本文
平成25年12月18日午前10時開議
日程 |
内容 |
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井谷憲司 | ||
高橋重明 | 近鉄線無人化計画と、今後の対応について | |
勝井太郎 | ||
高見省次 | 経営的な行政運営とは?そのための行政改革のあり方とは? | |
小林一三 | 日本農業が大きく変革する中で、中山間地域に位置する宇陀市の農業政策と将来展望について | |
上田徳 | まちづくり協議会の課題と宇陀市の社会教育(生涯学習)としての公民館事業の展望および関わり |
議員番号 |
氏名 |
議員番号 |
氏名 |
---|---|---|---|
1番 |
勝井太郎 |
2番 |
高見省次 |
4番 |
井谷憲司 |
5番 |
上田 徳 |
6番 |
山本良治 |
7番 |
峠谷安寛 |
9番 |
井戸本 進 |
10番 |
中山一夫 |
11番 |
多田與四朗 |
12番 |
山本繁博 |
14番 |
山本新悟 |
15番 |
高橋重明 |
16番 |
小林一三 |
|
3番堀田米造、8番大澤正昭
欠員(1名)
13番
役職 |
氏名 |
役職 |
氏名 |
---|---|---|---|
市長 |
竹内幹郎 |
教育長 |
石増次郎 |
総務部長 |
内田一哉 |
危機管理監 |
亀井一憲 |
企画財政部長 |
栗野 肇 |
企画財政部次長 |
森本彰一 |
市民環境部長 |
堂芝一成 |
健康福祉部長 |
森本彦司 |
農林商工部長 |
山本喜次 |
建設部長 |
吉岡博文 |
教育委員会事務局長 |
欅 啓典 |
教育委員会事務局参事 |
出口裕弘 |
水道局長 |
堤 正明 |
市立病院事務局長 |
吉岡義雄 |
会計管理者心得 |
中西靖記 |
介護老人保健施設さんとぴあ榛原事務長 |
笹次悟郎 |
大宇陀地域事務所長 |
谷口康夫 |
菟田野地域事務所長 | 西角政美 |
室生地域事務所長 | 松岡保彦 |
午前10時00分
議長(中山一夫君)
おはようございます。
議員並びに理事者の皆様方には、御多忙のところ御参集いただきまして、ありがとうございます。
午前10時02分開会
議長(中山一夫君)
ただいまの出席議員は11名であります。
7番、峠谷議員より午前10時から午後1時の間の欠席届が出ております。山本繁博議員より午前10時から30分間の欠席届が出ております。堀田米造議員より本日1日の欠席届が届いております。8番、大澤正昭議員より本日1日の欠席届が出ております。おのおの許可いたしております。
定足数に達しております。ただいまから平成25年第4回宇陀市議会定例会を再開いたします。
これより日程に入ります。
本日の議事日程はお手元に配付のとおりでありますので、朗読を省略いたします。
議長(中山一夫君)
日程第1、一般質問を行います。
第3日目に引き続き、残り7名の方の一般質問を行います。
一般質問の取り扱いは御承知のとおりでありますので、説明は省略いたします。
それでは順次質問を許可いたします。
初めに、4番、井谷憲司議員の質問番号6番「災害時要援護者の対応と避難所のバリアフリーについて」、「平成26年度の予算編成について」の質問をお受けいたします。
4番、井谷憲司議員。
4番(井谷憲司君)
おはようございます。議席番号4番、井谷憲司でございます。ただいま議長より一般質問の許可をいただきましたので、通告に従い質問させていただきます。
いよいよ本年も師走に入り、月がかわれば宇陀市も市制9年目を迎えます。宇陀市総合計画の後期基本計画も第2期実施計画に入ってまいります。宇陀市の将来像を市民の皆様にもっと見えやすく、宇陀市が今後どのようになっていくのかお示しし、市政運営に御理解をいただくためにも、ますますしっかりとしたかじ取りが必要になってまいります。行政も議会も市民の皆様にメッセージを発信し続けていくことが大切であるということを最初に確認させていただき、質問に入らせていただきます。
今回は災害時要援護者の対応と避難所のバリアフリーについて、平成26年度の予算編成についての二つのテーマについて一問一答で質問させていただきます。
まず最初の災害時要援護者の対応と避難所のバリアフリーについてでございますが、今月、12月4日で東日本大震災の発生から1000日を迎えました。復興庁の報告では、先月、11月14日時点で避難者は27万7609人、そのうち約10万人がいまだプレハブの仮設住宅での生活を余儀なくされております。
震災以降、災害対策、災害時の対応等々一般質問でも多く取り上げさせていただきました。市民の皆様とも災害のことについては数多くお話もさせていただきましたが、中でも御年配の皆様とのお話のときには、特に単独での行動が困難な高齢者にとって、避難したいときにどうしたらいいのか、誰かが来ていただけるのか、車椅子を御使用されている方が避難所で一時的でも生活のできる環境にあるのか等々の現実的なお話が多くございました。そうした中で、今回の質問では行政の現実的な対応について質問させていただくものでございます。
それでは質問ですが、まず現在進めておられる災害時要援護者台帳の進捗状況を対象者への周知の状況と合わせてお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。
議長(中山一夫君)
亀井危機管理監。
危機管理監(亀井一憲君)
おはようございます。管理監、亀井と申します。よろしくお願い申し上げます。
それでは、井谷憲司議員からの御質問についてお答えを申し上げたいと思います。
まず、災害時要援護者ということですけれども、いわゆる災害弱者と言われる方々で、災害が発生した場合、自力避難が困難な高齢者や障がい者、介護認定者等、災害時における情報伝達、避難行動、避難生活に支障がある在宅の方々をいうことになります。
宇陀市におきましては、避難等に支援を必要とする要援護者の把握は現状それぞれの担当課で行っており、複数の課にまたがる形になっているため、有事の際における避難支援等の活用としては不完全なものでありますので、災害時要援護者支援計画を平成22年10月1日に策定をいたしまして、広報うだやうだチャンあるいは自治会回覧等で市民周知を図りまして、奈良県の緊急雇用創出事業を活用いたしまして、平成24年、25年の2カ年をかけ、災害時要援護者台帳システムとして、その構築に取り組んでいるところであります。
本システムは台帳機能と地図機能が連携したシステムで、未登録者の情報を含め、災害時要援護者になり得る方々の情報はもとより、申請いただいた方々の情報を地図上にマッピングしております。
さらに、このシステムは道路台帳、水道台帳、消火栓、防火水槽の位置などハザード情報ともリンクしており、地図上で要援護者や避難所の位置、支援者などを確認することができるのを初め、災害発生場所も地図上に表示が可能となりますので、要援護者の避難支援等がスムーズに行えることになります。
対象となられる方々への周知の状況でありますが、当初は自主防災組織の結成に伴う防災・危機意識の向上や、自治会、民生委員等の声かけ等御協力をいただく中で、約800名の申請登録がありましたが、現状としては1038名の登録となっております。地域別では、大宇陀地域で335人、菟田野地域で164人、榛原地域で105人、室生地域で434人であります。
ところが、宇陀市在住で高齢者、身体障がい者等災害時要援護者の対象者は1万1909人おられます。これは11月末データであります。登録者は1038名で、率にしまして8.7%であり、まだまだ災害時に避難支援等が必要な方々がおられますし、今後も広報うだやうだチャンあるいはホームページを初め、自治会、民生委員等の方々の協力もいただきながら、継続して周知を図っていかなければならないと考えております。
また、市役所介護福祉課、危機管理課、そして各地域事務所におきましても登録申請書を置いておりますので、窓口対応もできております。また、市のホームページからも申請書を取得することができるようになっております。
以上、回答とさせていただきたいと思います。
議長(中山一夫君)
4番、井谷憲司議員。
4番(井谷憲司君)
ありがとうございました。
今お聞きいたしまして、対象者が行政の把握するところで1万1909人と、現在登録者1038名の8.7%というお話がございました。
やはりこれ、テレビ中継もされておりますが、各御家庭いろんなさまざまな状況、1軒1軒全て違います。御高齢の方と、また若いそういう世帯であっても、昼間仕事で現役世代の方が昼間家をあけておられる、昼間は高齢者の方ひとりになったりすると、そういう場合もえてしてございます。ですので、やはり多くの方にうちは登録できるのかどうかということも含めて、行政にどんどん御相談いただく、その窓口、受け皿しっかりとつくっていっていただきたいと思います。
地域の皆様、またそういう民生委員さん等々大変苦労されていただいていますし、御苦労いただくことが多数あると思いますが、周知の方法もいろいろ考えていただいて、100%に限りなく近づけていただく、もちろん100%を目指して進めていっていただきたいなと思います。
それでは、そういった対象者が避難を必要とする場合に、自主避難も含めてなんですが、どのような行動をとっていけばいいのか。登録はされた。じゃあ私はどうなるのか。ひとりではなかなか行動できないという方は、これは多数、対象者の中にもたくさんいらっしゃると思いますので、そうした方々がどういうように行動すればいいのかというところをお聞かせいただきたいと思います。
議長(中山一夫君)
亀井危機管理監。
危機管理監(亀井一憲君)
お答えしたいと思います。
まず、うだチャンあるいは安全安心メール等により情報収集をしていただくということがまず出てきます。それから自宅周辺の状況なども確認をしていただきまして、危険だと感じる場合につきましては、早目の行動を起こしていただくことが大切になります。そのときには自治会長等に連絡をとっていただきまして、地域の集会所あるいは公民館等に自主的に避難をしていただきたいと思います。
また、各地域事務所や市役所本庁も自主避難の受け入れ先として想定をしておりますので、御連絡をいただけましたら、調整等含めまして対応が可能であります。
宇陀市から避難準備情報や避難勧告、避難指示が発令された場合は、基本的に市では市長を本部長とする災害対策本部が設置され、避難所も開設されますので、防災行政無線やうだチャン11あるいは安全安心メール等により情報収集に努めていただきたいと思います。
特に避難に時間を要する高齢者の方や体の不自由な方、いわゆる災害弱者と言われる方々に早目に避難の行動を起こしていただくために、先に避難準備情報が発令される場合もあります。自力避難や自力で行動を起こせない方は、地域の方々等に支援を求めていただくことになります。
要援護者台帳に申請登録されている方につきましては、基本的に申請をいただく際に手挙げ方式を採用しておりますので、自治会長あるいは自主防災組織や民生委員の方々を初め、消防や警察等にも情報提供を行っており、要援護者の状況は自治会等で把握をしていただいておりますので、地域の支援者や自治会長等に支援を求めて避難をしていただきたいと思います。
また、災害対策本部が設置されますと、要援護者の対応は福祉班で行うことになりますが、災害の規模等により対応できない場合もありますので、登録された要援護者の方々にあっても自力で行動できる方は、安全な場所への避難をみずから行っていただかなければならないことも出てきます。そうしたことから、日ごろから地域の防災訓練にも参加をしていただき、安全な避難ルート等の確認も事前にしていただくように努めていただきたいと思います。
以上で回答とさせていただきたいと思います。
議長(中山一夫君)
4番、井谷憲司議員。
4番(井谷憲司君)
やはり一人一人わかっていらっしゃる方、またわかっていらっしゃらない方、不安な方、多々いらっしゃると思います。今こういう警報が出てこれだけ雨が降ってきたけど、避難したいけどどうしたらいいんだろうというような問い合わせ等々もあると思います。そうしたときに、どこどこへ行ってくださいと言うだけじゃなくして、行ける手段はありますか、どのようにして行かれますか、大丈夫ですかというそうしたやはり相手の立場に立った対応、これがやはり必要だと思います。行ける人はそれでお願いする、気をつけてお願いしますということでお願いする。行けない人は、じゃあどこどこへ連絡しますので、そのままお待ちくださいとか、やはり個々の対応がありますので、丁寧な対応をお願いしたいと思うんですが、そういう個々に対しての今後どのように徹底していかれるのか。非常に時間のかかることだということは、これはもう十分わかります。だからそういう問い合わせ等々もあるかと思いますが、今後どのようにそういう話を個々に徹底していくのかということを御答弁いただきたいと思います。先ほどの答弁と若干重なるところが出てくるのかもしれませんが、お願いします。
議長(中山一夫君)
亀井危機管理監。
危機管理監(亀井一憲君)
御回答したいと思います。
宇陀市におきましては、先ほどもお話しさせていただきましたが、災害時の要援護者の登録制度を平成22年10月1日から運用を開始しております。自治会長あるいは民生委員、近隣支援者の方々に登録者の情報提供を行うことにより、ふだんからの見守りや災害の支援を行っていただく体制づくりを推進しております。それぞれの地域の皆さん方に対応をお願いするところが多いわけですけれども、平素の自主防災組織の訓練等を通じ、自助、共助の体制づくりの中で取り組んでいただくようお願いをしているところであります。
しかし、先ほども申し上げましたように、登録率が8.7%であり、まだまだ避難支援等の必要な方々がおられると思いますので、今後も広報媒体や自治会長、民生委員の皆様方の声かけ等御協力いただきながら、周知もしてまいりたいと思いますし、危機管理課の職員のほうも地域の防災訓練等にも出向しますので、この制度や登録後の対応について、こうした機会を捉まえて周知を図ってまいりたいと思っているところでございます。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
4番、井谷憲司議員。
4番(井谷憲司君)
地域の皆さんにも大変お世話になりますが、その対象者御本人が自分は誰に連絡したらいいのか、誰にお尋ねしたらいいのかということを把握していただけるところまでのやはり徹底が必要になってくると思います。まさに口で言うのは簡単ですが、それをしていくのは大変骨の折れることではございますが、やはりそこまで目指して、自分たちもやはり個人情報の関係とかそういうのがありますので、したくてもできない部分があります。やはり行政でしかできないというこの部分がありますので、民生委員さん、また地域の自治会の方との協力連携をとって、本人が安心して、こういうときはこういうようにここに連絡をとったらいいんだと、こういう行動をとっていけばいいということがわかるように徹底をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、若干話がその後、避難所の話に移らせていただきますが、そうした中で避難所に行きましたというときに、例えば、これは実は今回質問をするきっかけになったのが、先般これは宇陀市ではないんですが、ある地域に行ったときに、たまたまその人は若い方で、ふだんは普通に生活していらっしゃるんですが、たまたま足を骨折してしまった。そのときに地元の公民館で地域の寄り合いがあったときにスロープとかがなくて、段差を乗り越えながらその会場に行ったというときに、やはり自分がこういうようにちょっと足が不自由なときとかいうときになって初めて、ふだんは何げに使っている集会所や公民館ですが、こうなったときによくわかりましたと、非常に不便なんですという話がありました。非常にこれは大事な話だなと。
もちろん災害時に限らず、過去の一般質問でも議員さんのほうからそういうバリアフリーに関する質問もあったかなとは思うんですが、やはり通常の公共施設等々もこれはやっぱり必要になってくるということは、これをまさに実感したんですが、避難所について行ったときに、じゃあ、おトイレしたいけれども段差があるとか上に上りたいけれどもスロープがないとかいうこともあるのではないかなと思います。
そこで、避難所のバリアフリーの状況がどうなっているのか、状況あと現状をお聞かせいただきたいと思います。
議長(中山一夫君)
亀井危機管理監。
危機管理監(亀井一憲君)
お答えします。
まず避難所につきましては、現状、合併前の4カ町村からそのまま引き継いだ形となっております。現状としましては、市内66カ所が避難所として指定されております。
しかし、施設の老朽化あるいは管理の状況、地域の災害発生危険度等から避難所として適さない施設が現存しているのも事実であります。今後は施設の管理者等と協議も行いながら、将来的には市の地域防災計画の見直しに合わせて、指定解除も含め見直しを図ってまいりたいと思っているところであります。
そこで、避難所のバリアフリーのことについてでありますが、段差の解消やスロープ、手すり等何らかの対応がされている施設は66施設中33施設であります。未対応施設が33施設、そのうち今後バリアフリーの対応等施工計画がある施設は2施設であると伺っております。
ただ、基本的に災害対策本部が設置され、避難所が開設されるということになりますと、通常、職員等の配置がされていない施設につきましても職員の配置が行われていきますので、そうした事案については職員あるいは避難所にて協力可能な方々の支援もいただきながら、人的支援は可能であると考えております。見直し後の避難所施設のバリアフリー化につきましては、施設の管理者とも協議をさせていただきながら今後も検討してまいりたいと思っているところであります。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
4番、井谷憲司議員。
4番(井谷憲司君)
ありがとうございます。
決して大規模改修とかそういうことではなく、やはり簡単な仮設状態のものであっても、やっぱりスロープがあることで、日ごろのそういう集会所、公民館の施設というのも使いやすくなってくると思いますので、軽微なそういう対応であればいつでもできる、即対応をお願いしたいと思います。
それでは市長にお尋ねしたいと思います。
今後のそういった要援護者への対応、そして避難所のバリアフリーへの対応について現在どのようにお考えになっているのか、お考えを御答弁いただきたいと思います。
議長(中山一夫君)
竹内市長。
市長(竹内幹郎君)
災害時における要援護者への対応ということで井谷議員から質問いただいております。
昨今非常に災害が発生したときに、事前の避難というのが大きく議論されておりますし、マスコミで大きく報道されているため、避難者に対する関心が高く、今後も早目に避難という話が始まるのではないかなと考えております。
そうした中で、災害時における要援護者への対応と避難所のバリアフリーの対応ということでございます。
宇陀市におきましても、今後高齢化の進展に伴いまして高齢化率も上昇する中で、ますます災害時に支援が必要となる方々は増加をしていくのではないかなと懸念しております。宇陀市といたしましても、要援護者避難支援計画、そして要援護者台帳を作成しまして、情報共有しながら対応することとしておりますが、やはり物理的にも限界がありますので、地域の防災力の向上も含めて、それぞれの地域で自助、共助の体制づくりを自主防災組織やまちづくり協議会等とも連携していただきながら取り組んでいただきたいと思っております。
また、宇陀市の地域防災計画の見直しについても、奈良県の地域防災計画の見直しを受け実施する予定としておりますが、見直しに当たっては、やはり人命重視の観点から住民避難を重要項目と位置づけ、県との役割分担、連携のあり方等整合性を図りながら、見直しを進めてまいりたいと考えております。
特に、安全な避難所の確保が耐震、浸水、土砂災害含め必要不可欠でありますが、地域防災計画の見直しに合わせ、避難所として存続させるか否かを含め、施設の総点検も行わなければなりません。
その結果、本来の目的施設として継続することが前提となりますが、あわせて避難所として存続するのであれば、施設のバリアフリー化も含めて、施設の管理者とも十分協議の上、計画的に改修、改善に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
議長(中山一夫君)
4番、井谷憲司議員。
4番(井谷憲司君)
ありがとうございました。
先ほども申し上げましたが、本当に一人一人、一世帯一世帯全部環境が違います。場所ももちろん違います。環境も全て違います。一人一人に対応していくということは非常に大変なことです。時間もかかります。でも、やはりそれを進めていくことで、やはり住んでいらっしゃる皆様にも安心、災害が起こりそうなときでも、こうしていったらいいねんなということも感じていただけるということも考えております。
また、この一般質問だけではなくて、日ごろから管理監ともいろんな状況、こういうときはどうですかという話もいろいろ議論させていただいている非常にさまざまな状況ありますし、まだまだ徹底していかないといけない細かい部分、そういうのがたくさんあるということは、やはり共通の認識として持っております。そうした中で本当に丁寧な対応が必要になってくると思いますので、全力を挙げてお願いしたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは次のテーマに移らせていただきます。
次に、平成26年度の予算編成についての質問をさせていただきます。
あくまで来年、26年度の予算につきましては、3月の定例会での予算審議につきましては、皆さんも御承知のとおり、4月、選挙がございますので、あくまで骨格予算、市民の皆様の生活に支障を与えないという意味での骨格予算でありますし、暫定予算になることは、これはもう言うまでもありません。ただ、やはり考え方、方針ということも、これは必要であると考えておりますので、その一部について触れさせていただきたいと思います。
予算編成といいましても、大変幅が広いですので、今回、来年4月から施行されます消費税が増税されるその分の活用に絞って質問させていただきたいと思います。
先般、本会議2日目での質疑の中で、一部私の考え方についても触れさせていただいた場面もありましたが、改めてお尋ねしたいと思います。
御承知のとおり、先ほども言いましたように、来年4月からの消費税が5%から8%に増税され、さらに2015年10月からは10%に増税される予定となっております。
政府はこの増税分は社会保障分野の年金、介護、医療、子ども・子育ての分野に特化して活用するということを示しておられます。地方自治体にあっては、年金の部分を除く介護、医療、子ども・子育ての分野に活用するということを示しておられます。
私のほうで、単純にその比率で増税分が市にどれぐらい配分されるのかというところを単純にその比率で計算させていただいたところ、消費税が8%の段階で24年度、本年9月に決算審査がございましたが、その24年度の決算ベースでいきますと、地方消費税分につきましてはプラス0.7%で約1億7100万円、地方交付税分についてはプラス0.22%で約16億8000万円になると試算しておりますけれども、もちろん消費の状況もございます。また、4月からスタートですので、時期の状況もこれはあるかということは理解しておりますけれども、それはあくまで試算ということになりますけれども、質問に移らせていただきますが、来年、平成26年度の予算編成に当たって当局での数字の試算とこの増税分についてどのようにお考えか、事務ベースの話になるかと思いますが、御答弁いただきたいと思います。
議長(中山一夫君)
栗野企画財政部長。
企画財政部長(栗野肇君)
企画財政部の栗野でございます。よろしくお願い申し上げます。
それでは、議員お尋ねの平成26年4月よりの消費税率改正に伴います宇陀市の税収などに対する影響についてお答えさせていただきたいと思います。
消費税関係で影響を受けるものにつきましては、地方消費税交付金が挙げられます。現行の消費税は5%でありますので、そのうちの1%分を地方消費税交付金として各都道府県に交付されます。さらにこのうちの2分の1でございますが、各市町村の人口及び従業者数で案分して交付されることになります。宇陀市における平成24年度決算における地方消費税交付金の額は2億4410万円でございました。
今回の改正に伴いまして、地方消費税交付金がどのように変更になるのかにつきましては、現時点で明らかになっていることは、平成26年4月から8%に消費税率が改正されにことに伴いまして、先ほどの1%分の地方消費税交付金の交付率が0.7%上乗せされますので、1.7%になります。つまり、現在より1.7倍交付されることが見込まれますので、平成24年度決算ベースで換算しますと4億1497万円となりまして、先ほど議員からお示しのありましたように、約1億7000万円の増収が見込まれます。さらに今後予定されています平成27年10月に10%に改正されたとした場合には、年度途中での改正でございますけれども、現行の2.2倍、試算では5億3702万円と試算されまして、約3億円の増収が見込まれることになります。
ただし、交付基準について変更が予定され、現行分は人口と従業者数で交付されていますが、引き上げ分につきまして人口のみとなることから、実際の交付額に差異が生じることも予想されますので、確定はまだできません。
次に、もう一つの歳入であります地方交付税につきまして説明させていただきます。
普通交付税は、その年に必要であると見込まれる宇陀市の一般財源の必要額を算式にのっとり見積もり、基準財政需要額を算定することになります。また、宇陀市が自前で確保できると見込まれる市税や地方譲与税や地方交付金も算式にのっとり見積もりまして、基準財政収入額を算定します。この基準財政需要額と基準財政収入額との差額を普通交付税として交付されることになるわけでございます。現行では、この地方消費税交付金はこの基準財政収入額に含まれることになります。簡単に申せば、税収がふえれば一定割合普通交付税が減るという計算ルールになります。
ただ、今回の引き上げ分について、現時点では基準財政収入額に算定されるか否かについては、まだ明らかにされておりません。また、地方交付税の財源として消費税の一定割合がカウントされております。現行は消費税率換算で1.18%となっておりますが、これが平成26年度時点では1.4%になりまして、最終平成28年度には1.52%になるように聞き及んでおります。
この率だけを考えれば、地方交付税が増額されるようにも見えますが、国において消費税を含む法定5税だけでは地方に配分する地方交付税総額を賄えておりませんので、足し増しをしている状況であります。よって、この足し増し分の扱いが今後どうなるかによりまして、詳細については現時点では明らかでない状況でございます。
次に、消費税の増税分の活用についてでございます。
国の考え方は社会保障と税の一体改革という枠の中で実施されたものでありまして、議員質問にありましたとおり、医療、介護、子育て支援等に充てるという考え方でございます。
具体的な取り組みといたしましては、平成27年度から本格的に予定をされています子ども・子育て支援新制度が代表的な取り組みとなります。これは、幼稚園、保育所から認定こども園への促進や、保育の質を保ちながら、より多くのニーズに応えるための事業の創設、拡充が図られることになっています。
本市におきましては、子ども・子育て新制度に移行する諸準備としまして、子ども・子育て会議の開催、子ども・子育て支援事業計画の策定、新制度の管理システムの構築、また臨時職員、保育士等の処遇改善、さらに、子どもを産み育てやすい環境づくりなどに取り組んでまいりたいと思っております。
また、介護の分野におきましては、ふえ続ける介護サービスの給付費の市からの繰出金等にも充当しながら、国が示しております介護保険制度改革の中でうたっております地域の実情に応じた効果的なサービスの提供を考えてまいりたいと考えております。
国民健康保険制度に関する部分でございます。
まず、国民健康保険税の軽減措置の拡充がございます。これは低所得者世帯において、その世帯の所得の程度に応じて均等割額と平等割額を7割、5割、2割の軽減を現在行っております。この軽減世帯の基準額を引き上げて、5割と2割の軽減対象を拡大しようとするものでございます。
また、高額療養費の見直しにつきましても、平成27年1月から実施されることが予定されています。高額療養費は医療保険者が負担することになっておりますが、一定割合この高額療養費の見直し措置によってふえる国庫負担分に消費税増税分の一部が充てられることになっております。
以上、消費税の増税に伴いまして、制度設計の全体がまだ全て確定していない状況でありますが、現在私どもが得ている情報は以上のとおりでございます。今後とも正確な情報を把握して当市の予算に反映させていきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
以上、答弁とさせていただきます。
議長(中山一夫君)
4番、井谷憲司議員。
4番(井谷憲司君)
ありがとうございました。
この後はもう将来的な考え方ということになりますので、市長にお尋ねしたいと思います。
市長はこの増税分についてどのように活用していこうというお考えなのか。社会保障、福祉分野ということはもちろん限定はされておりますけれども、市長のお考えをお聞きいたしたいと思います。お願いします。
議長(中山一夫君)
竹内市長。
市長(竹内幹郎君)
井谷議員の消費税に係る26年度の予算編成についてということでございます。
消費増税が4月から実施されることについて、その増税分をどの財源とするのかということにつきましては、近年の国の福祉制度の充実を受けて、市町村にも負担が課せられたふえ続ける社会保障費に回ることはやむを得ないのではないかなと考えているところでございます。
しかし、その中におきましても、やはり宇陀市といたしましては、国の制度に合わせまして、子ども・子育て支援への力を注いでまいりたいと考えておりますし、また、医療や介護など社会保障費の抑制を図っていくことも大変重要なことであると考えておりますことから、私が今年度から提唱しております健幸都市ウェルネスシティ宇陀市構想を推し進めて、市民の皆さんが健康を意識できるような政策により、介護期間の少ない健康長寿のまちづくりに積極的に取り組んでいきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
基本的に、いつも総合計画の中でもいろいろ話をさせていただいておるんですけれども、やはり社会保障を支える仕組みづくりが必要ではないかなと思っております。そんなことも含めながら、宇陀市におきましても政策の中で生活、雇用、産業振興であり、健幸都市ウェルネスシティ宇陀市の構築であり、地域産業と市民協働の政策であるまちづくり協議会などと考えております。
その根底は、やはり少子高齢化、人口減少などを踏まえて、社会福祉を支える仕組みづくりが求められているのではないかなと思っております。これらの政策を着実に実行していくことが宇陀市にとってかけがえのないまちづくりにつながっていくと考えております。
社会福祉政策は国の制度設計に、また仕組みに大きくかかわる問題ですが、宇陀市は他の市町村よりも早く高齢化が進展すると考えておりますので、宇陀市の自然環境を生かしながら、宇陀市モデルと言われるような社会福祉政策を一つずつ実施していきたいと考えております。
しかし、社会福祉は全ての人に満足できるものではありませんが、御理解いただきまして、ともに一緒に頑張っていきたいなと考えておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
4番、井谷憲司議員。
4番(井谷憲司君)
ありがとうございました。
この増税分について、国で保障される部分、それ以外のところを市でどのように活用していくかということ、また金額についてもまだまだ未定ですし、消費が伸びれば、もちろんその金額も上がる、消費が買い控えや景気の腰折れがあると、それがまた下がってくるということもあります。非常に流動的な数字にもなってくると思います。それを負担の軽減の部分に使うのか、充実したサービスの提供という部分で活用していくのかというのは大変悩ましい部分でもあります。金額が決まっていれば、これだけということも言えますが、まだまだ未定であると、国の方針もまだという話もありましたので、明確な方針も決まっていない、まだ示されていないというのもありますので、大変悩ましい状況であるということは理解いたします。
合併特例の交付税の減少も今後出てきます。国民健康保険また介護保険の保険料を今後どうしていくのかということも本当にありますので、そうした負担軽減にもしっかりと主眼を置いていかないといけない環境はあると思いますので、その辺は共通認識ではあると思いますが、しっかりと私自身もその辺真剣に考えてまいりたいとは思っております。
