただいて一緒にかついでいただいているケースもあるわけでございます。また、菟田野につきましては、同じ古市場という名称だけで、丹波のほうからわざわざバスを仕立てて宇陀市へ来ていただいている、そういう交流も芽生えているわけでございますので、やはり同じような形で汗を流して意識を共有するということが大事なスタンスではないかなと考えております。
ですから、この体育祭という提案でございますけれども、それも選択肢の一つかと思います。ですから、同じような形で汗をかくということは大事だと思いますし、その中に職員の方も参加していただくというのも一つの選択肢かと思います。しかし、なかなかまた組合の話とかいろいろございます。しかし、そんなことも含めて、1回検討はさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
議長(中山 一夫君)
5番、上田徳議員。残り2分です。
5番(上田 徳君)
残り2分でございますので、余りもう質問はしませんけれども、私がPTAの会長をしたときに葛城の社会教育センターへ行かせていただいて、先生が、雪が溶けたら何になりますかとこう言われて、私は水やけど、これは水と違うんやなというように発想したわけですけれども、皆さん方の答えは、雪が溶けたら水になる答えしか返ってきてないと私は思います。
私は、やはり子どもが雪が溶ければ春が来るというそういう発想も大事やなと思いますし、けさのてっぱんの物語の中で、頑固なおじいさんが孫のために一生懸命になって料理をつくって食べさせようとした。ところが、食べなかったんですね。孫のために一生懸命に料理を教えるおばちゃんが偉いのか、いや、そうやないよと、その子どもがおじいちゃんを動かして料理をつくらせた、この子どもが一番今回の立て役者やと、こういうようなことを発想されておりました。
どうか皆さん方も、雪が溶けたら水になるのではなしに春が来るんやというそういう発想の思いをひとつ市民の皆さん方に向けていただいて、しっかりとこの宇陀市の普通の市になる思いを醸成していただくことを期待しまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
議長(中山 一夫君)
上田徳議員の質問が終わりました。
ここで10分間休憩いたします。
再開は25分。
午後4時16分休憩
午後4時25分再開
議長(中山 一夫君)
休憩前に引き続き一般質問を再開いたします。
8番、大澤正昭議員の質問番号6番「市民の皆様から出された陳情、要望書の取り扱いは」の質問をお受けいたします。
8番、大澤正昭議員。
8番(大澤 正昭君)
8番、大澤正昭でございます。お疲れのところ、私で本日の一般質問は終わりかと思うんですけれども、もう少しおつき合いをいただきたいと思います。
それでは、議長の許可を得ましたので、一般質問に入らせていただきます。
今回、私は、市民の皆様方から出されました多くの陳情、要望書の取り扱いはといったことでお尋ねをしてみたいと思います。
通常、年度初めの4月1日より年度終了の3月31日まで、市民の皆様方より多くの項目にわたり陳情、要望が行政のほうへ寄せられます。ほかに請願という手続もあるわけですが、これにつきましては、国または地方公共団体の機関に対して意見や希望を述べることをいう、その手続は請願法による、また、請願提出には紹介議員1名以上を必要とする、受け付けをされた請願書は年4回開かれる定例議会で審議をされますといったことで、今回の私の質問の中では、請願ということについては除外をさせていただきます。
宇陀市に限らず、どの自治体におかれましても、陳情、要望、意見の数量が多いのは、建設、土木に関する事案であろうかと思います。宇陀市におきましても、一番多いのが建設部、次に総務部、3番目が農林商工といったことのようであるようであります。
私は今回、市長に何を問いたいかと申しますと、それぞれの部または課において、市民より出されました陳情、要望、意見、お願いといったことが、時には電話であったり口頭であったりという場合もありましょうが、市役所の皆様方が市民から問いかけられた事案に対して、すべての事案を速やかに返答されているのかとの確認であります。中には、いつのころかいただいた要望の文書が机の下で眠っている、または、少し検討してみますと言って、返事を返すのをうっかりと忘れていたといったようなことも、中にはあるのではないでしょうか。
