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災害時の要援護者を守りましょう!

ページID:0001984 更新日:2024年12月16日更新 印刷ページ表示

地震や台風、豪雨などの自然災害や火災などによって、毎年のように尊い人命が失われています。
特に、高齢者や障がいのある人、乳幼児や妊産婦など「災害時要援護者(要配慮者)」と呼ばれる人たちは、体を動かすのが困難であるなどの理由で、災害時の対応が遅れることが多いため、大きな被害を受ける危険性が高くなります。そのような支援が必要な人たちが災害から身を守っていくためには、事前に十分な準備が必要です。
地域が一丸となってしっかりとした対策を立て、ご近所のご協力で災害犠牲者ゼロをめざしましょう。

みんなで知りましょう・・・「災害時要援護者(要配慮者)とは?」

必要な情報を迅速かつ的確に把握し、地震や風水害といった自然災害、火災から身を守るうえで、何らかのハンディキャップを抱え周囲の支援が必要になる人たちをいいます。
一般的に、体力的な衰えのある高齢者をはじめ、危険を判断し適確に行動できない乳幼児、そのほか妊産婦、病気や何らかの障がいのある人、日本語が理解できない外国人などがあげられます。

要援護者(要配慮者)の特性

  • 災害の危険を察知することが困難である。
  • 自分の身に危険が差し迫っても、助けを求めることができない、もしくは困難である。
  • 危険を知らせる情報を受け取ることや正しく理解することができない、もしくは困難である。
  • 危険を知らせる情報が送られてきても、それに対応して行動することができない、もしくは困難である。

みんなで知りましょう・・・「要援護者(要配慮者)への支援ポイント」

高齢者

表1

困ること

支援ポイント

  • 当人の状態などによってさまざま
    • 認知症などで危険の察知や状況判断ができない人がいます。
    • 自らの力で動けない人がいます。
    • 体力に自信がなくて避難できないことがあります。
  • 安心させて希望を聞く
    • まずは声をかけて不安を取りのぞき、どのような手助けが必要か聞きましょう。
  • さまざまな状況に対応が必要
    • ひとりでは助けられない場合がありますので、できれば複数の人で支援しましょう。
    • まず落ち着いてもらい、その人の体力に応じて、ゆっくり誘導しましょう。
    • 持出品などは持つよう心がけましょう。

支援ポイントの画像の画像1

乳幼児のいる家庭

表2

困ること

支援ポイント

  • 一時的に行動が制限される
    • 子どもを抱えての単独での避難は、本人も不安で危険をともないます。
    • 乳幼児を抱えての避難は大変危険です。また、持ち出し品もたくさん持てません。
  • 相手の希望を確認する
    • どのような手助けが必要か、まず聞いてみましょう。
    • 乳幼児を連れた人や妊産婦を見かけたら付き添うように心がけましょう。

支援ポイントの画像2

心身障がい者

表3

困ること

支援ポイント

  • 移動などが困難
    • 歩行に障がいがある場合は、移動が困難です。
    • 火災が起きても、瞬時の消火や避難が困難です。
    • マヒなどで言葉が不自由な人は、困っていること、支援してほしいことをうまく相手に伝えることが困難です。
  • 危険の察知が困難
    • 危険の察知や状況判断が困難で、逃げ遅れる場合があります。
    • 日常と異なる状況では、パニックになってしまうおそれがあります。
    • 被災状況がわからないため、危険の度合いが判断できず、とても不安であり、危険です。
    • 火災が起きると、とても不安であり危険です。外出時に被災すると、様子がわからず危険です。
  • 移動の手助けをする
    • 外から声をかけても、動けなくて出てこられないときがあります。場合によっては、ドアを壊して助け出す必要があります。
    • 車いすに乗った人を誘導するときは、車いすが通れる幅(約90cm)が必要になりますので、避難路等を考えておきましょう。また、段差や坂道などではゆっくり安全に移動させましょう。
  • 相手の希望を確認する
    • 言葉が不自由な人の話は、ゆっくり聞くよう心がけましょう。
    • どのような手助けが必要か書いたものを身につけていれば、それに従いましょう。
    • 筆談等のコミュニケーションによりどのような支援を求めているかを正確に把握しましょう。
  • 落ち着かせる、働きかけをする
    • 冷静な態度で接し、本人を安心させ、落ち着かせるようにしましょう。必ず誰かが付き添い、ひとりにはしないようにしましょう。
    • 体に触れたりすることで、よけいに混乱したり、大声をあげたり、予期しない行動をとる場合がありますが、しかったりしないようにしましょう。
    • 災害時には、手を引くなどして安全な場所へ誘導しましょう。