今後合併特例の交付税の減少も出てまいります。今回の議会の中でも、その話も多数出てまいりました。また、ますます安定した行財政運営、市政運営というものが要求される中で、この増税分の財源の使い道というのは大変重要になってまいります。住民の声との隔たりがどうかということもしっかりお聞きいただいて、情報収集にも御尽力いただき、市民の皆様が求める宇陀市政へと進めていただくことを強く申し上げるところでございます。
そうした意味で、行政、議会、大変重い責任がますます出てきますので、しっかりと議論してまいりたいということをお願い申し上げまして、一般質問を終了させていただきます。ありがとうございました。
議長(中山一夫君)
井谷憲司議員の質問が終わりました。
次に、14番、山本新悟議員の質問番号7番「宇陀松山地区の街なみ環境整備事業について」、「奈良県、奈良市、宇陀市のうだ・アニマルパーク周辺環境整備の実施等に関する協定の推進について」、「道路管理について」の質問をお受けいたします。
14番、山本新悟議員。
14番(山本新悟君)
14番、山本新悟です。発言通告に従いまして、松山地区の街なみ環境整備事業について、奈良県、奈良市、宇陀市のうだ・アニマルパーク周辺環境整備の実施等に関する協定の推進について、道路管理についての三つについて一般質問を行います。
まず、宇陀松山地区の街なみ環境整備事業について質問します。
平成24年6月の定例会でこの問題について一般質問を行ったとき、10年計画で進めると答弁がありましたが、10年もたてば、先に工事をしたところは色あせ、傷んできます。そのようなゆっくりした計画では重伝建地区全体の統一感が損なわれますし、地元の人たちも、ぱらぱらと進む工事に不安を持っておられます。また、過去の一般質問で市長、教育長は、松山地区の文化財としての歴史的観光資源としての価値を全国に誇られるものと認識をされました。
では、なぜ10年もかけるのでしょうか。市は磨けば光るものをさびさせているのではないかと思います。重伝建施策として早急に完成させるべきではないでしょうか。
そこでお尋ねしますが、市はこの事業の原点は何か、何のためにこの事業に取り組んでいるのかを改めて明確にお答えください。
次に、奈良県、奈良市、宇陀市のうだ・アニマルパーク周辺環境整備の実施等に関する協定の推進について質問いたします。
奈良市の犬・猫処分を県うだ・アニマルパークが行うことについて、奈良県、奈良市、宇陀市は、うだ・アニマルパーク周辺環境整備の実施等に関する協定書を締結し、業務の範囲、周辺環境への配慮、環境整備事業の実施と経費負担、事業を履行するため、緊密な情報交換を行うことになったことは以前の一般質問でお聞きしましたが、その進捗状況はどのような状況になっていますか。県、奈良市の経費負担は予定どおり行われているのか、お尋ねいたします。
三つ目の質問ですが、道路管理について質問します。
ここ数年の間に市内に延びる道路の傷みが激しくなってきたように感じます。実際に市民の苦情をよく聞くようになりました。例えば道路のひび割れ、亀裂、穴ぼこ、白線の摩耗など目につきますが、交通事故の原因にならないかと危惧します。
また、道路側溝が堆積土砂などが詰まって全く機能していない場所が多く見られます。大雨になると川のように道路に水が流れ、大変危険な場所もあります。これも交通事故の原因になるおそれがありますが、道路排水を目的とした側溝の管理は適切に行われているのでしょうかをお尋ねして、壇上からの1回目の質問といたします。2回目は自席で行います。
議長(中山一夫君)
欅教育委員会事務局長。
教育委員会事務局長(欅啓典君)
教育委員会事務局の欅でございます。ただいまの山本議員さんの御質問にお答えさせていただきます。
宇陀市松山地区の街なみ環境整備事業についてというお尋ねでございました。
以前も山本議員さんも先ほど述べられましたけれども、昨年6月とことしの3月議会におきまして街なみ環境整備事業についての御質問をいただいております。回答内容が一部重複することもございますけれども、御了承願いたいと思います。
まず、宇陀松山地区の街なみ環境整備事業でございますけれども、平成12年に建設大臣から事業承認を受けまして、平成13年度から平成22年度の10年間の事業期間として、総事業費13億円、区域面積35ヘクタールを事業範囲と定めて進めてまいりました。これまでに、松山地区まちづくりセンター(千軒舎)の改修、まちづくりギャラリー(石景庵)の建設を初めまして、下町通り、酒蔵通りなど道路美装化工事を進めてまいったところでございます。平成22年度に事業完了ができないといたしまして、事業期間10年間の延長を国に申請し、承認されております。
当初の事業計画では10年間の総事業費を約13億円として進めてまいりましたが、平成22年度末では約4億4000万円の事業実施額にとどまりまして、進捗率が34%という進捗率となったところでございます。
また、この進捗率が伸びなかったという要因でございますけれども、財政状況等を含めまして、平成18年度の松山地区が重伝建保存地区に選定されたということでありまして、保存事業である古民家の修理補助事業等も始まりまして、街なみ環境整備事業とともに進めなければならなかったと、このような過去の経緯がございます。
10年間の事業費の合計でございますけれども、平成13年度から22年度まで約4億3800万円でございました。また、重伝建地区の予算額は約8300万円を使っております。平成22年度に事業期間の延長と事業内容の見直しを行いまして、平成32年度までの事業期間20年間、事業内容見直しによる総事業費10億円として国土交通省より変更認可を受けておるところでございます。
変更の事業認可を受けまして、平成25年度末の事業進捗率が約52%でございます。実施の事業費といたしまして、平成23年度から25年度まで約8500万円、重伝建の合計額が約9300万円となります。総実施事業費の合計が約5億2300万円、重伝建の合計額が約1億7600万円となります。街環事業と重伝建保存事業を合わせました総事業費が約6億9900万円となっておるところでございます。
街なみ環境整備事業推進には人的な配置が重要といたしまして、ことしの4月から土木技術職員が2名体制となっております。今後は整備体制の進捗率を向上しなければならないと、このように担当課で考えております。
松山地区の街なみ整備は歴史的な価値も高く、観光資源として活用できると、このように考えておりますので、重要施策として実施し、位置づけているところでございます。
整備事業完了に向けまして、残り事業期間7年間ではございますけれども、早期に完成すべく進めてまいります。
また、重要伝統的建造物群保存事業の町家保存修理補助事業も平成19年度から始まっておりますけれども、街なみ環境整備事業と同様に並行して進めてまいります。
以上、回答とさせていただきます。
議長(中山一夫君)
吉岡建設部長。
建設部長(吉岡博文君)
建設部から、アニマルパーク周辺環境整備の実施等に関する協定にあります環境整備事業の進捗について答弁申し上げます。
まず、環境整備事業の内容といたしましては、市道春日小附線の味座寺付近以南の未改良区間の改良、二つ目、宇陀市道春日藤井線の改良、これは市道春日小附線から市道北町線までの接続部分でございます。三つ目、うだ・アニマルパーク周辺の駐車場整備、市道春日野依線西側につくる予定でございます。これが1工区。四つ目、うだ・アニマルパーク周辺の駐車場整備2工区目としまして、市道春日小附線西側に設ける予定となっております。五つ目、うだ・アニマルパーク周辺市道の維持管理事業の5項目でございます。
これらの進捗状況でございます。
まず、1番目と2番目の春日小附線の味座寺以南の未改良区間の改良及び宇陀市道春日藤井線の改良につきましては、社会資本整備総合交付金事業の採択を受けまして、本年度測量設計を実施しており、おおむね法線決定された段階で関係者に説明させていただき、続いて用地買収のために地権者に交渉を行う予定でございます。用地協力が得られましたら、引き続き工事着手の予定でございまして、平成30年には完了をしたいと考えております。
3番目、4番目の駐車場整備につきましては、先ほど申しました道路改良の実施に合わせまして測量設計に入りたいと思っております。これも補助対象事業で採択いただけるよう、今現在県と協議中でございます。この事業につきましても、平成30年には完成をしたいと考えております。
5番目のうだ・アニマルパーク周辺市道の維持管理事業につきましては、小附1区の集落内を通じる市道春日小附線については、側溝、急カーブの隅切り工事が完了しておりまして、来年度、老朽化した舗装修繕を行う予定でございます。
また、市道春日野依線につきましては調査設計が完了しており、本年度一部の区間で舗装修繕を行う予定でございます。
その他周辺の維持管理につきましては、市道ののり面の除草作業を実施いたしました。
続きまして、事業に伴います奈良市、奈良県の経費負担につきましては、まず奈良市は総事業費を5年間に分けて負担いただくため、本年度分としまして12月末に納入予定となっております。
次に奈良県につきましては、本年度より5年間、出納整理期間内に当該事業年度分を出来高生産し、負担いただく予定となっております。
進捗状況と経費負担につきまして、以上、答弁とさせていただきます。
失礼しました。
引き続き道路管理について答弁申し上げます。
市が管理している道路、いわゆる市道でございますけれども、路線数としましては1685路線、延長につきましては745キロメートルでございまして、日々建設課が管理しているわけでございますけれども、議員御指摘のように、老朽化によりまして道路面などに影響が出てきている箇所も事実ではございます。
特に支障が出ている事例としましては、路面の穴ぼこ、ひび割れ、グレーチングのがたつき、倒木、側溝の破損等であり、状況によっては重大な事故に結びつく可能性もありますので、異常が発見された場合は速やかに現場に出向き、安全確保した上で修繕を行っております。
事故を未然に防止する意味からも道路管理は重要と考えており、日ごろからパトロールを行い、管理を行っているところでございますけれども、市内の隅々に至るまで確認作業は限界がありますので、庁内会議では、職員が外出したときなど道路の異常に気づいたときは、速やかに担当部署に連絡するなどの周知を行っております。
また、市民の方々からの連絡や通報などの情報提供は早期発見に有効でありますので、非常にありがたく思っておりますし、市民との連携は重要であると考えております。
次に、市道の舗装等修繕工事については、国県道を結ぶ主要幹線道路などにつきましては、社会資本総合交付金事業など補助事業により計画的に実施しており、また補助事業の対象とならないような小規模な舗装修繕工事などは、予算の範囲内において緊急性等勘案の上、優先順位をつけて実施しているところでございます。
いずれにいたしましても適切な道路管理を行い、安全な通行の確保に努めてまいりたいと考えておりますので、市民の皆様、危険な箇所など発見されましたら建設課に通報いただきたいと思います。速やかに対応させていただきますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、道路側溝の堆積土砂についてでありますが、特に山間部においては土砂や落ち葉がたまり、閉塞している箇所も見受けられます。また、最近では山間部では鹿やイノシシが暴れ、側溝が土砂で詰まってしまうケースもふえてまいっております。
議員御指摘のように、これを放置しますと大雨時に大雨の排水ができず、あふれ出して災害の原因にもなりますし、また冬場ですと凍結し、スリップの原因にもなります。
先ほど申しましたように、これらのことについてもパトロールなどで発見した場合は速やかに対応しているわけでございますが、相当の距離を対応するのも限界で難しい状況にあります。
除草も含め、地域内の生活道路の側溝は農業用の用水として利用されているケースもあり、農地に接している部分は個人の協力を得て除草や土砂上げなどを実施していただいているのが現状ですが、高齢化や耕作放棄地の増加により、出合いなどの共同作業が徐々に減少し、管理が行き届かなくなった箇所もあるのは事実でございます。
しかし、通行の安全確保や災害の防止の意味からも、状況に応じた対応により安全確保に努めてまいりたいと考えておりますので、地域の代表を通じまして協議させていただきますので、御協力よろしくお願いいたします。
以上、答弁とさせていただきます。
議長(中山一夫君)
14番、山本新悟議員。
14番(山本新悟君)
初めに、松山地区の街なみ環境整備事業の中で、教育委員の中に職員を配置して、毎年毎年職員がかわるということはどういうことですの。
議長(中山一夫君)
欅教育委員会事務局長。
教育委員会事務局長(欅啓典君)
人事異動によりまして、ことしの4月から1名、技術職員が文化財課に配属されたということで、技術職員が現在2名ということで事業のほうを進めてまいっているところでございます。
議長(中山一夫君)
14番、山本新悟議員。
14番(山本新悟君)
何ぼ職員を入れたって、職員がかわってしまってるがな、大体。その職員はずっとそのままちょっと間置いておいてくれて、事業をする間、何ぼか置いておいてくれんことには、勝手にそんなん1年そこそこでかわってしまったら事業が前向いて進みませんやん、違いますか、そうですやろう。
そして、街なみの事業の中でも早いこと進めな、どっちにしたって重伝建でも同じですけれども、重伝建の中で規制をかけてまで住民に協力してもうてるのやろう。市ももっと積極的に協力してあげて、こんなんだんだん住民は年とっていくし、重伝建できんようになってしまったら、何ぼ10年計画、何年計画言ってても、住む人がいなくなってしまったら、歴史的観光や資源や何やいうたって、住む人がおらんかったら前向いていかへん。もっと早いことしてもらわんことには、そうですやろう。その点ちょっと。
議長(中山一夫君)
欅教育委員会事務局長。
教育委員会事務局長(欅啓典君)
中心の松山通りですけれども、来年度から美装化工事に入らせていただきたいと、このように考えております。来年度の計画でございますけれども、工事区間が久保医院前から水の分かれ交差点までの約300メートルを予定しておるところでございます。
先ほど山本議員もおっしゃいましたけれども、やはり住んでいる方に迷惑というか御不自由をかけるということもございますので、御協力、御迷惑等おかけするかもわかりませんけれども、早急に計画どおりに進めていきたいと考えております。
議長(中山一夫君)
14番、山本新悟議員。
14番(山本新悟君)
先ほど言ったけど、ぱらぱら進めるって今現にそうです。あっちしたりこっちしたり、しやすいところばかりしてます。本線を先にして、それであれは延長何メートルあるのかは知らんけど、中の延長はあと残り幾らぐらいかかりますの、何ぼあって。
議長(中山一夫君)
欅教育委員会事務局長。
教育委員会事務局長(欅啓典君)
ちょっと今、残のほうの資料は持ち合わせておりませんけれども、来年度から3年間かけて本線というか、松山通りを完成させたいと、このように考えておるところでございます。
議長(中山一夫君)
14番、山本新悟議員。
14番(山本新悟君)
3年間かかって全部してくれますの。全線してくれますねんな。それははっきりこの場で言ってくれな、また言うだけでは。
議長(中山一夫君)
欅教育委員会事務局長。
教育委員会事務局長(欅啓典君)
先ほど申しましたとおり、26年度に300メートル、27年度に水の分かれ交差点から中京銀行前交差点、28年度に中京銀行前交差点から岡野石油前の交差点までと、このように計画を立てて実行するつもりでございます。
議長(中山一夫君)
14番、山本新悟議員。
14番(山本新悟君)
それやったらそれで結構です。3年でそれをしてくれるんやったら、間違いなしにしてくださいよ。
重伝建の街なみ、家のほうはどうなってるのか、住居のほうはどうなってるのか。保存地区住民との制限についてやってるねんけど、それは毎年毎年少しずつ、もうちょっと件数をふやすとかできませんのか。
議長(中山一夫君)
欅教育委員会事務局長。
教育委員会事務局長(欅啓典君)
重伝建の中の改修、修景でございますけれども、予算の範囲内で計画を立てまして優先順位というか、どの家から進めていくというのを委員会の中等で決めまして進めていっております。現在も進めておるところでございますし、来年度もこのようなやり方で計画的に進めていきたいと考えております。
議長(中山一夫君)
14番、山本新悟議員。
14番(山本新悟君)
これ予算は国が半分か、市が4分の1、何ぼ、ちょっとそれを聞きたい。
議長(中山一夫君)
欅教育委員会事務局長。
教育委員会事務局長(欅啓典君)
今年度の予算でございますけれども、3409万6000円が重伝建の保存地区の事業費でございます。予算額でございます。そのうち国費が1684万3000円、県費が336万8000円、一般財源として1388万5000円というのを計上させていただきました。
議長(中山一夫君)
14番、山本新悟議員。
14番(山本新悟君)
それやったら半分以上は県が見てくれるんやろう。その倍出したら、もうちょっと住居等はもうちょっとできますんやろう。そしたら市はもうちょっとその金額は出されへんのか、今の現状で。予算はつけることでけへんの。
議長(中山一夫君)
欅教育委員会事務局長。
教育委員会事務局長(欅啓典君)
教育委員会といたしましても予算要求のほうはしているわけでございますけど、市全体の予算額の配分ということになりますので、我々にいただいた予算の中ではこういう金額でさせていただきたいと思っております。
議長(中山一夫君)
14番、山本新悟議員。
14番(山本新悟君)
この件にちょっと市長、答弁お願いします。
議長(中山一夫君)
竹内市長。
市長(竹内幹郎君)
重伝建地区の整備につきましては、貴重な御意見、たびたび山本議員からは御意見をいただいております。そうした中で、行政といたしましても担当者1人増員いたしまして、熱意を込めてやらせていただいておるところでございます。
今回、街なみ環境整備事業を10年間で完了しないとして事業期間の延長をいたしましたけれども、大宇陀松山地区の整備事業につきましても、これからも引き続いて重要な課題として進めていきたいと思っております。
しかしながら、何回も御意見いただいておるんですけれども、宇陀市の財政規律を遵守しながら整備事業を進めていきたいと考えております。財政規律を超えてまで整備はできないのではないかなと考えております。
ですから、そのほかたくさん宇陀市には行政課題がございます。子どもたちのためにも、やはり投資をしなければいけませんし、そしてまた高齢者のためにも、やはり福祉施策も含めてしっかりした制度設計が必要ではないかなということでございますので、しっかりやっていきたいなと思っております。
そうした中で一つお願いしたいことがございます。
今回、松山地区の整備事業につきまして、中京銀行の買収も考えております。ですから、そんな活用方法もいろいろ御議論いただきたいと思っております。先ほど山本議員の話にもございましたように、整備はするけれども住んでいる人がいないということがないように、しっかりそんなことも含めて地域づくりをお願いしたい。
今私はまちづくり協議会の設立を熱心に地域の方々にお願いしているんですけれども、なかなか大宇陀の中心部の方々のまちづくり協議会が進まないという報告もいただいておりますので、そんなことも含めながら、やはりソフト事業も含めながら住民と一体となった地域づくりが必要ではないかなと考えております。そんなことも含めながら、建物の改修も、その後の管理運営計画なども含めながら、考慮しながら考えていきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
14番、山本新悟議員。
14番(山本新悟君)
そしてまた今度はアニマルパークやけれども、アニマルパークの周辺の浄化槽とか小附春日線は今やってますのやろう。そしたら、あそこの浄化槽とかああいうのは、全然設計も何も組んでないのか、住民から何も言ってきてないのか、それはどっちですの、浄化槽。
議長(中山一夫君)
堂芝市民環境部長。
市民環境部長(堂芝一成君)
市民環境部の堂芝です。
合併処理浄化槽の件で御質問ということなんですが、これについてはアニマルパークの建設当時から地元の協議の中であった話で、当時、下水道整備というところがあったんですが、いろんな経済性とかその辺を考慮して合併浄化槽となっております。
整備につきましては、小附1区約30件ほどございますけれども、本年度、25年度につきましては一応6件という計上をしておりましたけれども、事実上は1件のみの現在のところの要望というところでございます。
計画については5カ年計画で進めておりますけれども、その分の充当する予算のほうについては、その都度計上をしておりますので、整備が進むように市のほうも努めていきたいと思います。
議長(中山一夫君)
14番、山本新悟議員。
14番(山本新悟君)
そしてこれ、犬・猫の処分は今、奈良市が月に何頭ぐらい入ってきてるの。
議長(中山一夫君)
堂芝市民環境部長。
市民環境部長(堂芝一成君)
処分頭数のほうなんですが、24年度の実績でまず報告させていただきますと、これは1年間なんですが、収容頭数のほうが2070頭、これは犬・猫合わせてでございます。そのうち処分に携わったものが1898頭、残りの頭数につきましては、譲渡とか返還というようなところでございます。
ちなみに市のほうで申し上げますと、宇陀市のほうでは収容頭数のほうが24年度末で168頭となっております。また、処分におきましては162頭というところで、6頭のほうが返還及び譲渡という状況でございます。
以上です。
議長(中山一夫君)
14番、山本新悟議員。
14番(山本新悟君)
奈良市から何ぼ入ってくるのか、2000、そんなに入ってますねんな、2000何ぼ奈良市から。
議長(中山一夫君)
堂芝市民環境部長。
市民環境部長(堂芝一成君)
今申し上げました宇陀市分を引いたというところで考えていただいたら結構かと思います。
議長(中山一夫君)
14番、山本新悟議員。
14番(山本新悟君)
そしたら、今これ奈良市から処分が入ってるということは、奈良市からも補助金はもらってますんやな、補助金は。
議長(中山一夫君)
堂芝市民環境部長。
市民環境部長(堂芝一成君)
済みません、先ほど頭数の件、報告させていただきましたが、私、報告させていただいたのは県の報告の頭数でございまして、奈良市だけのやつは、ちょっと今のところ数値的には持っておりません。
議長(中山一夫君)
14番、山本新悟議員。
14番(山本新悟君)
市からは今、犬・猫の処分は入ってますのやろう、200か知らんけど入ってますのやろう。その中で、処分は入ってるねんけど補助金は入ってへんの。これ、どういうことよ。補助金もらってから処分入るのと違うのか、逆と違うのか。
議長(中山一夫君)
吉岡建設部長。
建設部長(吉岡博文君)
ちょっと質問の内容があれなんですけれども、御質問は処分に係る費用のことでしょうか。
議長(中山一夫君)
14番、山本新悟議員。
14番(山本新悟君)
奈良市からの補助金はくれますのやろう、奈良市からの補助金。
議長(中山一夫君)
吉岡建設部長。
建設部長(吉岡博文君)
環境整備事業に係る負担金につきましては奈良市からいただくということで、先ほど説明させていただきましたように、総事業費の5年分で割っていただくということでございます。
議長(中山一夫君)
14番、山本新悟議員。
14番(山本新悟君)
それやったら、管理の補助金もみんなあの辺周辺の管理300万円と言ったやつも今は出てますのやな。今要望したらよろしいのか。
議長(中山一夫君)
吉岡建設部長。
建設部長(吉岡博文君)
先ほど申しましたように、12月末に納入される予定となっております。
議長(中山一夫君)
14番、山本新悟議員。
14番(山本新悟君)
それと道路管理やけれども、道路管理の水路が詰まってと先ほど聞いたけど、全線に水路が詰まってるのはわかってますのやろう。苦情が来てますのやろう。鹿、イノシシが暴れたって、そんなん大体わかってるのやろう。わかってるんやったら、詰まってるところを何で掃除しないのか。住民から苦情来てへんの、これ、道にしろ穴ぼこにしろ割れたところにしろ。私らのところへ来てますけれども、市役所か区長さんか誰も言ってきてないの。
議長(中山一夫君)
吉岡建設部長。
建設部長(吉岡博文君)
穴ぼことかそういう舗装の修繕要望なりの要望は、かなりの件数で自治会を通じて来られておりまして、例えば先ほど答弁させていただきましたように、そういう管理が行き届かない山間地域なりの場所につきましての道路側溝の詰まりなどは、なかなか把握し切れておりませんが、地域の方々もそういう形で要望もされてくるところもありますけれども、されてないところもありまして、なかなか隅々まで現状把握ができていないという状況でございます。
地域からの要望がございますと、管理者のほうで側溝の掃除なり、また経費がかかる部分につきましては業者委託なり、それと地域の方々に対しまして原材料支給、重機の借り上げなどの提供をさせていただきまして掃除をしていただいているという状況でございます。
議長(中山一夫君)
14番、山本新悟議員。
14番(山本新悟君)
穴ぼこはそれでできても、亀裂とか延長の長いところ、たくさんありますやろう。そういうところは今設計はしてるのかな。まだ全然未定かな。
議長(中山一夫君)
吉岡建設部長。
建設部長(吉岡博文君)
宇陀市内の舗装の修繕箇所把握は建設課のほうでさせていただきまして、優先順位をつけながら舗装修繕、それと先ほども申し上げましたように、延長の長い部分につきましては、国の補助をいただきながら事業の計画をしているということでございます。
議長(中山一夫君)
14番、山本新悟議員。
14番(山本新悟君)
それやったら、延長の長いところは補助金つけていただいてやってくれたらそれで結構やけど、私らのところあちこち、特に大宇陀も昔はよかったけれども、全然もう亀裂が入ってどうもならんようになってきてるし、菟田野なんかやったら特に悪いわ、菟田野、室生なんかやったら。職員は行ってわかるんやけど、見て見ないふりしてるだけと違いますのか。金がないから、それは仕方ないけれども、水路ぐらい掃除はできますやろう。水路の掃除ぐらいやったら職員いつもおるのに。といって、職員にしてくれ言ったらシルバー人材センターを雇ってきてそんなんしとんねんもんな、それで予算ないって、当たり前や、予算ないの。そらそっちへ持っていってるねんもん。職員でする気はさらさらないねんもん。正味で職員が足らんてなるやろう、違いますのか。職員はようけおるのかおらへんのか知らんけど、市長は職員減らせとは言ってるけど。そやけど、道路の管理はちゃんとしたってくれんことには住民が困るわ、そうですやろう。
今テレビ見てはる区長さんなりそんな人がみんな言ってきはるで、それやったら。できるのやったらできる、ちゃんとしたってくれんことには。そうですやろう。それはそれでいいわ。
もう終わるけど、総まとめで市長、お願いします。
議長(中山一夫君)
竹内市長。
市長(竹内幹郎君)
いろいろ山本議員から多岐にわたる御意見をいただきました。
アニマルパークも含めて、本当に地域の方々の協力もいただいておりますものですから、やはりしっかり奈良県の協力をいただきながら、地域がより充実するような形をしていきたいなと思っておるところでございます。
そうした中で、奈良市の小学校の児童がアニマルパークへ来ていただいて、自然と命の営みを通じて情操教育などもしていけるような教育にも生かしていきたいなと考えておるところでございます。そんなことも含めながら、地域の環境保全に対しても、しっかり制度設計も含めて奈良市の支援をいただきながらつくっていきたいなと思っております。
一方、道路管理の件でございますけれども、先ほど担当者が申し上げましたように、宇陀市内では非常に長大な距離数もございますので、発見されたときには、やはり少しであれば地域の方々の御協力をいただきながら修繕もお願いしたいと思いますし、側溝の掃除も少しというか、できるのであれば、地域の方々でお願いしたいと思っております。
しかし、できないというか、大規模になりますと、やはり行政がしっかりそれは整備をしていかなければならないと思っておりますので、いろいろ本当に満足できるという環境にはならないと思うんですけれども、やはり行政としても最大限努力をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
議長(中山一夫君)
14番、山本新悟議員。
14番(山本新悟君)
これで街なみ環境整備事業とまた道路管理、アニマルパークのほう、よろしくお願いいたしまして、私の質問を終わります。
議長(中山一夫君)
山本新悟議員の質問が終わりました。
これより10分間休憩いたします。
会議は午前11時40分から始めます。
午前11時30分休憩
午前11時40分再開
副議長(井戸本進君)
休憩前に引き続き会議を再開いたします。
次に、15番、高橋重明議員の質問番号8番「近鉄線無人化計画と今後の対応について」の質問をお受けいたします。
15番、高橋重明議員。
15番(高橋重明君)
議席番号15番、日本共産党の高橋重明でございます。
質問通告に基づきまして一般質問をさせていただきますが、質問番号8番、近鉄線無人化計画と今後の対応についてをテーマといたしております。私は一括方式でございますので、最初に二、三質問させていただきまして、後ほど自席にて再質問をしたいと考えております。
また、この件につきましては、室生の住民の方から私のところへ電話が入りまして、私も当時知り得た資料については該当の方の自宅へ赴きまして届けたわけでございますが、大変関心事でございますので、理事者側におかれましては、私の質疑応答については私に対する答弁ではなくて、その市民に対する答弁として詳しく御答弁をよろしくお願いしたいと思います。
それでは早速質問に入らせていただきます。
既に新聞等で多くの方が知ることになりましたが、近鉄室生口大野駅、三本松駅での駅員無人化計画については、多くの利用者及び地元の方から不安と不便を訴える声が届いております。直接的には近鉄本社に対して無人化計画の撤回を求める声もありますし、またそれに対して行政は何をやってくれるのかという声もございます。
さきの9月議会の最終日だったと思いますが、当時の井上副市長が議場を中途退席されて近鉄本社へ赴いたということで私も承知をしておりましたが、その後どのように事実経過が進んでおるのか、その点についてお聞きしたいと思います。私も地域事務所長へも伺いに参りましたが、ぜひその点詳しくお願いしたいと思います。
それでは、1点目は近鉄本社との交渉経過並びに地元住民への説明についてはどのようになっているのかを第1点質問させていただきます。
二つ目でございますが、近鉄室生口大野駅は、御承知のとおり室生寺、大野寺を初め、市の施設であります芸術の森山上公園などの観光地の玄関口となっております。また、最近では旧室生高校跡地を県は埋蔵文化センターの収蔵庫としたいという提案もございますし、奈良県東部振興計画の一環にも入っているように聞いておりますので、市におかれましては、今後室生口大野駅前の開発についてどのような計画をなされておられるのか、その点についても住民の方に御説明をいただきたいと思います。
3点目でございます。
いずれにせよ、駅無人化については、特に不安は高齢者、障がい者、車椅子利用者、妊産婦等社会的弱者への対策は絶対必要であります。高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆるバリアフリー法が施行されております。その第1条では、「高齢者、障害者等の移動上及び施設の利用上の利便性及び安全性の向上の促進を図り、もって公共の福祉の増進に資する」と書いております。このことについてもう一度認識をしていただいて、基本的には近鉄本社の考え方を再考願えないものか。できなければ、行政として住民の安心・安全のためのどういう施策があるのかをお聞きして、壇上からの質問を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。
副議長(井戸本進君)
森本企画財政部次長。
企画財政部次長(森本彰一君)
失礼いたします。企画財政部次長、森本でございます。高橋議員の御質問についてお答えさせていただきます。
まず一つ目、交渉の経過についてということでございます。
まず、近鉄駅無人化計画につきましては、今日までの経緯についてを説明させていただきます。
ことしの夏、7月末に近畿日本鉄道株式会社の担当者のほうから駅運営管理体制の再構築の実施についてということで、大阪線の一部駅係員無配置化についての説明をいただきました。
その内容につきましては総務文教常任委員会でも御報告させていただきましたが、御承知のとおり、近鉄では沿線人口の減少による乗降客の減少及び経営合理化のため、利用客1日3000人以下の駅を対象に平成22年度より駅係員無配置化を進めており、今年度は12月下旬をめどに県内では9駅の無人化、これを予定しておるという内容で、宇陀市では室生口大野駅、三本松駅が対象となるということでございました。近鉄全線では292駅の無人化を期間内に計画しておると、こういうことでもございました。