限られた予算の中で多くの皆様方の要望にこたえていくのは、至難のわざであります。採択の報告が届くのは、ほんの数%ではないでしょうか。残りは要望、お願いを聞いた担当部署の職員が市民の皆様方から、私の要望は、うちの地区の要望はどうなっておるんやといったようなことで、おしかりを受けるといったことの毎日であろうかと私は推察をいたしております。初めての要望もあれば、数年にわたっている事案もある。待っていただいておりますが、ことしもだめなんですよという返事は、職員のどなたであってもつらいことであります。また逆に要望する側、自治会であったり、各種団体の代表者さんであったりするわけですが、地域の要望が届かないという代表者としてのつらさ、ジレンマといったこともあることは事実であります。
今の宇陀市の現状を見ましたときに、基幹産業である農林業を初め、少子高齢化も進み、全体に元気がない、活気がないと毎日のように言われ、まちの人たちからも、何かいい手だてはないの、しっかりと頑張ってよといった激励の言葉をいただくわけですが、私はこういったときこそ子どもたちから大人の人たちまで、それぞれがまちの中で学校で、また職場で大きな元気な声であいさつを交わす。来庁される方々に大きな声で職員の皆さん方があいさつをする。そして、職員の皆さん方は市民の皆様方から先ほど申し上げましたように、数%の事業の採択、残りの90何%は残っていくわけですから、おしかりをいただくわけですけれども、その市民の皆様方からおしかりをいただくことが私の仕事ですと胸を張って言える自信が私は必要ではないのかと考えます。
私は、出される要望、陳情は地域によって、また住む場所によって違ってくると思います。当然であります。出される要望がその地域を映す鏡であります。それだから、なおさらしっかりと御要望をお聞きをした中身をなぜだめなのか、もっと先に可能性はあるのか、ないのか、そういったことを親切丁寧に説明をさせていただくことが重要だと考えます。これは文書回答であったり、時には電話での返答もあるかと思いますが、まず御要望いただきましたその方とお会いをさせていただくことが私は基本原則だと考えますが、どうでしょうか。
1年間に庁舎全体で要望が例えば100件であれ、1000件であれ、100%の返事を返す。問いをかけられたわけですから、イエスであれ、ノーであれ、その方に100%の返事を返す。これは何も難しいことでもなければ、大変なことでもない、人としての基本であると私は考えますが、いかがでしょうか。
おしかりをいただきますけれども、喜んでいただくことはほんの数%、残りはおしかりをいただく、苦情をいただく、これがまことに申しわけないけれども、職員としての皆様方の本来の仕事の多くを占めているわけなんですけれども、そういったことを繰り返すことで、住民と職員、住民と行政の信頼関係が築かれていくのではないかと思います。物事がうまく運ばないとき、1日を見ましても、1週間を見ましても、1カ月を見ましても、きょうはうまいこといったという自分の中で自分に拍手を送る、きょうはよかったな、笑顔が自然と出てくるような日は、何日あるでしょう。大きな失敗はなかったにしても、行政の皆さん方においては、市民の皆さん方の、地域の皆さん方の要望にきょうはこたえられへんかったな、もうちょっと何とかならへんのかな、そういったことが毎日の中で多くを占めていると思います。物事がうまく運ばないときは、原点に戻って物事を一から考える。よく言われる言葉ではあります。今の宇陀市は、まさにその考え方、原点に戻るときではないでしょうか。市長はどのようにお考えでしょうか。
宇陀市の総合計画におきましても、市民と行政の協働、協働というのは、同じ目的のために協力して働くことと辞書には書かれております。その協働という言葉が多く使われておりますが、また行政の皆さん方はよく口にされます、協働という言葉。ですが、お互いの信頼がなくて、どうしてともに考え、ともに働くことができましょうか。住民の皆さん方に、住んでよかった、宇陀市でおってよかった、それは駅前でありましても、少し離れた山間部でありましても場所的には問題はない、この宇陀市に住んでよかったと感じていただけるまちづくりとはどういったことなんでしょうか、市長の考えをお聞かせください。
これで壇上での質問を終わらせていただきます。
議長(中山 一夫君)
竹内市長。
市長(竹内 幹郎君)
大澤議員の質問にお答えさせていただきたいと思います。
要望、陳情等につきましては、非常に私自身に直接来られて要望される件もございますし、また、要望書という形の中で担当者にしていただく件もあるわけでございます。そうした中で回答させていただきたいと思います。
各自治会や各種団体から市民の切実な声として要望や陳情をいただきます。私が直接お会いして受け取る要望書もあれば、また担当課や担当部長が受け取る要望書もあります。いずれの要望につきましても、担当課長から担当部長、教育長、副市長、市長まで、受理した内容の情報を共有いたしております。要望等の取り扱いに何ら差異が生じるものではないと考えております。