支援ポイントの画像3支援ポイントの画像4

目が不自由な人

表4

困ること

支援ポイント

  • 普段困ること
    • 災害時に備えて近所付き合いをしようとしても、目が不自由なため自分から声をかけることができない。
  • 移動が困難
    • 普段は白杖(はくじょう)を使ってひとりで動くことができていた人も、被災時には街の様子が変わってしまうので、ひとりで動くことができません。
    • 被災時には、自発的には避難できません。
  • 状況がわからない
    • 支援者がそばにいることがわからないので、自分から助けてほしいと声をかけることができません。
    • 被災状況がわからないため、危険の度合いが判断できず、とても不安であり、危険です。
    • 火災が起きると、とても不安であり危険です。
    • 外出時に被災すると、様子がわからず危険です。
  • 支援者から声掛けをする
    • 声をかけないと本人にはわからないので、支援者の人は普段から声をかけるようにしましょう。
    • 目が不自由で困っている人、助けを求めている人を見たら、できるだけ声をかけて助けましょう。
    • 火災が起きたときは不安が大きいので、どこが火事で、危険かなどをいち早く教えましょう。
  • 誘導のポイント
    • 誘導するときは、肘につかまってもらい、歩行速度に気を付けながら支援者が先に立って誘導しましょう。
    • 誘導時に階段等がある場合は、一段一段伝えて注意を促し、段差に気を付けて安全に誘導しましょう。

支援ポイントの画像5

  • 文字情報に注意
    • 張り紙などの文字情報等から取り残されてしましますので、できるだけ声に出して、情報を伝えましょう。

耳が不自由な人

表5

困ること

支援のポイント

  • 普段困ること
    • まわりで話していることがわからないので、コミュニケーションをとりにくいことがあります。
  • 言葉だけでは伝わらない
    • 音声での情報が伝わりません。
    • 耳が不自由だからといって、必ずしも手話ができるわけではありません。
    • 駅など大勢の人がいる場所で被災したら、声だけの避難指示や誘導には対応できません。
    • 火災が起きても、119番通報で情報を伝えることができません。
  • 直接働きかけをする
    • 耳が聞こえなくて困っている人、助けを求めている人を見たら、肩を軽くたたくなどの合図して、助けましょう。
    • ひとり暮らしの人には、外から声をかけたり、ノックをしたりしても聞こえませんので、場合によってはドアを壊して助け出す必要があります。

支援ポイントの画像6

  • 手話が使えない場合
    • 手話が使えなくても、携帯電話や手書きのメモを見せたり、手ぶりや、手のひらに指で字を書くなどして情報を伝えましょう。
    • また、正面から顔をあわせ、口をゆっくり大きくあけてしゃべり、唇の動きをみてもらうなどしてコミュニケーションをとりましょう。

支援ポイントの画像7

外国人

表6

困ること

支援ポイント

  • 生活習慣の違いから困ることがある
    • 言葉で伝えきれないため、ちょっとしたことで不便を感じる時があります。
  • 言葉だけでは伝わらない
    • 言葉でのコミュニケーションが難しいため、状況を把握したり助けを呼んだりすることが困難。そのため、逃げ遅れる危険性が高くなります。
  • 外国語が話せない場合
    • 簡単な絵を使うことやジェスチャーによりコミュニケーションがとりやすくなる。
      支援ポイントの画像8
  • 簡単な日本語ならつうじることもあります。
    支援ポイントの画像9
  • 緊急時には、手を引くなどして安全な場所へ誘導しましょう。

奈良県災害時外国人支援マニュアル(外部サイトへリンク)