当然ながら容易に承服はできかねますことから、まず、9月初めに橿原市を中心とした県内関係5市による要望活動のため、近鉄本社を訪れ無配置化の再検討を要望しました。またその間、奈良県県土マネジメント部から近畿日本鉄道株式会社に対しまして、駅運営管理体制の再構築の実施について、無配置化の再検討及び関係地域への十分な説明を行うよう近畿日本鉄道株式会社に意見書を提出していただきました。
次に、10月下旬には、奈良県市長会として会長である御所市長と副会長であります宇陀市長、竹内幹郎が本社要望に参りました。最後に、室生口大野駅は観光繁忙期の乗降客が多いなど、状況が他の駅と異なりますことから、宇陀市単独での要望活動も行い、11月13日には宇陀市単独要望として竹内市長と担当の私とで現状維持の要望に本社に出向いてまいりました。
以上3回本社を訪れ、さまざまな方法により室生口大野駅・三本松駅係員無配置化計画の再考について働きかけてまいりました。また、担当レベルでも何度も近鉄の担当者と話し合いを持たせていただいたところでございます。
しかし、近畿日本鉄道株式会社側からは、輸送人員はここ20年で3割減少しており、企業としての経営合理化のための苦渋の決断であり、撤回を検討する余地はない、また、今まで平成22年度より57駅を無配置化してきましたが、トラブルは一切なかった、公共交通事業者として、この責任を果たすために企業を維持しなければならない、したがって、この計画は粛々と行わせていただくという回答でございました。
一部粘り強い交渉をさせていただきました結果、春、秋の観光繁忙期には駅係員を配置する日を設けるという特段の配慮をいただいたところでございました。
また、県内にはJR御所駅のように、御所市とJR西日本が費用の分担を行い、鉄道会社にかわって自治体が駅を管理する事例があること、また他県においては、駅舎を借り受け、地域活動の拠点としている事例もありますことから、人件費を行政が負担して駅員を配置していただく案や、駅構内に観光案内人を設置するために駅舎を借り受けさせていただくと、こういう提案もさせていただいたところでございますが、近鉄側からは、市が駅舎を借り受け、人員を配置しても、駅構内で発生した事故に対しての責任はあくまでも近畿日本鉄道株式会社側にあり、責任の分界点は曖昧にしたくない等の理由をもとに、駅舎を借り受け、駅構内に人員を配置することに対して近畿日本鉄道株式会社側は消極的でありました。
次に、地域住民への説明はどうしたのかというお尋ねでございますが、近畿日本鉄道株式会社へ地元住民説明はどうするのかといった問い合わせをさせていただいたところではございますが、駅利用者に対して、無人化を実施する1カ月前より駅構内にポスター掲示等のお知らせを行い、それをもって鉄道利用者に対しては周知をできたものと考えておりますと、また、市役所に報告した時点で責任を果たしたものと思っておりますというお話でございました。
宇陀市として、行政として鉄道会社にかわって地元説明を行うことは必要はないと考えておったところではございますが、12月21日から実施されてしまいます駅係員無人化につきましては、地域の皆様方のために周知する必要もあるという判断をさせていただきまして、過日、室生連合自治会から上がっておりました要望書の回答、無配置化に対する回答とともに、その文書を地域に周知させていただきましたところでございます。また、うだチャンネルとともにホームページも掲載して啓発をさせていただいております。
地域住民の方への説明につきましては以上でございます。
次に、二つ目の室生寺、山上公園、旧室生高校跡地利用など、東部振興計画との関連はという御質問でございます。
駅前の再開発計画につきましては、後ほど建設部長のほうから御答弁させていただきますが、私のほうからはそちらの回答をさせていただきます。
室生口大野駅につきましては、皆様御存じのように室生寺や大野寺など有名な観光地がございます。今年度から室生寺のライトアップもスタートさせていただきましたところでございます。また、市の施設である芸術の森山上公園につきましても、その存続のためPRに余念がないところでございます。
また、駅から徒歩数分にあります旧室生高校につきましては、来春に(仮称)埋蔵文化財収蔵センターとして、県の施設として仮オープンいたします。今後その施設を活用して宇陀市のPRもさせていただこうと計画しておるところでございます。
室生地域は、まさに宇陀市における観光の拠点として交流人口をふやすべく、現在東部振興においても大和高原をアピールしていくというところでございます。こういった中で、室生口大野駅における市民はもとより来訪者の対策は必要不可欠なものと思っております。
そこで、最後の質問としまして、利用者への安心・安全対策は、特に障がい者、車椅子利用者、高齢者等の対策はということでございます。
こちらにつきまして、近畿日本鉄道株式会社の説明によりますと、近鉄榛原駅からの巡回係員の配置と録画機能つきの遠隔監視システムの設置により、トイレ清掃も含めた駅設備の点検や異常時の対応等安全確保に努めていただけるほか、障がい者、車いす利用者等の乗降の介助についても、事前の連絡は必要となりますが、担当駅の榛原駅の係員が対応するということでございます。
しかし、それら市民の方々にとって無人という心の不安を取り除くことはできないことから、近畿日本鉄道株式会社が何もしていただけないのであれば、室生口大野駅舎外の改札前付近に宇陀市が試験的に一定期間、臨時案内所を設けることを申し出て、近畿日本鉄道株式会社より了承を得ております。今回12月補正でその関係経費を計上させていただいたところでございます。
これにより駅係員の不在を埋め、観光客や利用者に対して情報の提供や案内のサービスを行うことのみならず、利用者の心の安心や有事の連絡等の対応ができるような体制づくりを進める予定であるとともに、今回の案内所は臨時設置でございます。臨時設置、一定期間設置しましたその設置の結果を踏まえ、継続が必要であれば、将来的にはまちづくり協議会や地元団体、NPO等またはボランティア団体、こういった団体へ運営をお任せできないか、室生地域事務所とともに協議し、費用対効果が賄えるそういった方法、方策を考えております。
臨時案内所につきましては、補正予算確定後、速やかに近鉄と協議を行いまして、できる限り早い時期に臨時案内所を設置する方向でございますが、設置するまでの間の空白期間につきましては、室生地域事務所のほうでパトロールをするなり、こういった方向を今検討中でございます。よろしくお願いいたします。
以上、私のほうからの答弁とさせていただきます。
副議長(井戸本進君)
吉岡建設部長。
建設部長(吉岡博文君)
建設部の吉岡でございます。よろしくお願いします。
駅前再開発について私のほうから答弁申し上げます。
室生口大野駅は室生寺、大野寺などアクセスする玄関駅でございますので、過去には観光客でにぎわった駅でもありました。
しかし、現在に至りましては、観光来訪者も自家用車使用率が高くなりまして、鉄道利用の来訪者が減少したことに加えまして、地域の人口減少に比例しまして鉄道利用客も減少しております。現在では、鉄道利用者は1日当たり1400人程度となっておりまして、宇陀市の将来人口におきましては、2030年には1000人を割り込むと推測されております。
このようなことから、ますます室生口大野駅のにぎわいがなくなってしまうことになりますので、にぎわいを取り戻す方法を検討しなければなりません。交流人口をふやし駅前が活性化することを地域の皆様と一緒に考えていかなければならないことから、昨年、室生地域事務所が中心となっていただきまして、地域の代表の方々と意見交換を行っていただきました。それで整備素案を作成していただいております。
また、奈良県が進めている旧室生高校跡を活用した埋蔵文化財収蔵施設と、先ほど申しました駅前整備素案や周辺の道路環境も含めまして、今年度から地形測量の作業に入らせていただきまして、交流人口がふえる仕掛けづくり検討委員会を立ち上げまして、この審議をいただく予定でございます。交流人口につながる施策がまとまり次第、市民の皆様に整備計画案を示させていただき、事業化することになろうかと思います。
このように、周辺の活性化、まちづくり、交流人口増加につながるコンセプトをしっかりつくって取り組んでいきたいと思っております。
以上でございます。
副議長(井戸本進君)
15番、高橋重明議員。
15番(高橋重明君)
ただいま3点にわたり具体的に説明をいただきました。
既に近鉄本社に対しては、市長を初め関係団体とも協働して申し入れをしておるということですし、そのことについては私も聞いておりますが、実は奈良県議会でも9月議会で全会一致で意見書を採択しております。駅の無人化に関する意見書ということで、知事も近鉄本社に申し入れをすると。その基本は、やはり公共鉄道でございますので、公共機関としての役割を果たすべきだということだと言っております。
ただいまの森本次長の答弁の中でも、あくまでも企業論理で乗降客人数がもう3000人を切っているから無人化するんだと、既にもう計画は変えることはできないという高飛車な考え方だと思うんですけれども、私もここに資料を見ますと、既に近鉄の無人化は2010年以前には2駅、2011年には10駅、2012年には6駅、この13年度には9駅、合計27駅で、近鉄沿線ではもう約3分の1が無人化されるという数字になります。
そういう意味では私どもは、かつては住民にとっての通勤、通学の乗降客の駅であったし、駅前のにぎわいの拠点にもかかわらず、人口減少、少子高齢化の中で、そういう経営効率のみの判断でされることについては異議があるわけです。
もう一つお伺いしたいのは、先ほどの答弁の中で、私は室生口大野駅は特別だと思っております。きのうの1日の一般質問の中でも、観光の活性化を図るべきだということで各同僚議員からも意見を申しておりますが、やはり拠点という以上は乗降客をふやしていただくということでは積極的にできるのではないかと思っておりますが、春と秋の観光シーズンを限定して駅員も配置してもいいという答弁を聞いたという、その点についてもっと詳しくお聞きできないでしょうか。
副議長(井戸本進君)
森本企画財政部次長。
企画財政部次長(森本彰一君)
先ほども申しましたが、本社のほうで室生口大野駅は奈良県の他のことし無配置化されます駅に比べますと、観光客が多いということでは全然状況が違うと。観光客というのは、やはり地域の方ではなくて、どういうようにバスに乗って、どういうように室生寺や観光地に行けばいいかとかそういった不安またはニーズがございますので、やはり遠方から来られた方の案内等について、やはり不安を生じさせますよということも言っております。そういったところでお話しさせていただいたら、室生口大野駅につきましては、やはり多客時には対応させていただくと。ただ、春と秋でも毎日きっちり置くということではございませんでして、多客になるという状況の期間だけ置くということでございました。そこは御了承願います。そういう状況でございます。
副議長(井戸本進君)
15番、高橋重明議員。
15番(高橋重明君)
私も特殊だと考えておりますし、逆に言えば、最近の企業論理は経営の判断で、それは企業論理でやむを得ないと思いますが、しかし、やはり特にグループ化された企業の中で交通部門は不採算部門になるという形で切り捨てていくと、片方では、百貨店、レストラン部分は強化するという方向で経営戦略を移動しているのは私も判断できるわけですが、やはり地元のそこに人間がおるわけですから、やっぱりそのことに対する経営判断だけじゃなくて社会貢献が必要だと思うんです。幾ら大きな企業になったとしても、効率が悪いとしても、それを不採算部門を採算部門でカバーしていくというのも社会貢献の企業論理だと思うんですが、その点がだんだんとどの企業も少なくなってきて、もうけさえあればいいと。食品材料の偽装問題も、まさにレストラン部門をコストカットしていくという中であらわれた現象ではないかと私は考えております。
そこで、住民の声は、やはり無人化されると不安だということで、二、三紹介いたしますと、女子高校生が部活で遅くなると、そのときにはもう大変困ると、不安だということを聞いておりますし、まして室生口大野駅はホームがカーブに差しかかっておって、すき間がほかのホームよりも広いんだと。だから、もしお年寄りがそこへ転落した場合、対応できないのではないかと。先ほどの御答弁では榛原駅のモニターから駆けつけるという、それでも時間がかかるわけですね。例えば乗降のとき切符を落としても、それを拾えないというときに対応できない。構内についてはあくまでも行政はタッチできないということですので、その点の不安があるわけですね。そういうことについても、やはり住民の不安、乗降客の不安には対応することをさらに強く申し入れていく必要があると思います。
それで、私は逆提案といたしまして、昨日の一般質問の中でも観光の活性化の中で、近鉄は3000人以下は切り捨てていくという考え方であれば、逆に言えば、一例を挙げれば、室生寺が世界遺産になれば乗客はどんどんふえるのではないかと。そのときに1日平均3000人を超えるわけですから、行政としては地元のそういう活性化策の中の一環として、そういう施策も同時に進めていってもいいのではないかと、私もきのうそういう感じを持ちました。
その点、逆提案として、駅前を活性化し、なおかつ観光客の来客を多くすることによって近鉄もそれに対応せざるを得ないと。先ほどでは、春と秋の1シーズン、まだ決定ではないと思うんですけれども、そういう提案をどんどん行政の側から近鉄にも申し入れていってもいいのではないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
副議長(井戸本進君)
森本企画財政部次長。
企画財政部次長(森本彰一君)
高橋議員おっしゃるとおりでございます。
実際、案内人を置くとしても、どういう時間帯まで置くかということになりますと、近鉄の営業時間ずっと置くということも、費用対効果もございます。その辺は引き続き近鉄に対して、ホームのすき間の件もございますが、要望はこれで終わりではなくて続けてまいりたいと思います。
観光を活性化して1日の乗降客平均3000人を超したらいいじゃないかという、そのとおりでございます。室生を先ほども申しましたように観光を利用して来訪者をふやすと、こういうことを積極的に行政としても進めていかなければならない。今回、何度も申し上げましたけど、室生のライトアップ事業というのをさせていただきました。行政のみならず、室生寺と地域の方々と行政とでやりましたイベントでございます。これがもっともっと来訪者がふえるように来年、再来年と続けてまいりまして、それが近鉄室生口大野駅で乗降客が一定期間ではございますがふえていくと、こういう形が望ましいと考えております。
また、室生寺のほうも、この秋の紅葉ライトアップ以外の時期もやりたいということをおっしゃっておられましたので、そこはまた市としても一緒にお話を聞かせていただいて、そしておっしゃるように、3000人を超して戻れば、それはそれで係員が来ていただける、または春、秋の多客という結果につながると思っておりますので、市としても一緒に努力させていただきたいと思っております。
以上です。
副議長(井戸本進君)
15番、高橋重明議員。
15番(高橋重明君)
これから読み上げます文章は、むしろ近鉄本社へ持っていくべきだと私は考えるんですが、障害者基本法第21条第2項では、「交通施設その他の公共的施設を設置する事業者は、障害者の利用の便宜を図ることによつて障害者の自立及び社会参加を支援するため、当該公共的施設について、障害者が円滑に利用できるような施設の構造及び設備の整備等の計画的推進に努めなければならない。」と、法はこう規定しているわけです。
そういう意味では、私は今の経済活動が効率一点主義、もうからないところは切り捨てていくという考えではなくて、やはり公共施設としての役割を大いに果たすことをお願いし、また引き続いて市長にいろんな面での活動をしていただくよう、住民の安心・安全のための、それからまちづくりの活性化のために一層の御協力を願うことを最後に市長の答弁を求めて、私の質問を終わらせていただきます。
副議長(井戸本進君)
竹内市長。
市長(竹内幹郎君)
高橋議員から、いろいろ室生口大野駅についての御意見をいただきました。
本当におっしゃるとおり、室生口大野駅そのものは大きな宇陀市の観光のファクターだと考えておりますし、何らかの形をしなければいけないという形の中で、担当者が申し上げたような対応をさせていただきました。
宇陀市の主張と申し上げますのは、やはり本当に重要な時期でございますし、ほかの駅と異なるのは、やはり関東、東北からのお客さんというんですか、信者の方が来られる確率が高いという問題、そしてまたビジターの方がたくさんおいでになりますものですから、少しやはり道案内的にも高齢者の方々にも配慮が必要ではないかということで、今回補正予算を計上させていただいたところでございます。
しかし、近鉄そのものの企業体質というんですか、そういうことも含めて、やはり公共交通機関、そしてまた沿線の社会的価値を上げよう、そしてまた乗降客をふやそうというようなそういう気概が見られないものですから、私が公共交通機関としての社会的責任を果たしていただきたいというような申し入れもさせていただいております。
近鉄にそういう申し入れをさせていただきながら、一方では、私たちの宇陀市の室生口大野駅でございますので、より利便性を追求できるように、そしてまた今回、橿原考古学研究所の埋蔵文化財センターという話もございますので、その辺の動線も含めて少し考えさせていただきたいと考えております。そのために今年度予算で駅前付近の地形図の測量をさせていただいておりますので、その地形図ができ上がった段階で、地域の方々とともによりいい形の中でできることからさせていただきたいと思っておりますし、そのときにはまた地域の方々の御協力もいただきたいと思っておりますし、また今後その乗降客の問題もございますものですから、地域の方々は本当に近鉄の室生口大野駅、また三本松駅を利用していただいて、近鉄に乗っていただいて、そういう運動も進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
以上でございます。
副議長(井戸本進君)
高橋重明議員の質問が終わりました。
これより休憩いたします。
会議は午後1時20分に再開いたしますので、それまでに議場にお入りください。
午後0時12分休憩
午後1時20分再開
副議長(井戸本進君)
休憩前に引き続き会議を再開いたします。
12番、山本繁博議員より、ただいまから本日は欠席をさせていただきたいという旨の届け出が出ており、これを受理しております。
次に、1番、勝井太郎議員の質問番号9番「ファシリティーマネジメントの推進状況について」、「市役所のコンプライアンスについて」の質問をお受けいたします。
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
こんにちは。1番、勝井太郎でございます。議長より許可いただきましたので、一般質問をさせていただきます。
ファシリティーマネジメントの現状についてと市役所のコンプライアンスの2点についてお尋ねをさせていただきます。通告に従いまして、順次質問をいたします。
まず最初に、ファシリティーマネジメントの現状の進捗状況についてお尋ねをいたします。
2年前の9月議会でファシリティーマネジメントを初めて取り上げさせていただきまして、そのときに台帳の整備、公有財産の台帳がなかったんですが、整備をするという答弁をいただきました。その後も多くの議員が質問を取り上げたり行財政改革委員会のほうでも取り上げていただいて、議会としてもですし、市役所としても進めていただいているのかなというのは感じておりますが、いよいよ台帳整備のほうもそろそろ完成が見えてきておりますので、改めまして質問をさせていただきます。
この12月議会でも、集会所機能を持つ施設については一元管理に向けて条例改正が提案されるなど、ファシリティーマネジメントは着実に進んでいると評価しております。
一方で、下水道の更新計画などインフラの更新計画については、今後の更新費用が幾らなのかがしっかりとまだ把握されていないものがあるのではないかと思われます。施設の統廃合を進めたりとか費用の見直しのために、将来にわたるコストというのはしっかり把握をしておく必要がございますけれども、今現状ファシリティーマネジメント取り組んでいただいておりますが、インフラのところについてはどのような現状なのか、説明を求めます。
副議長(井戸本進君)
堤水道局長。
水道局長(堤正明君)
水道局の堤です。よろしくお願いします。
下水道更新についての取り組み状況についてお答えをさせていただきます。
下水道施設の更新費用につきましては、本会初日の行財政改革特別委員会委員長報告にもありましたように、今後50年で約100億円を必要とする試算をしております。これは、既存施設について単に耐用年数で更新するというものでなく、長寿命化計画をし、なおかつ対象施設を絞り込んだ上での数値でございます。絞り込みについては、材質や設置場所の条件等を勘案し、下水道台帳及びポンプ場管理台帳をもとに行いました。
本試算につきましては長期計画でもありますので、台帳や施設の設置条件により概算として把握することにとどめたものでございます。
また、この費用につきましては平均しますと年間2億円が必要になるわけですが、更新、更生につきましては多少の偏りがございます。平成31年度以降、膨らんでくるのではないかと考えております。
今後はファシリティーマネジメントを導入し、事業費の適正配分に当たっては各施設の重要度、有するリスクを勘案し、更新すべき施設、長寿命化を図る施設、少し先送りする施設、前倒しする施設等判別する必要があります。正確に施設の状況を把握し、より効果的かつ適正化を図り、施設の管理運営を行ってまいりたいと思っております。
続きまして、水道事業、簡易水道事業の現状についてお答えします。
宇陀市の水道事業につきましては、市民生活を支えるライフラインであり、日常の利便性の確保とあわせ、安定給水の確保と安全な水道水の供給を推進していく施設の整備・拡充について平成20年策定の総合計画において定めていまして、総合計画に基づき平成22年6月に策定しました宇陀市水道ビジョンにおいても、中長期の目標を立てて進めているところでございます。
現在宇陀市には、一つの上水道事業ほか簡易水道、飲料水供給事業合わせまして20カ所の事業があります。職員により点検等、日常管理している状況であります。ファシリティー管理する上で、水道水源となる原水水質に不安を持つ浄水場につきましては廃止を決断し、隣接の浄水場からや他の配水系統等条件が整えば、連絡管にて水を賄う手法も一つであると考えています。
また、耐用年数が近づいている配水池やポンプ場なども、条件によっては廃止していくよう計画しなくてはならない。できる限り施設などの統廃合することで、維持管理の負担、経費の負担を抑え、効率的な事業運営を行うことが目指すべき姿と思っております。
以上、簡単でございますが、答弁とさせていただきます。
副議長(井戸本進君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
水道局のほうより説明いただき、ありがとうございました。
9月議会でも、どれぐらい更新費用がかかるのかというのを質問させていただいて、100億円かかるという御答弁をいただいております。それについては本当にありがとうございます。
ただちょっと気になるのは、この計画、上水道もですし、下水道もどちらも更新していくと、かなりの費用がかかるということが見込まれるということと、平成33年以降にもう一度大きな修理が必要ということなんですが、平成33年というのは合併特例が実は切れるときなんですね。28年から合併特例が切れていきまして、そこから少しずつ1割ずつぐらい減っていきまして、平成33年は今よりも財政規模が20億円ぐらい縮小している状態になります。そこから今度は更新のことを考えないといけなくなってまいりますので、これ財政としてどうしていくのかということが絶対に必要です。総合計画ということもありましたけれども、こういうことを進めていく上で財政としてはどうお考えになっているのか、企画財政部のほうよりよろしくお願いいたします。
副議長(井戸本進君)
栗野企画財政部長。
企画財政部長(栗野肇君)
ただいま質問のありました財政的な問題でございます。
公共の財産のうち、市役所あるいは地域事務所、学校、病院などの建築物、また道路、橋梁、また今報告がありましたとおり上水道あるいは下水道の維持管理費、これは老朽化に伴いまして補修費が今後確実に増嵩していくということが予測されるところでございます。将来にわたりまして公共施設を健全に維持管理していくためには、補修に伴う経費を確実に確保することが肝要であると考えております。
平成30年度からスタートします次期の総合計画、こういうものにも新たにこういう維持管理についての考え方を位置づけることも大事であるのではないかなと考えております。
財政部門といたしましては、公共施設の維持管理に伴う費用を年度ごとに財政計画に盛り込むというために必要な財源をいかに確保するか、今後検討していきたいと思っております。
一昨日ですけれども、総務省のほうから、2014年度からこういう公共施設の管理の計画につきまして、公共施設等総合管理計画を各自治体に作成を要請するというような記事も載っております。こういう中で、財政的な支援もいただけるのかなと思っておりまして、こういうようなものを活用しながら今後維持管理の計画あるいは維持補修というところを進めていきたいと思っております。
以上でございます。
副議長(井戸本進君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
御答弁ありがとうございます。
財政の裏づけなしでやるのは難しいですし、この問題は別に宇陀市特有の問題ではなくて、ありとあらゆるところで起きている問題です。高度経済成長期にいろんなインフラ投資をしてきたりとか箱物をたくさんつくってきていまして、その更新というのが今本当迫ってきていますので、今からしっかり準備をしておけば、きっと国のほうからも国土強靭化計画であったりとかいろんな支援の施策も出てきてますので、先取りをして準備をしていくことというのは大変必要ではないかと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
インフラという観点で、建設部のほうにもインフラをたくさん管理していただいておりますので、建設部のほうからも見解をよろしくお願いいたします。
副議長(井戸本進君)
吉岡建設部長。
建設部長(吉岡博文君)
お答えしたいと思います。
建設部のほうでのFMということで、建設部が所管する公有財産としましては、道路、河川、公園、公営住宅、特に議員お尋ねの代表的なものといたしましては、道路、橋梁、トンネルなどがございます。
まず事例から申し上げますと、橋梁につきましては、平成20年度から橋梁の長寿命化を図るため、社会資本総合整備交付金事業によりまして、市内の橋梁のうち15メートル以上の橋梁につきまして点検を行ってまいりまして、今年度におきましては、橋梁の長寿命化修繕計画を策定中でございます。
この橋梁長寿命化修繕計画は、従来の対症療法的な修繕とか更新から予防的な修繕及び修繕計画に基づく更新への転換を図ることにより、長寿命化及び修繕費用の縮減を目的としておりまして、また昨年、国の緊急経済対策によりまして道路ストック点検も補助事業として制度化されたことによりまして、市としましてもこれらの制度を有効に利用しまして、トンネル、舗装、のり面、道路照明など道路附属物の点検を実施しているところでございます。これらの点検に基づきまして、長寿命化の修繕計画を策定しております。
この修繕計画は、重要性に応じて維持すべき水準を設定しまして、維持管理の合理化、効率化を図る検討を行い、そしてコスト縮減の検討を行い、修繕に伴う予算の裏づけ及び優先順位をつけまして、今後インフラの更新や修繕の平準化を図る上で重要であると考えております。
ちなみに、今101橋の修繕計画に基づきまして修繕費用を参考に申し上げますと、約20億円程度がかかるのではないか。橋梁につきましては550橋程度ありますけれども、550橋の修繕を入れますと、はかり知れない額というようなことになってきます。
続きまして、市営住宅についても申し上げたいと思います。
全国的にも市営住宅を持っている自治体もかなりございまして、市営住宅につきましては、宇陀市につきましては建築年度が昭和34年から建築が始まりまして、平成9年までと経過年数が54年から16年経過しておりまして、今後ますます修繕等の費用負担の増加が予想されます。
このことを十分理解し、ファシリティーマネジメントの観点から建てかえ、大規模改修という選択肢でなく、住宅の保全状態等を勘案して長寿命化を図っていくと同時に、人口減少に伴う住宅ストック計画に基づき除却等行い、適正管理戸数に努めてまいりたいと思います。
現在行っているファシリティーマネジメントについて事例をお答えします。
老朽化した修繕不能な住宅を修繕せずに政策的に空き家としています。公営住宅のストック計画をもとに、長寿命化修繕計画により毎年国の補助を受けながら計画的に修繕を行ってきております。
さらには、宇陀市の将来人口から必要戸数をシミュレーションいたしまして、政策空き家としている住宅、募集停止している老朽化した住宅の除却や空き家募集も応募がない住宅、市が借地している住宅等の整理も含めまして、ファシリティーマネジメントを行っていかなくてはならないと考えまして、予算の範囲内で取り組んでおります。また、改良住宅におきましては、有償譲渡の検討も入っております。
このように、宇陀市の公営住宅、改良住宅全てファシリティーマネジメントを引き続き行いたいと考えております。
以上でございます。
副議長(井戸本進君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
御答弁ありがとうございます。
公営住宅であったりとか学校という公共団体が持っている建物、箱物の中で一番多いのは、その二つでございまして、大体どこでもその二つで全体の延べ床面積の50%を超えていることが多いんですね。ただ、どちらもどちらかというと聖域になっていることが多いところでして、それ以外ですと集会所類似施設ですけれども、どれも整理統廃合というのは大変困難だと言われているものですけれども、だからといって、財政のことだったり人口の今後の見通しを考えると、そのままにしておくわけにはいかないものでして、朽ちていく順番に少しずつ閉じていくという方法もありますが、どこかで整理をしていく、もしくは統廃合を進めていくということも十分必要になってくるのではないかと思われるものでございます。
このことを最初に取り組みを提案したときに答弁していただいたのが総務部のほうでございまして、総務部のほうの管財のほうの台帳整理から始まったものでございます。行財政改革の担当も総務部でございますので、改めまして総務部のほうより今のファシリティーマネジメント、現状どうなっているのか、説明をよろしくお願いいたします。
副議長(井戸本進君)
内田総務部長。
総務部長(内田一哉君)
失礼いたします。総務部、内田です。よろしくお願いしたいと思います。
勝井議員お尋ねのファシリティーマネジメントの進捗状況、現状はどうなっているのかということでございますけれども、現在公有財産のデータベース化というところで管財課が進めております進捗状況についてお答えしたいと思います。
このデータベース化につきましては、新地方公会計制度の基準に対応するため、市が保有する公有財産に関する土地建物を調査、整理するとともに、データベース化することにより、適正な公有財産管理を行うことを目的としておるものでございます。
現在市が保有する公有財産に関する情報を洗い出して、必要なものについて現状確認を行いながら、一元的なデータベースを構築する作業を進めておるというところでございます。
成果として見込まれますのは、資産ごとの再調達価格や耐用年数が把握でき、データベースをファシリティーマネジメントのデータベースとして活用し、展開していくことも考えられるというシステムでございます。
差し当たっては、新地方公会計制度への運用及び施設管理への活用を考えておりますけれども、ファシリティーマネジメントへ移行する場合は導入費用が必要となりますし、所管する部局だけでなく、全庁挙げてこの検討、調整が必要になってくると、このように考えております。
以上でございます。
副議長(井戸本進君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
ありがとうございます。
今までいろんな部局から説明いただきましたが、水道局、公共下水道のメンテナンスをするだけで100億円かかるという先ほど数字が出ておりました。道路でも今わかっている範囲で20億円。これ全ての公営住宅であったりとか建物を全部足しますと、恐らく1000億円とかそれぐらいのとんでもない金額になることはほぼ間違いないんですが、ただ、そのじゃあ具体的にどれぐらいお金がかかるのかであったり、それをいつ更新していくのかというのは、まだこれからの課題だと思うんですね。