その要望事項はさまざまな分野にわたり、市単独で解決できる問題、関係機関と協議、調整を要する問題、また地域の力で解決していただきたい問題、予算化が必要な問題など、課題解決の方法もさまざまでございます。その中でも、内容により速やかに対処できる事項は、いち早く対処するよう指示しております。
しかしながら、すぐには対処できない事項や現行の制度や事業をうまく活用し、御理解いただくことも多数ございます。
そこで、行政職員として大切なのは、できること、できないこと、御協力いただきたいこと、御理解いただきたいことを誠意を込めて説明できているか、言葉足らずで誤解を招いていないかということだと思います。日ごろの業務の中でも、正式な要望書による要望ではなく、窓口での口頭による訴えであっても、市民の声を真摯に受けとめ、できること、できないことを誠意を込めて説明する姿勢が求められるのだと思います。その常日ごろの姿勢が市民との信頼関係の構築につながるものであり、市民と協働による新たなまちづくりの基盤を構成するものであると考えております。
市民の方々にとって、宇陀市が住みやすい安心して住めるまちとなるには何が足りないのか。また、要望や陳情といった形で意思表示されているのだと考えております。その声を真摯に受けとめ、まちづくりに反映させていくことが市民と協働のまちづくりにつながるものであると考えております。
職員ともども、市民の皆様に誠意を持って対応ができているか、意識の再確認をし、まちづくりに取り組んでまいりますので、御理解いただきますようよろしくお願い申し上げたいと思います。
壇上からは以上でございます。
議長(中山 一夫君)
8番、大澤正昭議員。
8番(大澤 正昭君)
市長に御説明をいただいたわけなんですけれども、私は先ほども壇上で質問させていただきましたように、今まで皆さん方が、そういえば、おれ聞いとったけど、こんなんほったらかしや、忘れとったがなといったことを皆さん方を責めるつもりはありません。もし気持ちの中で誠意があって、まだ十分間に合うなというようなことでありましたら、ちょっと遅くなったんですけれども、ごめんなさい、実はこうこうで市長と話をさせていただきました、部局の中で話をしましたといったことを御説明に上がっていただく。こらとおしかりをいただくかもしれませんけれども、その来ていただいて説明をいただいた方は、宇陀市、変わったがなという思いを持っていただけるのではないでしょうか。
どなた様も一緒で、問いはかけたけれども一向に返事が来えへんがな、大澤君。1年の間に市内の皆さん方から二つ、三つではないと思います、そういった問いかけをされることが。確認させてもらっておきます、時には、今は便利に携帯電話というのを持ち歩いておりますから、ちょっと待ってくださいよ、確認しますわといった電話をさせていただくこともあります。速やかに、お聞きをしたことを速やかに、イエスであれ、ノーであれ、そういったことを速やかに連絡をする、報告をさせていただく、これは当然のことではないでしょうか。用があったら来たらええがな、聞いたら言いますがな、そういう態度が非常に私は見受けられますけれども、とんでもない話。もう少し意識を変えていただかないと、お金は要らんのですから、来てくれたら何ぼでも説明しますよ、そうじゃない、今はそういう時代ではないということを皆さん方が一番よく御存じなんですよ。
私の前にも井谷憲司議員、上田徳議員さんが、庁舎へお入りになったときの職員の皆さん方のインフォメーション、案内係、腕章をつけておっていただく。これは、毎日毎日庁舎へお越しをいただく御苦労をおかけしております地域の自治会長さんを初め、いろんな方がおられます。でも、年に一遍、ひょっとしたら10年、役所みたいなん行ってへんでという方も多くおられると思います。そういった方が自動ドアをくぐられたときに職員の皆さんがおはようございます、こんにちは、声をかけていただいたときに、市民の皆さんどうでしょう、安心すると思います。私どこへ行ったらいいねやろう、きょうは御用は何ですやろうか、ちょっと一言、文字に直したら10文字ほど、時間にしたら二、三秒。この声をかけていただくことの安心感、安堵感、これは何物にもかえがたい大きなものがあると思いますよ。それは、その方が地域へ帰られたり、またお知り合いと話をされたときに、大きく池の中に石を投げ入れたときのような波紋が広がっていく、大きく広がると思います。皆さん方がかんかんになってコマーシャルをする必要はないんですよ。普通に市民の皆さん方をお迎えし、普通にまちでごあいさつをさせていただく。そうしたことが市民の皆さん方がどんどんコマーシャルをしてくれる。宇陀市、変わったん違う。ちょっと名前、顔わからへんけど、声かけてくれてん。そんなことが私は宇陀市を元気にしていくのではないかなと。