みんなで知りましょう・・・「災害発生時の要援護者(要配慮者)支援の流れ」

要援護者(要配慮者)を支援するときの心得

表7

相手を尊重する

  • 援助だからといって、何でも押しつけをせず、相手の立場を尊重しましょう。

コミュニケーションをとる

  • 相手の希望にそうことができるように、密なコミュニケーションをとることを心がけましょう。

笑顔で接する

  • 笑顔は安心につながり、不安な気持ちを取りのぞきます。

プライバシーを守る

  • 相手の立場を尊重し、要援護者(要配慮者)の秘密は絶対に守りましょう。

出来ない支援や無理な約束をしない

  • 無理な約束をしないようにしましょう。事故などにつながります。

医療行為をしない

  • 骨折の手当や止血、要援護者(要配慮者)からの指示に従って援助する。服薬を除き、薬を飲ませる等の医療行為はしない。医師などの専門家に相談しましょう。

要援護者(要配慮者)と支援者等の交流・支援づくり

災害時に、要援護者(要配慮者)の安否確認や避難誘導をするためには、日ごろから地域の人たちと要援護者(要配慮者)が交流し、協力して支援体制をつくることが必要です。お互いの交流を深めるために必要なことを知っておきましょう。

平常時の対応・・・「要援護者(要配慮者)は?」

地域の人との積的なコミュニケーション

  • 日ごろから隣近所や地域の人とあいさつを交わすなど、自ら積極的に声をかけ、災害に備えて何を必要としているのか理解してもらいましょう。
  • 地域活動等にも積極的に参加し、地域の人との交流を深めましょう。
  • 災害が起きたときに、周囲の状況を教えてもらったり、避難時にひとりで逃げるのに不安がある人は日頃から地域の人に支援してもらえるよう、話しておきましょう。
  • 消防署や病院、支援者などの連絡先を確認しておきましょう。

避難行動要支援者台帳への登録

  • 災害時に家族等の支援が困難で何らかの助けを必要とする高齢者や障がい者等の方が、災害時における支援〈災害情報の提供や安否確認、避難支援等〉を受け、安全確実に避難等していただくための登録制度(避難行動要支援者台帳登録制度)です。
  • 自主防災組織や自治会、民生児童委員の人が状況把握のため訪問します。災害が起こった時に、助け合いをスムーズにするためです。
  • 対象となる方(避難行動要支援者)
    ア要介護認定3~5を受けている者
    イ身体障がい者手帳1・2級(総合等級)の第1種を所持するもの(心臓・腎臓機能障害のみでの該当者は除く)
    ウ養育手帳Aを所持する知的障がいのある者
    エ精神障がい者保健福祉手帳1・2級を所持する者で単身世帯の者
    オ市の生活支援を受けている難病患者
    カその他市長が認めた者(要介護3以上の認定は受けていないが、自力での避難が困難と市長が認めた者)
  • 上記のア~オに該当し、登録を希望する方は、所定の「避難行動要支援者台帳登録申請書」及び「個別計画(避難行動計画書)」に必要事項を記入し提出してください。
  • 避難行動要支援者台帳登録申請書(第1号様式の1) (PDFファイル:741KB)
    ※詳しくは、介護福祉課または、危機管理課にお尋ねください。

防災訓練への参加

  • 防災訓練にも積極的に参加し、避難経路や危険個所、避難所を確認しておきましょう。
  • 災害時にどのような支援が必要となるのかを、訓練を通して自ら確認し、地域の人にも理解してもらいましょう。

平常時の対応・・・「支援者等は?」

要援護者(要配慮者)との積極的なコミュニケーション

  • 日ごろから近隣に住む高齢者や障がいのある人などとあいさつを交わすなど、交流を持ちましょう。
  • 自治会での活動や行事などを通じて、お互いに交流を深めましょう。
  • 地域のボランティア活動に参加するなどして、日ごろから近くに住む高齢者や障がいのある人と接する機会を持ちましょう。

要援護者(要配慮者)との積極的なコミュニケーションの画像

要援護者(要配慮者)の把握

  • 隣近所の人たちが、近くにどんな人が住んでいるのか知っているケースがあります。プライバシーや本人の意思などに配慮しながら、自治会や自主防災組織で要援護者(要配慮者)に対して、隣近所の範囲でどのような助け合いができるかを話し合っておきましょう。