実際に9月議会でのやりとりでも水道局のほうから説明ありましたが、今これから先、直すのにかかるお金は100億円です。これ100億円以外に今、市立病院の横にある宇陀川の浄化センターも宇陀市に移管されますので、その分を足すと、さらにはね上がることになります。
一方で、1年間に今水道局が下水道の整備に、下水道の修繕に使っているお金というのは3000万円程度でして、今のペースでやっていきますと、20年後ぐらいに物すごい事故が起きる可能性があります。上水道も一緒でして、今1週間に2回程度の漏水の事故が起きていまして、そのたびに直しているという現状があります。今のままで行きますと、もし大震災クラスのことが起きますと、多くのものが破断をする可能性があります。東日本大震災のときに東京の九段会館の天井が落ちて人が亡くなられたであったり茨城県の鹿行大橋が落橋をして人が亡くなられた事故がありました。あれは震災がもちろん原因ですが、最大の原因は老朽化でございました。老朽化をしていたから九段会館だけが天井が落ちてきたわけですし、老朽化をしていたから鹿行大橋が落ちたわけです。未然に防ごうと思ったら十分防ぐことができたわけですが、防げなかった事例でございますので、ぜひですけれども、そのあたりのところを考えていただきたいと思います。
先ほど総務部、内田部長のほうからデータベースの完成のめどが立っているということと、今後データベースができた後、ファシリティーマネジメントを推進していくためのシステムというものを導入することができるというような御答弁ございましたが、これについては総務部だけではなくて、財政であったりとか実際にものを管理している建設部であったり水道局であったり、これはもちろんほとんどの部局にまたがるものですけれども、実際にこういうものを進めていくこと、1000億円ぐらいかかる費用をどう平準化していくかというのは仕組み必要ですし、今後建てる建物であったりとかは、いつできて、いつどのようなメンテナンスをしていったという履歴は残す必要があります。
これ、台帳整備をわざわざしていただいた最大の理由は、台帳がなかったことと、私の出身の室生村の事例ですと、室生村はほとんど台帳がなかったそうです。台帳がないというのはどういうことかというと、新しいものを建てたら、それを修理をして使っていくということではなくて、老朽化をすれば全て建てかえればいい、過疎地域特例債がありますので、修繕をすることよりも新しいものを20年、30年で建てかえ続ければいいという、恐らくそういう行政判断していたと思うんですが、それを今後も続けることは大変難しいと言わざるを得ないと思われます。
宇陀市となって全域が過疎地域ではありませんし、今後についてもどのようにしていくのか、システムを導入するなり、もしくは新しい維持管理をするための体制というものはつくっていく必要を感じているのかどうか、改めて見解を伺います。
副議長(井戸本進君)
内田総務部長。
総務部長(内田一哉君)
失礼いたします。ただいまの勝井議員の御質問に対してお答えしたいと思います。
まず、私が所管をしております行政改革の観点のほうから申し上げたいと思います。
現行の第2次行政改革大綱におきましては、市の財政を悪化させている根本的な要因を整理する必要があるとし、施設の統廃合が大きな課題と捉えまして、宇陀市の総合計画を視野に入れた総合的まちづくりを進めるためには、宇陀市全域を見渡し、それぞれの施設の位置づけを明確にして施設をスリム化させていかなければならないと、このように指摘をしておるところでございます。
このためには、現在管財課において進めております公有財産データベースをもとに施設評価を行いまして、市全体として適正な施設配置を検討することが可能になってまいると、このように考えているところでございます。
以上でございます。
副議長(井戸本進君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
企画財政部のほうに改めてお尋ねいたします。
この仕組みやシステムを入れていこうと思うと、これは当然予算措置も必要になると思いますし、新しいもし部署をつくっていくということでしたら、それについてもやはり予算措置であったりしていく必要が出てくると思います。総合計画であったり長期の修繕計画をつくるということと、実際にそれを運営をしていくということ、これは企画とそれから財政のところと、それから実際に管理をしていく総務と密接に連携が必要だと思いますし、その密接な連携のもとで、ほかの部局ともつながっていく必要というのが出てくると思いますけれども、先ほど御答弁いただきました計画をつくっていく上で指標となるようなデータベースの整備であったりとか、そういう仕組みというものは今後必要になると認識されておられますでしょうか、よろしくお願いいたします。
副議長(井戸本進君)
栗野企画財政部長。
企画財政部長(栗野肇君)
こういう基礎的なデータベースがあって初めて、公有財産の維持管理、どれぐらいの今後費用が要るかということが出てくるわけでございますので、そういうための基礎的な資料作成のための費用、これは必要だと思っております。
また、先ほどもちょっと申し上げましたが、今後それを実際実行しようと思いますと相当費用がかかってくるということがございます。このあたり、先ほどちょっと御紹介しましたとおり、総務省のほうからもそういう市町村に対する支援という形のものは出てきております。こういうものを活用しながら、できるだけそういう特定の財源を確保しながらこういうものを展開していくということで進めていきたいと思います。今のところ具体的なものはないので、その程度しか申し上げられませんが、そういう姿勢で臨んでいきたいと思っております。
以上でございます。
副議長(井戸本進君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
御答弁どうもありがとうございます。
施設の整理統廃合という観点から改めてお尋ねいたします。
整理統廃合をしていこうと思うと、当然指標が必要になります。幾ら更新費用がかかる、今後人口はこういう見通しになっていく、そういう統廃合を進めていくことというのは恐らくやっていかなければいけないと考えておられると思います。そのことをしていく上で客観的な数字を把握しておくことと、それから今まで整備していただきましたから、今後のつくっていく公有財産を同じようにデータベース化されていって、しっかり更新費用というのを把握されていくと思うんですけれども、そのような体制というのは今現状の体制で十分でしょうか、それとも、もう少し踏み込んで新しい部署をつくるなりというのは必要でしょうか、その点についてはいかがお考えでしょうか。
副議長(井戸本進君)
内田総務部長。
総務部長(内田一哉君)
お答えしたいと思います。
指標についてということでございますけれども、基本的な考え方といたしましては、維持管理コストといったランニングコストが高い施設、大規模修繕といったイニシャルコストが必要な施設、耐震化の課題など安全性に問題がある施設、設置の意義が薄れた施設または利用率の少ない施設、市内に類似施設が複数ある施設等々であると認識をしています。
これら統廃合を検討する基準ということであろうと考えますけれども、市民の理解を得るためには客観的な指標を示す必要があると考えます。
先ほども申し上げましたけれども、このためには施設評価というものが必要になると考えますし、そのもとになるデータベース、このようなものが必ず必要になってくると考えるところでございます。
また、議員の御指摘のとおりでございますけれども、ファシリティーマネジメントへ移行する場合は導入費用等が必要になってくるわけですけれども、所管する部局だけではなくて、全庁挙げて検討、調整が必要になってくる今後の課題であると、このように認識をしております。
以上でございます。
副議長(井戸本進君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
ファシリティーマネジメントを進めていって整理統廃合をしていくというのは、なかなか厳しい局面というのはたくさん出てまいります。というのは、情ではどうにもならないところが実際に出てまいりますし、例えば何かの施設をなくすという決断をすれば、全員が納得する形というのは大変難しいですね。でも、実際に市内を見渡すと、この施設とこの施設は明らかに統合できるんじゃないかと思われるものがまだまだ存在していると思いますし、今までの方針というのは、先ほど建設部長もおっしゃっていましたけど、順次老朽化が進んだものから少しずつ閉めていくという方法をとっていますけれども、これはどこかで、そうではなくて思い切った統廃合を示していく必要が出てくると。特に、33年以降の財政が縮小するときまで同じことをしてても、実際に除却をするための補助であったりというのも今後出てくると思いますので、どう統合していくのかであったり、どう機能を統合していくのかという議論、必要だと思います。
その議論をするためには絶対客観的な指標、必要になりますし、財政の枠がなかったらこれはできませんので、そこのところはぜひ今進めていただいているファシリティーマネジメントをさらに進めていただいて、台帳の整備を超えて、ぜひ仕組みとして導入していただけたらと思いますし、それをした上で今度は市長であったり議会の政治判断というのが恐らく出てくると思います。
判断をする上で間違ってはいけないのは、かわいそうかとかいう情ではなくて、今後のまちのために何が必要かという冷静な議論と客観的な数字に基づいた決定であると思うんですね。地域にはもちろん僕も愛着もありますし守っていきたいなと思うのはありますけれども、今後のために何が必要かというところはそこではなくて、ぜひ数字に基づいて判断していただきたいと思いますし、もし利用している方が余りにも特定の集まりの場合だったら、そこは見直す必要もやっぱり出てくると思います。そのときに判断する指標というのは絶対必要ですし、それなしで決めていったら、結局私たち議員に近い集落が守られたりとか、もしくは市長に近い方が守られたりとか、市役所の職員と仲いい方は守られるけれども、そうではない真面目に仕事をしている方はほっておかれるということが起きかねませんので、そこはそうではなくて冷静に物事を判断していただくためにぜひ必要だと思いますので、進めていただきたいと考えております。
この施策をやっていく上で、大きく必要な市長の監督であったりとか市長の調整というのは大変必要になってきます。というのは、教育委員会の持っている建物というのは基本的に教育委員会に所属しておりますが、市長にはその調整権がありますので、工程の管理であったりとか教育委員会が持っているものについても基本的な管理をすることができます。そのような観点から、市長はどのように今後統廃合であったりとか施設の適正化についてお考えになっているのか、所見をお伺いいたします。
副議長(井戸本進君)
竹内市長。
市長(竹内幹郎君)
宇陀市の施設についての御質問でございます。
宇陀市が合併いたしましたものですから、本当に施設がたくさんございますし、その運用につきましては本当に重要な課題かなと考えております。
市内の公共施設につきましては、合併以後、効率的な施設運営を図るため、市民の利便性の向上を勘案しながら同種施設での統廃合、廃止など、さまざまに取り組んでまいりました。
今期定例会で提案しております集会施設の一元管理及び農業の6次産業化推進に係る伊那佐文化センターを利用した施策は、施設の有効利用を図る上でも有効なものと考えております。
また、維持管理面におきましても、長期的な展望に立って補修、改修、長寿命化対策を実施するなど、ファシリティーマネジメントの考え方に沿った施設の管理運営を心がけてまいりました。
しかしながら、今後歳入の減少が見込まれる中で、これらの保全や維持管理に多額の経費が必要になることが予想されており、限られた財源を効果的、効率的に活用しながら一定のサービス水準を保っていくためには、ファシリティーマネジメントによる改築や複合化あるいは廃止等による最適化により、過大また不要なコストを持たないことが求められると認識しております。
これには組織横断的な考え方も必要であろうと思いますし、関係する計画との整合を検討する必要もあります。また、市民の理解を得られることが重要であり、前提となると思います。
いずれにいたしましても、市有資産のストック情報の適切な把握が必要であると考えており、現在進めております公有財産のデータベース化をもとに、その結果を見た上で検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
副議長(井戸本進君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
御答弁ありがとうございます。
このファシリティーマネジメントを進めていく上で、もう一つ考えておかないといけないことは、ハードを守ることが大事ではなくて、建物だったら、その建物を使ってやっていること自体が多分大事なことで、何をするかが大事だと思います。
極論を言いますと、市役所が仮にこれ建物なくなっても、行政サービスができていて窓口があったら回るわけでございます。ハードをソフト化するというのも選択肢としては実際に存在すると思います。
例えば全部を賃貸物件に移動するなんていうこともできるでしょうし、建物を建てかえるんじゃなくて、今既存のものを買い取って使うということもできると思います。箱物を建ててやっていくということというのは、どっちかというと失敗事例のほうが多いです。大分前の一般質問でも示させていただきましたけど、桜井の駅前のエルト桜井、閑古鳥が鳴いてまして、あそこは複合施設ですね。建物、公民館とそれから商業施設とそれから住居、それから駅前の駐車場を複合させてますけれども、見事なぐらい失敗をしています。エレベーターがとまっていてエスカレーターもなくて、出ていっている専門店が嵐のようにありまして、スーパーはしょっちゅう撤退をしているという現状がありますので、建てるということよりも生かすということが大事だと思いますし、実際にファシリティーマネジメントを提案してから、それが着実に進んでいっていると思いますので、ぜひさらに進めていただいて市民にとって一番よい形になるように、今のあるものをそのまま使うだけではなくて、使うところを変えるだけで住民サービスをもっと向上させられるかもしれません。例えば市民課をサンクシティに移してしまうなんていうのもあり得るかもしれませんし、24時間やろうと思ったらできるかもしれません。
そもそもですけれども、窓口の交付を全部やめてしまって、全部外の商店に委託してしまえば、その仕事そのものをなくすこともできますし、維持すること自体も、そこでやる必要もなくなります。
ファシリティーマネジメント自体は建物の維持管理だけではなくて、行政サービス全体の適正化に恐らくつながることだと思いますので、そのような観点で、この仕事はここでしかできないという思い込みを思い切って外していただいて、ほかのところでもできるもの、例えば住宅の場合、公営住宅が存在するということではなくて、恐らく快適な居住空間で安心で安価な住宅が手に入るというのが恐らく住民にとっての願いだと思いますし、市立病院でしたら、ちゃんと救急のときに診てもらって治してくれる医者のいる病院があるということが恐らくだと思うんですね。
公営住宅があるということだったり市立病院があるということだったり、何か公民館があるということが恐らく住民の最大のニーズではないはずですので、一度全てソフト化できないかどうかまで踏み込んで考えていただきたいと思いますし、似たような施設は、できるだけ今集会所条例の統合出てますので、できるだけ統合していただいて、住民の窓口負担であったりとかいろんなものが改善されるように望みたいと思います。
それでは、2問目のコンプライアンスについて質問させていただきます。
不祥事って、これはあってはならないことですが、どうしても過失とかもありますので、根絶することはできません。でも、この近い1カ月ぐらいでも新聞に載った事件、一部事務組合も入れますと2件ございまして、新聞もにぎわせているということが実際にございました。
もしですが、法令違反行為であったりとか非行行為があった場合というのは、分限・懲戒処分の対象に照らし合わせて分限懲戒審査委員会を開いた上で処分するということが求められていますし、実際にそのような基準、こういうことをしたら分限・懲戒しますという基準も示されております。
信賞必罰というのは組織のマネジメントをしていく上で大変大事なものでございますけれども、分限・懲戒についてどのようなルール、手続に基づいて行われているのかと、それから市役所のコンプライアンスについて今どのようにお考えになっているのか、2点説明をよろしくお願いいたします。
副議長(井戸本進君)
内田総務部長。
総務部長(内田一哉君)
総務部、内田です。よろしくお願いいたします。
ただいま勝井議員から御質問がございました、まず市役所のコンプライアンスはどうなっているんだということでお答えをしたいと思います。
公民は憲法第15条において全体の奉仕者とされ、地方公務員法第30条において、「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない」、このように定められております。
市政運営を着実に進めていくためには、市役所と職員に対する市民からの信頼が不可欠であることは言うまでもなく、組織として、職員として、コンプライアンスを常に認識しなければなりません。
一般的にはコンプライアンスは法令の遵守と言われますが、地方公務員法では、採用時において服務の宣言を行い、公務員としてこの義務を尽くすことの宣言、倫理的自覚を促すために行います。
採用時以降、法令及び上司の命令に従う義務、信用失墜行為の禁止、秘密を守る義務、職務専念義務など、公務員にはコンプライアンスのもととなる義務が課されています。
市民との信頼関係を構築していくために、個々の職員が公務員としての立場を認識し、これらの法令に基づき適正に職務を遂行すること、これは当然であり、また、職場外であっても、法令、社会規範やマナーについても率先して遵守しなければなりません。
また、組織においても信賞必罰は必要であり、職員が法令や服務に違反した場合は、分限・懲戒処分等を行うことになります。
分限は、その公務の能率の維持及びその適正な運営を確保という目的から、職員がその職責を十分に果たすことができない場合、行う処分でございます。
懲戒は、公務員としてふさわしくない行為や職員の服務義務違反に対して行う処分で、いずれもの処分も、職員分限懲戒審査委員会におきまして協議をし、処分案を決定、任命権者が処分を行うと、このような仕組みでございます。
私たち職員は、コンプライアンスの向上に取り組み、市民の視線で日々点検し、常に改善意識を持ち、質の高い行政サービスの提供につなげていくことが大切と、このように考えております。
以上でございます。
副議長(井戸本進君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
余り楽しい質問ではありませんけれども、続けさせていただきます。
この組織の中で、市役所の中で、コンプライアンス違反行為もしくは分限・懲戒、懲戒の基準に当てはめて分限・懲戒処分をするかどうか検討しなければいけないようなことがあった場合、どのように実際に処分というものがされていくのかと、それから、これ例えばですけれども、万引きとかして黙ってたらわからないと思って黙ってられるとどうしようもないんですけれども、そういう場合、第三者が仮に何かした場合、何かしていることを知っていたりすることもあるかもしれません。例えばひき逃げをして逃げたというときに同乗者がいたら、その同乗者の方は、この人ひき逃げをしたと、ひょっとしたら言ってくるかもしれません。そういうようにだったり、横領していることをたまたま見つけてしまうなんていうことも十分あり得るわけですね。何か帳簿上おかしいものがあったりとかそういうこと、誰かが第三者が不正をしていることを見つけた場合というのは、どのような形でその処分であったりとか適正化に向けて進んでいくのか、そのあたりについての説明をよろしくお願いいたします。
副議長(井戸本進君)
内田総務部長。
総務部長(内田一哉君)
失礼いたします。お答えをしたいと思います。
組織内でコンプライアンス違反があったときは、もしくは発見したときはどのように処理をされるのかというお尋ねでございます。
職員の法令違反や非行などを把握した場合は、所属長が任命権者に対しまして職員の義務違反を記載した非違行為報告書を提出します。この非違行為報告書により、内部機関であります職員分限懲戒審査委員会を開催し、非違に至った状況につきまして確認をし、過去の同様な事例や他市町村の事例等を参考に、また、宇陀市職員の懲戒処分の基準等に関する規程に定められた処分基準に照らしまして、これを審議し、最終的には処分案を決定をしまして任命権者に報告することになります。
分限処分につきましては、公務の能率の維持及びその適正な運営を確保という目的から、職員がその職責を十分に果たすことができない場合、本人の意に反してその身分に不利益な変動をもたらすといった処分でございます。地方公務員法、宇陀市職員の分限の手続及び効果に関する条例及び規則に定めてございまして、任命権者が職員に科す処分でございます。分限処分には、降給、降任、休職、免職があります。
次に、懲戒処分でございますけれども、公務員としてふさわしくない行為や職員の一定の服務義務違反に対しまして、公務員関係の秩序を維持するために任命権者が職員の道義的責任について科する処分でございます。地方公務員法、宇陀市職員の懲戒の手続及び効果に関する条例、宇陀市職員の懲戒処分の基準等に関する規程にこれを定めております。
懲戒処分には、戒告、減給、停職、免職、この四つの処分がございます。
また、法的な処分ではありませんが、これ以外に口頭注意処分、厳重注意処分、訓告処分がありまして、いずれも任命権者が職員の義務違反に対し、その責任を確認して戒めるために行います。
なお、懲戒処分となる場合につきましては、宇陀市職員の懲戒処分等の公表基準に関する規程というのがございまして、これに基づきまして、報道機関等に被処分職員の属する所属部局名、被処分職員の役職、処分内容、事実の概要等について公表すると、このようになっております。
次に、本人から申告のない場合、処分されない場合があるのではないか、また第三者による内部通報制度は存在しないのか、このようなお尋ねであったと思います。お答えしたいと思います。
職員が非違行為を起こした場合は、必ず所属長から人事課を通じまして市長等に報告することになっており、周知徹底は十分にしておるという認識をしております。
現時点では独自の内部通報という制度はありませんが、非違行為が発生すれば人事課を窓口とする報告の体制をとっております。
また、非違行為は相手方がある場合が多く、住民の皆さんからの職員苦情といった通報や、犯罪となれば警察関係からの発表等があり、必ず情報が入ってまいります。職員がこれを怠ったときは量定を加重し、処分を決定することとなっております。
以上でございます。
副議長(井戸本進君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
総務部長から御答弁いただきましてありがとうございます。
市長は、このコンプライアンスについてどのようにお考えでしょうか。市長の所見を伺います。
副議長(井戸本進君)
竹内市長。
市長(竹内幹郎君)
ただいま総務部長が申し上げましたとおり、粛々と実施していきたいと思っておりますし、この件に関しましては、市民との信頼関係を構築していくためには、個々の職員が公務員としての立場を認識し、これらの法令に基づき適正に職務を遂行することは当然であり、また、職場外であっても、法令、社会規範やマナーについても率先して遵守しなければいけないと考えております。
職員の分限・懲戒処分については、職員分限懲戒審査委員会において、過去の同様な事例や他市町村の事例、宇陀市職員の懲戒処分の基準等に関する規程に定められた処分基準に照らし合わせ、処分案がまとめられ、委員会からの報告に基づき処分を行います。
懲戒処分を行うと、市職員全員に対し、再発防止のために綱紀粛正について通知を行っており、また毎月の部次長会においても、職員に対し、服務規律の確保に努めるよう周知徹底を行っております。
市職員に対する市民の信頼確保のため、公務員は、その職務の公共性から公私とも法令遵守義務を負っております。宇陀市職員として市民の期待と信頼に応えるため、行政を担う者として、また全体の奉仕者として、自覚と緊張感を持って業務を遂行するよう徹底を図っておるところでございます。
以上でございます。
副議長(井戸本進君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
まだ10分ありますので、もう少し質問させていただきます。
具体的に分限・懲戒処分を粛々としていくということでしたけれども、報告があってから処分が出るまでというのは大体どれぐらいのスケジュールなんでしょうか。まずそのスケジュールについてどういうように進んでいくのか、改めてよろしくお願いします。
副議長(井戸本進君)
内田総務部長。
総務部長(内田一哉君)
お答えをしたいと思います。
この分限懲戒審査委員会の審査についてでございますけれども、この委員会では過去の同様な事例や他市町村の事例、宇陀市職員の懲戒処分の基準等に関する規程に定められた処分基準というものに照らして処分を決定していくという内容でございますけれども、また処分案、事案によりましては、いろいろなデータを蓄積するため、関係機関、例えば警察や検察が行った処分等も勘案して委員会で処分案を決定すると、こういう場合もございますので、即座に処分を決定できる場合、もしくは検察庁、裁判等々の結果を踏まえてこれを勘案して処分する場合というような場合で、個々ケースによって異なっておるというのが現状でございます。
以上でございます。
副議長(井戸本進君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
それと確認させていただきたいのは、例外なく分限・懲戒処分というのは行われるんでしょうか。何から何まで全部上げる必要はないかもしれないんですが、分限・懲戒じゃない例えば職場の中で言い争いをしているのを見つけて、例えば課長なり部長がそんなこと言い争いせずに仲よくしなさいと言うぐらいだったら別にいいと思うんですけれども、どこまでのところ、所属長による注意で済むものと、そうではなくて、所属長による注意ではなくて分限懲戒審査委員会に上げないといけないもの、これ明確なここという線は恐らくないとは思うんですけれども、おおよそ目安というものはあると思うんですけれども、どのようになっておりますでしょうか。
副議長(井戸本進君)
内田総務部長。
総務部長(内田一哉君)
お答えをしたいと思います。
先ほどから何度も申し上げておるものでございますけれども、宇陀市職員の懲戒処分の基準等に関する規程というものがございまして、そこには職員の非行行為でありますとか信用失墜行為でありますとか重大な法令違反と、このようなものが列挙しておりまして、それぞれまたその違反なり非行を行った状態によりまして、それを区別して、またそれぞれの相当する処分を決めておると、こういう処分基準を持っております。
軽微なコンプライアンス違反というのは確かにあろうかと思いますけれども、まずはその基準に照らしまして、そういう違反がありましたら報告を求めて処分のための審査を行うというのが現状でございます。
以上でございます。
副議長(井戸本進君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
ちゃんと基準に照らし合わせてやっていますよということだと思うんですけれども、先日実際に分限・懲戒に関する報告がございまして、分限・懲戒の報告がそのことを市長が把握してから1カ月半ぐらいたってから実は報告されています。そのときには分限懲戒審査委員会すら開かれていないということもございました。
なぜそういうことが起きたのか、これすごく個人的には疑問に思っておりまして、所属長は恐らく知っていたはずなんですね。所属長が知っていて上がってきてから分限懲戒審査委員会が開かれるまでに1カ月半です。1カ月半の間に新聞報道もありました。新聞報道がなかったら、ひょっとしたら処分せずに置いておいたんじゃないかと思う方も実際いるんじゃないかと思いますが、これはちゃんと分限懲戒審査委員会を開くというのは少なくとも10月の段階ではもう決まっていたことだと思うんですけれども、そういう認識でよろしいですか。
副議長(井戸本進君)
内田総務部長。
総務部長(内田一哉君)
お答えしたいと思います。
事例を挙げてのお尋ねでございます。
その件につきましては、議会のほうにも説明をさせていただいたとおりでございます。事実というものに基づいて粛々と報告を求め、報告を受け、分限懲戒審査委員会を開いた結果、報告をしたとおりということで御理解いただきたいと思います。
耳から入ってくる情報というのはたくさんございます。しかしながら、やはり正確な事実に基づく手続を行った結果と私どもも理解しておりますし、御認識いただきたいと思います。
以上でございます。
副議長(井戸本進君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
御答弁ありがとうございます。
これ、わかってたら絶対やらないといけないことのはずなんですよ。分限・懲戒は、所属長ですから、部長級だったり、もしくは理事者の人が恐らくわかってたら、それは多分粛々としないといけないもののはずなんですね。これ基準がありますから、基準の中に書いてあるものだったら処分どうするか、別に処分しなければならないということはないですけど、処分するかどうかは決めないといけないはずなんですね。これは誰かAさんがそうしようと言って、じゃあそうしましょうとなるものではないはずです。これは多分例外はないはずなんですね。例えば総務部長が言っているからやめておきましょうとかだったり副市長が言ってるからやめておきましょうだったり市長が言ってるからやめておきましょうというものではなくて、これは多分例外ないもののはずです。
例外があったら、例えば市長が知る職員は助けられて市長が知らない職員は助けられないということが起きたりします。そういうことというのはあってはならないことです。実際に分限懲戒審査委員会ですね、理事者ですね、市長から部長級までの職員で構成されておりますので、どちらかといえば幹部職員は守られる可能性が高いです。逆にそうじゃない、どちらかというと今までは幹部になってない職員の場合は容赦ない処分というのが下る可能性が高いです。
なぜかといいますと、例えば部長級職員が何か不祥事を起こしたら、一緒に仕事をしていた部長ですから、どうしても守ってしまいがちになる可能性があります。逆に課長級でも同じように一緒にやってますからね。でも、これは入ったばっかりのまだ主査になっていない職員だったら、ひょっとしたら全く違う処分が出る可能性があります。
このまず懲戒であったり分限については、制度そのものをもう一度見直す必要があるのではないか。特に身内が全て身内に対して処分をする。これ実際懲戒免職するかどうかといったら重いですね。身分を剥奪するかどうかについても、ここが決めることになります。もちろん公平委員会がありますから、何かあったら異議というのは唱えることはできますけれども、第一義的に処分を下すのは分限懲戒審査委員会ですから、でもその処分を下すのは基本的には身内の方々ですね。この状態というのは問題ないんでしょうか、改めて見解を伺います。
副議長(井戸本進君)
内田総務部長。
総務部長(内田一哉君)
失礼いたします。お答えしたいと思います。
身内に甘い審査になっていないか、または外部委員の導入が必要ではないか、このような御趣旨かなと思います。
職員の処分を協議をするというときにおきましては、先ほども申し上げておりますけれども、処分の公平性を保つために、宇陀市の過去の事例でありましたり他市町村の事例、宇陀市職員の懲戒処分の基準等に関する規程に定められた明文化をした処分基準に照らして行います。そういうことでございますので、軽過ぎる処分でもなく重過ぎる処分でもなく適切な処分であると考えております。先ほど勝井議員のほうからございましたように、身内がというところの部分でございますけれども、そのようなものは一切ないと、このように認識をしています。
ただ、適切な処分であると考えておるところでございますけれども、現時点におきましては、すぐに外部委員の構成というのは考えておりませんけれども、今後他市町村などの事例も参考に研究はしていきたいと、このように考えます。
以上でございます。
副議長(井戸本進君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
ぜひ改善していただきたいと思います。