先ほどから一般質問をお聞きしていましたけれども、お金がない。お金がないということは、市民の皆さんもよく御存じなんですよ。でも、私、行政改革の特別委員会という中で、切り捨てることを大澤さん、あんたの仕事やろうとおっしゃってくれる方もおられれば、先ほど上田議員さんがおっしゃっていました、市長がおっしゃっています切り捨てることではない、新しいものをつくっていくための無駄を省く作業なんですよと。今まで二つ、三つあって、物であれ何であれ有効利用がされていなかった、そこへ経費がかかっておった、そういう整理をし、市民の皆さん方によりよく便利さを感じていただける、そのための行政改革特別委員会であります。市民の皆さん方を痛めつける、改革という名のもとに皆さん方を押さえつける、決してそうではない。
でも今、市民の皆さん方の気持ちの中は、市長がおっしゃられるように、10年先の宇陀市をつくるために、皆さん方に喜んでいただけるためにやっておるんですよということがなかなか私は響いていかないと思います。何ぞ言うたらあかんねん、何か言うたらお金ないねん、何ぞ言うたら待ってくれ、もうそんな話ばかりやがなということが充満するわけですけれども、それは限られた予算があるわけで、無尽蔵にあるわけではない。そういった中で、市民の皆さん方は御理解をいただいておるんです。でも、心のケアが必要なんですよ。
先ほど申し上げました、まちの中でおはよう、こんにちは、気つけていってよ、大澤君きょうはどこへ行くんよ、きょうはネクタイ締めておるけど、定例議会もう終わったんかな、始まったんかな、そういったことでいろんな声かけをする。子どもさんたちに今はむやみに声をかけたら不審者と思われるでというようなことがまちの中にも充満しておるわけですけれども、私は時と場合による。気つけていけよ、お帰り、きょうはえらい早いねんな、テストか、そういったことも多少は私は同じこの市内に住ませていただく住民として必要ではないのかな、それも子どもさんたちを見守るという中の一つではないのかなと私は感じておるわけなんですけれども、だから、事業の3年も5年もかかる事業もあれば、こういった声かけ、お金は要らないわけですから、お互いの信頼、相手を信頼したときに相手もこっちを信頼していただいて、そのときには倍にも3倍にも増して喜びといいますか、うれしさといいますか、そういった力がわいてくる。
ともにしよう。よく先ほども言いましたけれども、協働、協働と皆さんおっしゃるけれども、何を思っておっしゃっているのか、理解できているのか、私はクエスチョンマークなんですよ。言葉ではよくおっしゃいます。でも、市民の皆さん方と皆さん方が協働とおっしゃっている。中身を詳しく説明聞かせていただいても、十分な満足できる答えは返ってこない。皆さん方が長靴をはいて、スコップを持ってのこぎりを持って現場で皆さん方と働くわけではない。同じ目的とは何なのか。ともに働くこと、目的に向かって同じ努力をすること。皆さん方は行政マンとして、この宇陀市の中の多くのニュースソースでありましたり、情報を100共有されております、この中で。それを市民の皆さん方に矢印を逆に返して、いろんな報道をしていただく、広報をしていただく。そして、市民の皆さん方のお知恵とお力をおかりするのが、私は行政と市民との協働やと思っております。
建設土木の方が、また農林商工の方が長靴をはいて農地を山林を見回ると、そんなんは別の話ですよ、わかっていただけますか。ここまで説明しておかんと、誤解を生んだらあきませんので。ですけれども、市民の皆さん、決してここでお住まいの皆さん方は行政を信頼してくれてないわけではない。ですけれども、いつも委員会なんかもそうですけれども、もう少し親切にもう少し説明してくれたら2回目の答弁要らんかったのになというようなこともたくさんあろうかと思います。
皆さん方は行政のプロですから。でも、私らを含めて、市民の皆さん方は日常皆さん方にお任せをしておるんやと、おまえらに任せとうねんさかいにちゃんとしてくれよ、ええまちつくってくれよ、子どもらが住みやすいようにしてくれよ、そういった思いで日々の生活を送っていただいておるわけですから、優しく親切に丁寧に説明するのにお金は要らんわけですから、皆さん方のハートが思いが市民の皆さん方に伝わらなかったら、市長が幾らいいことを述べられても、私の任期の間に行革して10年先の宇陀市をつくるんですよと幾ら言われても、行政の皆さん方が直接市民の皆さん方と毎日出会いになられます病院へ来られる患者の皆さん方、治療は医者に任せてあるんやけど、おばちゃんどこが悪いの、どうしはったん、一言ですわ、優しさ。変わったん違う、きょう声かけてもうたわ。その喜びは、ひょっとしたら薬を飲まんでもけがが治るぐらいの人間の細胞を活性しておるんではないでしょうか。人ってそんなものやと思うんですよ。