自主防災組織や自治会などによる支援

  • 寝たきりの高齢者や体の不自由な人などの避難を支援する方法として、担架や背負うことができる幅広のひもなどを用意しましょう。
  • 災害が起きたときの安否確認や避難支援などの役割分担をきめておきましょう。
  • 災害が起きたときに担当者が支援に行けない場合を想定して、複数の人が手助けできる体制を作っておきましょう。
  • 自治会や自主防災組織などが、災害時の要援護者(要配慮者)の防災対策に取り組んでいることを、地域の人や高齢者や障がいのある人に知らせておきましょう。

防災訓練への参加

  • 要援護者(要配慮者)と一緒に避難経路や避難所が確認でき、また避難時の要援護者(要配慮者)のニーズを知ることができます。お互いに声をかけ合って参加しましょう。
  • 災害が起きたときに、支援者側も冷静な対応ができるよう、定期的に防災訓練を実施することが大切です。
  • 目や耳の不自由な人などがいますので、訓練の内容を工夫しましょう。車いすやリアカーなどを使い、危険個所を避けて避難所までたどり着けるか確認しておきましょう。

防災訓練への参加の画像

災害時の対応・・・「地震が発生!そのとき、どうする?」

災害発生時には、まず自分の身の安全を確保することが大切です。また、周囲の人に支援を求める際は、自分がどのような手助けを必要としているのかをわかってもらうことが大切です。

突然、地震が発生した場合、要援護者(要配慮者)は、ひとりでは身の安全を確保することが困難です。災害時、地域の人は積極的に声をかけ、手助けしましょう。また、要援護者(要配慮者)も、できる範囲で自分自身の身の安全を確保していきましょう。

要援護者(要配慮者)は・・・・

表8

室内の場合

  • 転倒しそうな家具から離れましょう。
  • 落下物から身を守るため、座布団などで頭を保護しましょう。
  • 慌てて外に飛び出し、落下物でケガをしないようにしましょう。
  • 揺れがおさまってから、火の始末や出入口を確認しましょう。

外出時の場合

  • 落下物から身を守るため、持ち物などで頭を保護しましょう。
  • ブロック塀や自動販売機など倒れやすいものから離れましょう。

火災発生の場合

  • 「火事だー!」と大声を出し、家族や隣近所などの人に協力を求めましょう。声が出なければ、ヤカンや鍋など音の出るものをたたいて異変を知らせましょう。
  • 119番通報しましょう。
  • 消火器などを使用して初期消火に努めましょう。

目の不自由な人の場合

  • 自宅にいるときに地震が発生したら、揺れがおさまり次第、ストーブやコンロなどの火気を家族や近所の人に確認してもらいましょう。
  • 落下物やガラス類の破片でけがをしないように、周囲の状況を教えてもらいましょう。
  • 外出時に地震が発生したら、まわりの人に声をかけ、周囲の状況を教えてもらいましょう。また、安全な場所への誘導も頼みましょう。

耳の不自由な人の場合

  • 自宅にいるときに地震が発生したら、揺れがおさまり次第、家族や近所の人などに周囲の様子などを教えてもらいましょう。
  • 外出時に地震が発生したら、まわりの人に筆談などで周囲の情報を教えてもらいましょう。また、安全な場所への誘導も頼みましょう。

肢体が不自由な人の場合

  • 自宅にいるときに地震が発生したら、揺れがおさまり次第、ストーブやコンロなどの火気を家族や近所の人に確認してもらいましょう。
  • 車いすを利用している人は、地震の揺れがおさまるまでは車いすのブレーキをかけ、落下物から身を守るために身近にあるもので頭を保護しましょう。また、車いすで避難できる経路が確保されているかどうか確認しましょう。

支援者等は・・・

表9

自宅にいるときに地震が発生した場合

  • 大きなテーブルの下に要援護者(要配慮者)を保護したり、座布団をかぶせたりするなどして家具転倒や落下物から要援護者(要配慮者)を守りましょう。

目の不自由な人に対しては

  • 揺れがおさまり次第、ストーブやコンロなどの火気を確認し、周囲の状況を伝えましょう。
  • 外出時に地震が発生したら、まわりの状況を伝え、安全な場所へ誘導しましょう。