というのは、前に不祥事があったときに市長からその概要について説明いただきましたが、そのときに自分の胸のうちに深くしまったという説明がございました。胸のうちに深くしまって箝口令をしかれてしまうと、絶対処分できないです。市長の命令ですからね。こういうことを絶対例外として許してはなりませんし、例外として市長が黙っておけと言ったら、職員、上司の命令に従う義務、ただし法令に反することはやったらだめなんですけどね。盗んでこいと言われたりとか人を殺せと言われたら、それはもちろん従ってはなりませんが、ただ基本的には上司の命令には従う義務があります。この場合、大変どちらとも言えないグレーなところの可能性があります。
市長の指示で処分を先送りすることもやろうと思ったらできますし、厳重注意処分に市長がしておけば、それでとどめるということもできるかもしれません。そういうことというのは絶対あってはならないことです。これを許すと、職員が真面目に働いている者にとっては恐らく許しがたいことだと思いますし、都合の悪いものが隠されるということがもし本当だったら、これ住民にとっては最悪なことのはずなんですね。このことはこう隠しておこうというのがエスカレートしていくと、住民に都合の悪い数字は隠しておこうとつながりかねませんし、このことがもし明るみに出たら選挙に都合悪いから、とりあえず発表は6月ぐらいにしておこうなんていうことも起こり得るかもしれません。これ、絶対あってはならないことです。
今、東京都の猪瀬さんがコンプライアンス違反に問われて、大変議会から厳しい追及を受けています。同じようなこととは言いませんが、ただ今回の処分については明らかに問題があるんじゃないかと思うところが幾つかありますし、今までの総務部長の説明を聞く限りでは、例外になっているんじゃないかと思われるところも実際あると思います。
新聞報道から処分までは、たった1週間ぐらいですかね、10日ぐらいですけれども、そこまでの間はどうだったのかですね。それから、それははるか前からわかっていたはずですよね。処分になるだろうともわかっていた。じゃあ、その段階でどうするかということを決めていてもいいはずですけれども、そうではなくて、しばらく置いておいたというのは、少なくともですけれども、説明から客観的な事実としては存在していると思いますし、そのことは余り住民にとってはいい情報ではないと思います。
ですので、誰かの意思ではなくて、第三者が分限懲戒審査委員会の座長なりになるべきではないかと思いますし、そういう制度にしておかないと、処分が働かないときがあります。第三者であれば、委員会を開くという宣言ができますけど、今、分限懲戒審査委員会を開く人が副市長だったら、開かないでおこうってその委員長が思ったらそこまでになりますし、市長が黙っておけと言ったらそこまでになるんですね。そうさせない仕組みというのは絶対必要ですし、それがないといけないと思いますので、第三者を入れて、その方に会議の招集権を与えるということまで検討するべきじゃないかと思いますけれども、市長、いかがお考えですか。
副議長(井戸本進君)
竹内市長。
市長(竹内幹郎君)
分限・懲戒処分の件についてでございますけれども、確かに委員会等ございますけれども、今回の問題につきましても、いろいろ本人自身の辞職の問題もございますし、社会的責任も果たしていただいていると思っておりますし、私の判断も間違っていなかったと考えております。
副市長といえども、本当にその私生活にはいろいろあったにせよ、宇陀市に対する大変な貢献をしていただいたと理解しておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思いますし、また副市長におきましても人権もございますし、プライバシーもあろうかと存じますので、そのような点についても配慮したつもりでございます。
分限・懲戒処分も含めて、やはり法令に照らして処分する問題もありますし、また明確な倫理違反、道徳違反に対する行為などもございますし、そんなことを総括的に公序良俗に準じ判断するのが委員会だと考えておりますし、また、公務の中におきましても、善良な管理義務者の義務を果たしているのかどうかも含めて、いろいろ総合的に判断しなければいけないと思っております。そしてまた、公務員としての職務の中で発生した事案なのかも含めて、私生活の中の判断も含めて総合的に判断をしなければいけませんし、発表された段階で、いろいろ市民の方々から御批判を受けたいと思いますし、それは市長みずからが受けるものだと理解しておりますので、そんなことも含めて市民の方、また議員の皆様方からの質疑に応じていきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
副議長(井戸本進君)
1番、勝井太郎議員。
1番(勝井太郎君)
特に私、副市長とか一言も言ってないんですが、実際に当該事件は職員が起こしたものです。特別職ではなくて一般職です。その方への処分というのは当然あってしかるべきです。副市長も当然懲戒の対象にはなる、市長はならないらしいですけれども。ですので、あったらこれは粛々とやらないといけないことのはずなんですね。社会的な制裁を受けるかどうかということはもちろんありますが、そうではなくて、ルールというのは絶対守らないといけないものですので、そのルールが正直どうなっているのかなというのを大変疑問に感じています。
どう感じられるかは、それはそれぞれのみんな見ている方だったりとか報道を見た方によると思いますけれども、例外を設けずに進んでいくように、ぜひ制度を直していただきたいですし、もし市長に何か落ち度があると思うんでしたら、そこは猛省していただきたいと思います。
これ繰り返していたら、本当どこかでとんでもない不正を起こしかねませんので、ぜひ市長続けたいと思ってるんでしたら改めていただきたいですし、もしできないんだったら、これ、おやめになるぐらいのことだと思いますので、しっかり考えていただいて、もう一度説明責任を果たしていただきますようによろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。
副議長(井戸本進君)
勝井議員、答弁はよろしいですか。
勝井太郎議員の質問が終わりました。
次に、2番、高見省次議員の質問番号10番「経営的な行政運営とは?そのための行政改革のあり方とは?」の質問をお受けいたします。
2番、高見省次議員。
2番(高見省次君)
2番、高見省次です。ただいま議長から許可をいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
私の質問内容は、経営的な行政運営とは、そのための行政改革のあり方とはということでございます。
私たちの任期も残り数カ月となってまいりました。3年半余りの議会活動を踏まえまして、市政に対する評価をやはりしていかなければならない。そうした中で、大きな将来へ向けての視点で質問をさせていただきたいと思います。
これまで市長がその運営方針の中でいろいろと御発言をされてきましたけれども、例えば四季の風薫る高原文化都市を目指す、そして経営的視点から行政運営を進めていく、住民に対しては自立をしてください、そして行財政改革により、最近おっしゃっておりますけれども、一定の成果を上げ普通の市になってきた、そういう御発言をされているかと思います。
そしてそんな中で、この9月定例会で24年度の決算が出まして、そして同時にそれまでの第2次の行政改革大綱の実施計画の進捗状況の報告もいただいております。そうした中で、現時点で市の財政状況、そして行政改革についてどのように自己評価をされているのか、もう一度こちらでお願いしたいと思います。
副議長(井戸本進君)
栗野企画財政部長。
企画財政部長(栗野肇君)
企画財政部、栗野でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、議員お尋ねの財政指標につきましてお答えさせていただきたいと思います。
現在、地方公共団体の財政状況を示す財政指標については、よく引用されます指標としまして、財政力指数、経常収支比率、実質公債費比率等が挙げられております。
平成24年度の決算をもとにしまして、各指標について分析をさせていただきます。
まず、財政力指数は、その団体の体力をあらわすものでございまして、この数値が1.0を超えますと需要よりも収入のほうが多い状態をあらわしまして、普通交付税が交付されない不交付団体となるわけでございます。宇陀市の場合、この指標は3カ年平均で0.311という数字でございます。県内12市でも最下位となっております。税収の割合が他団体よりも低いということをあらわしておりますし、事実、地方税そのものも12市では最下位という状況でございます。
宇陀市合併直後が0.320であったことから、ほほ横ばいという数値となっておるわけでございますけれども、この傾向は宇陀市だけに限らず11市に共通しておりまして、県内では比較的企業の多い大和郡山市、天理市、葛城市などの下落は大きなものがあります。財政力指数を自力で改善するには税収の確保が必要となりますが、法人税のウエートが大きいと、景気動向により数値が乱高下するというような数値でもございます。
次に、経常収支比率について御説明をさせていただきます。
経常収支比率は、その年度の財政状況の硬直化をあらわす数値でございます。合併直後の平成18年度決算時は107ポイントということで、毎年継続して確保できる地方税、普通交付税などの歳入だけでは経常的な歳出を賄い切れなかったという状況でございます。この時点では全国の中では夕張市に次いで全国で2番目に悪い数値という状況でございました。
その後、行財政改革などに積極的に取り組んだ結果や国の地方財政支援策によりまして年々改善されてきております。平成23年度決算時点では奈良県平均が94.1ポイントを下回りまして、92.8ポイントまで改善がされました。
宇陀市の場合、経常収支比率を算出する上において分母にカウントされる普通交付税の大きさに左右される割合が非常に強くなります。歳出を改善するスピードよりも普通交付税の減額が大きければ、指数は悪化することになります。平成24年度は前年度と比較して3.7ポイント逆に悪化しまして96.5ポイントということになりましたが、分子である歳出は人件費や公債費の縮小によりまして1.4ポイント改善をしております。分母である普通交付税の減少や税収の落ち込みによりまして、5.1ポイント悪化することになったものでございます。このようなことから、今後とも着実な行財政改革やあるいは財源確保が必要であろうと考えております。
次に、実質公債費比率につきまして説明させていただきます。
実質公債費比率は、その年のいわゆる借金返しに充てるお金の割合を示したものでございます。この数値が高ければ、ローンの返済に追われていることになります。
財政健全化法上の基準としましては、早期健全化基準というボーダーライン、これが25%でございます。宇陀市の平成24年度決算では18.6%となっておりまして、一応このボーダーラインの基準はクリアしておるということでございます。この数値についても合併後21.1%であったものが年々改善しておりまして、平成28年には18%を切る見込みという計画を今立てております。
実質公債費比率は、簡単に申しますと、その年の一般会計や公営企業、一部事務組合などが返済する公債費を分子として、税収や普通交付税などの合計額を分母として算出されるものでありますから、景気動向や普通交付税の大きさに左右されることも想定されますが、今後とも交付税措置の手厚い地方債をうまく活用するというようなことによりまして、比率の改善を図っていきたいと考えております。
まず冒頭の財政指標の代表的なものとしまして、財政力指数、経常収支比率、実質公債費比率につきましての説明とさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
副議長(井戸本進君)
内田総務部長。
総務部長(内田一哉君)
総務部のほうから行政改革の状況ということで、24年決算終わりまして報告させていただきたいと思います。
行財政改革の状況につきましては、さきの行財政特別委員会を通じまして市議会へ報告をさせていただいておりますけれども、平成21年12月に策定をしました第2次宇陀市行政改革大綱をもとに行政改革の進捗管理を行っていますので、3年目に当たります平成24年度に取り組みました成果を報告をさせていただきたいと思います。
平成24年度普通会計の決算におきましては、約6億3400万円の黒字決算となりましたが、行政改革の六つの重点項目であります事務事業の見直し、組織・機構の改革、財政の健全化、定員の適正化と給与の適正化によりまして、平成22年度決算比較でございますけれども、8億1700万円の効果を上げております。また、平成22年度から平成24年度の3年間で約19億8000万円と、予定を上回る効果を捻出をしたというところでございます。
平成24年度に取り組みました重点項目ごとの実績のほうを御報告をさせていただきます。
まず、事務事業の見直しにおきましては、普通建設事業の一般財源比較におきまして、事業の選択と集中の取り組みや消耗品、印刷代の節約、委託料の削減などで4億5500万円の効果がありました。
組織・機構の改革につきましては、子ども支援課の設置や歯科診療所の民間診療所としての開業や保健センター事務所の統合の取り組みで利便性の向上を図りましたほか、前々年度の給食センターの統合などによる効果で約1900万円の効果がありました。
財政の健全化におきましては、市有財産の売却や市税、使用料の徴収強化、有料広告の掲載などで約5300万円の効果がございました。
定員の適正化と給与の適正化につきましては、勧奨退職の促進、特別職の給料や管理職手当、職員給料の削減で約2億9000万円の効果がありました。なお、普通会計職員でございますけれども、早期退職を勧めてきた結果、合併直後に約590人と膨れ上がった職員数も平成25年4月1日現在で414人となっております。当初の削減計画を上回る効果を上げることができております。
住民協働と行政サービスの向上という項目につきましては、効果額は算出できませんけれども、自主防災組織、まちづくり協議会の立ち上げを推進いたしましたほか、審議会委員等の公募やパブリックコメント、タウンミーティングの開催、ホームページのリニューアルを図りまして、市民の意見を取り入れやすく、また情報鮮度の向上に努めました。
職員の育成と能力の向上につきましては、効果額の算出はこれもできませんけれども、人事考課制度を本格導入し、職員の能力開発と人材育成に努めているほか、人員削減による行政サービスの低下を招くことのないように、職員の能力向上、人材育成のために職員研修を実施をしてまいりました。
計画に基づく以上の取り組みは、合併後の事業調整や合理化、業務改善を目指したものでございまして、これらの取り組みのうち数値化できるものを効果額として集計したものが、さきに述べました8億1700万円となりました。
この節約や合理化の一方で、ニーズの多様化への対応は現在行政の各分野にわたっており、効果として捻出された各種の資源は、次々と新たな行政サービスを実現する資源となっておるということでございます。
以上でございます。
副議長(井戸本進君)
2番、高見省次議員。
2番(高見省次君)
今、財政面そして行革の進捗状況についてお伺いしまして、私も一定の評価はさせていただいております。黒字決算であるということ、そして市債残高も少しずつ減少しておりますし、行政改革につきましても、先ほどの六つの視点から進めていただいているということで一定の評価をしております。
ただ、一方で、財政面でも今部長のほうから御説明いただきましたが、やはり再び悪化する兆しもあるということで、財政力指数が低いということですね、それと経常収支比率が少し今回上がったというそういうことがございます。
財政力指数というのはやはり0.311、ほとんど横ばいという評価ですが、少しずつ毎年下がってきている、市税が額が下がってきているということは確かだと思いますし、県内でも低い水準にあるということでございます。
そして経常収支比率のほうは、財政の硬直性の指標ですので、特にやはり一般財源、市税とそれから交付税ですね、そして今回の議会でもいろいろと質疑がございましたけれども、やはり将来のリスク要因としては、合併特例期間の期限切れが2年後に迫るという中で、交付税の大幅なカットが始まっていくというリスク要因がございます。
現在普通交付税79億円内示、今年度されておりますが、いわゆる一本算定、この宇陀市の適正な額が61億円ということで、18億円もたくさんいただいているという現状があると、それが減っていくというリスク要因があるということをわかってきておるわけで、こうした状況につきまして市長はどのような認識といいますか、今評価をお考えなのか、お伺いできますでしょうか。
副議長(井戸本進君)
竹内市長。
市長(竹内幹郎君)
市政を取り巻く社会状況なんかもいろいろ変わってきております。合併当初と比べまして本当に環境が変わってきているのではないかなと考えておりますし、そんなことも含めて少し話をさせていただきたいと思います。
市政を取り巻く社会情勢や市民のニーズは刻々と変化しております。その対応に的確に応えるためには、職員の意識改革も含め必要ではないかなと思っております。
宇陀市が誕生いたしまして、市役所の職員に対する期待も大きくなっていると思います。また、職員数が他団体に比べてまだまだ超過しており、引き続き職員定数の削減の取り組みが必要でございますし、また職員一人一人のレベルアップ、スキルアップに能力向上が重要だと考えております。
それは先ほど総務部長が申し上げました人事考課制度なども活用して、職員自身が自己啓発するように、意識の改革をするように、職員研修、行政課題研修や政策形成能力研修に、これまで以上に積極的に参加させるようにしたいと考えております。
そして職員の採用に関しましても、意欲と能力を重視した人材を確保、人物・適性重視の採用・選考方法の研究に取り組み、民間経験のある有能な人材の採用など採用方法も検討していきたいと思っております。
組織についても、職員数の削減に伴い、組織の見直しも今後必要になってくるのではないかなと考えております。
いずれにいたしましても、やはり宇陀市の社会環境に合った行政体制をつくるべきであろうと考えておりまして、そんなことも弾力的に取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
副議長(井戸本進君)
2番、高見省次議員。
2番(高見省次君)
ありがとうございます。
ここからいろいろ議論していきたいと思うわけですけれども、先ほど企画財政部長からいただいた指標になかったものとして将来負担比率というものがございます。これは財政健全化法のいわゆる四つの指標のうちの一つということで、要するに、将来の負担がどれぐらいあるかというその指標で、少なければ少ないほどいいわけですけれども、現在、昨年度が192%ということで、これはいわゆるイエローカード基準が350%ということですので、それほど大きくないように一見見えます。
しかし、これをよく精査しますと、普通会計のみでの将来負担ということでありまして、先ほどからいろいろと勝井議員のほうからも出ておりますが、上下水道の将来負担あるいは高齢社会に伴う国民健康保険であったり介護保険であったり、そういう特別会計の将来負担というのは入らないんですね。一番大きいところの将来負担はここに入ってこない、私はそのように分析をしております。
行財政改革特別委員会でも下水道の将来負担について100億円というのがありましたし、先ほどもいろいろとまだまだ更新費がかかる、公共施設についていろんな財源の手当てをしながらやっていくという御説明がありましたけれども、特に、やはり急速な高齢化、ことしの4月時点で32.3%だったと思いますけれども、これが昨年4月から1年間で2ポイントぐらい上がっているわけですね。もう急速な高齢化と言えると思いますので、それについての国保であったり介護保険であったり、予算委員会でも質問しましたけれども、財源不足というのが深刻になっているということが明らかになってきております。そうした将来負担がまだこの数字には指標としては出ていないということがあるということですね。
ですから、そういう中で、やはり現状分析としては自主財源、交付税という財源が減ってきている。そして老朽化、高齢化による将来負担が増加していく。その二つをしっかりと考えておく必要があると。この傾向が続く限り、私は多少の黒字はあっという間に吹っ飛んでいく、将来展望は開けないと考えております。
そこで、こうした中で経営的な行政運営ということが求められるわけでございますけれども、今一部お答えいただいたかもわかりませんが、市長が常々おっしゃっている経営的な行政運営、具体的にどういう考え方なのかをもう一度説明お願いしたいと思います。
副議長(井戸本進君)
内田総務部長。
総務部長(内田一哉君)
失礼いたします。市長にというお尋ねでございますけれども、少し行革のほうから考え方を先に述べさせていただきたいと思います。
宇陀市におきます経営的な行政運営の考え方というものにつきましては、総合計画の基本構想まちづくりの基本方針として、行政運営から行政経営へというものが掲げられております。
社会、経済、市民意識等が大きく変化をする中で、まちづくりにおけるさまざまな分野におきまして、限られた財源、資源を有効活用し、今まで以上に効率的な行政運営をするため、政策、施策、事務事業の適正な評価が求められるということで、今後健全な財政状況をできる限り維持していくためには、より積極的な行財政改革が必要となります。
そのために、現在行政が行うべき事業の見きわめをするとともに、市民ニーズに的確に対応した施策を実施する、これが行政経営と、こういう視点が重要と考えておるところでございます。現在事務事業評価制度の導入、現行計画の見直し、適正な人事配置を行いまして、類似団体と比較しながら職員の採用計画を立て、宇陀市行政運営に応じた定員管理に努めているほか、住民の協働と行政サービスの向上、職員の意識改革、このようなものに取り組んでおるということでございます。
私のほうからは以上でございます。
副議長(井戸本進君)
竹内市長。
市長(竹内幹郎君)
行政経営的な考え方そのものは、私は民間の出身でございますので、おのずと身についているものだと認識しております。しかし、なかなか行政職員そのものは認識不足の点があろうかと存じます。そんなことも含めながら、今問題提起いただきました下水道会計等についても少し話をさせていただきたいと思っております。
下水道会計は、従前ですと、基準外繰り出しが今1億円ほどございます。ですから、今回1番議員の従前の質問にもあったように、公共下水道は今後新たな事案がなければ拡大しないというのが基本的な方針でございます。なぜかと申し上げますと、やはりそういう都市計画区域の調整区域等に設置いたしますと、やはり通常の管理経費の3倍近く経費がかかると、そんなことも含め勘案しながら、そしてまた社会状況そのものは、単独槽であったものは合併槽という浄化槽の設置の基準が変わってまいりましたし、また浄化槽そのものの機能が大きく飛躍的に上昇したこともございます。ですから、大きな政策転換をさせていただいておると考えております。
そして高齢化についてでございますけれども、高齢化は本当に宇陀市の大きな問題でございますけれども、やはり社会福祉制度そのものも国も考え直していかなければいけませんし、国の制度によるところは大でございますので、国の制度とともに、宇陀市でできることは何かという形の中で、健幸都市ウェルネスシティを市民の皆様方とともにつくっていきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
副議長(井戸本進君)
2番、高見省次議員。
2番(高見省次君)
ありがとうございます。
先ほど総務部長のほうからいろいろと細かい御説明をいただきました。その中に事務事業評価のお話がございました。これは私、この任期が始まった年度だったと思いますけれども、試行的に始められて、そして進められて、かなり行革の一つの大きな柱として進められていたと思うんですが、少し最近それがとまっている感じ、余り出てこないという感じがします。
それはなぜなのかなということを常日ごろ考えておるんですけれども、将来を見て今を評価されていますか。毎年黒字決算ということで、よいことですけれども、それを強調されて一服感が出てきてとまっているのかなというような気がするんですね。
しかし、今やらなければならないことは先ほどから明らかでありまして、将来に向けた財源をどう生み出していく力をどこにつけるかですよね。そして将来負担をどう抑制していくかということですね。だから行革の出発点、何のためにやるのか、基本的な考え方、目標設定というのは、やはり一部ずれているところがあるのではないかという気が私はしております。
例えば典型的なところとして、今、正規職員の退職を補充されるのに臨時職員でずっと、あるいは非正規職員で行って人件費を減らしているわけですけれども、本当に将来必要な、よく私は保育士さんと介護士さんという例を出しますけれども、その人材の待遇についてどんどん行政が主導して悪くしていっているという気がします。
また、職員研修にしてもいろいろとされておるわけですけれども、前から申しておりますが、市外に行く方の決裁、市長決裁じゃないと出れないということもお伺いしております。そうした意欲のある職員さんのモチベーションがこれで上がるのかなという。ですから、人件費が多いからといって、全ての人件費をやはりカットしていくというのでは、私は違うと思いますし、このまちの将来のために必要な人材を確保するための投資、これはやはり節約するということではないと思います。
こうした職員採用、研修費の問題につきまして、先ほども少し採用について民間の経験者などというお話がございましたが、やはりもう一度改善するということでのお考えは竹内市長、ございませんでしょうか。
副議長(井戸本進君)
内田総務部長。
総務部長(内田一哉君)
失礼いたします。先に私のほうから事務事業評価につきまして少し説明をさせていただきたいと思います。
事務事業評価につきましては、先ほど高見議員のほうから少し触れていただきましたけれども、これは平成19年度より試行導入をしてまいりました。平成23年度におきましては、行政評価プロジェクトチームというのを設けまして、本格的に評価をする体制をまず整えて、試行ながらも市全体で考える体制をつくってまいりました。
それで、平成25年3月でございますけれども、宇陀市の総合計画の後期基本計画が策定をされ、施策の目標、指標が明確にされました。事業の目標が、事業を担当する課だけではなく行政組織全体の目標となりまして、さらには市民と行政がともに取り組むことのできる目標になったと、後期基本計画についてはそのように認識をしております。
そこで、今年度の事務事業評価につきまして、今年度といいますのは平成24年度でございますけれども、後期基本計画で示されました目標値を改善への指標として掲げまして、前年度の評価対象事業に後期基本計画の主な事業を加えまして、126事業というものに絞りまして事業評価を実施をしたというところでございます。これは昨年、24年度の決算を認定いただいた後の作業でございましたので、そのような時期になったということで御理解いただきたいと思います。
それとあと、人事担当者といたしまして、先ほど保育士の臨時職員なのかということでちょっとお尋ねいただきましたけれども、幼稚園教諭・保育士定員につきましてですけれども、これは極めて事務的な話でございますが、現時点におきましては、類似団体と比較しますとまだ、今年度の正式な数字は確定はしておりませんけれども、幼稚園の教諭、用務員と合わせまして、まだ20名程度の超過ということになっております。これは市内の各地域に幼稚園、保育所というのがありまして、その施設にそれぞれ保育士等を配置をしておるというようなことがそういう要素かなと考えております。
また、子どもが減少していく中にありまして、民間の保育所も稼働するに当たりまして、将来的には施設の統廃合や保育士の職員数についても検討をしていかなければならないと考える中で、保育士等の正規職員を採用することについては、人事部局としましては慎重にならざるを得ないというところがございます。
しかし、全く採用しないということではございませんでして、職員全体の年齢構成が高年齢化をしておりますし、年齢構成のばらつきや新陳代謝を図る必要があるということで、退職者数の4分の1、これの一つの目安として採用は確保していきたいなと考えております。
また、臨時職員の保育士の給与につきましても、月額制を導入するなど処遇を改善しておりまして、臨時職員も保育士免許を持っておるというところで考えますと、職務は十分行っていただけるということであろうと考えますし、今後も当分の間、正規職員と臨時職員とで対応していきたい、このように考えております。
以上でございます。
副議長(井戸本進君)
2番、高見省次議員。
2番(高見省次君)
その事務事業評価も全くしていないと言っているわけではございませんが、やっぱりその熱の入れようの問題を申し上げているわけで、やはり将来に向けてもっと力を入れていただきたいということですし、保育士については人数ということはもちろん考えなければいけませんけれども、待遇ですね、それをやはりしっかり考えなければ将来必要な人材が集まらない、離職率もやはり高どまりになってしまうと思います。
ですから大切なのは、先ほどから何回も申し上げますが、今よりも将来に目が向いているかということで、将来の民間で言いましたら利益創出力ということですね。どこにそうした力を高めていくのか。そしてもう1点が、逆に効率化によって将来の費用抑制を図る、そういうことだと思うんです。これは、やはり社会の構造を変えていくということになるわけでして、行政改革というのは社会構造改革というものを一つ目指していなければ私はいけないと思います。
その一つ一つを少しまた見ていきたいと思いますが、将来負担の抑制策ですね。これはもう効率化ということに尽きると思います。その効率化につきまして、以前から私は四つのポイントがあるということを申し上げてまいりました。人材、そして新しい技術、それから拠点づくり、そして連携、この四つですね。人材というのは、やはりいい人材を確保するだけで生産性というのは上がるわけですから、それイコールもう効率化です。そして必要な保健師さんであったり介護士さん、看護師さん、医師、そして最近では認知症対策として社会福祉士や、これからやはり養成しないといけない市民後見人、そういう人材もやはり念頭に置いていく必要がございます。
それから新しい技術、これにつきましては、以前から特にやはりITを活用したデジタルヘルスという言い方がありますけれども、健康の分野、医療、介護の分野にどんどん民間企業が新技術を開発してきております。
そうした中で、先般、市立病院の連携学会、これがオープンされましたけれども、そこで私、覚えておりますのが整形の先生がプレゼンテーションされまして、今新しい検査、骨密度ですかね、最先端の骨密度の装置を導入しているんだけれども、なかなか利用者がまだふえないということがございました。それに対する解決策として提案されていたのが、やはり御自宅からいわゆるITを使って予約ができれば、これはかなり違うだろうということをおっしゃっておられました。
やはりそうしたことを行政が考えるべきであって、私はその地域情報化計画ということをずっと前から、これはもう当選したときから任期中申し上げてまいりましたけれども、今このケーブルテレビ網というのは市の非常に大きな財産なわけですから、それを活用してください、そのことを申し上げてきました。しかし、それもまだされておらないという状況でございます。
それから拠点、これはやはり情報収集、刻々と住民の健康状態なり変わってまいりますので、そうした情報を収集し、そして人が交流し、サービスが連携できるそういう拠点は地域包括センターが1カ所、市立病院があります。それだけでは全く十分ではないと思います。やはり、ある程度の小学校単位ぐらいで、校区単位ぐらいにそういう拠点があって、そして常時そうした情報収集ができないといけないと思います。
それから連携につきましては、いわゆるたくさんの職種の関係者の情報共有がなしに全体最適のサービスの提供というのは難しいと思いますので、その中で特に一番大事なのが病診連携ですね。市立病院とそれから開業医の先生方との連携、これも市立病院の運営を向上していくためには私は不可欠だと思っておりますが、お隣の名張の在宅医療支援センターというのができまして、やはりそのときに市長が先頭を切って開業医の先生に地域医療についてぜひ取り組んでほしいというお願いに行かれたというところから始まっているということを聞いております。やはりそうしたことをやらないと、その連携というのもできてこない。
今四つのポイントを繰り返し申し上げましたが、こうしたやはり将来負担の抑制策としての効率化の取り組みですね、情報化計画であったり拠点づくりであったり病診連携といった点について、前から申し上げておりますので、市長の意欲といいますか、お考えをお伺いしたいと思います。
副議長(井戸本進君)
内田総務部長。
総務部長(内田一哉君)
失礼いたします。
今高見議員のほうから御指摘いただいております部分について、総務部の担当の部分について、担当レベルの話でございますけれども、先にちょっとさせていただきたいと思います。