そういったことを私は皆さん方にしっかりと御理解をいただいていると思うんですけど、そういったことを市民の皆さん方のお力をしっかりとかしていただけるように、お互い声をかけ合い、また目的に向かって進んでいく、そして宇陀市の元気につながっていくと私は信じておりますので、そういったことも再度市長に、私の申し上げていることがいつもそれはおれもようわかるねんけどというような答弁をいただくわけですけれども、長々としゃべっていただくことはないんですけれども、行政の中で、市長が職員の皆さん方に、やっぱりおしかりの電話ばかりではないと思うんですよ。この間、来てくれはって、こうこうでよかったわと褒めていただくことも多々あると思います。そのときには市長からも、竹内さん、この間こうこうで職員さんこうやってんけどよかったわとか、うれしかったわとか、もちろん毎日ではないにしましても、そういう声も届くと思います。そんなときには決して自分の中へしまい込むのではなくて、庁舎の皆さん方に、おれきょうこんなん聞いたで、おまえら頑張ってくれとうねんなということをしっかりと伝えてほしい。そしてまた、だめなときにはしっかりとしかることも、もちろん必要やと思うんですけれども、そして3万6000人の皆さん方すべてが市長をリーダーとして、あすの宇陀市をよりよい、よりすばらしいものにつくっていけるように皆で頑張っていこうではないですか。一言いただいて、私の質問を終わります。
議長(中山 一夫君)
答弁をいただく前に、本日の会議時間は、会議規則第9条第2項の規定によりまして、あらかじめ1時間延長し、午後6時までといたします。
竹内市長。
市長(竹内 幹郎君)
要望活動に対しまして御意見いただきまして、ありがとうございます。
要望につきましては、早急に対応すべきものも含めまして、担当課できれいに整理していただいております。ですから、ほぼ90%以上、できる、できない、できないことはたくさんあるんですけれども、回答させていただいていると思っております。
ところが、この中には、先ほど申しましたように口頭でいただいたもの、立ち話でいただいたもの、メモはとっておりますけれども、そんな部類もございます。そして、私、記憶の中で話をさせていただくと、祭りをするから、川に落ちるから大丈夫ですかという話でしたので、そういう直接市民の方々の生命、財産にかかわるものにつきましては、すぐにしていただきたいというような指示をしたこともございます。そしてまた、鳥見山公園の中で視界が悪いということでお手紙をいただきました。回答は要らないということでございました。しかし、担当の課に相談しますと、宇陀市の木というか、立ち木だそうでございますので、災害を及ぼさない範囲で切っていただきたいというような指示もさせていただいております。ですから、そんなことにつきましては、記録には残っていないと思います。
そんなことも含めて、地域の方々から要望、陳情されましたことに対しては、真摯に対応させていただきたいと思いますし、大方は対応できないという問題も多々あろうかと存じます。しかし、先ほど協働という話もあったものですから、条件により、その事務作業によれば、地域の方々の御協力を得ながらさせていただくという状態も発生しようかと思います。やはり、その地域の利益につながるものですから、やはり損益につながるものですから、しっかりその辺のことは精査していきながら、市民の方々の要望になるべくこたえられるような、そんな行政体制を目指すように改革をさせていただきたいということでございますので、御理解いただきますようによろしくお願い申し上げます。
議長(中山 一夫君)
大澤正昭議員の質問が終わりました。
議長(中山 一夫君)
お諮りいたします。
一般質問の途中ですが、残り5名の方からの質問が予定されており、本日中に終了できない見込みであるため、本日の会議はこれで延会したいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(中山 一夫君)
異議なしと認めます。
よって、本日はこれで延会することに決しました。
次の本会議は、12月20日月曜日午前10時から再開いたします。
本日はこれで延会といたします。
大変御苦労さまでございました。