耳の不自由な人に対しては

  • 外出時に地震が発生したら、被害の状況などを筆談などで伝え、安全な場所へ誘導しましょう。

災害時の対応・・・「風水害が発生!そのとき、どうする?」

洪水や土砂災害など風水害が発生してからでは、要援護者(要配慮者)は逃げ切れない危険性があります。当市では、人命の危険が高まってきた段階で、避難指示に先立ち、「高齢者等避難」を発令しますので、地域の人たちと相談し、早めに避難するよう心がけましょう。

「高齢者等避難」とは、災害発生のおそれがある、または、発生した場合において、特に要援護者(要配慮者)の避難が必要とされるときに発令されます。

安全に避難するために・・・

表10

水害・高潮災害
水害・高潮災害の画像

  • 水深50cmを上回る(ひざ上までの水)場所での避難は危険。
  • 水の流れが速い時は、水深20cm程度でも歩くことができないことがある。
  • 用水路などへの転落のおそれがある場所では、水深10cmでも危ない。
  • 水が押し寄せて、歩くことが危険になった場合は、自宅や隣接建物の2階などへ急いで避難する。

土砂災害
土砂災害の画像

  • 防災マップなどで確認し、ほかの土砂災害危険区域内を通らない。
  • 逃げる時間がない場合は、比較的高い鉄筋コンクリート造等の堅固な建物の2階以上で、斜面と反対側の部屋に避難する。

災害時の対応・・・「安否の確認と情報伝達、避難誘導」

要援護者(要配慮者)は、情報の入手や理解が困難であるので、支援者等は災害発生直後に、周囲の安全に注意をはらいながら、要援護者(要配慮者)の安否を確認し、必要な情報を伝達することが大切です。また、避難が必要な場合も、要援護者(要配慮者)が必要とする支援に必要とする支援に注意して行いましょう。

安否の確認

  • 安否を確認し、避難所へ誘導しましょう。
  • 避難が不要な場合でも、要配慮者が孤立しないように声をかけましょう。
  • 本人からの申し出があった場合、家族や緊急連絡先などへの連絡に協力しましょう。

情報格差をなくす

  • 簡潔でわかりやすい言葉を使いましょう。
  • 耳の不自由な人や高齢者、外国人に対しては、大きな声でゆっくり、はっきり話しましょう。
  • 重要な情報は、一軒ずつ住宅を回るなどして確実に伝えていきましょう。
  • 口頭で伝えるだけでなく、文書も配布しましょう。
  • 文字による伝達は、大きくわかりやすい字で、外国人や子どもなどにも伝わるよう、ひらがなを多く使うなど配慮しましょう。
  • 数字に関する情報は、誤解などを生む危険性があるので、特に注意しましょう。

避難所への誘導

避難誘導の際には、事前に複数の避難経路を把握したうえで、安全なルートなのかを確認しながら、要援護者(要配慮者)を避難所へ誘導しましょう。また、要援護者(要配慮者)の避難誘導については、要援護者(要配慮者)それぞれの特性を理解したうえで支援しましょう。

表11

誘導の基本

  • 周囲の状況や避難の指示など伝えて、避難所へ誘導しましょう。

寝たきりの高齢者の場合

  • 一人での援助が困難な場合は、隣近所や自主防災組織、自治会などで協力し、担架や毛布などを使って避難を手伝いましょう。

寝たきりの高齢者の場合の画像

目の不自由な人の場合

  • 誘導する人の肘の少し上をつかんでもらいます。その際、誘導する人は、白杖(はくじょう)の邪魔にならないように気を付けましょう。

目の不自由な人の場合の画像1

  • 支援者が白杖を持って誘導することは目の不自由な人が歩きにくくなるので避けます。
  • 誘導する人は目の不自由な人より半歩前を歩き、絶えず進行方向の状況を知らせます。
  • 階段などの段差がある場合は、階段の直前でいったん止まり、段差があることと、上りか下りかを伝えます。誘導する人が一段先を歩くようにします。上りきったり、おりきったりしたときも、そのことを伝えます。