まず、人材ということでありますけれども、本格的な地方分権の時代を迎えている中で、市民が市役所、職員に対する期待はますます大きくなっておりまして、これに伴いまして、職員に求められる資質もますます高くなっておると、このように認識をしております。
一方で、本年度の類似団体との職員数の比較でございますけれども、まだちょっと確定してないという前提でございますけれども、なおまだ80名程度超過しておるという状況がございます。引き続き職員定数の削減に取り組みが必要でありまして、また職員一人一人のレベルアップを図ることが焦点となっているということでございます。
宇陀市人材育成基本計画におきまして、目指すべき職員像としまして、常に市民の視点で考え、市民から信頼される職員、政策形成能力や経営感覚などを備え、みずから目標を立て達成できる職員、新たな課題への挑戦を恐れず、自分と仕事を変革できる自律した職員と、こういうものを目指すということで、計画的に研修も行っておるというところでございます。
次に、これも私どもの所管でございますが、効率化という部分でありますけれども、効率化につきましては、分権型社会に対応しまして、本市が持続的に自立できる自治体となるためには、行政事務やサービス、市民との協働によるまちづくりなど、既存のあり方を根本から見直すことであると、このように考えるものでございます。
本市が将来に向かってこれまで築き上げてきた特色を失わずに、かつ市民が満足するサービスを提供し続けるために、市民と行政が一体となって市全体の構造を改革していく必要があるかなと考えます。
そのため、行政評価制度を十分検討した上で事業の見直しを行いまして、アウトソーシングの推進及びこれの導入によりまして、行政事務の効率化というものも図ることが必要かなと考えています。
先ほどからも何回も出ておりますけれども、行政評価システムの確立でありましたり、民間活力も必要でございます。行政事務等のアウトソーシングも検討する必要もあると思いますし、先ほど話に出ておりましたけれども、ICTの活用の推進ということも必要になってくると考えております。
先ほど御指摘ございました地域情報化計画につきましては、先般といいますか、前定例会で高見議員さんからも御指摘のあったところでございまして、早期の計画策定に向けて今準備作業をしておるということで御理解いただきたいと思います。
私のほうからは以上でございます。
副議長(井戸本進君)
吉岡市立病院事務局長。
市立病院事務局長(吉岡義雄君)
失礼いたします。市立病院事務局の吉岡でございます。
地域医療連絡学会、第1回目の新たな試みですが、その中で出てまいりました御意見につきまして御紹介いただき、ありがとうございました。
その中で、今高見議員もおっしゃっていただきましたように、今回の新病院の整備に合わせまして、骨密度測定をかなり詳しく調べることができる高性能の検査機械のほうを導入しております。これを今まで以上に活用できないかと、それは予約の容易さも含めて検討できないかと、こういう意見のほうを連絡学会の中で頂戴いたしました。
これを受けまして、その後、現在も骨密度検診というのを市のほうの集団健診の中で行っておりますけれども、これをできれば通年を通してさらに受けていただく機会の拡大はできないかということで、健康福祉部長のほうと協議のほういたしまして、新年度のほうから検査機会の拡大ということに取り組もうということで、現在調整のほう進めております。
それから、受けやすい環境の整備ということで、今も御紹介のほうございましたけれども、できればオンラインで御自宅から診察・検査予約というような形ができないかということで、この辺は当院の放射線科のほうと検討のほうを進めております。すぐに実現というのはいろんなインターネットの回線を医療システムの中に引くことになりますので、その辺はちょっとじっくりと検討のほうしたいと思いますが、前向きに進めてまいりたいと考えております。
それから、到来します高齢社会への対応を病院の第一の目的と、対応の方向性と打ち出しておりますので、地域包括ケアへの病院としての位置づけ、それからかかわり方ということを含めまして、今後さらに開業医、それから在宅介護支援センター訪問看護ステーションも含めまして、在宅医療への関係機関との連携をさらに強めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
副議長(井戸本進君)
森本健康福祉部長。
健康福祉部長(森本彦司君)
健康福祉部の森本でございます。
今、病院の事務局長が申し上げました地域包括ケアの連携ということで、ただいま病院と私どものほうの健康増進課、また介護福祉課が入りまして、地域の福祉と医療をどのように結びつけて将来像をつくっていくかというような検討を重ねているところでございます。
具体的に、今包括支援センターが菟田野のほうにありますし、病院が市立病院として新しくできておりますし、この辺のところをやはりある程度同じような地域に持ってくるところも必要かなということで、具体的なところを将来的には考えていかなければならないなということで調整をしているところでございます。
名張市のほうに議員行かれて、いろいろと情報をお持ちでございますし、病院のほうも、またうちの健康増進課のほうも、そちらのほうのお話も聞かせていただきながら進めておるところでございます。
将来のやはり重要な要素といいますか、取り組みになろうかと思いますので、今現在県のほうからもモデル的に取り組んでいくような協力をいただいておりまして、議論なり会議なりを重ねておるところでございます。引き続き積極的に取り組んでいきたいなと、このように考えておるところでございます。
副議長(井戸本進君)
2番、高見省次議員。
2番(高見省次君)
ありがとうございました。
地域情報化計画は、私はやはり絶対必要だと思います。平成22年度の9月の定例会から私、申し上げてきまして、早期に検討するとおっしゃっておられて、3年間ずっと早期に検討されてるということですかね。どんどん進めていただかないと、やはりそうしたニーズに応えられないということですので、お願いしたいと思います。
そして今、費用抑制のほうを申し上げました。効率化によって抑制しなければ、サービスを減らそうというインセンティブが働く。それが私は一番心配なわけです。ですから、効率化ということをどういう形でやるかということをぜひ考えていただきたい。
そしてもう一つのほうが利益創出力をいかに向上するかということで、人口が減ってきているということが一番大きなポイントだということは皆さん御承知のとおりだと思います。
合併当初は3万9000人弱おりましたけれども、現在3万4000人を切ってきていいる。7年間で5000人が減ってきているわけですけれども、1年間に約700人という計算になりますが、この中で自然減が何人で社会減が何人か、そして社会減の原因というのは何か、その分析をどうされていて、それに基づいてどのような対策を講じておられますでしょうか。
副議長(井戸本進君)
竹内市長。
市長(竹内幹郎君)
これは永遠のテーマでございますし、従前私が宇陀市が誕生するときに話をさせていただきましたように、この地域の行政課題は何かということでございますし、それは一つは産業振興であろうかと思いますし、雇用がないという問題もあろうかと思いますし、そんなことが大きく主要因になっているかと思います。
そしてまた、都市そのものが地域に雇用がないということの中で都市への集中というのが始まっているわけでございますし、また東京そのものが新たな魅力を創出しているということにつながっていると解釈いたしております。ですから、そのような形の中で地域の経済循環が成り立たないということで若い方々が都市へ流出する、お金も流出するという状態になっているのではないかなと考えております。
それを打開するために今回この農業の6次産業化も含めて、農産物の6次産業化を遊休施設でという政策をさせていただいているところでございます。そんなことも含めながら、よく御理解いただきたいと思います。
ちょっと資料が見当たらないんですけれども、平成16年に宇陀市が誕生するときにいろいろ議論いたしました。その中で新市まちづくり計画がなされたわけでございますし、財政計画がなされたわけでございます。それは今回御提案申し上げております産業支援機構の創出でございまして、そんなことも含めながら地道に活動していくことが今求められているのではないかなと考えているところでございます。
以上、よろしくお願い申し上げたいと思います。
副議長(井戸本進君)
傍聴者の方々に申し上げます。
携帯の電源をオフにお願いします。
2番、高見省次議員。
2番(高見省次君)
今申し上げた質問は、具体的な質問としては書いておりませんけれども、担当の方であれば、それぐらいの基本的なことは知っておいていただきたいと思うんですね。合併当初から減っている1年間700人で、大体半分、300人から350人、いわゆる自然減ですね、死亡者の数と、それから生まれてくる子どもさんの差、そして社会減が残り半分ぐらい、転出される方と転入される方の差ということですね。
定住促進策として昨年度から取り組みを竹内市長のお考えで空き家バンク、定住奨励金、リフォーム奨励金などいろいろやっていただいておりますけれども、やっぱり昨日の議員の質問の中にもございましたけれども、何が何でも住んでもらうというか、何としても人口をふやすというようにはどうも見えないんですね。
まず、今住んでいただいている方、住民にずっと住み続けていただきたいと思っておられるんでしょうか。その一番の大事なポイントは、住民負担の抑制ですよね。その部分は当然税、これは標準税率を使っていますから同じですけれども、使用料、保険料、そしてこの地域の特徴的な、やはりコミュニティにおける負担金など、そうした負担もあると思います。
そういう部分で言いますと、やはりいわゆる若い世代が保険料で支えているわけですね、年配の方々を。そういう意味では、保険料というのは非常に大きなこれから要素になってくると。それがどんどん上昇していきますと、支える側の負担が大きくなっていって、まず定住促進にならないですよ。そこのところからいかないと、財源が足りなくなったからしようがないです、保険料上げますってその程度では、もう今住んでいただいている方は住み続けていただけないと私はそう思います。
そして雇用につきましても、若い方の失業率が高いということもございますので、そうした失業対策と雇用紹介というのをやはり一体的にやっていただきたい。市としての雇用政策を持っていただきたいですし、そして子ども・子育て支援、これも前から申し上げておりますけれども、先ほども会議のスケジュールがございましたが、余りに遅いのではないですか。26年度中に計画立案して27年度というのが国の方針ですが、やっぱり少子化に対する危機感というのが薄いんじゃないかと。働く女性が当たり前になっておりまして、経済的にも共働きが必要という状況の中で、私は両立支援というのをやはりど真ん中に置いていただきたい。
10月の頭に3常任委員会、ほぼ全ての議員とそして市長、幹部の職員とで新潟県に視察に行きました。村上市、合併して、やはり非常に苦しんでおられましたけれども、人口増加という具体的な目標をしっかり掲げて、その第1の柱は子ども・子育て支援だと。国は国の制度だけれども、今その議論をしていて、26年度から前倒しで病児保育、病後児保育まで考えているということをおっしゃっていたと思います。
この1年の差はすごく大きいと思いますね。やはりそうしたトップの意思、意欲というものが、私は社会に影響がどんどん出てくると思いますが、この子ども・子育て会議のスピードアップ、7月に立ち上げて次の会議が来年だと聞いておりますけれども、もっとスピードアップしていただいて、そして両立支援、本気で進めていただきたいと思いますが、市長のお考えをお伺いしたいと思います。
副議長(井戸本進君)
竹内市長。
市長(竹内幹郎君)
子育て会議も含めて全体的な宇陀市に住みよい環境を提供するのはどうすればいいかということでございますし、そんなことは、やはりみずからのまちをいいところをない物ねだりするのではなしに、いいものを発見しようというような政策の中でさせていただいております。なかなか宇陀市は保守的な地域でございまして、高見先生がおっしゃるような、そのぐらい意識がやはり保守的な地域の中で高まらないということでございますし、そうした中でどうすればいいのかという形の中で、宇陀市の行政職員の方々を率先してするように宇陀市の行政経営理念というのを掲げさせていただいて、その中でいろいろ職員の意識改革も含めてしっかり宇陀市を主導するように、そしてまた意識改革をするようにというような指導もさせていただいております。
やはり住民の方々そのものも、旧態依然の意識ではなしに、やはり自治会にこだわることなしに今回まちづくり協議会でいろいろ議論いただいておるんですけれども、そんなことも含めながら総じて意識を上げるような政策をしていかなければ、高見議員がおっしゃるような、ひとり立ちしていても理論だけで先走りしまして、やはり現地で行政サイドでは市民意識の中では追随していかないのではないかなと考えております。
ですから、議員の方々の御協力もいただきながら、そしてまた私自身の高いレベルで行政運営をさせていただく、そういう意識づけをしていただきながら、しっかり担当していきたいと考えております。
副議長(井戸本進君)
2番、高見省次議員。
2番(高見省次君)
世の中というものは待っていてはくれませんので、そのことをやはりしっかりと、今回も近鉄さんの問題もいろいろ出ておりますけれども、やはり危機感をしっかり持ってやっていくように指導をお願いしたいと思います。
そして、こうした将来に向けて将来負担を抑制していくこと、そしていわゆる力をつけていく部分、その二つをしていかないといけないわけですけれども、これが社会構造改革ということになるわけで、そのために一番大事なことは、やはりこの組織のあり方、ガバナンスという言い方をよくされますけれども、行政組織のガバナンスということが非常に大事になってくる。
そういう視点で見ますと、やはりまだまだ組織の中に縦割りの問題というのがある。先般も一般質問で出ておりましたが、情報共有というのがなかなかされていない。そしてその結果、いろいろ提案もされておりますけれども、市財産の有効活用策というのが出てこない。今回1件その活用策を出していただいておりますが、これまでからいろいろ例えば幼稚園の用地とか医療福祉ゾーンであったり旧榛原町役場であったり公営住宅であったりケーブルテレビであったり、いろいろ提案申し上げておりますけれども、やはり管理している部分と企画している部分が違っていて、そして共有されてないと、出てこないわけですね。
ウェルネスシティということをおっしゃっておりますけれども、これもやはりそうした保健的な部分だけじゃなくて、ハードの部分ですね。暮らしの例えば歩道をどうやって広げていこうとかそういうことも関係してくるわけですから、やはりファシリティーマネジメント、全体最適ということを企画するためには横断的な組織が必要である。
あるいは前から思いますのは、特別なミッションを持ったチームづくりというのがされない。やはり企業誘致ということで、今回企画のほうが中心的にやっていただいておりますけれども、そうした企業とのコンタクトあるいは先ほどから申し上げておりますが、地域情報化、そして林業の再生とか地域医療とかそういったものは、やはりかなり特命ミッションということが私はあると思いますので、そうしたチームづくりというのも、やはり組織のガバナンスという意味では非常に大事であると思いますが、この縦割りの解消に向けて横断的な組織、それから特別なミッションを持った組織づくり、先ほど少し触れられましたけれども、もう一度その点についての市長のお考えをお伺いしたいと思います。
副議長(井戸本進君)
内田総務部長。
総務部長(内田一哉君)
先に総務部のほうから、ちょっと考え方のほうをお答えしておきたいと思います。
まず、組織についてということでありますけれども、職員数の削減に取り組んでいる中であります。当然組織の見直しが必要となってくると、このように考えております。スリムでコンパクトで効率性のある組織、経営感覚を備えた組織にする、こういうためには、行政サービスを行政側の基準で判断するだけではなくて、サービスの受け手である市民満足度を取り入れていくこういう方法。公共サービスを単に外部委託するのではなくて、地方自治体の公的な関与のあり方などを明確にして民間に業務を委託することにより、サービスの効率化と継続性を図っていくこういう手法ですね。また、極めて高度で専門的な知識、技術を必要とする業務や技術革新の変化が著しい業務は、これは外部委託等も含めて検討してもいいのではないかと、このように考えております。
また、各部署がみずから問題を解決し、スピード感を持って施策を展開できる組織づくりも必要であると考えています。
議員御指摘のチームづくりという点で、横断的な組織ということでありますが、もちろん組織という観点でもあり得ると思いますけれども、例えば市の施策を共通理解することで、それぞれが各部署で、それを目的達成するためにどのように行動すればいいのかということについて考えられる職員の育成を急ぐ必要もありますし、情報自体も各部署に共通理解をするために配信をしていく、同じ情報を共有すると、こういう体制も必要であると考えるところでございます。
今後そういう組織については十分検討していきたいと考えます。
以上でございます。
副議長(井戸本進君)
2番、高見省次議員。
2番(高見省次君)
ぜひお願いしたいと思いますし、当然お一人お一人の職員のレベルアップといいますか、能力の向上に向けて取り組んでいただきたい。一部御説明いただいておりますけれども、この人材育成ですけれども、やっぱり社会構造改革ということは、やっぱり企画ということになりますので、それなりにといいますか、創造的な仕事ということになりますので、やはりそのための研修というのは必要だと思うんですね。
私なりにどういったことが必要かということを考えましたら、まずやっぱり自分で足で現場を見ていただきたいと思います。その現場を見て、状況、何か課題がないかということを自分の目で考えて、そして理解をする。そしてそれの分析ですね。どういう背景がその課題になっているのか。そして、じゃあそれを解決するためにはどういうことが必要なのかということを自分で積極的に勉強したり人の話を聞いたり、あるいは先進的な取り組みを学んだり、そういうやっぱり意欲を持っていただきたいですね。
そしてプランを立てるということですね。プランを立てたら、それを実行するためにいろんな方と交渉しないといけないですから、そういうコミュニケーション力も必要だと思います。そして最後に一番大事なのは、それをやるということですね、実行するという、そういうやはり人じゃないと、私はこれから創造的な企画というのはなかなか難しいと思います。
そうしたことができるための政策形成能力をつけるための研修プランをつくっていただかないと、なかなか将来に向けたガバナンスというのが出てこないと考えますので、先ほども少しいただいておりますけれども、市長、組織それから人材ということを念頭にして、行政ガバナンスを具体的にどう変えていこうとされるのか、お考えを意欲をお伺いしたいと思います。
副議長(井戸本進君)
竹内市長。
市長(竹内幹郎君)
何回も申し上げますけれども、やはり職員の意識を高めたいと思っておりますし、そのための政策として、宇陀市の幹部職員の方々に宇陀市の行政経営理念というのを話をさせていただいております。毎月唱和していただいております。私も唱和しております。その使命として、経営の理念として「市民と共に、明日の宇陀市を夢あるまちに」ということで、これは市民の皆様に宇陀市に住んでよかった、これからも住み続けたいと思っていただけるような夢ある宇陀市づくりに努め、宇陀市の発展と市民の幸せの実現に貢献しますということでございます。
目指す姿、経営のビジョンといたしまして、自立した行財政と市民の視点に立った成果が見えるまちづくりということでございます。常に改革を意識し改善していくという姿勢を持ち、民間の経営ノウハウや事業手法を取り入れることにより、市民に満足していただけるスピーディーな対応や良質なサービスを提供できる成果重視の行政経営を目指しますということでございます。
そして行動の指針といたしまして、それは三つございます。
一つは、常に市民の視点に立ち、市民の信頼を得ることに努めます。二つ目に、政策形成能力や経営感覚を備え、みずから目標を立てて達成します。三つ目に、新たな課題への挑戦を恐れず、仕事と自分を変革しますということを唱和させていただいております。
やはり意識の壁というのが一番大きな課題でございますし、行政職員みずからが率先垂範して宇陀市を引っ張っていきたいと思っておりますし、市民の方々の御理解をお願いしたいということでございますので、よろしくお願いします。
副議長(井戸本進君)
2番、高見省次議員。
2番(高見省次君)
ありがとうございました。
1番目に市民目線ということをおっしゃっていただきました。きょうは時間がなくなりましたので、少しこの防災無線説明会などにも参加して、もう少し市民目線ということを持っていただきたいと思って少し質問も考えておりましたが、またの機会にしたいと思います。
最後にもう一度、この経営的な行政運営ということで、きょう申し上げたかったことをおさらいしますと、将来に向けて皆さん今の仕事を評価してほしいということですね。今の状況の中での今ではなくて、将来へ向けて今を評価してほしい。そしてその具体的には何回も同じことを申し上げますけれども、将来に向けたいわゆる財源を生み出す力がどこなのか、それをやはり得意なところ、あるいは不得意なところということをしっかり分析して、そしてその強みをさらに強めていく。
そしてもう一つ、将来負担をいかに抑制していくか。これは効率化、サービスを減らすんじゃなくて効率化でやると。そして行革は社会構造改革であるということですね。企画力をつけるための人材、組織、そして住民目線、そうしたガバナンスをしっかりと考えていただきたい。そしてそれによって、いわゆる今まちづくりに成功しているところは、ソーシャルキャピタル、人と人とのつながり、信頼関係、きずなが非常に強いということが言われております。そのことをしっかりと配慮をして住民目線でやっていただく。市長を先頭に全職員がそうした行政運営をしていただくことを強く要望しまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
副議長(井戸本進君)
高見省次議員の質問が終わりました。
これより休憩いたします。
午後3時50分より再開いたします。
午後3時35分休憩
午後3時50分再開
議長(中山一夫君)
休憩前に引き続き会議を再開いたします。
16番、小林一三議員の質問番号11番「日本農業が大きく変革する中で、中山間地域に位置する宇陀市の農業政策と将来展望について」の質問をお受けいたします。
16番、小林一三議員。
16番(小林一三君)
16番議席、小林でございます。通告に従いまして、質問番号11番、日本農業が大きく変革する中で、中山間地域に位置する宇陀市の農業政策と将来展望について一括質問をさせていただきます。よろしくお願いをいたします。
今、日本農業はかつてない転換期を迎える中で、大きく変わろうとしています。
本年6月に環太平洋戦略的経済連携協定、いわゆるTppの関税協定でありますが、シンガポールなど11カ国に加えて日本が交渉に参加し、本年度中の合意を目指して具体的な交渉を進めてきています。
報道によりますと、Tpp交渉は年内妥結に向けて、参加12カ国による閣僚会合が今月7日から10日にかけてシンガポールで審議をされてまいりました。その中で、米、牛肉など農産品の重要5分野で西村内閣府副大臣が交渉に臨み頑張っていただいておりましたけれども、合意が得られず、交渉は年明けに持ち越されました。激しい攻防がテレビ、新聞などで報道されました。
Tpp交渉が大詰めを迎える中で、政府は、日本農業は早急な競争力の強化が求められるとして、安い輸入品との競争に耐えられる農業、農家の育成を目指し、これまで続いてきた米の生産調整、いわゆる減反制度でありますが、5年後の平成30年に廃止されることになりました。定額補助金につきましても来年度から段階的に削減、廃止することが決定しており、農業、農家の保護政策から自立経営、体質強化を重視した大規模農家の育成政策へと大転換する政府の方針が示されました。
今後日本農業は大きく変化し、農家の意識改革と自治体はその対策を余儀なくされ、それぞれの地域に即した農業政策が求められます。
宇陀市は中山間地域に位置しており、その地域は国土全体の7割の面積を占め、総人口の14%、1700万人の方々が居住しており、耕作面積については約4割、また農業集落数の約5割と、我が国農業・農村の中でも中山間地域は重要な地位を占めています。
これらの地域は多様な農林産物の供給、国土保全、環境保全、水資源の涵養、さらに自然との触れ合いを通じた都市交流の場、また青少年の教育の場の提供などを含めて多岐にわたっており、多面的な役割をも果たしてきております。
しかし、農業を取り巻く環境は非常に厳しく、人口減少と高齢化の進行、そのことに加えて、農業の担い手・後継者不足、拡大する鳥獣害、耕作放棄地、荒廃農地の増加など、中山間地域においては、その置かれた不利な農業条件、社会経済条件など地域が抱える諸問題が山積をいたしております。
宇陀市は合併から早くも8年が過ぎようとしています。市の将来10年間のまちづくりの指針、基本となる宇陀市総合計画を平成20年に策定し、昨年は中間見直しを行って後期計画を策定をいたしております。あと2年を残しており、計画期間途上であり進行中の事業、そしてまた、まだ成果の出せていない事業もあるかと思いますが、その中で特に今回は国の農業政策の転換期を迎える中で、農業施策を重点に将来の宇陀市の農業の展望について質問をさせていただきます。
まず、宇陀市の農業施策についてお聞きをいたします。
農林業の活性化を図るために、農業の効率的な生産、管理、農地の集約化や農用地などの保全、農業生産基盤の整備、鳥獣害対策など、多くの多面的な取り組みを進めると農業施策の方向性を宇陀市は示しております。これまで取り組んできた事業の内容、そしてその成果また課題についてお聞きをいたします。
次に、政府はこれまでの農業・農家保護政策から、自立し競争に耐え得ることができる大規模農業政策へと大きく政策転換する方針を打ち出しております。5年後にはその実現を迎える中で、中山間地域は平たん地農業とは異なり、地形的な面など不利な面が多く、経営は非常に厳しくなることが予想されます。崩壊の危機に直面していると言っても過言ではないと思います。
宇陀市は基幹産業として農業を位置づけていますが、大きく変革する農業構造に対して、宇陀市の農業を今後どのように守り、農地の保全、地域の環境保全をどのように維持していくのか、将来の農業政策、環境保全対策を含めた方針について市長から答弁をいただきたいと思いますが、竹内市長の任期もあと3カ月と迫っております。来年4月には市長選挙を迎えます。任期満了に伴う進退について市長の心境をお聞かせいただき、含めて私の質問に答弁をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。
以上、壇上からの質問といたします。再質問は自席からさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
議長(中山一夫君)
竹内市長。
市長(竹内幹郎君)
小林議員のほうから宇陀市農業について質問いただきました。そうした中で私の任期もあと残り3カ月となっております。私の所信を申し上げまして回答にかえさせていただきたいと思っておりますし、宇陀市の根幹にかかわる政策も含めてお話をさせていただきたいと思います。少し時間をいただいて話をさせていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
平成22年3月に市長に就任させていただいて以来、市民の皆様の温かい御支援と御協力を大きな力にしながら、私の公約であります三つの約束を忠実に実行してまいりました。できることからスピード感を持って実行してまいりました。点数に例えるならば、80点はとれたのかなと感じているところでございます。これもひとえに市民の皆様、議会の皆様の深い御理解と御支援、御指導のたまものと深く感謝申し上げます。
私たちの宇陀市は誕生から間もなく9年目を迎えようとしております。この間、リーマンショック、東日本大震災、紀伊半島大水害など大きく周辺環境が変わってきています。また、政権が自民党にかわり、アベノミクスと言われる日本経済の活性化策を進めており、最近、穏やかながら回復の兆しが見えているものの、依然として不透明な経済情勢となっているところでございます。
また、従来から懸念されている少子高齢化、人口減少についても想定以上に進行していることに加え、若者の都市への移住、特に東京への集中がより一層進むのではないかと危惧しておるところでございます。それは国内的にも明るい話題であります東京オリンピックの開催、またリニア新幹線の着工、そしてまた開業などによるソフト・ハード両面の投資が進むことにより、ますます東京一極集中が進むものと予想されることから、関西圏の地盤沈下はより厳しいものがあると考えております。
また、先ほど議員の話にもございましたように、Tpp交渉は年を越えると報道されていますが、関税が見直されますと、当市の基幹産業である1次産業の農林業は構造転換を余儀なくされると考えられます。このような厳しい社会情勢の中、宇陀市としても公共施設の統合や民営化、職員の定員適正化、事務事業のゼロベースからの見直し、市税等の徴収の強化、遊休財産の処分など、歳入歳出面から見直し、徹底的な経費の削減を図ってきたところでございます。
一方で、住みよいみんなのまちづくりとして子育て支援策の充実、市立病院の運営の見直し、教育環境の整備に重点を置くなど、選択と集中を基本方針としながら、宇陀市を行政経営的にマネジメントすることをコンセプトに全力で取り組んでまいりました。
しかし、まだまだ継続中の課題もあります。宇陀市を取り巻く社会経済情勢は目まぐるしく変化しています。そして将来も変わっていくことが予想されます。今後宇陀市の合併に伴う経過措置である交付税の優遇措置の解消など、地方交付税の減額が予想されます。国においても国債残高が1000兆円を超えております。プライマリーバランスも赤字となっており、予断を許さない状況であると見込まれます。
この時代の変化に将来の宇陀市を取り巻くであろう環境の変化を的確に読み、最善の努力をしていかなければなりません。これからは宇陀市独自の行政が求められております。宇陀市をマネジメントしていくという基本的な考え方の中で、新たな宇陀市モデルをつくっていきたいと考えております。
このような中、私自身の任期も残すところあと3カ月余りとなりました。この4年間で取り組んでまいりましたことが、ここに来てようやく芽が出てきたと感じるものや、これからが正念場のものも数多く、道半ばと思っております。
特にこれから推進しなければならないと考えることについてですが、まず初めに、宇陀市の基幹産業である農業の振興について、ない物ねだりをするのではなく、あるものをもっと生かす方法を考えていかなければいけないと考えております。私たちのまち宇陀市の魅力を都市の方々に情報発信していかなければなりません。産地力の強化のための生産・販売体制を強化するほか、主要作物のブランド化の強化のほか、農業の6次産業化に向けた取り組みを実行していきたいと考えております。
この6次産業化は、農業経営の多角化による収入向上と就業機会の増大を主目的としております。これにより、これまで1次産業を担ってきた宇陀市農業を6次産業化することで、都会の方々に宇陀市のよさを再認識していただき、都市との交流を広げるとともに、農業者の安定経営につなげてまいりたいと考えております。
次に、昨年グランドオープンを迎えることができました宇陀市立病院でありますが、中川院長を初めとする熱意あるスタッフが当院のかけがえのない財産であると考えております。医師不足などいろいろ困難な問題はありますが、今後とも市民の皆様方の期待に応えることができますよう、経営基盤の強化並びに健全化を図るとともに、安全で良質な医療の提供に努め、地域医療の中核病院として市民の皆様方に親しまれ信頼される病院を目指してまいりたいと考えております。
次に、健康なまちウェルネスシティ宇陀市についてでございますが、少子高齢化などの影響で社会福祉費が増大しています。健康ということを一人一人が意識し、健康診断を受け、食生活でも体力づくりでも趣味でも好きなことをする、できることはできる、そんな環境づくりが求められているのではと思います。
健康の根本は雇用を中心とする安定した生活基盤づくりにも通じます。私はウェルネスシティ構想を提唱し、希望や生きがいの基盤となる健康を大切にする社会を皆様とともにつくってまいります。子どもたち、働くお父さん、お母さん、そしておじいさん、おばあさんまで心も体も、また、まちも元気な宇陀市をつくっていきたいと考えております。
最後に、皆様と行政の協働のまちづくりを行うため、設立を推奨してきましたまちづくり協議会についてですが、これは宇陀市の将来、取り巻く社会環境を考えたとき、少子高齢化やひとり暮らし高齢者世帯の増加、核家族化の進行など世帯構造が変化する中で、いろいろな問題が生じていくことが予想されることから、こうした地域課題を地域ぐるみで解決するようにということで、自分たちの地域は自分たちでつくるという考え方のもと、ある程度広域的な地域ぐるみで、住みよい地域の実現に向け課題を解決していくための組織がまちづくり協議会だと考えております。設立していただいたまちづくり協議会はさらにレベルの高いものに、そしてこれから設立する地域もできることから進めてほしいと思います。今後はまちづくり協議会を中心に、地域の活性化を進めていきたいと考えております。
これらのことを早期に成就させることが私の使命であると感じており、大きな変革の時代の中で2期目の市政を担わせてもらうことは私に課せられた責務であると考えており、市民の皆様方の審判を仰ぎたいと考えているところでございます。よろしくお願い申し上げたいと思います。ありがとうございました。
議長(中山一夫君)
16番、小林一三議員。
16番(小林一三君)
ありがとうございました。
ただいまは竹内市長から将来のまちづくりに向けての抱負、力強い表明をいただきました。宇陀市も8年が過ぎ9年目にかかるわけでございます。しっかりとした指針、方針のもとに、しっかりしたまちづくりの構築に向けてともどもに頑張っていきたい。そのためには皆さん方、今後ともどうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。
それでは再質問に移らせていただきます。
今ありましたように、市長のほうからも申されましたが、日本農業が大きく変わろうとしております。その中で、国の施策、この方針もしっかりと注視をしていかなければいけません。
宇陀市は今後独自の政策も含めて進めていくと表明もされておりますが、宇陀市のように中山間地における農業は、地形的な面あるいは農業条件から、国の制度に乗っかるとしても課題が多く、非常に厳しい面があると思います。国の制度は最大限に活用しなければいけませんが、やはり宇陀市の現状に即した先ほども申された独自のプランを立てて将来に備えていかなければなりません。
そこで、まず宇陀市の農業の現状について質問をさせていただきます。
現在宇陀市の農家戸数をお聞きをいたしたいと思います。そしてそのうち専業農家戸数、兼業農家戸数、兼業農家におきましては第1種と第2種がございます。内訳がわかっておれば、その比率はどのようになっているのか、まずお伺いをいたします。山本農林商工部長によろしく御答弁をいただきたいと思います。
議長(中山一夫君)
山本農林商工部長。
農林商工部長(山本喜次君)
お答えをさせていただきます。農林商工部の山本でございます。
平成22年度の農林業センサスの調べでございます。専業農家が208戸、第1種兼業農家が135戸、第2種兼業農家が988戸、合計1331戸でございます。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
16番、小林一三議員。
16番(小林一三君)
今ちょっと筆記をしたので、数字が間違っているかわからないんですが、農家戸数が1331戸ですね、そして専業農家が208戸、第1種兼業農家が135戸、第2種兼業農家が988戸ですね。そうしますと、第1種・第2種兼業農家を合わせますと1123戸となるんですか。1123戸ということになりますと、宇陀市の農家戸数が1331戸あってそのうちの85%が第1種、第2種を含めた兼業農家、こういうことになります。そうなりますと、これから国の進める大規模化政策に移行できる農家、これはなかなか厳しいものがあると思います。やはり零細農業と申しますか、大規模に移行はできないそういった形の中で、現在の農業経営もなかなか黒字を出すというのは難しい現実でございますが、今後ますます厳しくなる、こんな思いをいたすわけでございます。
専業農家にいたしましても、中山間地という不利な条件で大規模化、いわゆる国が進める。例えば水稲にいたしましても、30町歩、50町歩あるいは100町歩とそういったとてつもない経営をこれから世界の競争に打ち勝つためには、そうした足腰の強い農家の育成ということで示されておるわけでございますけれども、当宇陀市におきましては、非常に厳しいハードルであるかなと思います。
農地を守って耕作放棄地をふやさないためにも、農業政策、これは独自の地域の農業を守るための施策、この施策の中で将来設計あるいは人的、いわゆる後継者もなかなか少なくなってきている、そういった面も含めて今からしっかりと方針を立てて対策を講じていかなければならないと思います。
国においては5年間の猶予ということで、それまでに基盤整備をしなさいよと、5年たった平成30年からは今までの農業とは変わった、今の打ち出した一つは足腰の強い自立的な農家の育成という形の中で進めていきますよと、こういうことでございます。そういったことで、これから先ほども申し上げたように85%の方が兼業農家をされている現実、そういった兼業農家を含めた維持の支援、これについてどのように考えておられるのか、お聞きをいたしたいと思います。
議長(中山一夫君)
山本農林商工部長。
農林商工部長(山本喜次君)
お答えをいたします。
今現在宇陀市の中では、大きな耕作地で専業農家で3ヘクタール以上耕作している大きな農家は今現在20戸ございます。この20戸が今後大きく成長してもらうためには、大規模法人化を目指していただきたいと思っております。
その支援策といたしまして、6次産業化など広く国庫補助事業を受けることができます制度融資を活用し、運営リスク低減を図ることもできます。金融機関や取引先との信用力が高まり事業の拡大を図ることが容易となります。また、税制の優遇措置が受けられますので、この辺はまた農林課とともに、またJAとも相談していただき、また市のほうへも相談に来ていただけたらと思います。
以上です。
議長(中山一夫君)
16番、小林一三議員。
16番(小林一三君)
これは11月27日ですか、これは産経新聞でございますが、やはり中山間地域、いわゆる米どころと言われている水田の大規模化を図られにくい地域、その地域の保全をしていかないかんということで、日本型直接支払制度、こういった形の中で、今までは中山間地支払制度あるいは、いろいろそういう中山間地に対しての国からの助成が交付金がありました。
ところが、今度はその交付金が平成30年にはもう廃止されます。例えば戸別補償にいたしましても、もう来年度からは半額になると、こういったことでございまして、従来の中山間地支払制度というのは30年には廃止をされます。ところが、そうなりますと、やはり中山間地の農地の集約の大規模化のできない地域にとりましては、その地域の保全ができない。そういった形の中で、新たに日本型直接支払制度、この制度を来年に創設をすると、そして農地や水路あるいは農道の維持管理を後押しする、いわゆる支援をしていく交付金を支給しますと。その制度につきましては二つあるわけなんですけれども、農地維持支払制度、それともう一つは農村の環境をよくしようとする住民活動を支援する、いわゆる環境保全のための直接支払交付金なんですが、これは資源向上支払いという形の中で、この2種類が来年度創設されると、こういう記事が出ております。
今後そういった形の中で、やはり中山間地域を救済する救済措置としての情報をしっかりととっていただきまして、やはりそういった形の中で先行していただきたいな、そんな思いをいたしております。
それと今部長が申されましたが、今後地域もできるだけ大規模化に移行していかなあかんなという話を今聞いたんですが、例えばこれもまた来年からこの制度が新設をされると聞いておるんですけれども、農地中間管理機構、これは国が各都道府県に対してこの組織を立ち上げて、そして農地の集積を支援をせよとこういう形で、農地の中間的な受け皿となる機構のようでございます。耕作放棄地をふやさないために農地の集約化に関して農地の貸借、いわゆる貸し借りにかかわる事柄について支援をすると、こういうことでございます。いわば農用地バンク的な組織であります。今までは農業振興公社というのが各都道府県に置かれておりましたけれども、それにかわる組織を14年度から立ち上げると、こういうことでございます。
そういうことで、この仕組みにつきましてもいろいろと検討をいただきまして、そしてこの地域に合っているか合っていないか、合っていればやはり早速取り入れて、やっぱりそういう形の中で進めていかなければいけないのかな、こういうように思っております。
それともう1点は、奈良県の中で奈良県農業再生協議会というのがございまして、これは会員となっておりますのが農業会議あるいは奈良県農業協同組合中央会あるいは奈良県の市長会、町村会あるいは農業改良普及事業団体とかそんな農業にかかわる団体と各自治体が会員となって、そして荒廃地の抑制に寄与していただいていると、こういうことでございますけれども、そしてまたこれについてもいろいろと補助的な措置もされていると思うんですが、これまで宇陀市は、この会員となっておるわけなんですけれども、再生協議会の中の事業をされてきたのかどうか、この辺についてお聞かせをいただきたいと思います。
議長(中山一夫君)
山本農林商工部長。
農林商工部長(山本喜次君)
お答えをいたします。
農地バンク制度をつくれないかという問い合わせだったと思います。
宇陀市以外の市は、農業振興公社がその任に当たっておりますが、宇陀市が今後立ち上げる公社の設置により、農地流動化に伴う農地銀行、生産の省力化を図るための機械銀行や基幹作業の受委託あるいは照会業務、農作業ヘルパー派遣など、市内全農家が適切なサービスを受けられる事業の展開を行える公社組織の構築が必要であると、このように考えております。
それともう1点、奈良県農業再生協議会の件でございます。
構成組織につきましては、議員おっしゃったそのとおりでございます。主な業務といたしましては、農業者戸別補償制度の推進、対象作物の生産数量目標の設定、農地利用の集積、耕作放棄地の再生利用、担い手の育成・確保等々でございます。
この協議会はもともと転作制度から組織され、国からの転作面積を県下市町村に配分決定する組織でありました。現在はそれに加え、対象作物や戦略作物を定めたり直接支払いの補助金受け皿、個人配布などの業務を行っております。また、土地改良区が実施した改パイ地の耕作放棄地再生利用緊急対策事業が平成24年度より当該組織が吸収しており、宇陀市でも実施をしたわけでございます。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
16番、小林一三議員。
16番(小林一三君)
農業構造が本当に50年ぶりといいますか、変わるわけでございます。当然いろんな支援あるいは支援策も変わってまいりするわけでございますので、その辺をしっかりと捉えていただいて、国の制度にも乗っかりながら、そういった地域の中山間地域の農業振興に当たっていただきたいと思います。
それともう1点は、先ほども申し上げておりますように、耕作放棄地、まずは宇陀市の耕作放棄地、遊休農地、これが農用地は22年度で2010ヘクタール、水田と畑地を合わせた合計なんですが、2010ヘクタールあるわけでございます。24年、昨年度、2年後には2004ヘクタールということで、わずか2年間で6ヘクタールの耕地が宇陀市では減少をしております。全国平均での耕作放棄地というのは10%未満だったと思うんですが、その減った中で耕作放棄地がこの宇陀市では26%も耕作放棄されておると、そんな現状であります。そういった形の中で、先ほども申されておりました大規模化については大変厳しいものがあると思います。
市長の先ほどの表明にもありましたように、この地域は独自の取り組みもしていかないかん、そんなことで、6次産業化の推進ということで、きょうの朝日新聞にもこう掲載されておりましたけれども、昨日からもいろいろと御質問があって答弁をいただいておりますので、質問は控えさせていただきますが、この6次産業のこれが企業第1号となります。我々も、やはりこの地域で人口流出あるいは若者の定着を図るためには、企業誘致、これは欠かせないということであったんですが、なかなか来ていただけなかった。ところが、企業誘致第1号が実現を目前にしております。そして新聞にも載った。そしてこのことにつきましては、地元との説明会の中でも、やはり地域の活性化につながっていくということで、地元の方も大いに期待をいたしておるわけでございます。
そういった形の中で、6次産業化を今後進めていってもらうわけでございますけれども、宇陀市でまだやっておられる6次産業と言われる仕事が例えばブルーベリーのジャム化、ブルーベリーを栽培して、そしてそのブルーベリーの果実をジャムにして販売している、あるいはトマトをつくってジュースにしている、あるいは近くで曽爾村では大豆をつくってみそをつくり、そして販売している、あるいは米を米粉にして米パンを販売している、そんな形で、小さいながらに精いっぱいまたやられておるところがあるわけなんですが、これからも進めていく中で、どういった形で今の6次産業、いわゆる誘致した企業とのかかわりあい、そして連携を持って進めていかれるのか、お聞きをいたしたいと思います。
議長(中山一夫君)
山本農林商工部長。
農林商工部長(山本喜次君)
お答えをさせていただきます。
6次産業化の件です。近年新しく6次産業にあっては、昭和50年代より農業施策の一環として、農家の任意団体で取り組む各種加工施設など、生産、加工、販売に向けて進行していた経緯がございます。現在でも議員おっしゃいましたブルーベリージャムやナスのからし漬け、野菜の粉末商品、近隣では笠の荒神そばなどの成功事例がございます。
今後国の重要施策として、このような事業展開にさらに生産農地の集約も含めて進めていくことを狙いとしております。
宇陀市内においても、新規就農者が先ほど言いましたトマトを作付し、トマトジュース等加工しております。個人事業のため生産コストの削減が厳しく、いかに付加価値をつけて収益性のある商品につなげるかを検討課題として軌道に乗せようとしているところでございます。
また、ある農園では、体験農場だけでなくジャム工場の建設計画もあり、農政局、県とともに推進サポートをしているところでございます。
今後さまざまな形態の6次産業により、農地の集約化と近隣住民の雇用を含め、地域の中心的担い手の一端となっていただけるよう進めていかなければならないと、このように考えております。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
16番、小林一三議員。
16番(小林一三君)
ありがとうございます。
ちょっと方向が変わるんですけれども、一つは先ほどもちょっと申し上げましたが、農地中間管理機構、これは一つは貸借ということで、そういう仲立ちをされるということなんですけれども、これはあくまでも県の中で、都道府県の中で一つずつ創設されるということでございます。
その中で、宇陀市では一昨年ですか、もう3年目を迎えていると思うんですけれども、空き家が出てきまして、空き家バンク制度を創設されております。その中で、報告をいただいた実数は忘れたんですけれども、多くの方がその制度を利用されてお越しをいただいていると、こういうことでございますが、この農地の集積、集約につきまして、農地バンクというような形の中で、やはり農家が単位単位で、ようつくらんけどつくってくれる人といって探してはるそんな人もおられるんですが、そういった形で登録制にしてそういう農地バンクというのを新設をしてはどうか、これは一つの提案なんですが、この件についてはどうでしょうか。
議長(中山一夫君)
山本農林商工部長。
農林商工部長(山本喜次君)
先ほども問い合わせがありまして、お答えをさせていただいたんですけれども、今宇陀市では王国というのを進めようとしております。これができましたら、公社組織の構築をこの中で考えておるというところでございます。ですので、この中で農地流動化に伴う農地銀行であったりとか機械銀行であったりとか基幹作業の受委託あるいは照会業務、農作業のヘルパー派遣など、このようなことを行っていきたいと考えております。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
16番、小林一三議員。
16番(小林一三君)
もう持ち時間がなくなりましたので、ここで最後の質問ということでございますが、地域の農業を守るということは、本当にこの地域を保全すると、まちづくりの基本である農業でございます。地域の環境保全の維持、そして宇陀市の活性化、活力につながっていくということであります。50年ぶりと言われております大きく変わりつつある農業政策にしっかり先ほども申し上げましたけれども、国の動向を注視していただきまして、そして地域の農業と環境を守っていただきまして、宇陀市の基幹産業である農業振興を図るとともに、将来のまちづくり構想に向けた指針をしっかりと進めていただきたいと思います。
先ほど市長のほうから出馬表明にもあったわけでございますけれども、ここで市長の総括した答弁をいただいて私の質問を終わります。ありがとうございました。
議長(中山一夫君)
竹内市長。
市長(竹内幹郎君)
先ほど申し上げましたことを復唱させていただくような話になろうかと思います。
6次産業化ということで、農業経営の多角化による収入向上と就業機会の増大を主目的としておりますということでございますし、この成功事例を宇陀市のいろいろな施設、そしてまたこういう新しい産業の展開を議員の皆様方と模索していきたいと考えております。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
小林一三議員の質問が終わりました。
次に、5番、上田徳議員の質問番号12番「まちづくり協議会の課題と宇陀市の社会教育(生涯学習)としての公民館事業の展望及びかかわり」の質問をお受けいたします。
5番、上田徳議員。
5番(上田徳君)
議席番号5番、上田徳でございます。ただいま議長から許可をいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
声の調子が非常に悪いので、聞き取れない部分がございましたら、またひとつよろしくお願いしたいと思います。
本定例会には12名の議員の方々が質問に立たれ、11名まで終了いたしました。宇陀市の抱える幾多の課題や将来の展望に対する考え方や方向性をお尋ねになりました。ことしの最後の質問といたしまして、通告をいたしております、まちづくり協議会の課題と宇陀市の社会教育(生涯学習)としての公民館事業の展望及びかかわりの考え方をお尋ねいたします。
先ほど市長から、次期の市長の立場をもう一度市民の皆さんから審判を受けられるという出馬の表明もございました。そういった意味からも、新たなまちづくりの中で、ひとつ真摯な御答弁をお願いしたいなというわけでございますけれども、最初に各地区で計画されています20のまちづくり協議会の設立に向けての検討会が立ち上がっておりますが、その現在までの実績等について、まずお示しをいただきたいなということでございます。
次に、協議会議案書によっていろいろなものが検討を進められているわけですけれども、その中には規約や組織図、事業計画、予算書及び構成団体の名前とそこの代議員数など、ひな形が説明団体への実態に沿った形で例示をされておりました。共通事項の中で、目的達成のための事業計画として10項目が具体的な取り組みとして示されております。内容につきましては、行政組織の中で事務事業として取り組むべき基本的な内容も示されております。まちづくり協議会に求めるものは、どのようなことを目的としてされているのか、10項目の事業計画を中心に、その考え方を説明をいただきたいと思います。
また、宝くじの社会貢献広報事業として、自治総合センターが地域文化の支援や社会の健全な発展と住民福祉に寄与する目的でコミュニティ活動助成事業として八つの事業がそれぞれ紹介されています。これらの助成事業の実績と事業内容についての説明をいただきたいのと、あわせまして、一般コミュニティ事業並びに地域防災組織育成助成事業の申請分について、従来は市内全域の自治会を対象にして公募をされておりましたけれども、27年度からは特段の事情がない限り、まちづくり協議会設立所属の自治会に限定されるというようなことがございました。自治総合センターの地域コミュニティ活動の充実強化の考え方から外れているのではないかなと考えますので、その点の説明をいただきたいし、また、特段の事情とはどのような事情を想定されておられるのか、御説明をいただきたいと思います。
次に、まちづくり協議会と社会教育、特に生涯学習の活動としての公民館事業の展望とまちづくり協議会とのかかわり方についてお尋ねをいたします。
まちづくり協議会の構成組織の中には公民館もあれば自治会も入っています。今までの公民館の活動について補助金が出ておりましたけれども、経過措置が終わる27年をもってなくなると説明を聞いております。
市町村が公民館を設置して住民に社会教育の振興を図ることは、社会教育法の法のもとで定められております。その原則に沿って考えると、地域で活動している公民館活動の委託金、いわゆる補助金をなくすことは社会教育の大きな後退ではないかと考えるところでございます。
そこで、昨年2月27日に公民館運営協議会に対し、宇陀市公民館の今後のあり方について諮問があり、同年9月28日付で公民館運営審議会が中央公民館長に答申され、そしてまた教育委員会へ報告が上がり、議会への報告もいただいておりまして、12月の議会で報告をいただいております。
答申内容について、施設条例の整備とあわせて公民館のあり方について説明をいただき、最初の質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。
議長(中山一夫君)
栗野企画財政部長。
企画財政部長(栗野肇君)
企画財政部、栗野でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
最初に、まちづくり協議会設立準備会に対する10項目の考え方について御回答させていただきます。
まちづくり協議会の設立推進に当たりましては、まず平成23年度にまちづくり協議会準備委員会を設置いたしております。20名の委員によりまして、まちづくり協議会の設置区域、構成団体、制度の内容等について計6回にわたりまして御協議をいただいておりました。その設置区域につきましては、現在20地域に分かれておりますが、そのうち現在のところ6地域におきまして、まちづくり協議会が設立されたという状況でございます。
その協議事項の中で、まちづくり協議会の規約のひな形を作成いたしております。この規約は組織のあり方やルールを示す根本となるものであります。組織がつくられても規約がなければ有効に組織を動かすことはできません。そのために住民の参加意識を高め、責任のある協議会の活動を進めるために、規約は重要な役割を担っております。
また、一からまちづくり協議会を立ち上げるには、やはりひな形となる規約なり体制をあらわした事前の資料を市から提供することで、事務的な労力の軽減が図れると思われますし、また、まちづくり協議会の設立目的もある程度統一したものが図れるのではないかと考えまして、ひな形を作成しております。
議員おっしゃいます10項目の考え方につきましては、その規約のひな形の中でうたっておりますもので、規約の第5条として協議会の事業例を挙げているものでございます。
この目的の第2条としまして、「協議会は、地域の住民相互の交流と親睦を図り、共通の利益の増進、生活環境の保持・改善に努力し、文化・福祉の向上と豊かで住みやすい地域づくりに寄与することを目的とする。」ということにいたしまして、第5条におきまして、それを具現化するために10の規約の事例を挙げております。
言うまでもなく、まちづくり協議会の目的は、地域住民が身近な課題解決に向け、それぞれの地域の個性を生かして、豊かで住みよい地域づくりに寄与することを目的として設置されているものでございます。
少子高齢化対策など大きな部分では共通の地域課題はありますが、地域によってそれぞれ生活環境が異なるために、目標や活動内容、構成員や運営方法など、一つ一つが全く別のものであると言えます。住宅地と山間地で抱えている課題が異なるように、隣り合う二つの地域においても抱える課題が異なることも考えられます。
そのため、まちづくり協議会では、自分たちの地域は自分たちでつくるという共通理念から、活動運営の基礎となる10項目の事業例を挙げているものでございまして、まちづくり協議会によっては、地域の課題解決のために10項目の中から取捨選択されている地域もございます。この10項目はあくまでも参考例として活用いただいているものでございまして、各項目に挙げられている事業については、いずれも課題解決のための手法として有効な事業であると考えております。
次に、コミュニティ助成について御回答をさせていただきます。
総務省宝くじコミュニティ助成及び自主防災コミュニティ助成につきましては、それぞれ要綱によりますと、一般コミュニティ助成事業そして地域防災組織育成助成事業と言われるものでございます。いずれも地域のコミュニティ活動の充実強化を図るために、活動に必要な備品等の購入に対しまして、宝くじの収入を財源として財団法人自治総合センターが助成を行うものでございます。
宇陀市の平成25年度の実績では、一般コミュニティ助成事業では申請件数が25件ございましたが、そのうち採択を受けましたのは4件でございます。また、地域防災組織育成事業では申請件数は20件でございましたが、採択は1件でございました。
対象となる組織につきましては、コミュニティ助成事業実施要綱では、市町村が認めるコミュニティ組織、地域防災組織育成事業では市町村が認める自主防災組織を助成事業の実施主体としております。ここでいうコミュニティ組織とは、市町村における自治会、町内会等の地域的な共同活動を行っている団体またはその連合体としており、宇陀市においては主に自治会からの申請をいただいているところでございます。
また、過去の主な採択事業の内容といたしましては、地域イベントに活用されるテント、放送設備、環境整備のための草刈り機、防犯灯、地域の伝統芸能に活用されるはんてん、太鼓、地域活動支援として集会所の備品、また防災用品等の購入に活用いただいているところでございます。
今後少子高齢化が進む中で、活力あふれる地域づくりのためには、地域の各団体が参画し、多世代で取り組んでいただくまちづくり協議会の役割が重要となってきます。
そのため、このコミュニティ助成事業の活用により地域コミュニティの充実を図っていただくため、特段の事情がない限り、平成27年度分からコミュニティ助成事業については、まちづくり協議会及びまちづくり協議会を構成する自治会を対象とすることの案内を自治会及びまちづくり協議会に周知をいたしております。
これはひとえに、地域として共通の認識のもと事業に取り組んでいただきたいという思いもあります。このコミュニティ事業については採択件数が限られておりますので、有効に活用していただくためには、まちづくり協議会の枠の中で取り組んでいただくことによりまして、まちづくり意識が地域全体へ広がり、よりまちづくりに対する意識が高揚することを期待するものでございます。
なお、申請要件には「特段の事情がない限り」と挙げております。まちづくり協議会に参画していない自治会からの申請を受け付けないわけではなくて、積極的にこの事業を活用したい自治会につきましても、事情をお伺いした上で申請を受け付ける予定をしておりますので、御理解のほどお願い申し上げます。
以上、まちづくり協議会にかかわります答弁とさせていただきます。
議長(中山一夫君)
本日の会議時間は、会議規則第9条第2項の規定によりあらかじめ1時間延長し、午後6時までといたします。
栗野企画財政部長。
企画財政部長(栗野肇君)
先ほど説明の中で申し上げましたが、20地域のうち6団体で今協議会の設立は既に終わっております。
以上でございます。
出口教育委員会事務局参事。
教育委員会事務局参事(出口裕弘君)
失礼します。それでは、上田議員の質問にお答えしたいと思います。
まず、公民館運営審議会のほうから答申を受けましたその内容につきまして説明をさせていただきたいと思います。
公民館条例で規定する60施設の現状を把握し、問題点、課題を検討し、社会教育法で規定される公民館を明確にせよということです。
特に、社会教育法で定める行政が主体となって各種の事業を展開していく施設としての公民館は、中央公民館と大宇陀分館、菟田野分館、室生分館、榛原分館の5施設のみに集約し、条例第4条、第5条に規定される地区公民館と自治公民館は、地域の自治会や子ども会、女性の会、老人会などが中心となって、各種のイベントや集会、会議、趣味を生かした講座・教室など、地域コミュニティ施設として幅広く利用されている現状から、集会所機能を有する施設として条例整理が必要と提案されております。
また、公民館活動が衰退しないでさらに発展するように、公民館活動の裾野を広げる将来を見据えた組織体系の充実を提案されています。
また、行政が行う中央の事業展開においては、中央公民館、分館が連携して一体化した公民館事業を進めるよう提案されております。それに加えて、さまざまなきめ細かい公民館運営や指導が必要なことから、公民館職員の資質の向上を図り、公民館主事の配置が必要と提案されています。
また、公民館活動支援補助金については、中央・分館と連携しながら事業展開を進め、地域による格差のない補助金制度に見直し、地域公民館活動の充実を図るよう提案されております。
結びとして、少子高齢化と過疎化が急速に進んでいる現状で公民館事業は重要な役割を果たし、市民一人一人が生きがいを感じる多種多様な活動を展開していくために、生涯学習における公民館事業の役割を明確にして早急に組織改善をするべきと結ばれております。
今回この答申を踏まえまして、施設整備の条例提案を当議会に提出させてただいているところでございます。
その内容としましては、社会教育法で申します公民館は、中央公民館と4分館のみとし、その他の公民館につきましては、集会所・コミュニティ活動の拠点ということで、集会所機能を有する施設にふさわしいということで公民館条例から外すものでございます。
この審議会におきましても改正案が了承され、加えて公民館活動が衰退しないでさらに発展するようにと提示もされていました。
教育委員会としましても、施設整備の条例改正を早急に行い、公民館活動がより充実する組織体系を考えていきたいと思っております。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
5番、上田徳議員。
5番(上田徳君)
最初に、まちづくり協議会について再質問したいと思いますけれども、行政に対するさまざまな要望や陳情が市内各地から土木事業も含めてあろうかと思うわけですけれども、そういったことの中で市長が常々おっしゃっているのは、まちづくり協議会の設立団体からしかそういったものは受け付けないような答弁や発言を耳にすることがあるわけでございますけれども、それでいいのかどうか、公正であり公平であるはずの立場をやっぱり忘れていただきたくないなと思うわけでございます。
個人や団体からの多種多様の課題解決には、多くの人の協力があってできると考えられると思います。それは自治会の加入も含めた中での話ではないかなと思うわけでございます。自治会の要求、要望に最初から高いハードルをつけて要望の受け付けをするというのは、何か企業が行っているような実績成果主義へのこだわりのようにも思えるわけですが、こういった点について御意見を伺いたいなと思います。
また先般、市役所に参りましたときに、市役所のエレベーターホールにこのような案内がございました。東榛原まちづくり協議会回答説明会会場312というようなものでございまして、会場の場所まで記されておりましたけれども、先行団体の事例として、どういった形の陳情、要望等があり、そしてそれについてどのような回答が行われたのか、また、そういった方の説明会の開催状況等についてひとつ御説明をいただきたいと思います。
また、公民館の運営審議会の答申書では、公民館条例の規則の整備課題として公民館活動の裾野を広げる取り組みを充実するために組織体系を整備して確立される体系案が同時に提案をされておりました。これは今進めておりますまちづくり協議会の設立構成組織のひな形と似通っており、答申の提案内容に沿った組織体系を地区公民館の姿として提案していただけなかったのはなぜなのか。公民館条例改正図、公民館の施設条例をつくるに当たっての各自治会への説明の分でございますけれども、これには公民館事業連携に示された公民館活動団体と各地域分館とはどのような関係で連携されるのか、お答えをいただきたいと思います。
さらに、公民館条例に定める中央公民館と大宇陀分館は地区公民館以下で併設されております公民館と何がどのように違うのか、御説明をいただきたい。施設としての考え方も整理が不完全ではないのかなと考えますので、ひとつ答弁をいただきたいと思います。
議長(中山一夫君)
栗野企画財政部長。
企画財政部長(栗野肇君)
私のほうからは、まちづくり協議会にかかわる部分につきまして先にお答えをさせていただきます。