目の不自由な人の場合の画像2

  • 危険な場所がある場合は、その状況を具体的に伝え、一番安全な方法で誘導しましょう。
  • 盲導犬と一緒の場合は、盲導犬に触れたり、引っ張ったりしないように。盲導犬の反対側を歩いて、方向などを説明しながら誘導しましょう。

目の不自由な人の場合の画像3

車いすの介助のポイント

  • 上り坂の時は、進行方向に前向き、下り坂の時は進行方向に後ろ向きになって進みます。ひとりでの介助が無理なときは数人で力を合わせます。

車いすの介助のポイントの画像1

  • 段差を上がるときは、ステッピングバーを踏み、ハンドグリップを押し上げ、前輪を段の上にのせてから、後輪を段の上に上げます。

車いすの介助のポイントの画像2

  • 段差を下りるときは、後ろ向きになって、まず後輪を下ろし、次に前輪を浮かせながら後ろに引き、前輪をゆっくり下ろします。

車いすの介助のポイントの画像3

災害時の対応・・・「避難所での配慮」

要援護者(要配慮者)は避難所での生活でさまざまな手助けを必要としています。ハンディの内容や程度によって必要となる支援が異なりますので、よく理解した上で対応し、できるだけ早く支援体制をつくるなど、お互いに助け合うことが必要です。

表12
正しい情報の伝達
  • 災害に関する情報や連絡事項を伝えるときは、放送や口頭による連絡方法だけでなく、掲示板による方法を併用しましょう。

要援護者(要配慮者)への声かけ

  • 日常と異なる状況にいるため、精神的に不安になりがちです。話し相手になるなど、積極的に話しかけましょう。

福祉避難所などへの移動支援

  • 要援護者(要配慮者)は、福祉避難所などの設置後、そちらに移動することが想定されるので、移動がスムーズにできるように手伝いましょう。
救援物資などの受け取り
  • 食料や救援物資などの受け取りを手伝いましょう。

要援護者(要配慮者)別の配慮

表13

高齢者や内部障がいのある人の場合

  • 避難所での生活で体調を崩しやすいので、室内での保温や寝具、食事などに配慮しましょう。
  • おむつ交換や補装具交換が必要なときは、ついたてやカーテンを設けるなどの配慮をしましょう。
目の不自由な人の場合
  • 避難所では、自分の位置が把握しやすいように壁際のスペースを確保するなど、配慮しましょう。
  • 掲示物による情報を得ることができないので、まわりの人が読み上げ、情報を伝えましょう。
  • 盲導犬を連れている人もいるので、避難所での生活ではまわりの人が配慮するよう心がけましょう。
耳の不自由な人の場合
  • 放送や口頭連絡などでは、情報を得ることができません。まわりの人が筆談などして情報を伝えましょう。
  • 手話通訳者を確保するなどして、情報を伝えましょう。

耳の不自由な人の場合の画像

肢体の不自由な人の場合
  • 簡単なスロープを取り付けるなど、段差を解消しましょう。
  • トイレに手すりを取り付けたり、洋式トイレを設置するなどの工夫をしましょう。
妊産婦や乳幼児の場合
  • 安静が必要な妊婦や、おむつ交換、授乳などが必要な乳幼児が過ごすことができるよう、別室やついたてなどを用意し、スペースを確保しましょう。

外国人・日本人旅行者の場合

  • 日本語が理解できない場合は、通訳のできる人を確保し、災害に関する情報などを伝えましょう。

外国人・日本人旅行者の場合の画像1

  • 海外旅行用の会話集などがある場合はそれらを活用し、正しい情報を伝えましょう。

外国人・日本人旅行者の場合の画像2

  • 日本人旅行者の場合は、被害状況や交通情報など、安全に帰宅するために必要な情報を伝えましょう。

外国人・日本人旅行者の場合の画像3

災害時への備えをお忘れなく

大規模災害が発生すると、ライフラインや流通機能がストップする恐れがあります。いざというときに慌てないように、避難時(災害時)に必要な最小限のものを非常持出袋などに入れ、すぐに持ち出せるようにしておきましょう。また、事前の準備は大丈夫なのかを常に確認しておきましょう。

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