まず、まちづくり協議会と自治会との関係でございますが、まちづくり協議会におきましても自治会を否定するものではございませんでして、従来から地域の重要な組織として自治会は存続をしてまいっております。今後におきましても、自治会はその活動を続けていただく中で、しかし今後10年・20年先を見たときに、いつまでも現在200以上ある自治会が存続していける状況が続くとも思えないところもございます。
そういうこともありまして、この自治会の活動と、そして今後の将来に向かって地域協議会というものの活用をしていただいたらということで、この二つの組織の活用をお願いしたいと思っております。
それと、そういう中で、東榛原まちづくり協議会が先行して設立をしております。これにつきまして、先日、私どものところと会議をいたしました。これは今後東榛原まちづくり協議会としてのいろんな活動をする中で、その拠点となります事務所でありますとか、あるいは活動をするためのいろんな整備場所につきまして、いろいろなこれからの将来に向かっての計画なりをお聞きして、その中で行政として協力できるところがあるかどうかというところを調整をするための、そういうコミュニケーションを図るという意味の会議はさせていただいております。
今後におきましても、こうして新たな後発しますまちづくり協議会の中から、行政に対していろんな要望が出てくると思いますが、従来から自治会から要望を受けていることと同じでございまして、まちづくり協議会からの要望につきましても真摯に耳を傾けていきたいと考えております。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
出口教育委員会事務局参事。
教育委員会事務局参事(出口裕弘君)
失礼します。
質問が3項目ほどあったと思います。そのまず1点目は、組織体系がまちづくりの組織とよく似ているのはなぜかというようなことでございます。今、条例改正のほうで提案させていただいていますのと重なりますので、その話も含めてさせていただきます。
まず、先ほどもお話ししましたとおり、社会教育法で言います公民館を五つの公民館ということで先ほど言ったように、中央と4分館の五つということでさせてもらう提案をしています。そしてその規に反したといいますか、今、条例から外れる公民館につきましては、以前は公民館の分館という形から、公民館という条例の中で、分館と地域の公民館とのつながりというのは条例の中で規定されておりました。
しかしながら、条例が外れたということによりまして、その辺の活動が衰退する可能性があるということがありますので、それは強化しなければならないということで、その強化のための連携組織ということで連携の形を提案させていただきました。その連携というのは、今公民館がなくなったというところの自治会であり、あるいはそのなくなったところの組織であるそことのつながりということで、中央あるいは分館と連携をとるということでございます。
連携につきましては、中央と分館の連携はさらに強化をしていかなければならないということで認識しております。公民館の連絡協議会がさらに活発化させたいということを一つ挙げています。そして常にやっております情報提供や事業相談、これも充実をさせたいと思っております。
また、地域の希望によりましては出前講座も行っていきたいなと思います。そしてリーダーの育成や自主グループの育成というのをするために中央のほうで研修会をふやしたいということも考えております。
そしてまた、公民館の連絡協議会の中で特に1年間で公民館活動のいろんな活動がされる中で、特に発表して皆さんの参考になるというようなことを発表してもらうようなそういう場を設けたいな、お願いしたいなというようにも思っております。そして、情報誌や機関誌などの発行をしまして、積極的に情報発信を行って地域の公民館活動の支援に当たりたいなと思っております。
次、2番目の質問でございます。それは連携のことでございます。
今、私が先に申し上げましたけれども、連携体制、中央と分館そして地域の分の連携、先ほど言わせてもらった強化を含めた体制をつくりまして連携をするということで御理解いただきたいと思います。
もう一つ最後の質問です。中央公民館と大宇陀分館、これが同じ施設の中にあるのはどういう意味であるかということでございます。
合併当時ですけれども、その経緯もあります。
まず、平等に分館を置くというような経緯から始まっておると思うんですけれども、現在は事業なり学習会なりをします。その参加者が全市民を対象である場合と大宇陀市民を対象であるという場合がございます。その辺のわかりにくい部分をはっきりするということで、大宇陀分館の事業あるいは中央の事業ということで、今のところは区別をさせていただいているということでございます。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
5番、上田徳議員。
5番(上田徳君)
公民館条例は施設条例ではないんですか。
議長(中山一夫君)
内田総務部長。
総務部長(内田一哉君)
上田議員の御質問にお答えしたいと思います。
公民館条例につきましては設置条例であると、中央公民館条例については設置条例であると、そのように認識をしております。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
5番、上田徳議員。
5番(上田徳君)
そうしますと、一つの建物に所番地が同じものが二つ存在するということは、これは今までの地区公民館、自治公民館と同じスタンスになるのではないですか。
議長(中山一夫君)
内田総務部長。
総務部長(内田一哉君)
お答えしたいと思います。
上田議員御質問されておりますのは、室生地域にございます、それは教育委員会の考え方でお聞きしていただいたら結構かと思いますけれども、中央公民館は設置条例という認識でありますが、同時に大宇陀分館というものを同じ施設に合わせて設置条例といいますか、設置されておるということについての考え方は、条例上の考え方としては二つ存在するという理解でございますけれども、その中身の考え方については教育委員会のほうで御確認いただきたいと、そのように思います。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
5番、上田徳議員。
5番(上田徳君)
教育委員会に尋ねますけれども、その考え方が今回審議会のほうから併設してややこしいではないかと、すっきりせえと、だからみんな公民館と名のついたものについては集会所条例に集約したわけでしょう。そうしましたら、今度はこの部分、ましてやこれは公民館ではないというような、施設であるというものの考え方から、例えばその辺の整理はどのようにされようとしているんですか。
公民館は法設置じゃなかったらだめなんですよね、皆さん方がおっしゃってるように。そのためにわざわざ同じものに二つの名前をつけて本館、分館というような使い分けをされるわけですよね、どうですか。
議長(中山一夫君)
出口教育委員会事務局参事。
教育委員会事務局参事(出口裕弘君)
おっしゃいますとおり、中央と大宇陀分館と同じ建物ということになっておりますけれども、先ほども私が申しましたとおり事業区別をしております。その事業区別をするのに対象者として大宇陀地域あるいは宇陀市全体の地域ということで、事業仕分けのことでその二つを分類しているということで御理解いただきたいと思います。
議長(中山一夫君)
5番、上田徳議員。
5番(上田徳君)
一つの施設に二つの名前をつけるということはおかしいのではないですか、総務部長。
議長(中山一夫君)
内田総務部長。
総務部長(内田一哉君)
お答えをしたいと思います。
おかしいというのか、組織体系に合わせた設置条例であると私は認識をしております。中央公民館並びに中央公民館大宇陀分館につきましては、いずれも教育委員会の出先機関であると、そのように認識をしているものでございます。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
5番、上田徳議員。
5番(上田徳君)
時間だけ食うだけやから、もう次へ行きますけれども、まちづくり協議会は地域事務所の支援をいただいて各自治会が協力し合って設立に向かって取り組んでおる、これは事実でございますし、このことをもっとやっぱり真摯に受けとめていただいて、夜遅くまで地域事務所の担当者の方は地域のそういった自治会に出向いていって懇切丁寧な説明をされていると思いますけれども、そこでいろいろなお話も聞いて帰ってくださっておると思います。
ですから、余り強権的な行政運営というようなことをやめていただいて、もう少し説明責任を果たしながら相互理解を図れるようなそんな取り組み、時期にこだわらないような支援体制を進める。
先ほど聞きましたように、20個、24年度に計画して、まだ4分の1ですか、6といったらたったね。それほどやっぱり地域の方々が混乱してるという実態をもう少し直視してもらいたいなと思うわけでございます。その点につきましてももし御意見がございますようでしたら、お話を聞きたいと思いますし、いきいき地域づくり補助金の中から25年度の予算、26年度の予算、設立しなかったらどうのこうのというようなことがどうも我々の耳に入ってくるわけでございまして、その点の部分についても、ひとつしっかりと説明責任を果たして、市長が望んでおられるようなまちづくり協議会の設立というものを各地域に設けていただきたいと思うわけでございます。
また、公民館の考え方につきまして、社会教育法の立場から少し御説明をしたいと思いますけれども、社会教育法第1章の総則第1条に、社会教育に関する国及び地方公共団体の任務を明らかにしましょうと。これは、社会教育は市のほうできちっとやりなさいというのがまず第1条でうたわれていますね。そして第3条第1項には、国及び地方公共団体、市は、この法律及び他の法令の定めるところにより、社会教育の奨励に必要な施設の設置及び運営、集会の開催、資料の作成、頒布その他の方法により、全ての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、みずから実際生活に即する文化的教養を高め得るような環境を醸成しなさいよと、このように示されているわけです。こういった部分が今度のこのまちづくり協議会という任意の団体の中に入っていって、そして条例の中の4条、5条がなくなることによって、法律上の公民館という運営は要らないよというのが皆さん方のスタンスでございます。
したがいまして、この国及び地方公共団体は、第1項の先ほど述べた任務を行うに当たっては、社会教育が学校教育及び家庭教育との密接な関連性を有することに鑑み、学校教育との連携の確保に努め、及び家庭教育の向上に資することとなるような必要な配慮をするとともに、学校、家庭及び地域住民その他の関係者相互間の連携及び協力の促進に資することとなるよう努めるものとすると定められているということは、国の法律で、社会教育の中ではそういったことを市がちゃんとしなさいよと示されているわけですね。これは任意設置ではなしに法設置のもとで、きちっとこういった社会教育の場を提供していきなさいよということが論じられているわけです。
ですから宇陀市は4分館を持って、旧の4町村に分館という形のものを置いていった。しかし、それではまだ不十分ではないかというのがあって、4条、5条でさらに細かい地域、国民の一人一人まで行き渡るようなそんなものを醸成する機関としてつくっていってもらったわけですね。その部分が今度は先ほど説明聞いておりますと、設置条例なのか、そういった事業条例なのかがわからんままに、皆さん方は片側の部分だけを外していったというような経緯の中で、施設として整備されるということの物の考え方はよくわかりましたので、それは集会所条例でやっていただいても結構かと思いますけれども、国が皆さん方に求めておられる社会教育の実践としてのあり方を、じゃあどのような形で、先ほど体制を整えて、そして連絡協議会か何かを充実しながら、また発表会の場を設けるとか、これは多分今までの自治とか地区の公民館のそういった活動の発表の場を設けると私はとったんですけれども、それでよかったらそれでよいという返事をいただきたいんですけれども、そういった中で本当にまちづくり協議会というものを発展させていこうとするならば、このまちづくり協議会の本の中に、きのうも話しましたけれども、ちゃんと公民館と書いてあるんですよ、ここに、この中にね。まちづくり協議会の中に、ちゃんと公民館がありますよと、公民館もちゃんとしたものですよと。これは分館なんですか、この公民館は。違うでしょう。それぞれの細かな地域にある公民館を指している。これをやっぱりこの公民館は教育長、あれですわね、ちゃんと法設置のもとに建った公民館を示しているんですよね。あるいはそれぞれの自治会がちゃんと認めた公民館を指してると思うんです。そんなこれからはもうまち協の中でやっていくよというものではないと思うんですね。そこら辺の見解についてもう一度お話をお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いします。
議長(中山一夫君)
石増教育長。
教育長(石増次郎君)
上田議員の今後の宇陀市の公民館のあり方も含めた展望そして社会教育とのかかわりについての物の考え方、こういったものはどうなっておるのだということにお答えをしていきたいと思います。
昭和24年に設置されましたこの社会教育法は、戦後の復興を目指して、やっぱり国民、市民に国民の資質を高め、教養を高め、そういったことを行政主導で積極的に進めなければならないと、こういう精神のもとに設立されたのではなかろうかということを感じるわけでありますが、その精神は今もやっぱり大事にしなければならないと思います。
したがいまして、社会教育法のもとに、公民館活動を活発にしていくことは、これは教育委員会の責務でもあると考えております。
したがって、それでは今回の施設条例の改正とどうかかわってくるのかと申しますと、施設の今のこの条例改正を行うことによりまして、施設の使用規定等が緩和されまして、さまざまな公民館活動、公民館的な活動もしやすくなり、市民にとって活用の場も広がるものと考えております。このことが地域の皆さんが今まで実施していた公民館活動を継続することはもちろんのこと、これからのまちづくりを支えていくさまざまな活動を生み出すことにもなり、いわゆる公民館活動の裾野を広げていくことになるのだと我々は解釈をしているわけであります。
したがいまして、先ほども説明しましたように、教育委員会としましても、今後も地域の公民館活動と連絡協議会等を密にしまして、そして情報を提供したり活動などに対する指導、支援を充実してまいります。そして公民館活動をさらに活発にして、社会教育、生涯学習の振興を図ってまいりたいと、このように考えているわけであります。
支援という形では、さまざまな形、業務に活動に対することもございますでしょうし、また議員先ほど御指摘の直接的な資金援助の問題もあろうかと思いますが、今後の公民館活動のあり方ということから考えてまいりますと、当分の間は教育委員会、今までどおり前面に出て、いろいろと指導はしていきたいと。
しかし、社会の変化とともに、その活動のあり方、先ほど申しましたように法ができましたようなそういう戦後の間もなくの時期と随分情勢も変わってきておりまして、行政がリードする活動から、だんだん自主的な活動が重視されてくるそういった活動が重んじられてきておりましたり、また国民の資質、教養を高めるというそういったものから、人間関係なんかを高めていくそういう取り組みが重視されてきたりと、また、我が宇陀市におきましては、市の政策でまちづくり等々の進み方の中で、法で認められないような活動も公民館活動として積極的に活動していくことが非常にまちづくりのために役立っていくということが期待されるわけであります。
そういう中で、今後どういう活動の支援の仕方であるとか、それに対する支援のあり方が市民にとって最もよいのかということは、やはりこれから探っていくべき問題であろうと、こんなように考えております。
以上です。
議長(中山一夫君)
5番、上田徳議員。
5番(上田徳君)
社会教育の一環として位置づけられているこの公民館活動がまちづくり協議会の任意の団体と同じ扱いにすることは、私は社会教育の後退であろうと、このように感じます。
したがいまして、市の責任が担保されない環境となることから、制度設計を公民館運営審議会からの答申の精神に基づいた方向に修正をしていただくという必要を私は訴えていきたいと思いますし、そのことがなかなか御理解いただけていないと思うわけですけれども、まちづくりを活性化するためにも公民館の活動は大切であり、そして教育委員会の役割も大きいと私は感じております。
今日までの公式や非公式の論議を踏まえて、普通の発想に転換していただきたいなと思うわけでございますけれども、まちづくり協議会における公民館活動に対する補助金のあり方が26年、27年そして28年からやめるよと、こういったまちづくり協議会の一端のものではないんやと私は考えておりますので、先ほど教育長のほうから予算の許す範囲という話もございましたけれども、そういった部分の中で、やはり公民館の事業というものはそういった、確かに戦後24年の話かわからんけれども、人の社会のコミュニティの根源なんて私は変わってないと思います。これは江戸時代の五人組の話からも何も変わってないと思います。向こう三軒両隣ですか、それが最初のコミュニティの始まりであって、それが広く社会の中にまとまっていったときに自治会という大きなものに変わってくるわけですから、自治会の大きさに対しましても、十数件のところから何百世帯というところまでもあるわけですから、それはやっぱりそれできちんと公民館の活動の中で今までは担保できてたし、またこれからも担保できるものやと。
ただ、それをどこまで行政がやるのかという話の中ですけれども、それこそ市長のほうから見れば、そんなものはもう要らんのやというような考え方ではないかなというようなことを私は感じるわけですけれども、そうではないと思うんですね。まちづくりを順調にやっていって、そしてまた地域が今でも活性化してるところというのは、やっぱりこういうようなことが着実に実施されているところではないかなと感じるわけでございますので、ひとつこの公民館事業に対する補助金という考え方はね、それは何やと。
ある人は、公民館の事業というのは法設置で事業をされてるんやと。そしたら、これは事業そのものは全て市がやるべきものやと。だからそれをするところは全て委託金という形で、事業委託を受けて仕事をしていくんやというように解釈されておるわけですけれども、そういった物の考え方というのは出口参事、どうでしょうか。
議長(中山一夫君)
出口教育委員会事務局参事。
教育委員会事務局参事(出口裕弘君)
今の御質問で補助金の関係ですけれども、公民館活動を行っていただく場合、その公民館の実績によりまして補助をしております。その補助というのは多額ではございませんけれども、2分の1という形で補助をさせていただいております、上限はありますけれども。それで公民館活動を活発にしてもらうということで支援をしております。
しかしながら、先ほど言われましたとおり委託となりますと、その事業に対して地域の皆さんにお願いをするという形、そして費用をこちらが持って委託というような形、これ大変費用面ばかり言いますけれども、費用のほうもたくさんの自治会があり、またそういう組織があります。そんな中でそれをしていきますと、やはりちょっと全体の行政がやりたいという事業が進めないというようなこともなりますので、そこはお互い地域の皆さんとお互い協力するということで、今はその方向でやっていただいているということで御理解いただきたいと思います。
議長(中山一夫君)
5番、上田徳議員。
5番(上田徳君)
公民館は社会教育の一環として国と市町村に義務づけられた事務事業である、このことをやっぱり忘れてもらってはあかんと思うんです。ですから、市有地の草を刈るのは、これは業者に委託したところによって草を刈ってもらうというのと同じような意味合いで、こういった部分をお金の話じゃなしに、物の考え方の世界なんです。これはあなた方が勝手にやってくれるから私たちは2分の1補助しますよじゃないんですよね。これは宇陀市として皆さん方にぜひともやってもらいたいことなんやと、だからひとつやってくださいということで、委託金というような形の中で処理をしていく。この思いの差を審議会の方々は言っておられたように私は感じるんです。いろいろと議事録を見させてもらったらね。
やはりそういったことで、同じことですけれども違うんですよね。これは、私たちがソフトボールするから運動場貸してと言って、そしたら1000円やから半分補助金やるわと、そうじゃないと思うんですよね。やっぱり体力増進という形の一つスケジュールの中に宇陀市もあるんやったら、そしたら、じゃあそういったものを年間計画という一つの事業計画の中でやっていく分については、それなりのものとして受けとめていけるような体制が要るのではないかなと私は思うわけでございます。
そういった部分の中で、やっぱり審議会のほうも宇陀市公民館事業委託交付金制度というようなものもちゃんと答申書の中ではうたわれておって、こういうものの交付要綱を制定してやっていきなさいよと、こういうようなこともやっぱり示されてますね。こういったものの考え方について、答申をされた運営協議会に対する思いというのか、そこら辺は皆さん方どのようにお考えなんでしょうか。
議長(中山一夫君)
出口教育委員会事務局参事。
教育委員会事務局参事(出口裕弘君)
失礼します。
補助金の関係の答申の内容ということで、補助金に対しましては、その補助金を有効活用するように、そしてまた均衡を保ってないというところもありますので、均衡を保ってその補助金を地域に有効活用するようにというような、そういうような提案でございます。
以上です。
議長(中山一夫君)
5番、上田徳議員。
5番(上田徳君)
均衡というのは、それは地域に任せるから均衡という話になるんですよ。皆さん方が例えば56館あったところに同じ目で同じことを委託していっていれば、そういう不均衡、均衡は起こらないはずなんですよ。そこが皆さん方と今まで公民館活動をやってきた方々との大きな差ではないかと思います。
皆さん方の頭の中には、これは地域の方々が勝手にやっておるから、できてるところとできてないところがある、そういうようにしてますね。教育委員会の中には社会教育主事という方がおられますね。この方々の役割というのは、そういった地域の中に入って社会教育委員会をしっかりと地域に根差していくような働きをしなさいよと義務づけられているはずなんです。そうすると、地区公民館も自治公民館も分館も中央公民館も、それぞれの内容の差異はあっても、それぞれの取り組む機会均等というものは平等に与えられていくと私は思うんです。それが証拠に人推協の大会というのは、津々浦々まできちっと出てますね、細かな組織まで。どうですか、市民環境部長。
議長(中山一夫君)
堂芝市民環境部長。
市民環境部長(堂芝一成君)
人推協のお話出たところなんですが、人推協の中にも、やはりそういったことが細かに話をされて議論のほうをされております。
以上です。
議長(中山一夫君)
5番、上田徳議員。
5番(上田徳君)
人推協を形どっている五十幾つかの団体、ちょっと私、今メモを向こうへ置きましたけれども、あるんですけれども、そのうちの二十数カ所は、それぞれの地域の人権教育推進協議会あるいは人権教育推進委員会というような名称で、それぞれの代表者はその地域の公民館の館長さんがなってくださっているんです。あるいは自治会長さんがなってくださっている。多くは大体公民館長です。それは、やはり公民館というのは公設置という頭があるから、これは教育なんやと、地域の教育を自分たちはやっていかなあかんのやという立場の中で、公民館の館長さんは地域の方々に一生懸命訴えられて、そして地域での人権教育というものをしっかりとやられておるんです。
そういった部分のこれからは若干思いが、任意の団体になったら、わしらはもうその辺やいやい言わんでもええんやろうと、こういう分野になってくるやもしれませんね。そういう人権教育の後退につながらないような方策というのを、やっぱりこれはあくまでもその方々が公設置の中で、自分たちはそのことに対する先生なんやと、公民館長というのは先生なんやという位置づけで、施設条例という一つの位置づけだけではなしに、ちゃんとしたこういう事業主体をも踏まえたそういったものを含めた中での設置条例なんやと私は理解しますし、また、いろいろな社会教育法あるいは公民館の項、20条でしたか、40条でしたか、書いてあるけれども、きちっと公民館についてはそういったことをやりなさいと。
分館の定義は、私はもう今さら言うつもりはないけれども、地区や自治会は分館ではないというのは物すごく飛躍した考え方なんです。中央公民館というのも、そしたら国の法律の中には載ってないですよね。単なる公民館に分館を置くことができるということですけど、中央公民館なんていうのは公民館でも何でもないからわからんと解釈されて、何か皆さん方は自分たちが都合のいい側に解釈をして、地区や自治会は公民館ではないんやて、これは法設置のものと違う、そういうものを含めて私は分館という性格のものではないかな、だからそういう性格のものを細かく置きなさいよというのは、それは24年の話やと言ってしまったら終わりですけれども、でもそういうことの中で今日のいろいろな地域社会の形成の根幹を持ってきたのではないかなと思うし、これからもそういうことが地域においては大切ではないかなと思うわけでございますので、ひとつその点について、もう少し分館という考え方の中に、もう今さら入れよとは思わへんけれども、まちづくり協議会の中に入ってくる公民館の位置づけをやはり教育委員会の中でしっかりと捉まえていただきたいんですけれども、その点についてはどうなんでしょう。
議長(中山一夫君)
出口教育委員会事務局参事。
教育委員会事務局参事(出口裕弘君)
先ほど申しましたとおり、五つの公民館を社会教育法で言います公民館と位置づけさせていただくという条例提案をさせてもらっています。そのほかは違うということですけれども、その今外れた公民館に対しましては、公民館類似施設という位置づけをさせていただきまして、その中で公民館活動をしてもらう、公民館の拠点ということで、その中でお願いするということの位置づけで公民館活動をしていただきたいと。教育委員会のほうでは、そのように条例は外れましたけれども、まだ通ってませんけれども、外れたとしても、同じ活動ができる。そしてそれ以上に、私ども先ほど言ったように充実をしていただきたいというようなお話をしてますので、その方向に行ってもらいたいということで、公民館類似施設という位置づけのもとで動いてもらうということで考えております。
以上でございます。
議長(中山一夫君)
5番、上田徳議員。
5番(上田徳君)
言いたくはないけれども、そのようにやってもらいたい、今既にやってるところはあるし、そういうようにやっぱり皆さん方が指導していくという立場じゃないかなと私は言ってるわけです。
その団体に任せるのではないと、そのことがなかなか私のほうに届いてこない。あくまでも、まだこれはまちづくり協議会の中の公民館集団やというような位置づけではなしに、公民館という活動をするのは教育委員会の中でしっかりとその本質を捉まえて指導していくんやというその思いを私は聞きたいなと思うわけですけれども、時間がありませんので最後にコメントをいただければと思いますけれども、質問を終わりますけれども、まちづくり協議会は先ほども言ってましたように、23年4月から地域自治区の廃止において、法設置の地域協議会も同時に廃止されることによる地域の不安を解消していくために新たな制度として地域の声や団体の意見を吸収する協議会の設置を竹内市長が提唱され、そして23年・24年度の実行を含めて今提案された内容が基本的な部分で地域になかなか理解されない制度となっていますけれども、自治会長を初め関係する団体は、一生懸命何とか25年度に立ち上げたいなという思いを持ってやってくださってるんです。
ですから、そんなに厳しくね、今年度できなかったらもう知らんぞというような感じにならないような、ひとつ御指導いただきたいなというのが一つと、このまちづくり協議会が行政の請負団体のようなものにならないように、私たちも行政の進め方をしっかりとチェックしながら、住みよい暮らし、そして安らぎの宇陀市を創造していきたいなと考えております。
また、まちづくり協議会の設立の陰で活発に活動していた地域の公民館活動がここ二、三年、本当に急激にその推進力を低下させているように感じております。活動家や団体リーダーのモチベーションも下がっているのは事実でございます。
そんな中にあっても、従来どおりに地域コミュニティの核として活動している公民館もたくさんあるわけでございます。どうか行政の温かい支援をいただき、この社会教育の大切なまちづくりの活性化につながっていくようにお願いして、もし最後に市長のほうからコメントがございましたらお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
議長(中山一夫君)
竹内市長。
市長(竹内幹郎君)
いろいろ御心配をおかけいたしまして、また貴重な御意見いただきましてありがとうございます。
一つずつ話をさせていただきたいと思いますけれども、公民館活動そのものは終戦直後からあったものと思いますし、その社会的な背景と申しますのは、やはり私も上田議員も同じかと思うんですけれども、本当に高度成長期の中でワーカホリックのように働き、文化的な活動は一つもしない中で、何とか政府の中で文化的な活動もしたい意識の中で、活動支援に対する制度設計ができ上がったものと理解しております。
しかし、時がかわり、社会経済環境が本当に宇陀市も含めて日本全体が成熟した社会を迎えております。そうした中で社会環境が変わってきております。それは核家族化であったり地域の過疎であったり、その公民館の求めるべき姿が変わってきているのではないかなと思っております。そうした中で皆様方に御心配をおかけし、まちづくり協議会を設立をお願いしているところでございます。
そしてまた、宇陀市が誕生いたしまして9年目でございます。従前のことはいろいろ議論があろうかと思いますし、意見もあろうかと思います。
しかし、その中でまちづくり協議会という組織をつくっていただいて、そしてまた自治会と連動しながら、公民館と連動しながら、そして新たな室生地域をつくっていただきたいし、新たな宇陀市モデルと言われるような地域をつくっていきたいと考えているところでございます。
先ほど私の所信の中で話を申し上げましたとおりでございますし、再度話を申し上げますと、市民の皆様と行政の協働によるまちづくりを行うための設立を推奨してきたまちづくり協議会についてでございますけれども、宇陀市の将来、取り巻く社会環境を考えたとき、少子高齢化やひとり暮らし高齢者世帯の増加、核家族化の進行など世帯構造が変化する中で、いろいろ問題が生じていくと予想されることから、こうした地域課題を解決するために自分たちの地域は自分たちでつくるという考え方のもと、ある程度広域的な地域ぐるみで、住みよい地域の実現に向け課題を解決していくための組織がまちづくり協議会と理解しております。
本当に御苦労いただいておるわけでございますけれども、今6地域が設立していただいておりますけれども、設立されたまちづくり協議会をよりレベルの高いものに、これから設立地域もできることから進めていただきたいと思っております。
社会環境も変わってきたということでございますし、そんなことも含めながら、基本的には、やはり地域が元気になっていただくというように理解しております。今回の提案につきましても、全ての方が満足できるとは考えておりません。まず設立していただいて、Pdca、とにかく計画を立て実行し、またチェックしながら実行していきたいと考えております。修正して地域が元気になるように、また御理解、御協力をお願いしたいと思います。
宇陀市が10年目をもう少しすれば迎えるわけでございます。室生地域の新たな地域づくりを特色ある地域づくりを、公民館活動を期待しているところでございます。そんなことも含めながらよろしくお願い申し上げたいと思います。
公民館の制度設計につきましても、議員の理解されている制度設計も含めて、これから真摯に制度設計も含めて考えてまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解いただきますようお願い申し上げたいと思います。ありがとうございました。
議長(中山一夫君)
上田徳議員の質問が終わりました。
これをもちまして、一般質問を終わります。
以上をもちまして、本日の日程は全て終了いたしました。
お諮りいたします。
本日の会議はこれで散会いたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(中山一夫君)
異議なしと認めます。
よって、本日はこれまでとし、散会することに決しました。
次の本会議は、12月20日金曜日午前10時から再開いたします。
本日はこれで散会といたします。
大変御苦労さまでございました。
午後5時48分散会